王鵬幸之介
| ||||
---|---|---|---|---|
![]() | ||||
基礎情報 | ||||
四股名 | 納谷 幸之介→王鵬 幸之介 | |||
本名 | 納谷 幸之介 | |||
生年月日 | 2000年2月14日(20歳) | |||
出身 |
![]() | |||
身長 | 191cm | |||
体重 | 175kg | |||
BMI | 49.51 | |||
所属部屋 | 大嶽部屋 | |||
得意技 | 突き、押し | |||
成績 | ||||
現在の番付 | 西十両11枚目 | |||
最高位 | 西十両11枚目 | |||
生涯戦歴 | 80勝47敗(17場所) | |||
優勝 | 序ノ口優勝1回 | |||
データ | ||||
初土俵 | 2018年1月場所 | |||
趣味 | 漫画を読むこと | |||
備考 | ||||
2021年1月24日現在 |
王鵬 幸之介(おうほう こうのすけ、2000年2月14日 - )は、東京都江東区出身で、大嶽部屋所属の現役大相撲力士。本名は納谷 幸之介(なや こうのすけ)。身長191cm、体重175kg、血液型はA型[1]。最高位は西十両11枚目(2021年1月場所)。
父は元関脇の貴闘力忠茂、祖父は第48代横綱の大鵬幸喜[2]。長兄はプロレスラーの納谷幸男[3]。次兄は同部屋の鵬山幸林。弟は同部屋の夢道鵬幸成。従兄は元大相撲力士の若闘力駿磁。曽祖父はマルキャン・ボリシコ。
来歴[編集]
入門前[編集]
父親は元関脇・貴闘力(2000年当時は現役幕内力士)、母親は第48代横綱・大鵬(同、大鵬親方)の娘という家に、三男として誕生した[4]。中央区立有馬小学校1年次から地元の相撲道場(江東青龍館)に通い、4年次には全国大会で準優勝の実績を残している[5]。さいたま市立大宮西中学校を経て埼玉栄高校保健体育科に進学すると相撲部に所属し、3年次に国体少年の部の個人と団体の両方で優勝した[6]。
高校卒業後の進路については、祖父の興した大鵬部屋の後身に当たる大嶽部屋(十両・大竜)への入門の意向を元々持っており、当初は国体終了後の2017年11月場所で初土俵を踏む予定だった[7]。ところが、優勝により12月開催の全日本相撲選手権大会の出場資格を得たことから、大相撲入りを延期した[8]。同大会では予選落ちだった[9]。全日本選手権終了後の2017年12月19日に大嶽部屋入門を正式に発表した[10]。四股名は本名と同じ「納谷」となり、初土俵は高校卒業を待たず2018年1月場所で踏むことになった。同期生には第68代横綱・朝青龍の甥の豊昇龍がおり、奇しくも元横綱の親族が2人同時に初土俵を踏むことになった[11]。
入門後[編集]
初土俵の場所は前相撲で3連勝し、この場所で前相撲を取った14人の中で最初に新序出世を決めた[12]。新序出世披露では、大鵬が現役時代に使用した化粧廻しを締めた[13]。翌3月場所では7戦全勝で序ノ口優勝を遂げた[14]。序二段に上がった5月場所は、6番目の相撲で入門以来初めての黒星となったが[15]6勝1敗で終え[16]、三段目に上がった7月場所も6勝1敗だった[17]。 幕下に上がった9月場所は3勝4敗と入門後初めて負け越した。2019年1月場所は5日目の3番相撲から3連敗したが、3敗目を喫した場所10日目の夜に父に呼び出され「土俵で気迫が足りない。はたかず最後まで突き放していくように」と一喝された。これに気合が入ったのか、そこから残りを勝って4勝3敗と勝ち越し[18]。
2019年は番付を駆け上がり、幕下上位初挑戦となった7月場所では西幕下6枚目で3勝4敗と負け越したが、9月場所では東幕下10枚目で4勝3敗、11月場所では東幕下7枚目で4勝3敗と2場所連続で勝ち越した。
2020年7月場所2日目の1番相撲では三役経験者の常幸龍と対戦し、廻しを切りながら前に出て土俵外に出す相撲を取った(決まり手は押し出し)[19]。
