米中貿易戦争 (2018年)

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米中貿易戦争(べいちゅうぼうえきせんそう)は、アメリカ合衆国中華人民共和国の二国間における貿易問題。2018年以降、相互に追加関税を行い始めたことにより顕在した。

2017年以前の動き[編集]

  • 2016年 - 2016年アメリカ合衆国大統領選挙の期間中、のちにアメリカ合衆国大統領になるドナルド・トランプは、選挙期間中に、中華人民共和国との間の膨大な貿易不均衡を問題として取り上げ始めた[1]
  • 2017年4月7日 - 習近平国家主席が訪米して行われた米中首脳会談では、貿易不均衡の問題を解消するための米中包括経済対話メカニズムの立ち上げが合意されるとともに、アメリカの対中輸出を増やすための100日計画策定が取り決められた[2]。しかしながら同年7月に行われた閣僚級による包括経済対話メカニズムの交渉は進展を見ないまま頓挫した。
  • 2017年8月1日 - トランプ政権は、中国に対し不公正な貿易慣行がないかアメリカ通商法スーパー301条に基づく調査を始める検討に入った[3]
  • 2017年9月18日 - ロバート・ライトハイザー アメリカ合衆国通商代表は講演中で、外国企業が中国に進出する際に技術移転を強要し、その上で不公正な補助金で輸出を促進する中国が国際的な貿易体制の脅威になっていると主張。これに対して中国の高峰報道官が企業間の取引の話であり、中国政府による干渉は一切ないと反論を行った[4]
  • 2017年11月9日 - トランプ大統領が訪中して行われた米中首脳会談では、対中貿易赤字削減のために総額2535億ドルの商談が調印されるも殆どは覚書や協議書であった[5]

2018年追加関税措置発動以前の動き[編集]

  • 1月12日 - 中国税関総署が2017年の対米貿易額を発表。対米貿易黒字額は2,758億1,000万ドルと過去最高を更新[6]
  • 1月22日 - アメリカが緊急輸入制限(セーフガード)を発動し、太陽光発電パネルに30%、洗濯機に20%以上の追加関税を課すことを発表[7]。2016年にアメリカが輸入した太陽光発電パネルの国別シェアは1位がマレーシアで、2位が中国[8]
  • 3月1日 - アメリカが通商拡大法232条に基づき鉄鋼アルミニウム製品に追加関税を行う方針を発表。課税幅は鉄鋼25%、アルミ10%。アメリカの安全保障を理由にするもので、中国を含めたほとんどの国が対象となった[9]
  • 3月23日 - アメリカによる鉄鋼、アルミ製品への追加関税措置が発動。中国商務省は、128品目のアメリカ製品に対し約30億ドルの追加関税をかける報復措置の計画を発表[10]
  • 4月1日 - 中国がアメリカから輸入する果物など128品目のアメリカ製品に15%-25%の報復関税措置を行うことを発表[11]
  • 4月16日 - アメリカ商務省は、ZTEがアメリカによるイランに対する制裁措置に違反し、イランにアメリカ製品や技術を輸出していたとして、アメリカ国内において向こう7年間の販売禁止措置を発表[12]
  • 5月3日 - 北京にて貿易摩擦解消のための米中閣僚級会議が開催。
  • 5月17日 - ワシントンにて米中閣僚会議が開催。
  • 5月22日 - 中国が閣僚会議を受けて輸入される自動車および自動車部品などの関税の引き下げ措置を発表[13]
  • 6月2日 - 閣僚会議を受けてアメリカはZTEの販売禁止措置解除を発表[14]
  • 6月8日 - G7主要国首脳会議が開催。
  • 6月16日 - アメリカ側が中国から輸入される自動車や情報技術製品、ロボットなど1,102品目に対し、7月6日から段階的に500億ドル規模の追加関税措置を行うと発表。中国側も課税された際の対抗措置として自動車や農産物など659品目(後に2回合計878品目に変更)について追加関税措置を行うと発表[15]
  • 6月20日、アメリカは中国製、日本製、ドイツ製、ベルギー製、スウェーデン製の一部品目を対象に鉄鋼輸入制限の初の除外を発表[16]

2018年追加関税措置発動以降[編集]

