第91回天皇杯全日本サッカー選手権大会

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
Jump to navigation Jump to search
第91回天皇杯全日本サッカー選手権大会
開催国 日本の旗 日本
開催期間 2011年9月3日-2012年1月1日
参加チーム数 88
優勝 FC東京
準優勝 京都サンガF.C.
ACL2012出場 FC東京
試合総数 87
得点王 宮吉拓実(6得点)
テンプレートを表示

第91回天皇杯全日本サッカー選手権大会(だい91かい てんのうはいぜんにほんサッカーせんしゅけんたいかい)は、2011年9月3日から2012年1月1日に開催された天皇杯全日本サッカー選手権大会である。

FC東京が初優勝を果たした。

概要[編集]

出場チームは前回大会と同じで88チーム。昨季に比べ日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)の加盟数が1クラブ増えたため、日本フットボールリーグ(JFL)からの予選免除チームは3から2に減少した。

出場チームの選考条件や組み合わせなどは基本的には前回大会のフォーマットをほぼ踏襲しているが、2011年3月11日に発生した東日本大震災東北地方太平洋沖地震)の影響で、2011年のサッカー界のスケジュールが大きく変更された影響を受け、いくつかの変更点が見受けられている。

  • JFL上位チームの選考基準が「前期終了時点の上位チーム」から、「前期第7節から11試合終了時点での上位チーム」とされた。これは2011年のJFLのレギュレーションが大きく変更され、前期第1節から第6節が後期日程に組み込まれ第7節が開幕節となったこととソニー仙台FC(以下「ソニー」)が前期の参加を取りやめたことにより前期の参加チーム数が奇数となったことから、後期第1節開始時点で消化試合数がチーム間で異なるために調整が採られたものである。
  • 宮城県予選として予定されていた「NHK杯・河北杯争奪第15回宮城県サッカー選手権大会」については、震災被害の影響もあり、4月25日の宮城県サッカー協会理事会で中止が決定した[1]。6月26日に行われた宮城県サッカー協会理事会において、同県のアマチュアチームで最も実績があり、前回大会代表でもあるソニーを宮城県代表として推薦することを決定。天皇杯実施委員会もこれを承認したことにより、6月30日にソニーが宮城県代表に決定した[2]。各都道府県代表が出場するようになった第76回大会以降、予選を行わずに都道府県代表が決定したのはこれが初めて。
  • 試合方式発表の2011年5月26日時点で、福島県予選である「福島民報杯・NHK杯第16回福島県サッカー選手権大会」は決勝戦の日程が未定とされていた(後に他県同様の8月28日決勝の予定で予選開始[3])。

日本サッカー協会が創立90周年を迎えるにあたり、今回から優勝チームにはイングランドサッカー協会 (FA) が戦前のモデルを復元して寄贈した「FAシルバーカップ」が贈呈された。

予選では、静岡県予選を兼ねて開催された「第16回スルガカップ争奪静岡県サッカー選手権大会」の決勝で、Jリーグ加盟クラブ以外で最多の出場回数を有するHonda FC静岡産業大学に敗退。JFL枠での出場権も逃しており、連続出場記録が16年で止まった。

本大会でも無風だった前回大会とはうって変わって波乱が相次ぎ、J2以下のクラブがベスト16に5チーム、ベスト8に3チーム、ベスト4に2チームが勝ち残り、決勝は史上初のJ2対決となった。

日程[編集]

日程については前回大会の日程からさらに見直しが行われ、前回は中1日だった1回戦と2回戦の間が1ヶ月ほど開けられることになった。これにより、2回戦から4回戦の日程が1ヶ月ずつ繰り下がって4回戦が12月第3週となり、4回戦以降の4試合を2週間で戦うことになった。

試合 開催日 備考
1回戦 9月3日、4日、(7日[注 1]、14日[注 1] 都道府県代表チーム、大学代表チームの参加
2回戦 10月8日、10日、(12日[注 2]、11月9日[注 3] J1、J2、JFL上位チームの参加
3回戦 11月16日
4回戦 12月17日(21日[注 4]
準々決勝 12月24日
準決勝 12月29日
決勝 1月1日
  1. ^ a b 平成23年台風第12号に伴う試合延期によるもので、当初から計画されたものではない(当該節の記述を参照)。
  2. ^ 2011Jリーグヤマザキナビスコカップ準々決勝(10月5日・9日)に進出したチームの試合が対象(8試合に適用)。
  3. ^ セレッソ大阪AFCチャンピオンズリーグ2011準決勝(10月19日・26日)に進出した場合のマッチナンバー49が対象(ただし、C大阪が準々決勝で敗退したため適用なし)。
  4. ^ FIFAクラブワールドカップ2011に出場するチームの試合が対象(柏レイソルの試合に適用)。