西幕下筆頭で迎えた2020年11月場所に6勝1敗の成績を収める[20]。2021年1月場所での新十両昇進にあわせ、「王鵬」に改名[21]。この四股名は、王鵬が幼少期の頃に師匠が考えたものである[22]。祖父、父親、子と3世代で関取になった例は琴ノ若以来の2例目(ただし祖父と父は元養子縁組関係)。11月25日に部屋で行われたリモート会見では「小さい時におじいちゃんの相撲を(ビデオで)見て。相撲のカッコよさを感じたのは、おじいちゃん。今でもかっこいいなというのはあります」と祖父への想いを語り、「親方にも、悔しかったらやるしかないぞといわれた。自分の中では誰よりもやっているつもりで、それが結果につながったのかなと」と昇進に繋がった理由を分析した[23]。この昇進によって、祖父の出身地、北海道弟子屈町から化粧廻しが贈呈されることとなった[24]。2020年12月24日に令和3年初場所の番付が発表され、「王鵬」の四股名と十両昇進が掲載された[25]。
新十両昇進後[編集]
新十両となった2021年場所初日に水戸龍と対戦し、左の張り差しで出足を止められ、右四つから上手投げで負けた。「頭に入れてなかった。体重を乗せきれなかった」と悔やんだが「体の調子は良くて踏み込みは良かった」と気持ちを切り替えた。初めて経験した土俵入りも人数が少なかったが「あまり人数が多いときを知らないので気にならなかった」と話し、「残り14番いい相撲を取りたい。勝てるだけ勝って、番付を上げていきたい」と意気込んだ。[26]。2日目は宇良に負けて関取初白星はお預け。立ち合いから突き放しにいくも重心の低い宇良に力が伝わらす、左腕を手繰られて押し出された。「自分が思ったよりも低かった。何もさせてもらえなかった」と完敗だった。[27]。3日目は貴源治に勝利し、関取初白星を挙げた。本来は押し相撲だが、貴源治に左四つ。右から抱え込み、まわしも取れない厳しい体勢だったが、グイグイ前に出て寄り切った。初白星に「とりあえずよかったです。攻め続けられたのがよかった」。「時間の使い方が分からなかった」と初日、2日目の反省をへて「今日は体が冷えずに土俵へ行けましたね」。時間の流れをつかみ、白星をつかんだ。[28]。4日目は「全体的に(体が)高かったと思う」と常幸龍のペースで受けに回った。いったんは土俵際まで攻め込みながら、逆襲を食らって最後は押し出されて負けた。「連勝が続いたらと思ったが、負けてしまったんで」と語った[29]。5日目は竜虎を下して2勝目を挙げた。立ち合い相手の突っ張りをはねのけて前へ出ると、粘る相手をもろ差しから左一本で押し出した。「今日は出足よくいけたのでよかったです。いろいろやってくる相手なので、よく見ていきました」。前へ出る相撲で連敗を免れ「まだ(十両の所作などの)流れをつかみきれていないので、思考錯誤しながらやっていきたい」と前を向いた。[30]。5日目は同じく新十両の東白龍に押し出され、4敗目を喫した。「当たってしっかり前でとらえていこうと思ったが、左右に動かれてしまった」。相手の動きに翻弄(ほんろう)され、最後は体が起きてしまった。同じ新十両の相手だっただけに「今日は負けちゃいけないと思っていたんですけど」という思いが空回りした。「切り替えるとかじゃなく、ちゃんと自分の相撲がとれるよう頑張ります」と気持ちを入れ直した。 [31]。6日目は勢と対戦し立ち合い左を差して前へ出たが、土俵際で勢に右の突き落としを食って逆転負け。連敗で5敗目を喫した。この場所は初日からリモート取材を受けてきたが、この日は対応しなかった。[32]。中日は松鳳山を下して3勝目。立ち合い頭で当たり、相手をよく見て突き出した。帰り際のリモート取材には対応せずに引き揚げた。[33]。10日目は大翔丸にはたき込まれ、7敗目を喫した。1月19日は祖父大鵬の命日。十両土俵入りでは9日目から祖父の好んだ「忍」の文字が入った化粧まわしを着用し、特別な日へ思いを込めたが勝利は逃した。前へ出て攻め、気持ちは全開だったが、うまさにやられ、前のめりにバッタリ。「調子自体はめちゃめちゃいい。引いて負けるなら、前に出た方が星もついてくる」と話した。大鵬の命日はこれでプロ入り後、3連敗。「一番も勝てていないのできょうこそはというのはあるけど…」と語り、「自分では特別な日。負けるより勝つ方がいい」と悔しがった。初の十両土俵を祖父も喜んでいる、と問われると「まだまだだと思う」と気を引き締めた。知人から贈られた「忍」の化粧廻しを着用し「常に心にある言葉。稽古もためになる、きついことなので」と、我慢を心に刻んだ。[34]。11日に8敗目を喫し、新十両場所での負け越しが決まった。美ノ海に立ち合いで起こされると、引き技に前のめりになり、なすすべなく押し出された。リモート取材には応じなかった[35]。13日目は東龍に敗れて4勝9敗。右をのぞかせ、左でおっつけるが、両まわしを引かれると苦しかった。「(相手が)どっちの四つでも取れる。離れたかったけど、つかまってしまった」。寄り切られ、東龍のかかとが先に出ているのではと物言いがついたが、行司軍配通りだった。 14日目、千秋楽次第では幕下陥落もあり得る状況となり、「相撲も攻めている。切り替えて、自分が攻める相撲を取れたらいい」と必死に前を向いた。[36]。