  • 7月6日 - アメリカが中国から輸入される818品目に対して340億ドル規模の追加関税措置を発表。中国も同規模の報復関税を発動[17]
  • 7月10日 - アメリカは中国の報復関税に対する追加措置として、中国からの衣料品や食料品など6,031品目に対し2,000億ドル規模の追加関税を検討することを発表[18]。リストアップされた品目には、近年アメリカに輸入されていないものも含まれており、課税対象品目は上限に達しているものと考えられている[19]
  • 7月13日 - アメリカはZTEの販売禁止措置を解除[20]。中国税関総署は2018年上半期の対米貿易額を発表。上半期の対米貿易黒字額は1,337億ドルと前年同期比で13.8%増加した[21]
  • 8月23日 - 米中が第2弾の関税措置を発動。
  • 9月18日 - アメリカの第3弾の関税措置の発動予告をうけ、中国は世界貿易機関に申し立てを行った[22]
  • 9月21日 - 中国がアメリカとの貿易協議を拒否[23]
  • 9月24日 - 米中が第3弾の関税措置を発動。アメリカは2018年は10%に留めるとした。当初は6031品目の予定だったが、5745品目に減らした[24]。中国側は、当初5%, 10%, 20%, 25% の4種類の予定だったが、10%の物は5%に、20%や25%の物は10%に変更した[25]。アメリカはレアアースなど、中国は原油などを草案から外した[26]。中国は米中貿易戦争に関する白書を発表し、外資系企業に技術の強制移転を求めているとアメリカが主張する件に関しては、強要しておらず事実の歪曲だと主張した[27]
  • 10月4日 - マイク・ペンス副大統領がハドソン研究所で講演を行い中国を強く批判した。中国が政治及び経済において自由が拡大することを期待して、中国がアメリカ経済にアクセスすることを許可し、WTOに加盟させたが、不適切な貿易慣行・関税・輸入枠があり、通貨操作し、技術を強制移転させ、知的財産を窃盗し、不適切に補助金を配布し、自由で公正な貿易とは相容れない行動を行っていると批判した。中国製造2025を通じて、人工知能などの先端技術の90%を支配するために、アメリカの知的財産を取得するように中国政府が指示をしたと批判した。さらには軍事技術まで取得しようとしていると述べた。南シナ海や尖閣諸島など軍事力を行使していると述べた。監視社会を構築し、国民の自由と人権を奪っている。キリスト教・チベット仏教・イスラム教などを宗教弾圧している。借金漬け外交を行い、借金を返せなくなった国から港などを取り上げようとしている。アメリカでスパイ活動や宣伝工作を行い、中間選挙に干渉したと述べた。[28][29]
  • 10月24日 - 米欧州陸軍の元司令官ベン・ホッジスが避けられないわけではないが、15年以内にアメリカが中国と戦争になる可能性は極めて高いと述べた[30]
  • 10月30日 - 12月1日にG20にて予定されている米中首脳会談で対立が緩和できない場合、全品目を対象とした第4弾の関税措置を12月初旬に発表し、2019年2月上旬に発効することを検討していると報道された[31]
  • 10月31日 - 2018年10月は世界同時株安になり、アメリカのS&P 500は下落率-6.94%(9月終値2913.98、10月終値2711.74)で2011年9月以来の下落率だった[32]日経平均株価は下落率-9.12%(9月終値24120.04、10月終値21920.46)で2016年6月以来の下落率[33]上海総合指数は下落率-7.75%(9月終値2821.35、10月終値2602.78)。アメリカ合衆国労働省が毎週発表する新規失業保険申請件数(季節調整済み)は2009年3月28日以降減り続けているが、2018年9月15日の20.2万件を底にして第3弾の関税措置を発動以降は増加傾向(景気悪化)になった[34]
  • 11月1日 - トランプ大統領と習近平国家主席が電話会談を行い、貿易問題や北朝鮮問題で非常に良好な対話が出来、12月1日のG20での米中首脳会談で良い対話が出来るとTwitterで投稿した[35][36][37]
  • 11月9日 - スティーブン・ムニューシン財務長官と劉鶴 副総理が電話会談を行ったが進展は無かった[38]ピーター・ナヴァロ米大統領補佐官が、金融機関は米中の貿易問題の早期解決を促すような圧力をかけるなとワシントンで講演した[39][40][41][42]。朝日新聞の報道によると、ゴールドマン・サックス出身で対中融和派のスティーブン・ムニューシン財務長官が交渉から外れることになり、対中強硬派のジョン・ボルトン大統領補佐官が担当することとなった[40]。ピーター・ナヴァロ大統領補佐官は講演で、ムニューシン財務長官の名前はふれていないが、ゴールドマン・サックスのカネをオハイオ州に持って行けと発言した[40][39]。朝日新聞は、政権内の対中融和派の勢いは弱まっており、米中対立の打開は難しそうと報道した[40]。この講演以降再び世界同時株安となったが、トランプ大統領は11月12日に、民主党による大統領ハラスメントの見通しが株価下落の原因であるとTwitterに投稿した[43]