出場チーム[編集]

Jリーグ加盟クラブが1チーム増加したことから、シード枠の配分が一部変更になっている。

なお、以下の「出場回数」についてはJFAの公式記録に基づくが、基本的には「前身となるチーム(クラブ化前の実業団チーム、など)からの通算回数」としている。ただし、一部に例外もある。

J1リーグ[編集]

2011年のJ1リーグ参加の全18チーム。

チーム 出場回数
ベガルタ仙台 18回目
モンテディオ山形 20回目
鹿島アントラーズ 28回目
浦和レッドダイヤモンズ 47回目
大宮アルディージャ 17回目
柏レイソル 44回目
川崎フロンターレ 28回目
横浜F・マリノス 34回目[備考 1]
ヴァンフォーレ甲府 20回目
チーム 出場回数
アルビレックス新潟 20回目
清水エスパルス 20回目
ジュビロ磐田 35回目
名古屋グランパス 35回目
ガンバ大阪 31回目
セレッソ大阪 43回目
ヴィッセル神戸 25回目
サンフレッチェ広島 60回目
アビスパ福岡 20回目

J2リーグ[編集]

2011年のJ2リーグ参加の全20チーム(前回大会から1チーム増)。

チーム 出場回数
コンサドーレ札幌 31回目
水戸ホーリーホック 16回目
栃木SC 14回目
ザスパ草津 9回目
ジェフユナイテッド千葉 47回目
FC東京 18回目
東京ヴェルディ 37回目
横浜FC 13回目
湘南ベルマーレ 40回目
カターレ富山 4回目[備考 2]
チーム 出場回数
FC岐阜 6回目
京都サンガF.C. 29回目
ガイナーレ鳥取 14回目
ファジアーノ岡山 4回目
徳島ヴォルティス 23回目
愛媛FC 13回目
ギラヴァンツ北九州 4回目[備考 3]
サガン鳥栖 20回目[備考 4]
ロアッソ熊本 12回目
大分トリニータ 16回目

JFL[編集]

第13回日本フットボールリーグの第7節から11試合終了時点での上位2チーム(前回大会から1チーム減)。

チーム 出場回数
FC琉球 2年連続5回目
ホンダロックSC 5年連続10回目

大学[編集]

第35回総理大臣杯全日本大学サッカートーナメント優勝校。

チーム 出場回数
大阪体育大学 2年連続14回目

都道府県代表[編集]

