第3回全国同時地方選挙 (韓国)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ナビゲーションに移動 検索に移動
第3回全国同時地方選挙
各種表記
ハングル 제3회 전국동시지방선거
漢字 第三回全國同時地方選擧
テンプレートを表示

第三回全国同時地方選挙(だい3かい ぜんこくどうじ ちほうせんきょ)は、大韓民国地方自治体である広域自治団体(道・特別市・広域市)の団体長(道知事・市長)と議会議員、その傘下の基礎自治団体(自治区・市・郡)の団体長(市長・郡守・区庁長)と議会議員を選出するために2002年6月に行われた選挙である。

概要[編集]

全国規模で行われる選挙のため、この年の12月に行われる大統領選挙の行方を占う試金石として注目された。しかし、選挙戦が2002年FIFAワールドカップと重なったため、選挙への関心が盛り上がらず、投票率は50%を割り込んだ。選挙の結果、当初から優位な戦いを進めてきた野党ハンナラ党がソウル市長選で初勝利するなど圧勝し、金大中政権与党の新千年民主党(民主党)は、党の絶対的な支持基盤である全羅道で勝利を収めただけで惨敗する結果となった。また、この選挙から、広域議会比例代表区の選出方法が地域区の候補者に投ぜられた得票に応じて配分する方法(一票制)から、新たに政党に対して投じられた得票に応じて配分される方法(一人二票制)に改められた。また、政党名簿作成時には2人毎に1名を女性にするクォーター制が新たに導入された。

基礎データ[編集]

広域議会と基礎団体長及び基礎議会の地域別定数一覧表[2]
市・道 広域議会 基礎
団体長
基礎議会
地域区(前回) 比例区(前回) 合計(前回) 団体数(前回) 定数(前回)
合計 609(616) 73(74) 682(690) 232(234) 3,459(3,459)
ソウル特別市 92(94) 10(10) 102(104) 25(25) 513(520)
釜山広域市 40(44) 4(5) 44(49) 16(16) 225(213)
大邱広域市 24(26) 3(3) 27(29) 8(8) 146(140)
仁川広域市 26(26) 3(3) 29(29) 10(10) 130(135)
光州広域市 16(14) 3(3) 19(17) 5(5) 84(81)
大田広域市 16(14) 3(3) 19(17) 5(5) 75(74)
蔚山広域市 16(14) 3(3) 19(17) 5(5) 59(59)
京畿道 94(88) 10(9) 104(98) 31(31) 496(466)
江原道 39(42) 4(5) 43(47) 18(18) 180(195)
忠清北道 24(24) 3(3) 27(27) 11(11) 150(146)
忠清南道 32(32) 4(4) 36(36) 15(15) 209(206)
全羅北道 32(34) 4(4) 36(38) 14(14) 236(249)
全羅南道 46(50) 5(5) 51(55) 22(24) 291(295)
慶尚北道 51(54) 6(6) 57(60) 23(23) 334(342)
慶尚南道 45(46) 5(5) 50(51) 20(20) 314(309)
済州道 16(14) 3(3) 19(17) 4(4) 36(41)
選挙別・政党候補別候補者数[3]
党派 広域
自治団体
基礎
自治団体
広域議会議員
地域区 比例区
定数 16 232 609 73
55 750(8) 1,531(48) 209(116)
ハンナラ党 813 16 190(2) 540(13) 67(42)
新千年民主党 638 10 155(2) 409(12) 64(36)
自由民主連合 142 3 51 64 24(10)
民主労働党 111 7 12 67(7) 25(20)
社会党 25 3 0 6(5) 16(5)
韓国未来連合 22 0 10 8(1) 4
民主国民党 8 1 4 3 0
緑色平和党 12 2 1 1 8(2)
労権党 3 0 1 1 1(1)
民主共和党 1 0 0 1 0
無所属 770 13 326(4) 431(10)
括弧内の数字は女性候補者の数。

基礎自治団体議会(3,459議席)の候補者は、8,373名(内、女性222名)。政党による公薦は禁止されているので、候補者全員が無所属である。

選挙結果[編集]

投票率[編集]

市・道別投票率[4]
市・道 投票率
ソウル特別市 45.8%(46.9%)
釜山広域市 44.6%(46.7%)
大邱広域市 41.4%(46.7%)
仁川広域市 39.3%(43.3%)
光州広域市 42.3%(45.1%)
大田広域市 42.3%(44.4%)
蔚山広域市 52.3%(57.6%)
京畿道 44.6%(49.9%)
江原道 59.3%(64.3%)
忠清北道 55.8%(61.0%)
忠清南道 56.2%(59.5%)
全羅北道 55.0%(57.6%)
全羅南道 65.6%(68.2%)
慶尚北道 60.4%(64.9%)
慶尚南道 56.5%(61.1%)
済州道 68.9%(73.2%)