  • 11月12日 - トランプ政権が、関税発動に加えて輸出規制や知財侵害に対する起訴を検討しているとウォール・ストリート・ジャーナルが報道した[44]
  • 11月13日 - 対立緩和のため、12月1日の米中首脳会談で成果を出せるように、劉鶴 副総理が訪米を検討しているとサウスチャイナ・モーニング・ポストが報道した[45][38]が、訪米はしなかった。李克強首相がアメリカ側と交渉する意思があり、双方が受け入れ可能な解決策を見つけ出す知恵が双方にあると確信していると述べた[46]ラリー・クドロー国家経済会議委員長が、結論は分からないが、あらゆるレベルで協議を続けているとCNBCのテレビインタビューで答えた[47][46]
  • 11月14日 - ブルームバーグ[48][49]やロイター[50][51]の報道によると、アメリカからの要請に対して、中国側が譲歩案を提示した。案の提示は夏以来。案は外国投資家の一部業界への株式投資制限の緩和など、中国が既に行った改革の焼き直しであり、アメリカ側が求めている中国製造2025に対する修正は含まれていなかった。142の項目が書かれていて、今後対策を取ることに前向きな分野、すでに取り組んでいる分野、聖域とされる分野の3つのカテゴリーに分かれていた。まだ道のりは長く12月1日までに話し合いをまとめるのは難しいと思われるが協議は続けていると関係者はコメントした。
  • 11月15日 - 交渉中は2019年1月の10→25%への関税引き上げを保留するとフィナンシャル・タイムズが報道したが、アメリカ合衆国通商代表部の報道官が予定通り25%に引き上げると否定した[52][51]
  • 11月16日 - トランプ大統領が中国が貿易合意を求めており、追加関税を課す必要がなくなる可能性もあるが、現時点での中国側の提案は互恵的ではなく受け入れることが出来なく、142項目に加えて重要な4〜5項目を追加で回答して欲しいと発言した[53][54]。トランプ大統領の発言の直後、ホワイトハウスの役人が、話し合いがすぐにまとまる見通しの訳ではないので、発言を深読みしないで欲しいとも言った[55]
  • 11月17日 - アジア太平洋経済協力会議習近平国家主席が保護主義と単独主義が世界経済に影を落としていると述べてアメリカを牽制し、マイク・ペンス副大統領が中国が不公正な貿易慣行を是正するまで制裁関税を続ける方針を表明した[56][57]。マイク・ペンス副大統領は、貿易慣行・関税・輸入枠・技術の強制移転・知的財産権の侵害・南シナ海などの航行の自由・イスラム教徒弾圧などの人権問題が米中の間で問題になっていると述べた[58][59]。11月18日に閉幕したが、米中の対立が深く、アジア太平洋経済協力会議では1993年からの首脳会議を開催以来初めて首脳宣言を採択できなかった[60][61]。11月19日に中国外交部報道官が、アメリカが怒った態度でスピーチをし、建設的な雰囲気を破壊したため、首脳宣言を採択できなかったと述べ[62][63]王毅外相もアメリカが保護主義を正当化して押しつけたのが原因だと述べた[64][65]。11月23日に5日遅れで議長声明を公表し、恒例として首脳宣言に盛り込んでいた「保護主義と貿易をゆがめる手段と闘う」とする記述は削除された[66]
  • 11月19日 - アメリカ合衆国商務省産業安全保障局が人工知能・ロボット・マイクロプロセッサなどに対する輸出規制のパブリックコメントの募集を始めた[67]。特定の国は明記されていないが、中国を念頭に置いたものであるとされる[68]
  • 11月20日 - アメリカ合衆国通商代表部が通商法301条に基づく報告書 UPDATE CONCERNING CHINA'S ACTS, POLICIES AND PRACTICES RELATED TO TECHNOLOGY TRANSFER, INTELLECTUAL PROPERTY, AND INNOVATION[69] にて、中国が不当な慣行を是正していないとの見解を表明した。中国は建設的に対応しておらず、政策を変更する意思がないことを中国側は明確にしたと書いた[70]。11月22日に中国商務部報道官は根拠のない批判であると述べた[71][68]
  • 11月21日 - OECDが、もし、米中が第4弾の関税措置を発動して全商品に関税をかけた場合、2021年にかけてアメリカは1.1%、中国は1.3%、世界は0.8%GDPが押し下げられると予想した[72]
  • 11月22日