都道府県予選を勝ち抜いた都道府県1チームずつの全47チーム。

都道府県 チーム 出場回数
北海道 北海道教育大学岩見沢校 初出場
青森県 八戸大学 2年ぶり9回目
岩手県 グルージャ盛岡 4年連続5回目
宮城県 ソニー仙台FC 6年連続14回目
秋田県 ブラウブリッツ秋田 10年連続18回目
山形県 山形大学医学部 初出場
福島県 福島ユナイテッドFC 4年連続4回目
茨城県 筑波大学 4年ぶり25回目
栃木県 栃木ウーヴァFC 2年連続4回目
群馬県 アルテ高崎 4年連続10回目
埼玉県 平成国際大学 初出場
千葉県 柏レイソルU-18 6年ぶり2回目
東京都 FC町田ゼルビア 2年連続2回目
神奈川県 Y.S.C.C. 2年連続4回目
山梨県 山梨学院大学附属高校 初出場
長野県 松本山雅FC 4年連続6回目
新潟県 JAPANサッカーカレッジ 3年連続11回目
富山県 富山新庄クラブ 2年連続2回目
石川県 ツエーゲン金沢 5年連続8回目
福井県 丸岡フェニックス 4年ぶり2回目
静岡県 静岡産業大学 8年ぶり3回目
愛知県 中京大学 2年連続5回目
三重県 FC鈴鹿ランポーレ 初出場
岐阜県 FC岐阜SECOND 4年連続4回目
都道府県 チーム 出場回数
滋賀県 SAGAWA SHIGA FC 5年連続5回目[備考 5]
京都府 佐川印刷SC 5年連続8回目
大阪府 阪南大学 3年ぶり11回目
兵庫県 三洋電機洲本 18年ぶり2回目
奈良県 奈良クラブ 3年連続3回目
和歌山県 アルテリーヴォ和歌山 3年連続3回目
鳥取県 米子北高校 2年連続2回目
島根県 デッツォーラ島根 2年連続7回目
岡山県 ファジアーノ岡山ネクスト 初出場
広島県 広島経済大学 5年ぶり3回目
山口県 レノファ山口FC 3年連続10回目
香川県 カマタマーレ讃岐 7年連続13回目
徳島県 三洋電機徳島 6年ぶり4回目
愛媛県 愛媛FCしまなみ 3年連続3回目
高知県 高知大学 9年連続16回目
福岡県 福岡大学 2年ぶり26回目
佐賀県 佐賀LIXIL FC 3年ぶり6回目
長崎県 V・ファーレン長崎 3年連続5回目[備考 6]
熊本県 熊本県教員蹴友団 初出場
大分県 HOYO AC ELAN大分 2年連続2回目
宮崎県 宮崎産業経営大学 5年ぶり2回目
鹿児島県 FC KAGOSHIMA 初出場[備考 7]
沖縄県 海邦銀行SC 11年ぶり3回目
出場回数に関する備考
  1. ^ 合併前の(日産自動車サッカー部→)横浜マリノスからの通算回数であり、吸収合併した横浜フリューゲルスの出場回数(13回)を含まない。
  2. ^ 前身であるアローズ北陸(10回出場)とYKK APサッカー部(11回出場)の出場回数はいずれも含まない。
  3. ^ 前身の三菱化成黒崎サッカー部の出場回数(4回)を含まない。
  4. ^ 事実上の前身である鳥栖フューチャーズ(5回)の出場回数を含む(なお、厳密には鳥栖フューチャーズとサガン鳥栖の間には組織としての連続性はない。当該項参照)。
  5. ^ 前身である佐川急便東京SC(4回出場)と佐川急便大阪SC(1回出場)の出場回数はいずれも含まない。
  6. ^ 前身である国見FC(1回出場)の出場回数は含まない。
  7. ^ 前身の鹿屋体育大学クラブの出場回数(1回)を含まない。

試合結果[編集]

1回戦[編集]

9月3日から4日にかけて中国・四国地方に上陸した平成23年台風第12号の影響で、一部の試合日程が順延になっている。

2回戦[編集]

3回戦[編集]

4回戦[編集]

準々決勝[編集]

準決勝[編集]

決勝[編集]

決勝に勝ち上がったのは、モンテディオ山形鹿島アントラーズ横浜F・マリノスらを下し、第82回大会以来9年振りの賜杯を目指す京都サンガF.C.と、ヴィッセル神戸浦和レッドダイヤモンズセレッソ大阪らを下し、東京ガス時代を含めて過去3度阻まれたベスト4の壁を初めてこじ開けたFC東京のJ2勢2チーム。Jリーグ2部制導入後、当該年度のJ1所属以外のチームが天皇杯決勝に勝ち残るのは初めてで、「最上位リーグ以外の下位リーグからの出場」に範囲を広げても1994年・第74回大会のセレッソ大阪(関西地区代表・(旧)JFL所属)以来17年振り。また、下位リーグ勢同士の決勝は天皇杯がオープントーナメントとなった1972年・第52回大会以降では初めてで、1982年・第62回大会ヤマハ発動機(東海地区代表・JSL2部所属)以来29年振りとなる「下位リーグ勢の優勝」が確定していた。この両チームは、2010年シーズン最終節でFC東京のJ2降格が決まった際の相手が既に降格の確定していた京都であること、京都監督の大木武とFC東京監督の大熊清は共に2010 FIFAワールドカップ日本代表のコーチングスタッフであった[5]

試合は序盤から攻守の切り替えの激しい展開となり、13分に京都FWドゥトラがドリブルで持ち込んだボールのこぼれ球をMF中山博貴が決めて京都が先制するも、その2分後にはFC東京が左CKからMF石川直宏の上げたクロスをMF今野泰幸が頭でたたき込んで同点に追いつく。その後も一進一退の攻防が続くが、36分にFC東京が得たFKのチャンスで、石川の流したボールをDF森重真人が無回転シュートを決めて逆転、42分にもFWルーカスが流し込んで追加点を挙げ、前半は3-1で折り返す。