取り口[編集]
突き押しが得意だが、引き癖が弱点。筋力が付いて突き押しの馬力が増したことによって十両昇進をつかんだ。十両昇進の際に舞の海から「四つ相撲を覚えてほしい」と期待された[37]。
人物[編集]
- 自他共に認める「おじいちゃん子」。十両昇進時の報道によると、場所が終われば、欠かさず祖父の墓前に足を運ぶという[38]。
- 12月4日に弟子屈町の大鵬相撲記念館に訪れた際に、自分も記念館を作ってもらえるような力士になりたいと抱負を語った[39]。
主な成績[編集]
2021年1月場所終了現在
- 通算成績:80勝47敗(17場所)
- 通算勝率:.653
- 十両成績:5勝10敗(1場所)
- 十両勝率:.333
- 幕下成績:52勝32敗(12場所)
- 幕下勝率:.586
- 三段目成績:10勝4敗(2場所)
- 三段目勝率:.714
- 序二段成績:6勝1敗(1場所)
- 序二段勝率:.857
- 序ノ口成績:7勝0敗(1場所)
- 序ノ口勝率:1.00
各段優勝[編集]
- 序ノ口優勝:1回(2018年3月場所)
場所別成績[編集]
一月場所 初場所(東京) |
三月場所 春場所(大阪) |
五月場所 夏場所(東京) |
七月場所 名古屋場所(愛知) |
九月場所 秋場所(東京) |
十一月場所 九州場所(福岡) |
|
---|---|---|---|---|---|---|
2018年 (平成30年) |
(前相撲) | 東序ノ口18枚目 優勝 7–0 |
東序二段11枚目 6–1 |
西三段目50枚目 6–1 |
東幕下60枚目 3–4 |
西三段目11枚目 4–3 |
2019年 (平成31年 /令和元年) |
西幕下60枚目 4–3 |
東幕下51枚目 6–1 |
東幕下22枚目 6–1 |
西幕下6枚目 3–4 |
東幕下10枚目 4–3 |
東幕下7枚目 4–3 |
2020年 (令和2年) |
東幕下5枚目 3–4 |
西幕下8枚目 4–3 |
新型コロナウイルス 拡大により中止 |
東幕下5枚目 4–3 |
西幕下4枚目 5–2 |
西幕下筆頭 6–1 |
2021年 (令和3年) |
西十両11枚目 5–10 |
x | x | x | x | x |
各欄の数字は、「勝ち-負け-休場」を示す。 優勝 引退 休場 十両 幕下 三賞:敢=敢闘賞、殊=殊勲賞、技=技能賞 その他:★=金星 番付階級:幕内 - 十両 - 幕下 - 三段目 - 序二段 - 序ノ口 幕内序列:横綱 - 大関 - 関脇 - 小結 - 前頭(「#数字」は各位内の序列) |
改名歴[編集]
- 納谷 幸之介(なや こうのすけ)2018年1月場所 - 2020年11月場所
- 王鵬 幸之介(おうほう -)2021年1月場所 -
脚注[編集]
- ^ ベースボール・マガジン社刊 『相撲』 2018年5月号(夏場所展望号)別冊付録 平成30年度版 最新部屋別 全相撲人写真名鑑 14頁
- ^ “納谷幸之介が入門 祖父大鵬の化粧まわし受け継ぐ”. 日刊スポーツ. (2017年12月20日) 2018年7月13日閲覧。
- ^ “プロレスデビューする大鵬の孫・納谷幸男の必殺技は「五重塔」” (日本語). スポーツ報知. (2017年8月4日) 2018年7月14日閲覧。
- ^ “祖父は大鵬、父は貴闘力の高3・納谷幸之介が角界デビュー 小学生で「俺は大鵬より強くなる」”. 産経ニュース. (2018年1月3日) 2018年8月27日閲覧。
- ^ ベースボール・マガジン社刊 『相撲』 2018年2月号(初場所総決算号) 108頁
- ^ “大鵬の孫・納谷幸之介、国体V 団体と2冠”. スポーツ報知. (2017年10月8日) 2018年8月27日閲覧。
- ^ “大鵬の孫・納谷、九州場所で角界デビュー「悔い残らないように団体も個人も優勝したい」/国体”. SANSPO.COM. (2017年10月6日) 2018年8月27日閲覧。
- ^ “大鵬孫の納谷幸之介、国体Vで九州場所デビュー白紙”. 日刊スポーツ. (2017年10月8日) 2018年8月27日閲覧。