    • アメリカ政府が日本などの同盟国に対してファーウェイの通信機器を使用しないように要請したとウォール・ストリート・ジャーナルが報道した[73][74]。イギリス政府は11月6日[75]に、オーストラリアは8月23日[76]に、ニュージーランドは11月28日[77]に、ファーウェイの機器を国内で使用しないように要請していると報道されていた。ドイツ政府は12月7日に排除しないと表明した[78]
    • トランプ大統領が、改めて2019年1月から25%に関税を引き上げると中国を牽制し、アメリカの関税はアメリカの輸入業者が支払い、製品価格に転嫁され、アメリカの消費者が支払うものであるにもかかわらず、中国は大量に関税を支払うことになるため取引をしたがっていると述べた[79]
  • 11月23日 - 中国商務部の王受文 副部長がWTO改革に関する記者会見で、中国は開発途上国であり、中国は貿易において特別な優遇をされる必要があり、先進国とは異なるルールで貿易を行って良いと改めて主張した[80][81]。欧米諸国は世界第2位の経済大国であるが故に貿易で中国を特別扱いするべきではないと主張している。
  • 11月26日
    • トランプ大統領はウォール・ストリート・ジャーナルのインタビューで、12月1日の米中首脳会談で税率引き上げの延期に応じる可能性は極めて低く、予定通り1月1日から25%に引き上げ、さらに全品目を対象とした第4弾関税も発動し、その税率は10%か25%にすると述べた[82][83]
    • トランプ大統領は、ゼネラル・モーターズが7工場閉鎖することに対して[84]、アメリカの4工場は閉鎖するが、中国の工場は閉鎖しないため、中国での生産を停止しオハイオ州に戻るように補助金を出さないと予告[85]する形で圧力をかけていると述べた[86][87]。ウォール・ストリート・ジャーナルはゼネラル・モーターズが中国工場を停止できないのは、トランプ大統領が仕掛けた関税合戦のため中国向けは中国で製造しなくてはいけなくなっているからであると分析している[88]
  • 11月27日
    • ラリー・クドロー国家経済会議委員長が、米中首脳会談は12月1日の夕食会になる予定と述べ、依然意見は対立しているが、取引できる可能性がかなりあると考えており(なお同一の会見を楽観的と要約したメディアと懐疑的[89]と要約したメディアがある)、行き詰まりを打開する好機であり、習近平国家主席は本腰を入れて、新しい考えをわれわれに提示することができると述べた[90]。ただし、中国側はアプローチを大きく変えていないため、これまでの反応に失望しているとも述べた[91]
    • 麻生太郎財務大臣が、10月4日のマイク・ペンス副大統領のハドソン研究所での講演がアメリカ政府としての主張であり、中国政府は公式に反論していなく、それゆえ、アメリカの対中戦略が進んでいき、対立が長期化すると述べた。そして、対中強硬論はトランプ大統領の思いつきではなく東部エスタブリッシュメントの意見として捉える必要があり、11月12日にペンス副大統領が来日した際に日本政府に説明したと述べた。[92]
    • 米議会の報告書によると、新疆ウイグル自治区ではイスラム教徒100万人が再教育施設に強制収容されているが、崔天凱駐米大使は、あくまでもISILと同等であるテロリストへの再教育であり、アメリカが本件で制裁の発動に踏み切れば中国側も報復措置に出ると警告した[93]。また、貿易摩擦において、中国政府が保有する米国債を武器として使うことを真剣に検討しているとは思わないと述べた[94]
  • 11月28日
    • ロバート・ライトハイザー通商代表が、7月6日の第1弾関税の時に米中共に自動車関税を25%引き上げて、アメリカ側が27.5%に、中国側が40%になったが、アメリカ側が40%にして中国と同じにすることを検討していると述べた[95]。また、中国が意味のある改革案を携えて交渉のテーブルに着こうとしていないと述べた[96]
    • 中国の経済ニュース専門サイトである財新網は、「国内雇用低迷のため、202万件の求人広告が消えた」と報道。また、これに先だって中国農業農村省が、740万人の農民工が地元に戻ったこと発表するなど、求人の動向を報じる複数の報道が見られた[97]
  • 11月29日 - トランプ大統領が、中国との通商交渉妥結に近づいているものの、自分が望んでいるかは定かでないと発言した[98][99]。ウォール・ストリート・ジャーナルが、12月1日にトランプ大統領と習近平国家主席の合意が得られるかは不透明であるが、2019年春まで追加関税の発動を停止した上で、中国経済政策の大幅な変更を見据えた新たな協議を行う方向で合意を探っていると報道した[100][101]。この発言の直前の段階では道のりは長いとTwitterに投稿していた[102]中国商務部報道官が、米中首脳会談で前向きな結果を期待していると述べた[103][104]
  • 11月30日 - 中国の政府系英字紙チャイナ・デーリーは論説記事で全員が理性的であれば米中首脳会談にて通商合意をまとめることが可能との見解を示した[105][106]。中国当局者はコンセンサスが着実に高まっているとの認識を示した[107]。アメリカ株はS&P 500が11月最後の週で4.16%上昇し、約7年ぶりの上昇幅であった[107]