後半、FC東京は相手にボールを持たせ、奪ってからのカウンターに戦術を切り替える。そのとおり、京都がボールキープ率を高め、ゴール前に攻め入る場面を再三作り出すも、大木が試合後に「自分たちが得点を決めたい4分の3のエリアのところでのクオリティの違いははっきりあった」と語った[6] ように最後の最後で決めきれない状況が続き、逆に66分、カウンターからルーカスにこの日2点目を決められて3点差とされてしまう。その5分後には京都がFKから現役高校生FW久保裕也のヘディングシュートで1点を返すも、その後はFC東京の堅い守備に阻まれ追加点を挙げることが出来ず、FC東京が4-2で京都を下して初めての天皇杯を獲得した。

GK 01 水谷雄一
DF 18 加藤弘堅 76分に交代退場 76分
DF 08 安藤淳
DF 03 森下俊
DF 16 福村貴幸
MF 07 チョン・ウヨン
MF 23 中村充孝 58分に交代退場 58分
MF 20 工藤浩平
MF 15 中山博貴captain
FW 13 宮吉拓実
FW 09 ドゥトラ 54分に交代退場 54分
控え
GK 21 守田達弥
DF 26 下畠翔吾 76分に交代出場 76分
DF 32 内野貴志
MF 17 中村太亮
MF 22 駒井善成 58分に交代出場 58分
FW 28 金成勇
FW 31 久保裕也 54分に交代出場 54分
監督
大木武
GK 20 権田修一
DF 02 徳永悠平
DF 03 森重真人
DF 06 今野泰幸captain
DF 33 椋原健太
MF 04 高橋秀人
MF 10 梶山陽平
MF 18 石川直宏 88分に交代退場 88分
MF 39 谷澤達也 75分に交代退場 75分
FW 22 羽生直剛 71分に交代退場 71分
FW 49 ルーカス
控え
GK 01 塩田仁史
DF 14 中村北斗 88分に交代出場 88分
MF 27 田邉草民
MF 32 上里一将
MF 35 下田光平
FW 09 ロベルト・セザー 75分に交代出場 75分
FW 11 鈴木達也 71分に交代出場 71分
監督
大熊清

トーナメント表[編集]

4回戦 準々決勝 準決勝 決勝
                           
2011年12月21日            
 名古屋グランパス 3 (PK9)
2011年12月24日
 柏レイソル 3 (PK8)  
 名古屋グランパス 0 (PK3)
2011年12月17日
   横浜F・マリノス 0 (PK4)  
 横浜F・マリノス 4
2011年12月29日
 松本山雅FC 0  
 横浜F・マリノス 2
2011年12月17日
   京都サンガF.C. 4 (aet)  
 鹿島アントラーズ 0
2011年12月24日
 京都サンガF.C. 1  
 京都サンガF.C. 1
2011年12月17日
   湘南ベルマーレ 0  
 川崎フロンターレ 0
2012年1月1日
 湘南ベルマーレ 1  
 京都サンガF.C. 2
2011年12月17日
   FC東京 4
 水戸ホーリーホック 0
2011年12月24日
 FC東京 1  
 FC東京 1
2011年12月17日
   浦和レッズ 0  
 愛媛FC 1
2011年12月29日
 浦和レッズ 3  
 FC東京 1
2011年12月17日
   セレッソ大阪 0  
 セレッソ大阪 1 (PK4)
2011年12月24日
 ベガルタ仙台 1 (PK2)  
 セレッソ大阪 2 (PK6)
2011年12月17日
   清水エスパルス 2 (PK5)  
 清水エスパルス 2
 ジェフユナイテッド千葉 0  

試合日程・会場に関する備考[編集]

  1. ^ 9月3日 13:00キックオフ予定から延期
  2. ^ a b 9月3日 15:00キックオフ予定から延期
  3. ^ 9月3日 15:00キックオフ予定から延期
  4. ^ a b c 9月3日 15:00キックオフ予定から延期、鳴門・大塚スポーツパークポカリスエットスタジアムから会場変更
  5. ^ 当初は広島広域公園第一球技場での開催が予定されていたが、6月28日に会場変更となった。[4]
  6. ^ 当初は柏の葉公園総合競技場での開催が予定されていたが、競技場のメンテナンスのため10月12日に会場変更となった。
  7. ^ a b 2011年のJ1を制した柏レイソルがFIFAクラブワールドカップ2011に出場するため、12月17日 13:00キックオフ予定から変更。

関連項目[編集]

脚注[編集]

参考資料[編集]

外部リンク[編集]