- ^ “大鵬の孫で国体Vの埼玉栄3年・納谷幸之介、全日本相撲選手権で予選落ち”. スポーツ報知. (2017年12月3日) 2018年8月27日閲覧。
- ^ “大鵬の孫、来月初場所 本名「納谷」で初土俵”. 毎日新聞. (2017年12月19日) 2018年8月27日閲覧。
- ^ “新弟子の納谷、豊昇龍ともに白星”. 佐賀新聞. (2018年1月17日) 2018年8月27日閲覧。
- ^ ベースボール・マガジン社刊 『相撲』 2018年2月号(初場所総決算号) 110頁
- ^ “大鵬の孫・納谷が祖父の化粧まわしで出世披露「すごくうれしい。背筋が伸びる」”. SANSPO.COM. (2018年1月21日) 2018年8月27日閲覧。
- ^ “大鵬の孫・納谷が序の口優勝”. 毎日新聞. (2018年3月24日) 2018年7月15日閲覧。
- ^ “大鵬孫の納谷が初黒星「ちょっとよく分からない」”. 日刊スポーツ. (2018年5月23日) 2018年8月27日閲覧。
- ^ “大鵬の孫・納谷、序二段6勝1敗で夏場所終える”. スポーツ報知. (2018年5月26日) 2018年7月15日閲覧。
- ^ “大鵬孫の納谷6勝1敗「来場所はもっと力つける」”. 日刊スポーツ. (2018年7月21日) 2018年7月22日閲覧。
- ^ 大鵬孫 納谷幕下で初の勝ち越し 父の元貴闘力「気迫がたりない」の言葉に発奮 Sponichi Annex 2019年1月25日 14:52(スポーツニッポン新聞社、2019年1月25日閲覧)
- ^ 幕下・納谷 1番相撲で快勝、三役経験者の常幸龍押し出す「流れ良かった」新十両見据える Sponichi Annex 2020年7月20日 15:45(2020年7月24日閲覧)
- ^ “大鵬の孫納谷6勝「落ち着いていけた」来年は主役へ”. 日刊スポーツ. (2020年11月20日) 2020年11月23日閲覧。
- ^ “大鵬の孫納谷が十両昇進、王鵬へ改名 番付編成会議”. 日刊スポーツ (日刊スポーツ新聞社). (2020年11月25日) 2020年11月25日閲覧。
- ^ ベースボール・マガジン社刊 『相撲』 2021年1月号(初場所総決算号) 12頁
- ^ 祖父・大鵬の存在は「かっこいいなと思って見ていました」 納谷改め「王鵬」が新十両昇進会見―一問一答 2020年11月25日 12時20分スポーツ報知 (2020年11月26日閲覧)
- ^ 大鵬の孫、新十両昇進 20歳王鵬「すごくうれしい」 日本経済新聞 2020/11/25 12:47 (2020年11月26日閲覧)
- ^ “大相撲初場所番付 琴勇輝、西十両9枚目 貴景勝は東大関 先場所全休”. 四国新聞. (2020年12月24日)
- ^ 元横綱大鵬の孫・王鵬“関取デビュー”白星で飾れず、2021年1月10日
- ^ 新十両明暗分かれる 東白龍が初白星、王鵬は2連敗、2021年1月11日
- ^ 新十両王鵬、流血も関取初白星「攻め続けられた」、2021年1月12日
- ^ 大鵬孫の新十両王鵬が3敗目、常幸龍に逆襲食らう、2021年1月13日
- ^ 大鵬の孫・新十両の王鵬が2勝目 竜虎を押し出し、2021年1月14日
- ^ 大鵬の孫・王鵬が4敗目「左右に動かれてしまった」、2021年1月15日
- ^ 大鵬の孫・王鵬が連敗で5敗目 リモート取材に対応せず、2021年1月16日
- ^ 大鵬の孫・王鵬が3連勝 幕内最年長の松鳳山下す、2021年1月17日
- ^ 十両王鵬また勝てず…祖父で“昭和の大横綱”大鵬の命日はプロ入り後3連敗、2021年1月19日
- ^ 王鵬、新十両で負け越し リモート取材には応じず/初場所、2021年1月20日
- ^ 大鵬孫王鵬が幕下陥落危機「切り替えて攻める」、2021年1月22日
- ^ アプリスタイル『スポーツ報知 大相撲ジャーナル』2021年1月号 29頁
- ^ 納谷改め王鵬は自他共に認める「おじいちゃん子」 日刊スポーツ 2020年12月4日10時1分 (2020年12月5日閲覧)
- ^ アプリスタイル『スポーツ報知 大相撲ジャーナル』2021年1月号 7頁
関連項目[編集]
外部リンク[編集]
- 王鵬 幸之介 - 日本相撲協会
- 王鵬 幸之介 力士情報-相撲レファレンス
|
|