  • 12月1日 - 米中首脳会談で貿易問題が議論された[108]。議論を延長し、90日間まで(2019年2月28日まで[109])は関税のこれ以上の引き上げを延期することとした。2019年1月1日に第3弾関税を25%に引き上げ予定だったが議論の間は延期されることになった。中国が農産品、エネルギー、工業製品などを大量に購入することで合意し、農産品はすぐに輸入を開始することに合意した。クアルコムによるNXPセミコンダクターズの買収は、中国独禁当局が一度拒否したが、再度申請されれば審査するとした[110](クアルコムは12月3日に再申請しない旨を表明した[111])。
米国側は下記5点を90日以内に解決したいとしている。
  • 米企業への技術移転の強要
  • 知的財産権の保護
  • 非関税障壁
  • サイバー攻撃
  • サービスと農業の市場開放
国家資本主義の柱である産業補助金の見直しやハイテク分野での政策見直しは、中国側の反発により、協議の対象から外された。貿易問題ではないがペンス副大統領がAPECの際に上げていた、南シナ海およびイスラム教徒の問題も議題から消えた。上記5点のうち技術移転の強要とサイバー攻撃は行っていないと中国は主張している。中国商務部の王受文 副部長は第1弾、第2弾の500億ドル分の制裁措置を「取り消す方向で協議する」と述べた。台湾問題については、1つの中国という原則をアメリカが維持していくことも申し合わせた。ブルームバークは中国は大豆などは輸入する必要があり、その輸入先がアメリカに切り替わるだけで、輸入額は変わらないだろうと分析している[112]。また、アメリカ側も、中国が購入する分だけ、他の国がアメリカ以外から購入するようになり、結果として、米中共に輸出入額の総額はあまり変化しない可能性もある。中国[113]とアメリカ[114]での発表内容に若干のずれがあり[115]、例えば、アメリカ側は90日以内に解決できなければ関税を25%に上げると言っているのに対して、中国側は90日の話を発表せずに両国は合意に達し、お互いに新たな関税をかけるのを停止したと発表した。アメリカ側は論点を5点上げているのに対して、中国側は貿易問題とのみ発表している。
  • 12月2日 - トランプ大統領が、中国は自動車への輸入関税の引き下げ・撤廃に同意したとTwitterに投稿した[116][117]
  • 12月3日
    • 中国外交部報道官が、米中首脳が関税措置全廃への取り組みを経済チームに指示したと述べた[118]
    • 2019年2月28日まではアメリカ側の交渉責任者は対中強硬派のライトハイザー通商代表に変更になった[119]
    • クドロー国家経済会議委員長は、自動車関税の件は、合意の文書はなく、中国政府は合意を確認していなく、関税は0%になると予想しているが、公約のようなものであり、公約は必ずしも貿易合意ではないが、中国側が検討し、恐らく実行するものと述べた[120]。知財権侵害と技術移転の強要に関して合意にかなり近づいていると述べた[121]
    • ムニューシン財務長官は、詳細は詰めていないが、中国は1.2兆ドルを超える輸入拡大の意向を示したと述べた[122]
  • 12月4日
    • トランプ大統領は、自分は Tariff Man[123] (関税の男)であるとTwitterに投稿した。90日の猶予期間については延長する可能性もあると示唆し、延長されなければ追加関税を課すと明言した。[124]
    • ポンペオ国務長官は、ロシア・中国・イランなどの厄介者が利益を得る事態に歯止めを掛ける観点から、国際協定からの脱退を進める方針を示した。[125]
    • 世界貿易機関のカール・ブラウナー事務局次長は、世界的な貿易システムは危機的な状態にあるとの認識を示した。誰もが好き勝手に行動すれば、すべてが終わりになると警告した。[126]
    • JPモルガンは、12月1日の米中首脳会談は実は何一つ合意していないと分析した。[124]
    • 世界同時株安になり、アメリカ株のS&P 500は1日で3.24%下落した。2018年10月10日の3.29%下落以来の大きな下落。
  • 12月5日
    • 中国とアメリカには発表のずれがあったが、中国側が交渉期限が90日以内であることを初めて公式に認めた[127][128]。交渉内容の詳細は12月6日以降に発表するとした[129]
    • 中国が大豆とLNGの輸入再開の準備を始めた。しかし、関税がどうなるかは未確定[130]
  • 12月6日
