管弦楽のための協奏曲
管弦楽のための協奏曲(かんげんがくのためのきょうそうきょく)は、協奏曲の形態の一種。
定義[編集]
一般的には協奏曲とは、独奏楽器(群)と管弦楽によるいわゆる独奏協奏曲を指すことが多い。このため「管弦楽の協奏曲」という名称に、違和感を覚えるかも知れない。しかし、「管弦楽のための協奏曲」における「協奏曲」はバロック時代の合奏協奏曲などのコンチェルト様式を指しており、すなわちいわばその現代版である。この名称は戦間期に、新古典主義のヒンデミットによって創り出された。新古典主義音楽は、モーツァルト、バッハないしそれ以前の音楽の様式に再び目を向けることを標榜していた。
バルトークが同名の作品で最大の成功を収め、このジャンルの作品中で最も有名なものとなっている。しかもこの作品は、バロック時代の合奏協奏曲をはるかに上回る規模の大きさから結果的には交響曲の様式にも近いものとなっている。バルトークがこのような名称を選んだのは、一説によると、かねて楽譜出版社ブージー・アンド・ホークス社の社主から、「ブランデンブルク協奏曲の現代版」を完成させるように要請されており、後にヨゼフ・シゲティの意向を汲んだクーセヴィツキーから新作を依嘱されてこの作品を書き始めた際、バルトークがそのことを思い返したからではないかと言われる。バルトークの作品においても、たとえば第2楽章において木管楽器(群)のソロ(独奏)楽句が目立っているように、「ソロとトゥッティ(全奏)」すなわち「薄い響きと厚い響き」の対比という、コンチェルト様式の原理が生かされている。
作品[編集]
- パウル・ヒンデミット - 管弦楽のための協奏曲作品38(1925年)…創始者
- ヴァン・ホルンボー - 管弦楽のための協奏曲(1929年)
- タデウシュ・シェリゴフスキ -管弦楽のための協奏曲(1930年)
- ウォルター・ピストン - 管弦楽のための協奏曲(1933年)
- マリオ・ピラーティ - 管弦楽のための協奏曲 ハ長調(1933年)
- ゴッフレド・ペトラッシ - 管弦楽のための協奏曲第1番(1934年)
- アルフレード・カゼッラ - 管弦楽のための協奏曲(1937年)
- コダーイ・ゾルターン - 管弦楽のための協奏曲(1940年)
- バルトーク・ベーラ - 管弦楽のための協奏曲(1943年)…最も有名な作品
- アラン・ロースソーン - 管弦楽のための協奏曲(1949年)
- ヴィトルト・ルトスワフスキ - 管弦楽のための協奏曲(1950年 - 1954年)
- ギヤ・カンチェリ - 管弦楽のための協奏曲(1961年)
- グラジナ・バツェヴィチ - 管弦楽のための協奏曲(1962年)
- マイケル・ティペット - 管弦楽のための協奏曲(1962年 - 1963年)
- ロディオン・シチェドリン - 管弦楽のための協奏曲 第1番「おちゃめなチャストゥーシュカ」(1963年)、同第2番「鐘」(1967年)、同第3番「懐かしいロシアのサーカス音楽」(1989年)、同第4番「輪舞」(1989年)
- 三善晃 - 管弦楽のための協奏曲(1964年)
- ハヴァーガル・ブライアン - 管弦楽のための協奏曲(1964年)
- ロベルト・ジェラール - 管弦楽のための協奏曲(1965年)
- エリオット・カーター - 管弦楽のための協奏曲(1969年)
- オリヴァー・ナッセン - 管弦楽のための協奏曲(1969年)
- ロジャー・セッションズ - 管弦楽のための協奏曲(1979年 - 1981年)…1982年ピュリッツァー賞受賞
- エドワード・グレグソン - 管弦楽のための協奏曲(1983年)
- ロバート・サクストン - 管弦楽のための協奏曲(1984年)
- カレル・フサ - 管弦楽のための協奏曲(1986年)
- レナード・バーンスタイン - 管弦楽のための協奏曲「ジュビリー・ゲームス」(1986年 - 1989年)
- スタニスワフ・スクロヴァチェフスキ - 管弦楽のための協奏曲(1999年)
- ジェニファー・ヒグドン - 管弦楽のための協奏曲(2002年)
- ローウェル・リーバーマン - 管弦楽のための協奏曲(2002年)
- 北爪道夫 - 管弦楽のための協奏曲(2003年)
- マグヌス・リンドベルイ - 管弦楽のための協奏曲(2003年)
- 譚盾 - 管弦楽のための協奏曲(2012年)
関連項目[編集]
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