結合組織
結合組織(けつごうそしき、英: connective tissue)は、生物の組織の一種であり、体内の多様な構造を支え、組織や器官の間を埋める役割を担う。骨、軟骨、皮膚、腱、靭帯、血管などがある。細胞成分が比較的少なく、その間を豊富な細胞外マトリックスが満たしている点が特徴である。細胞外マトリックスは主にコラーゲンから構成されるため、結合組織は体の支持や衝撃吸収に関与し、組織や器官の強度と柔軟性を保つ。発生学的には中胚葉に由来する[1]。
分類
[編集]結合組織は大きく線維性結合組織、骨組織、軟骨組織、血液・リンパに分けられる。骨組織、軟骨組織、血液・リンパはまとめて「特殊結合組織」と呼ばれる[2]。
線維性結合組織
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特殊結合組織
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結合組織の構造
[編集]結合組織は、大きく「細胞」と「細胞外マトリックス」から構成される。細胞外マトリックスはさらに線維と基質に分けられ、これらの割合や性質の違いが組織の特徴を決定する。
細胞
[編集]結合組織には、その種類や機能に応じて多様な細胞が存在する[3]。
細胞外マトリックス
[編集]細胞外マトリックスは、細胞の周囲を満たす物質であり、結合組織の物理的特性を決定する。主に線維と基質からなる。
- 線維:タンパク質から成る線状の構造物で、組織の強度や弾力性を担う。
- 基質:細胞と線維の間を満たす水分を含んだゼリー状の物質である。グリコサミノグリカンやプロテオグリカンに富み、栄養や老廃物の輸送経路として働くとともに、組織の弾力性を維持する。
機能
[編集]結合組織は、臓器の支持、栄養や老廃物の輸送、防御反応、脂肪の貯蔵、損傷組織の修復など、多くの機能を持つ。大部分の結合組織は細胞・線維・基質から構成されるが、血液やリンパのように線維を持たない特殊な結合組織もある[4]。
発生
[編集]結合組織は主に中胚葉に由来する。胎児では「間葉」と呼ばれる未分化の結合組織から骨や軟骨、腱などが作られていく。代表例として、へその緒に存在する「ワルトンゼリー」が挙げられる。これは膠様組織(こうようそしき)と呼ばれ、胎生期にみられる結合組織の一種である[4]。
結合組織の疾患
[編集]遺伝性及び非遺伝性の結合組織の疾患が確認されている。
- マルファン症候群 - 弾性線維の形成に関与するフィブリリン遺伝子の異常によって発症する遺伝性疾患。
- 壊血病 - ビタミンCの食事性欠乏によるコラーゲンの異常によって引き起こされる。
- エーラス・ダンロス症候群 - コラーゲンの進行性変化によって引き起こされる遺伝病。型によっては、原因はいまだ不明である。
- ロイス・ディーツ症候群 - 結合組織の形成に関わる遺伝子の変異によって引き起こされる。
- 弾力繊維性仮性黄色腫 - 皮膚、眼、心臓血管系に影響を与える石灰化と弾性線維の崩壊を引き起こす常染色体劣性遺伝病。
- 全身性エリテマトーデス - 多くは若い女性に認められる、自己免疫が関与すると考えられる慢性の多臓器性の炎症異常。
- 骨形成不全症 - 結合組織の主要な成分であるI型コラーゲンの遺伝子変異による疾病。
- 進行性骨化性線維形成異常症 - 結合組織の疾病。
- 自然気胸 - 結合組織の微妙な異常が原因と考えられる肺の虚脱。
- 非上皮性悪性腫瘍 - 結合組織を起源とする悪性腫瘍。
結合組織の染色
[編集]顕微鏡観察のために用いられる結合組織染色の大部分は、線維の染め分けを目的としている。以下のどの染色法を用いても、コラーゲンを明瞭に染めることが可能である。
- ワンギーソン染色
- マッソン・トリクローム染色
- アニリン青染色(マロリー法およびKrajian法)
- アゾカルミン染色
脚注
[編集]- ↑ Mapping the Ligand-binding Sites and Disease-associated Mutations on the Most Abundant Protein in the Human, Type I Collagen.
- ↑ “人体の組織分類と結合組織について”. 2025年9月11日閲覧。
- ↑ “College of Medicine Biology(General Histology)Prof.Dr.MahdiAlhety 2019-2020 Connective Tissue”. 2025年9月10日閲覧。
- 1 2 Kamrani, Payvand; Marston, Geoffrey; Arbor, Tafline C.; Jan, Arif (2025), Anatomy, Connective Tissue, StatPearls Publishing, PMID 30860769 2025年9月11日閲覧。
参考文献
[編集]- 伊藤隆 著、阿部和厚 改訂 『組織学 改訂19版』 pp. 78-126 南山堂 2005年 ISBN 4-525-11019-8