米国国立医学図書館分類法

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

米国国立医学図書館分類法(べいこくこくりついがくとしょかんぶんるいほう、National Library of Medicine classification, NLM classification, NLMC)は、医学分野の資料を対象とする図書分類法である。アルファベット1、2字で主題の分類を大まかに示し、それに続く数字で細分するというアメリカ議会図書館分類表 (LCC) の手法を基にしており、たとえば「QW 279」は微生物学または免疫学に関する本を表す。1951年に「米国陸軍医学図書館分類法」として発表された。冊子体での刊行は1999年発行の改訂第5版で終了し、2002年版から電子版へ移行し毎年改訂されるようになり、2017年からは夏と冬の年2回改訂となった。

NLMCの、アルファベット1字または2字のコードには、「QS」から「QZ」と「W」から「WZ」というある限られた範囲の文字しか使用されない。これは、LCCで使用されていない部分を利用しているためで、それにより医学以外の分野もカバーするLCCとの併用を可能にしている。しかし、LCCにはNLMCと重複する3つのコード(QM - 人体解剖学、QR - 細菌学、R - 医療)が含まれており、誤解を避けるためNLMではこの3つのコードは使われない。英字1、2字のコードごとの分類表には、簡潔な形で見出しが定義されており(例: QW - 微生物学と免疫学、WG - 心臓血管系)、その全体でNLMCがカバーする主題の概略を表す。各見出しは大雑把に解釈され、生理的システム、それらと関連がある特徴、主に関係する身体部位、従属する関連領域を含む。NLMCは階層的で、各々の分類表の中では通常、器官による分類が優先される。

各分類表の先頭には、参考図書やその分野の総記が置かれ、これは一部の下位分類でも同様である。分類表のうち「WZ 220-270」以外は、1913年以降に発行された作品を対象としており、1801年から1913年発行の著作については別表(19世紀分類表)が用意されている。1801年以前に発行されたものには「WZ 220-270」が使用される。

日本では約50の大学図書館で使用されているが、医学書専用の分類法のため基本的に日本十進分類法 (NDC) などとの併用である[1]。日本語版は日本医学図書館協会から発行されている。

分類一覧[編集]

基礎医学 Preclinical Sciences
医学および関連主題 Medicine and Related Subjects

脚注[編集]

  1. ^ 「わが国における図書分類表の使用状況」、『現代の図書館』第48巻第2号、2010年、pp. 129-141。

外部リンク[編集]