単位:%。()内の数字は前回1998年選挙の投票率

自治団体長選挙[編集]

広域自治団体長政党別分布地図
ハンナラ党
新千年民主党
自民連

広域自治団体長[編集]

広域自治団体長当選者一覧[5]
市・道 当選者名 党派 得票率
首都圏 ソウル特別市 李明博 ハンナラ党 52.3%
仁川広域市 安相洙 ハンナラ党 56.2%
京畿道 孫鶴圭 ハンナラ党 58.4%
忠清道 大田広域市 廉弘喆 ハンナラ党 46.6%
忠清北道 李元鐘 ハンナラ党 58.6%
忠清南道 沈大平 自由民主連合 67.0%
全羅道 光州広域市 朴光泰 新千年民主党 46.8%
全羅北道 姜賢旭 新千年民主党 57.8%
全羅南道 朴泰栄 新千年民主党 74.6%
江原道 金振兟 ハンナラ党 71.1%
慶尚道 釜山広域市 安相英 ハンナラ党 63.8%
大邱広域市 曹海寧 ハンナラ党 61.2%
蔚山広域市 朴孟雨 ハンナラ党 53.1%
慶尚北道 李義根 ハンナラ党 85.5%
慶尚南道 金爀珪 ハンナラ党 74.5%
済州道 禹瑾敏 新千年民主党 51.4%
  • 党派別当選者数
    • ハンナラ党:11名
    • 新千年民主党:4名
    • 自由民主連合:1名

前回と前々回の選挙で平民党系政党(民主党国民会議)が勝利を収めてきたソウル市長選挙でハンナラ党の李明博候補が当選、初めて保守系政党が勝利を収めた。そして首都圏地域のみならず、忠清北道と大田市でもハンナラ党が勝利を収め、元々の地盤である嶺南地域を含め、11箇所の広域自治団体長選挙で勝利し、優位に立った。一方、与党・民主党は従来からの強固な地盤である全羅道と済州道の4箇所のみの広域自治団体長を得たに過ぎず、敗北した。

基礎自治団体長[編集]

基礎自治団体長党派別当選者数内訳[6]
地域 党派別当選者数
定数 ハンナラ 民主 自民連 民労 無所属
ソウル特別市 25 22 3
仁川広域市 10 8 2
京畿道 31 24 4 1 2
大田広域市 5 5
忠清北道 11 5 1 3 2
忠清南道 15 4 2 7 2
光州広域市 5 4 1
全羅北道 14 9 5
全羅南道 22 16 6
江原道 18 15 2 1
釜山広域市 16 13 3
大邱広域市 8 8
蔚山広域市 5 3 2
慶尚北道 23 21 2
慶尚南道 20 16 4
済州道 4 1 1 2
合計 232 140 44 16 2 30
100.0% 60.3% 19.0% 6.9% 0.9% 12.9%
  • 政党名の略称については以下の通り
    • ハンナラ党=ハンナラ、新千年民主党=民主、自由民主連合=自民連、民主労働党=民労
    • 韓国未来連合=未来連合

議会議員選挙[編集]

広域議会[編集]