    • アメリカ政府の要請でカナダ司法省は、アメリカが経済制裁を科すイランに製品を違法に輸出した疑いで、ファーウェイの創業者の娘で副会長兼CFOの孟晩舟を逮捕した(逮捕自体は12月1日の米中首脳会談の頃[131][132]。駐カナダ中国大使館は重大な人権侵害だと批判した。取引は、アメリカ連邦政府が任命したHSBC担当監視官がHSBCにて発見した[133]
    • アメリカ農務省は、25%の関税措置により綿花の対中輸出が8〜9月は49.7%減少したと発表した。[134]
    • アメリカ商務省が発表した2018年10月の貿易収支の赤字額は2008年10月以来の大きさであった。モノとサービスの輸出が0.1%減で、輸入は0.2%増になった。赤字縮小のために、中国に対して関税措置を行ったが、逆効果であった。[135]
    • 孟晩舟の逮捕以降、中国国内では彼女の逮捕やファーウェイの排除に対抗して「Appleは中国から出て行け」などと抗議するアメリカ製品の不買運動が広がっていると報じられている。香港のタブロイド紙の蘋果日報は12月8日、「中国の複数の企業が、米Apple社のスマートフォンであるiPhoneの使用を中止するよう従業員に通知した」と報道した[136][137]
  • 12月7日 - 日本政府は、セキュリティ上の懸念から、中央省庁や自衛隊などが使用する製品・サービスからファーウェイとZTEを事実上排除する見通しであると報道された[138]
  • 12月8日
    • 中国外交部の楽玉成副部長は、ファーウェイの件で、カナダの駐中国大使を呼び出し、釈放しなければ重大な事態を招き、その全ての責任はカナダが負うと抗議した[139]。12月9日、アメリカの駐中国大使を呼び出し、米国の行為は中国国民の合法的かつ正当な権益を重大に侵害していると強烈な抗議を申し入れ、中国は米国の行動を見極めてさらなる対応をすると述べた[140][141]
    • 中国人民解放軍戴旭大佐は、航行の自由作戦で南シナ海をアメリカの戦艦が通過した際に、2隻の軍艦を派遣し、武力攻撃をすべきだと述べた[142]
    • 中国の2018年11月の対米黒字は過去最大を更新した[143]
  • 12月10日
    • 中国は、カナダの元外交官マイケル・コブリグ[144]および北朝鮮との文化交流を行っているカナダ人のマイケル・スパバ[145]を拘束した。報道されたのは、マイケル・コブリグが12月11日、マイケル・スパバは12月13日。
    • 日本の携帯電話キャリアはファーウェイおよびZTEの基地局を使用しない方針と報道された(携帯電話端末は対象外)[146]。ソフトバンクは既存の4Gの基地局も、ファーウェイからエリクソンやノキアに切り替えるとした[147]。携帯通信インフラの市場シェアは、2017年はファーウェイが1位、ZTEが4位[148]
  • 12月11日
    • 劉鶴副首相、ムニューシン財務長官、ライトハイザー通商代表部代表が電話会談を行い、7月6日に第1弾の関税措置として自動車の関税を15%から40%に引き上げていたのを、実施時期は未定だが15%に戻すことに合意した(3日後、3ヶ月間一時停止と発表された)[149][150]
    • トランプ大統領は、ファーウェイCFO逮捕の問題が、貿易交渉や安全保障に影響するならば米司法省に介入すると述べた[151]。ただし、このようなことを行うと、将来の経済問題で、アメリカとの交渉を有利に進めるために、アメリカ人の拘束が進むと非難された[152]
    • カナダの裁判所は、ファーウェイCFOの保釈を認めた[153]
  • 12月12日 - 中国が中国製造2025を見直しを検討し、外国企業の参加を認め、達成目標時期を2035年に先送りすると報道された[154]
  • 12月13日
    • 中国が大豆の輸入を開始したとブルームバークが報道した[155]
    • 日本政府は、ファーウェイやZTEを念頭に、電力・水道・金融・情報通信・鉄道などインフラ14分野で、民間企業・団体に情報漏洩や機能停止の懸念がある情報通信機器を調達しないよう求めると報道されたが[156]菅義偉官房長官は、この報道に関して、政府調達のみで、現段階で民間企業に要請を行う予定はないと述べた[157]
    • ジョン・ボルトン大統領補佐官は、ヘリテージ財団にて講演を行い、中国は賄賂や不透明な合意を利用してアフリカ諸国を戦略的に借金漬けにし、隷属状態にしているが、アメリカは世界史上最も非帝国主義的な超大国であり、アフリカ大陸全般に無差別に援助することはせず、独立・自立・成長というビジョンで、アメリカの国益にかなう国々に優先的に投資すると述べた[158][159][160]
  • 12月14日
    • 中国財政部は、アメリカに対する自動車の25%および自動車関連製品の5%の追加関税措置を2019年1月1日〜3月31日の間は停止すると発表した[161][162]
    • アメリカ合衆国通商代表部は、90日間の交渉が不調に終わった場合、第3弾関税措置を10%から25%に引き上げる日は、2019年3月2日と発表した[163]

