第八十六号哨戒特務艇

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
仮称艦名第二二〇六号艦
(第八十六号哨戒特務艇)
基本情報
建造所 米子造船所
運用者  大日本帝国海軍
艦種 特務艇
級名 第一号型哨戒特務艇
建造費 1,350,000円(予算成立時の価格)
艦歴
計画 マル戦計画
起工 1945年2月12日
最期 1945年8月17日船体工程65%で工事中止[注釈 1]
その後 1947年11月22日漁船改造許可
要目(哨戒特務艇・計画時)
基準排水量 238トン
水線長 28.50m
水線幅 6.14m
吃水 2.35m
機関 400型中速ディーゼル1基、1軸
出力 400bhp
速力 9.0ノット
燃料 重油26トン
航続距離 8ノットで4,000カイリ
乗員 34名
兵装 25mm機銃 連装1基、単装2基
12センチ噴進砲2門
爆雷12個、魚雷落射機2基
搭載艇 短艇1隻
レーダー 13号電探1基
ソナー 三式水中探信儀三型1基
テンプレートを表示

第八十六号哨戒特務艇[注釈 2](だいはちじゅうろくごうしょうかいとくむてい)は、日本海軍の未成特務艇(哨戒特務艇)。第一号型哨戒特務艇の1隻だが、実際には命名された事実は無く、特務艇類別等級別表にも登載されていない。

艇歴[編集]

マル戦計画の特務艇、第2121号艦型の86番艇、仮称艦名第2206号艦として計画。1945年2月12日、株式会社米子造船所で起工。

終戦時未成。8月17日、工事中止が発令され船体工程65%で工事中止[注釈 1]。戦後は米子造船所の船台上に放置されていた。

1947年11月22日、在東京アメリカ極東海軍司令部から、本艇の漁船への改造許可が出された。その後の消息は詳らかではない。

脚注[編集]

注釈
  1. ^ a b 進捗率は昭和22年2月1日付 二復総第49号による。福井静夫『昭和軍艦概史III』 p. 66では70%としているが、同ページには「ごく大体のもの」と注意書きが添えられている。
  2. ^ 本艇が命名された事実は無く、仮定本籍の設定や特務艇類別等級別表への登載も行われていない。このことから記事名は、本来ならば仮称艦名第二二〇六号艦第二二〇六号艦、あるいは第2206号艦とすべきところだが、復員庁が作成あるいは調整した文書中では本艇を「哨戒特務艇八六」「哨特八六」と記述していること、参考文献として用いた世界の艦船『日本海軍護衛艦艇史』では「第86号哨戒特務艇(未成)」と記述していること、そしてWikipedia:記事名の付け方に鑑み、記事名を標記のとおりとする。
脚注

参考文献[編集]

  • 復員庁
    • 昭和22年2月1日付 復員庁第二復員局総務部 二復総第49号。
  • 在東京アメリカ極東海軍司令部
    • 1947年11月22日付 残存舊日本海軍行動不能艦艇(第二復員局保管)ニ關スル件。
      • (a) 解撤スベキ艦船ノリスト。
      • (b) 民需用トシテ内務省ヘ引渡スベキ艦艇ノリスト。
  • 世界の艦船 No. 507 増刊第45集 『日本海軍護衛艦艇史』、海人社、1996年。
  • 福井静夫 『昭和軍艦概史III 終戦と帝国艦艇 -わが海軍の終焉と艦艇の帰趨-』、出版共同社、1961年。
  • 防衛研修所戦史室 戦史叢書 第88巻 『海軍軍戦備(2) -開戦以後-』、朝雲新聞社、1975年。
  • 丸スペシャル No. 49 日本海軍艦艇シリーズ 『駆潜艇・哨戒艇』、潮書房、1981年。