第22回有馬記念

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第22回有馬記念(だい22かいありまきねん)は、1977年12月18日中山競馬場で施行された競馬競走である。トウショウボーイテンポイントグリーングラスTTGの最後の戦いとして、中央競馬史上屈指の名勝負の1つに数えられている。年齢は全て旧表記(数え年)にて表記。

レース施行時の状況[編集]

前年にクラシックを沸かせたTTGと呼ばれる3頭、トウショウボーイテンポイントグリーングラスの活躍により競馬は一時の黄金期を築き上げていた。ファン投票1位で選出されたのはテンポイント、前年はトウショウボーイの2着に敗れたが、この年は春の天皇賞を制し6戦5勝2着1回と安定した強さを見せていた。しかし、トウショウボーイとの対決となった宝塚記念では2着に敗れ、これまでの対戦はトウショウボーイの4勝1敗と後塵を拝する結果となっていた。トウショウボーイは本レース限りでの引退が発表されており、テンポイント陣営にとっては雪辱を果たすラストチャンスとなっていたレースであった。対する前年の優勝馬トウショウボーイは前走の秋の天皇賞を7着と大敗し、ファン投票2位での出走だったが、スピードシンボリ以来史上2頭目の有馬記念連覇がかかっており、引退レースを飾るためにも負けられないレースでもあった。

この年の4歳世代最強のマルゼンスキーも出走プランはあったものの脚部不安により直前に引退。しかしTTGの最後の揃い踏みとあって、非常に注目の大きいレースであった。

なお、年末の大一番たるグランプリレースであるにもかかわらず、トウショウボーイ、テンポイント、グリーングラスの出走に加え菊花賞馬プレストウコウの参戦。さらにマルゼンスキー出走の可能性を見て回避し翌年正月の東西の金杯などに回る陣営が相次ぎ、8頭立てと少頭数によるレースとなった[1]

出走馬と枠順[編集]

天候:晴れ、芝:良馬場
枠番 馬番 競走馬名 斤量 騎手 オッズ 調教師
1 1 トウショウボーイ 牡5 56 武邦彦 2番人気 保田隆芳
2 2 トウフクセダン 牡5 56 宮田仁 7番人気 大久保末吉
3 3 テンポイント 牡5 56 鹿戸明 1番人気 小川佐助
4 4 シンストーム 牡7 55 横山富雄 6番人気 尾形藤吉
5 5 プレストウコウ 牡4 54 郷原洋行 4番人気 加藤朝治郎
6 6 グリーングラス 牡5 56 嶋田功 3番人気 中野隆良
7 7 スピリットスワプス 牡5 56 中野栄治 8番人気 荒木静雄
8 8 メグロモガミ 牡4 54 東信二 5番人気 境勝太郎

レース展開など[編集]

レースはスタートからトウショウボーイが逃げるが、すぐに馬体を合わせかわすテンポイント、更に抜き返すトウショウボーイ、そしてまたテンポイントが抜き返すという前代未聞のマッチレースを展開。互いに先頭を譲らず、人馬ともに互いをライバルと認め合い、互いに負けられないと言う気骨がこの名勝負を生み出したといえる。そして最後の直線でも激しい叩き合いを続けるTT両馬をピッタリとマークし、一気に猛追するグリーングラス。3頭がなだれこむようにゴール版を通過する中、先頭でゴール板を駆け抜けたのはテンポイントだった。トウショウボーイはグリーングラスを半馬身なんとか抑えきっての2着。最終的にTT両馬にグリーングラスがわずかに詰め寄ったのみで、他の馬たちは全て蚊帳の外という凄まじいレース内容であった。

このレースでテンポイントは初めて宿敵・トウショウボーイを打ち負かした。この名勝負を振り返りトウショウボーイに騎乗していた武邦彦、テンポイントに騎乗していた鹿戸明の両騎手は「レースに負けてもいいから相手に勝つ事しか考えていなかった」と同じ旨のコメントを残している。これが有馬記念史に残る伝説のマッチレースと、その一部始終である。ちなみに上位3頭と、4着のこの年の菊花賞優勝馬プレストウコウの間には6馬身もの差が開いていた。このことからもこのTTG3頭の実力が他馬に比べて突出していたことが伺える。このレースを有馬記念ベストレースはもとより、日本競馬の白眉として史上最高のレースに推す競馬ファンは今も少なくない。また、「あなたの、そして私の夢が走っています」「中山の直線を!中山の直線を流星が走りました!テンポイントです!」という杉本清の実況の一節も共に競馬史上に残る名文句として語り継がれている。

ただし、この実況は関西テレビがテンポイントの特番を作成するために特別に収録したもので、杉本は実況席ではなく、スタンドにロープで区切りを作ってその中で実況をおこなったという。この特番はその後の悲劇によって形を変えたものの、「もし朝が来たら〜テンポイント物語」というタイトルでビデオ化されており、杉本の実況も聞くことができる。また、先述したように杉本による実況はあくまで企画ものとしての録音であるので、一般にはフジテレビ盛山毅アナウンサーによる「テンポイント力で、トウショウボーイを、そしてグリーングラスをねじ伏せました!」という実況も広く知られている。

レース結果[編集]

着順 枠番 馬番 競走馬名 タイム 着差
1 3 3 テンポイント 2.35.5
2 1 1 トウショウボーイ 2.35.5 3/4馬身
3 6 6 グリーングラス 2.35.6 1/2馬身
4 5 5 プレストウコウ 2.36.6 6馬身
5 2 2 トウフクセダン 2.37.2 3 1/2馬身
6 4 4 シンストーム 2.37.4 1 1/2馬身
7 7 7 スピリットスワプス 2.37.4 アタマ
8 8 8 メグロモガミ 2.37.5 ハナ

レースにまつわるエピソード[編集]

  • 杉本清は著書の中で、最後の直線で競り合うテンポイントとトウショウボーイの後方にグリーングラスが迫ってきたのを見て「実況しながら内心『またこいつ来たんか』と思った」と当時の心境を述懐している。
  • 2004年に発行した「日本中央競馬会(JRA)発足50周年記念切手」にはこのレースで最終コーナーを回るテンポイントとトウショウボーイを捕らえた写真をモチーフにしたデザインが使用されている。
  • 2012年に放送の「近代競馬150周年テレビCM〜「次の夢へ」〜」60秒版のテンポイントのシーン、および同年のGIプロモーションCM「The WINNER」有馬記念編で、ゴール前での競り合いの様子が使用されている。

脚注[編集]

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  1. ^ ほかに第10回(1965年)の有馬記念も8頭立て。なお有馬記念出走馬最少記録は馬インフルエンザの影響を受けた第16回(1971年)の6頭立て(有馬記念の歴史参照)。