広域議会議員党派別当選者数内訳(地域区・比例区)[7]
地域 定数 ハンナラ 民主 自民連 民労 未来連合 無所属
地域区 比例区 地域区 比例区 地域区 比例区 地域区 比例区 地域区 比例区 地域区 比例区 地域区
ソウル
特別市
92 10 82 5 10 4 1
仁川広域市 26 3 23 2 2 1 1
京畿道 94(2) 10 84(1) 6 7(1) 3 1 3
大田広域市 16 3 8 1 1 8 1
忠清北道 24(1) 3 19(1) 2 1 2 1 2
忠清南道 32(1) 4 7 1 3 1 19(1) 2 3
光州広域市 16 3 16 2 1
全羅北道 32 4 1 27 2 1 5
全羅南道 46(3) 5 1 44(3) 3 1 2
江原道 39(1) 4 31(1) 2 6 1 1
釜山広域市 40(10) 4 40(10) 2 1 1
大邱広域市 24(5) 3 24(5) 2 1
蔚山広域市 16 3 13 2 2 1
慶尚北道 51(9) 6 47(8) 4 1 1 4(1)
慶尚南道 45(9) 5 44(9) 3 1 1 1
済州道 16 3 9 2 5 1 2
合計 609(44) 73 431(38) 36 121(4) 22 29(1) 4 2 9 0 2 26(1)
100.0% 100.0% 70.8% 49.3% 19.9% 30.1% 4.8% 5.5% 0.3% 12.3% 0.0% 2.7 4.3%
地域区の括弧内の数字は無投票当選者数
広域議員政党別得票数・率[8]
党派 比例区 地域区
得票数 得票率 得票数 得票率
ハンナラ党 8,595,174 52.1% 7,361,170 47.6%
新千年民主党 4,796,391 29.1% 4,695,425 30.3%
民主労働党 1,340,376 8.1% 393,188 3.6%
自由民主連合 1,072,782 6.5% 563,877 3.6%
韓国未来連合 184,261 1.1% 46,491 0.3%
其の他の政党 493,575 3.0% 38,399 0.2%
無所属 2,372,965 15.3%
広域議会議員選挙比例区の地域別政党名簿得票率[9]
ハンナラ 民主 自民連 民労 未来連合 社会 緑色平和 労権
首都圏 ソウル特別市 51.8% 37.1% 2.5% 6.1% 0.8% 1.8%
仁川広域市 54.4% 29.8% 3.5% 6.3% 1.9% 1.4% 2.6%
京畿道 55.0% 32.2% 3.9% 5.8% 0.9% 2.2%
忠清道 大田広域市 42.9% 12.6% 35.0% 7.5% 2.0%
忠清北道 51.4% 16.2% 22.2% 7.3% 3.0%
忠清南道 33.1% 11.9% 40.5% 4.5% 6.0% 1.5% 2.5%
全羅道 光州広域市 8.5% 70.4% 2.4% 14.8% 1.2% 2.6%
全羅北道 9.7% 65.2% 5.4% 12.8% 2.1% 4.8%
全羅南道 7.4% 67.4% 6.9% 14.9% 3.3%
江原道 60.9% 21.7% 6.3% 8.6% 2.4%
慶尚道 釜山広域市 71.7% 14.1% 2.1% 10.7% 1.4%
大邱広域市 76.2% 7.7% 5.2% 8.2% 1.0% 1.6%
蔚山広域市 60.2% 8.6% 28.7% 2.4%
慶尚北道 74.9% 7.8% 4.4% 4.5% 5.5% 1.9% 0.9%
慶尚南道 74.5% 10.8% 3.4% 8.9% 2.4%
済州道 47.5% 39.3% 10.6% 2.6%
太字は、当該地域で最多得票を得たことを示している。
政党別当選者数
ハンナラ党:467名
新千年民主党:143名
自由民主連合:33名
民主労働党:11名
韓国未来連合:2名
無所属:26名

15の道・広域市の議会議員選挙でもハンナラ党が大勝、民主党が平民党以来の絶対的な地盤である全羅道以外で軒並み敗北する結果となった。また、院外政党で国会に議席を有していなかった左派政党の民主労働党が、政党得票率で自民連を上回る8.1%を得て11議席を獲得した。

基礎議会議員[編集]

自治区・市・郡の議会議員選挙は232区市郡の3,459議席が争われ、13%弱の451名が無投票当選となった。尚「基礎データ」の項目で説明したとおり、政党による公薦は禁止されているので、當選者3,459名全員が無所属である。

女性当選者[編集]

  • 広域自治団体長:0名
  • 基礎自治団体長:2名
  • 広域議会議員
    • 地域区:14名
    • 比例区:49名
  • 基礎議会議員:77名

合計:142名(全体の当選者4,215名中3.2%)[10]

脚注[編集]

  1. ^ 前回までは、地域区候補の得票率を合算し、それによって比例区の議席を配分していた。しかし、憲法裁判所が従来の比例代表制は「直接選挙の原則に反する」として2001年7月違憲判決を下したことをきっかけに、政党投票制が導入された。政党投票制の導入によって、政党の支持率が明確になり、中央政治の動向がより地方選挙に反映される効果をもたらした他、地方区候補を多数擁立できない小政党でも、比例区で議席を確保する道が開かれることになった。
  2. ^ 自治体国際化協会クレアレポート第236号『大韓民国の2002年統一地方選挙』の8頁“<表Ⅰ-1> 2002年統一地方選挙区数及び定数現況”を参照して作成。
  3. ^ 前掲書10頁“<表Ⅲ-3>選挙別・政党別候補者数”より引用
  4. ^ 前掲書18頁“<表IV-2> 歴代統一地方選挙投票率比較”を元に作成した。
  5. ^ 前掲書22頁“<表V-5> 広域自治団体長の得票数と得票率”
  6. ^ 前掲書27頁“<表V-6>基礎自治団体長地域別・政党別当選者現況(単位:名/%)”より引用して作成
  7. ^ 前掲書29頁“<表V-8>広域議会議員地域別・政党別当選者現況(単位:名/%)”を元にして作成した。
  8. ^ 前掲書21頁“<表IV-6>政党別得票数、得票率及び当選者数”を元にして作成した。
  9. ^ 前掲書30頁“<表V-9>広域議会比例区地域別政党名簿得票率(%)”を元にして作成した。
  10. ^ 前掲書33頁“<表V-12>性別・年齢別分布”より

参考文献[編集]

関連項目[編集]