笹ヶ峰峠

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笹ヶ峰
笹ヶ峰峠
標高 1,027 m
所在地 愛媛県四国中央市高知県大豊町
位置 北緯33度52分58.03秒 東経133度38分31.51秒 / 北緯33.8827861度 東経133.6420861度 / 33.8827861; 133.6420861
山系 四国山地
笹ヶ峰峠の位置(日本内)
笹ヶ峰峠
プロジェクト 山
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笹ヶ峰(ささがみね)は、四国山地西部に属するである。また、古より旧土佐街道(北山越)のでもあり、笹ヶ峰峠(ささがみねとうげ)と呼ばれる。四国山地西部には他に日本二百名山に選定されている同名の笹ヶ峰が存在し、共に四国百名山に選定されている[1]

概要[編集]

周囲には東側に三傍示山(1,158m)、西側に橡尾山(1,222m)など、より高い山が位置し、明確なピークではないため笹ヶ峰自体は山としては際立った存在ではない。しかし、古より旧土佐街道の土佐国伊予国にまたがる急峻な峠道であり、交通の要衝でもあった。「土佐街道」は伊予側の呼称で、土佐では「北山越」と呼んだ。

古代太政官道、江戸時代中期、すなわち享保3年(1718年)以降は土佐藩参勤交代の街道であった[2]。この峠道の愛媛県側である新宮村の上り口は急坂の狭路で難所であり、武士は坂を下る折に脇に差したのさや尻がつかえ、腹に廻して通行せざるを得なかったため、腹包丁と呼ばれている[3][4]道の駅霧の森の傍には土佐藩主、山内公が宿泊した馬立本陣の門と石垣が面影を残す。幕末には坂本龍馬板垣退助らもこの峠道を越えたとされる[2]1964年昭和39年)には笹ヶ峰の西側に県道5号線の笹ヶ峰隧道が開通し、1987年(昭和62年)には高知自動車道笹ヶ峰トンネルが開通した。

山頂付近の愛媛県側登山道から三傍示山や塩塚峰などを望む眺望の利く場所もあるが、山頂は眺望はない。山頂は名称通り下草としてスズタケが自生し、ブナ林に覆われる。山頂から南西側へ約200m離れた地点に四等三角点「笹ケ峰」が設置され、1,015.99mとなっている[5]

登山ルート[編集]

四国中央市新宮村堂成が登山口(270m)であり、腹包丁(500m)、笠取峠(770m) 、杖立地蔵(1,000m)を経由する旧土佐街道の道沿いに山頂に至る。また高知県側から県道5号線と交差する旧土佐街道沿いに山頂へ至る道もある。道なりには旧土佐街道について解説した高札が随所に立てられ、石畳も一部残る。

ギャラリー[編集]

周辺情報[編集]

注釈・出典[編集]

  1. ^ 『四国百名山』 山と溪谷社、2000年
  2. ^ a b 『分県登山ガイド 愛媛県の山』 山と溪谷社、1996年
  3. ^ 角川日本地名大辞典』 角川書店、1981年
  4. ^ 国土地理院 地図閲覧サービス ウオッちず
  5. ^ 国土地理院 基準点成果等閲覧サービス