秦剛
秦 剛 | |
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秦剛、2023年 | |
生年月日 | 1966年3月19日(58歳) |
出生地 | 中国 天津市 |
出身校 | 国際関係学院 |
所属政党 | 中国共産党 |
第12代中華人民共和国外交部長 | |
内閣 |
李克強内閣 李強内閣 |
在任期間 | 2022年12月30日 - 2023年7月25日 |
最高指導者 | 習近平 |
中華人民共和国駐アメリカ合衆国大使 | |
内閣 | 李克強内閣 |
在任期間 | 2021年7月28日 - 2023年1月5日 |
秦 剛 | |
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各種表記 | |
繁体字: | 秦 剛 |
簡体字: | 秦 刚 |
拼音: | Qín Gāng |
和名表記: | しん ごう |
発音転記: |
チン・カン[1] チン・ガン[2] チンカン[3] チンガン[4] |
秦 剛(しん ごう、簡体字中国語: 秦 刚、拼音: 、1966年3月19日 - )は、中華人民共和国の元外交官、報道官。
天津市出身。外交部長(外務大臣)[5][6]、中華人民共和国駐アメリカ合衆国大使[7]、中華人民共和国外交部副部長(外務副大臣)、外交部新聞司長(報道局長)、国務委員、中国共産党中央委員会委員などを歴任。戦狼外交の先駆的存在としても知られる[8]。
来歴
[編集]1984年、国際関係学院に入学した。1988年に同大学を卒業後、同年、北京外交人員服務局に入局。1992年に中華人民共和国外交部(外務省)へ移った。以後、西欧司アタッシェ、三等書記官、駐英国大使館三等書記官、二等書記官、西欧司二等書記官、副処長、処長、駐英国大使館参事官を歴任した。
2005年1月、章啓月の後任として、外交部新聞司副司長兼報道官に任命された。
2010年9月、在英国中華人民共和国大使館公使に就任。
2011年、外交部新聞司司長兼報道官に就任。
2015年1月2日、外交部礼賓司司長に転任。
2017年4月には外交部部長助理を兼務する。
2018年9月、外交部副部長に昇格。
2021年7月28日、中華人民共和国駐アメリカ大使に任命[9]。
2022年12月30日、第13期全国人民代表大会常務委員会の決定により、外交部長(外務大臣)への就任が明らかにされた[10]。
2023年6月19日、アメリカのアントニー・ブリンケン国務長官が訪中。秦剛はブリンケンを相手に長時間の会談を行った。緊張する二国間で、ハイレベルなコミュニケーションを再開する機会であったが、秦剛はブリンケンを徹底的に冷遇[11]。翌6月20日、ジョー・バイデン大統領が国内向けのスピーチの中で習近平国家主席を独裁者と呼んだことから[12]、会談が初日から大失敗に終わり、後述する失脚の一因になったとする観測もなされた[13]。
2023年6月25日に北京でロシア高官らと会談して以降3週間以上も動静が途絶え、7月中旬にインドネシアで開催されたASEAN関連会合も体調不良を理由に欠席し同会議には外交トップの王毅政治局員が代理で出席した[14]。外務省の報道官は同月11日の定例記者会見で秦剛外相が出席しないことについて「身体的理由」とだけ明らかにしたが、その発表を公式サイトに掲載せず国内の主要メディアも一切報じていない[14]。姿を見せないことについて、中国国内のネット上でも様々な憶測が広がっている[14]。香港の報道機関は新型コロナウイルス感染症の可能性を指摘していたが[15]、7月15日には台湾の報道機関が香港のフェニックステレビ(鳳凰衛視)の女性ジャーナリストとの関係が動静が途絶えた原因だと報じた[16]。17日の外交部記者会見で中国の毛寧報道官はこの報道について、「提供できる情報はない」「状況を把握していない」とコメントするにとどめた[14][16][17]。なお、これによりイギリスのクレバリー外相が予定されていた訪中を延期するなどの影響が出ている[18]。
2023年7月25日、全人代常務委員会で解任が決定、後任には外交トップで前外交部長の王毅共産党政治局員が充てられた[19][20][21]。同日中に、外務省の公式サイトから全ての情報が削除された[22]。
2023年9月19日には秦剛が駐米大使時代に既に不倫を行っており、アメリカで婚外子が生まれていたことが中国上層部の調査で発覚し、外交部長更迭の原因になったほか、アメリカ生まれの子供の存在が対米交渉、ひいては国家安全保障へ影響を与えた可能性について中国当局による調査が行われていると米紙ウォール・ストリート・ジャーナルが報じた。中国の利益を代表する能力を損ねたとみなされ失脚につながった可能性を指摘している[23][24][25]。10月24日には国務委員からも解任された[26]。2024年2月27日には、秦剛が全人代代表を辞任したと全人代常務委員会が発表した[27]。同年7月18日に閉幕した第20期中央委員会第3回総会では党中央委員職についても解いた[28][29]。