関税対象金額[編集]

発動日 アメリカの対象金額 アメリカの関税率 アメリカの品目数 中国の対象金額 中国の関税率 中国の品目数
2018年7月6日 340億ドル 25% 818品目 340億ドル 25% 545品目
2018年8月23日 160億ドル 25% 284品目 160億ドル 25% 333品目
2018年9月24日 2000億ドル 10%(現状)
25%(未実施)
5745品目 600億ドル 5%と10% 5207品目
未実施(第4弾) 2670億ドル 10%か25% 残りの全品目

アメリカ側の主張[編集]

アメリカ側の主張は、貿易赤字に関するものと、中国共産党の政治体制に対する批判に分かれる。2018年10月4日に、マイク・ペンス副大統領がハドソン研究所にて講演した内容にてこれらの主張がまとめられている[28][29]

貿易赤字に関するもの
中国共産党の政治体制に対する批判

トランプ政権は、貿易赤字に関する問題は、中国が関税を適正化することで解決すると考えているが、経済学においては、アメリカの過剰消費および貯蓄率の低さが原因であると考えられている[165]。稼ぐ以上に消費するため赤字になる。2007年の世界金融危機の際も、アメリカの貯蓄率の低さ・過剰消費体質が問題となったが[166]、その後一時的に貯蓄率は上がったが、再び貯蓄率は低下し、2018年、貯蓄率の低さ・過剰消費体質が問題になり[167][168]、貿易赤字の原因にもなっている。

脚注[編集]

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関連項目[編集]