童夢 (漫画)

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童夢』(どうむ)は、大友克洋作の漫画。「アクションデラックス」(双葉社)などに1980年から1981年にかけて4回に分けて発表された。1983年8月18日単行本発行。第4回日本SF大賞受賞。

舞台 団地のモデルは埼玉県川口市の芝園団地 警察署は旧川口警察署の庁舎 非常に緻密な描き込みが特徴。単行本化の際に大幅な加筆がなされている。


あらすじ[編集]

とあるマンモス団地内で変死事件が連続して発生。警察が捜査を進めるも手がかりは一向に掴めず、担当の刑事部長までが不可解な死を遂げてしまう。そんな中、一家で団地に引っ越してきたばかりの特殊な能力を持つ少女「悦子(エッちゃん)」は、団地内に住む老人「チョウさん」が超能力を悪用して殺人を行っていることに気付く。少女と老人、超能力者2人の対決はやがて団地全体を巻き込む惨事へと発展していくのだった。

登場人物[編集]

悦子
通称エッちゃん。一家で団地に引っ越して来たばかりの小学生の女の子。超能力を持っており「チョウさん」の正体をいち早く見抜く。明るく人見知りせず、周りの意見に流されない性格で、同級生から孤立していた吉川や、周囲から怖がられているヨッちゃんと仲良くなる。親の言う事をよく聞き、1日の事を母親に話したりするなど普通の子供と変わらない。泣き出すと自らでも操れないほどの超能力を発揮する。チョウさんのことは老人とは見ておらず、子供扱いしており「いたずらっ子ね!」と注意した。チョウさんに命を狙われるようになる。佐々木に襲われたショックで、団地に隣接する診療所で精神安定剤を投与され寝ているところをチョウさんに操られてひろしの父親に命を狙われる。しかし、最終的にチョウさんと戦う。事件後、母親の実家がある京都に移住したが、超能力で団地に戻り、チョウさんを子供たちと共に殺害した。
内田 長二郎
通称チョウさん。一連の連続変死事件の犯人。団地に一人暮らししている。子供は遠くに住んでおり、チョウさんの面倒を見たがらず、見て見ぬふりをしている。超能力で次々と団地の住人を殺害しているが、本人は遊び程度にしか考えていない。子供が遊ぶ玩具や、子供服、価値がないような物を欲しがる。相手に幻覚を見せる能力や、空を飛ぶ能力、気功のような能力を持つ。団地の住民や警察官達は、軽度の認知症を患っている老人ぐらいにしか見ていない。子供の心が非常に強い。最終的に老人施設に入居することになるが、エッちゃんの超能力と周りの子供たちの持つ力で亡くなる。
吉川ひろし
悦子の隣の部屋に住んでいる小学生の男の子。父親がアルコール依存症であり、母親はひろしを置いて出て行った。夕飯は菓子パンと牛乳。愛想が悪く、さらに家庭環境から団地の同級生から孤立しており、友達はヨっちゃんしかいない。1人でキャッチボールをしている時にエッちゃんと仲良くなる。チョウさんに操られた父親に撃たれて亡くなる。
藤山 良夫
通称ヨッちゃん。屈強な体躯の男性であるが、作中で団地の住民が「体は大人だが、頭の中は子供」と言っているとおり、普段は団地内の子供達と遊んでいることもある。ひろしと仲が良く、キャッチボールがきっかけでエッちゃんと知り合う。ひろしを助けようとし、銃で撃たれるが、目の前でひろしが父親に撃たれた事により怒りが爆発し、暴れ出す。最後はひろしを抱きしめながら崩壊するマンションから共に落下した。
高山
長髪の刑事。不可解な出来事に何度も直面しながら事件の渦中にのめり込んでいく。非科学的なものに対して一応耳を傾けてみる柔軟な一面も。山川部長を尊敬し、慕っていた。事件後にシャーマンの言っていた意味を理解し驚愕する。
山川刑事部長
高山の上司。現場に良く出ており、その甲斐あって事件の真相にあと一歩のところまで迫るが、チョウさんの幻覚により殺害される。
岡村刑事部長
山川刑事部長の殉職後を引き継ぐ形で着任。山川部長とは同期だった。
佐々木 勉
三浪の浪人生。近所から陰口を叩かれながらも、本人は真面目に勉強する気はあまりない。航空機のプラモデルが趣味。いわゆるオタク。チョウさんの超能力でエッちゃんを殺害しようとし、いたずらで自らの首をカッターで切り、血塗れてエッちゃんを襲う。最終的には亡くなった。
手塚さんの奥さん
奇病の流産で子供なくしたという噂があるノイローゼ気味の主婦。子供が乗っていない乳母車を押して辺りを徘徊している。銃で撃たれたひろしを乳母車に乗せて、マンションから落とした。崩壊するマンションの落下物に押し潰されて死亡した。
金子教授
イタコの研究などをしている大学教授。捜査に行き詰まった高山刑事に霊媒師を紹介する。
野々村典子
捜査に協力することになったシャーマン。腕の立つ本物のシャーマンと太鼓判を押されている。高山に連れられて団地に赴くが、悦子とチョウさんの力に恐怖して「子供に気をつけろ」という警告を高山に伝える。高山は初めは意味がわからなかったが、後に気付くこととなる。

単行本[編集]