粒子法

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粒子法(りゅうしほう)とは、連続体に関する方程式を数値的に解くための離散化手法の一つで、計算対象物を粒子の集まりとして表すことからこのように呼ばれる。

主に流体解析,構造解析に用いられる手法で、代表的なものとしてDEM(Distinct Element Method)法, SPH(Smoothed Particle Hydrodynamics)法, MPS(Moving Particle Semi-implicit)法などがある。

流体解析においては、ラグランジュ法に属し、対流項を計算しないで済ませられるという特徴を持つ。

有限体積法有限要素法に代表されるオイラー法では対流項が最も煩雑で、かつ理解しにくい部分である。)

その他の主なメリットとして、計算格子の作成を必要としない点が挙げられる。流体の挙動が計算格子に丸め込まれることがないため、さざ波や水しぶきなどの流体表面の細部の挙動も解析出来る。構造解析においては、大変形にも容易に対応できる。

その一方で、有限要素法、有限体積法に比べるとその歴史はまだ浅く、解析ソフトの数も少ない。また、乱流モデルなどの物理モデルの整備もまだ十分でないことから工学的な利用は現在のところ限定的である。

現実世界に極めて近い計算モデルで解析を行うため万能にも思われる粒子法であるが、従来の手法と比較した場合には幾つか欠点が存在する。従来から広く用いられてきた有限要素法では、注目したい解析領域内だけでメッシュを細かく切ることで、解析したい問題に合わせて計算量を削減する最適化ができる。しかし、粒子法では粒子の大きさを解析領域全体で一定にせざるを得ないため、計算精度を上げた場合には有限要素法と比較して計算効率が極めて悪くなる欠点がある。また、粒子法は未だに成熟した研究分野ではないため、粒子法そのものの安定性に関する研究課題も数多く残されている。

日本ではプロメテック社がGranuleworks(MPS法),Particleworks(DEM法)などの粒子法に基づく製品を開発して提供しており、産業用に広く用いられている。

主な手法[編集]

参考文献[編集]

和書

  • 越塚誠一、日本計算工学会(編):「粒子法」、丸善株式会社、 ISBN 978-4-621-07522-7 (2005年2月)。※ MPS法
  • 越塚誠一(編,著): 「粒子法シミュレーション-物理ベースCG入門」、培風館、ISBN 978-4-563-01574-9(2008年2月28日)。
  • W.G.Hoover, 志田 晃一郎 (訳):「粒子法による力学 - 連続体シミュレーションへの展開」、森北出版、ISBN 978-4627919310(2008年12月9日)。※ SPH法
  • 越塚誠一、柴田和也、室谷浩平:「粒子法入門 - 流体シミュレーションの基礎から並列計算と可視化まで」、丸善、ISBN 978-4621088340(2014年6月28日)。※ MPS法
  • 後藤仁志:「粒子法」、森北出版、ISBN978-4627922310(2018年1月17日)。※ 代表的な手法(SPH法・MPS法)を統一的に解説。

その他