2024年9月8日、秦が外交部傘下の世界知識出版社に配属されたと米紙ワシントン・ポストが報じた。同紙はアメリカ合衆国の元高官による証言として、秦について「出版社では名目上、下級の仕事を割り当てられている」「外交官としてのキャリアは終わった」と伝えているが、業務の詳細や配属の経緯などには触れていない。また外交部の毛寧報道官は、こうした状況を把握していないとして肯定も否定もしていない[30]。ただし香港紙の明報は9月10日、世界知識出版社に務めているのは同姓同名の別人であり、ワシントン・ポストの報道は誤報であるという北京の消息筋の話を報じているほか、星島日報は秦剛が公式に否定的評価を受けたわけではないことを理由に、低い職位に降格された可能性はないと分析している[31]。
出典
[編集]- ^ パーマー, ジェームズ (2023年7月24日). “中国の秦剛外相の「雲隠れ」が示唆する不都合な真実”. www.newsweekjapan.jp. 2024年2月28日閲覧。 “<中国外務省の報道官は「提供できる情報はない」と語るのみ>中国の習近平(シー・チンピン)国家主席の腹心といわれる秦剛(チン・カン)外相の動静が、6月25日を最後に3週間以上途絶えている。7月半ばにインドネシアで開催されたASEAN地域フォーラム外相会談は「健康上の理由」で欠席。外務省の報道官は「提供できる情報はない」と語り、香港紙に掲載された秦に関する記述も削除された。”
- ^ “中国外相を解任された秦剛氏が残した名言の数々―香港メディア”. www.recordchina.co.jp (2023年7月26日). 2024年2月28日閲覧。 “2022年末に中国外相に就任した秦剛(チン・ガン)氏がわずか7カ月余りで解任された。”
- ^ “秦剛・中国新外相の役割は「戦狼外交」か? 習氏が評価したある能力”. www.asahi.com (2023年1月4日). 2024年2月28日閲覧。 “中国外交の「顔」が10年ぶりに交代した。外相を長年務めた王毅(ワンイー)氏の後を受けた新任の秦剛(チンカン)氏は、8年半にわたり外務省報道官を務めるなど発信力に定評があり、「戦狼(せんろう)外交の継承」に注目が集まる。だが中国政府関係者らによると、習近平(シーチンピン)国家主席が秦氏を登用した大きなねらいは、ほかにあるようだ。”
- ^ 吉永, 亜希子 (2023年7月17日). “中国外相、公式の場に3週間以上も姿見せず…台湾紙「女性問題で党機関が取り調べ」”. www.yomiuri.co.jp. 2024年2月28日閲覧。 “中国の 秦剛 国務委員兼外相が3週間以上公式の場に姿を見せていない。中国外務省は「健康問題」と説明しており、様々な臆測が飛び交っている。”
- ^ “中国外相に駐米大使の秦剛氏 王毅氏は外交担当トップに - 日本経済新聞”. www.nikkei.com. 2023年5月16日閲覧。
- ^ Admin (2023年1月5日). “Who is Qin Gang, the new foreign minister of China?” (英語). News Central Asia (nCa). 2023年5月16日閲覧。
- ^ “秦剛:中國新任駐美大使 熟悉外媒的習近平親密助手” (中国語). BBC. (2021年7月29日) 2021年7月31日閲覧。
- ^ 「戦狼外交」中国・秦剛外相、異例のスピードで昇格か…香港紙「3月に副首相級の国務委員に」 : 読売新聞
- ^ “駐米中国大使に秦剛氏”. 時事通信社 (2021年7月29日). 2021年7月31日閲覧。
- ^ "中国外相に駐米大使起用 秦剛氏、対米関係重視か". 産経ニュース. 産経デジタル. 30 December 2022. 2022年12月30日閲覧。
- ^ “「ブリンケン訪中」の謎…中国側の異常なまでの“冷遇”と“上から目線”は、いったい何を意味するのか?”. 現代ビジネス (2023年6月23日). 2023年8月9日閲覧。
- ^ “バイデン氏、習氏は「独裁者」米中の「ハイレベルなコミュニケーション」再開の翌日”. BBC (2023年6月21日). 2023年8月9日閲覧。
- ^ “中国外相だった秦剛氏「更迭」の裏に経済の行き詰まり 行き過ぎたボスへのゴマすり 対米関係の好転急ぐ習政権は迷走”. zakzak (2023年8月4日). 2023年8月9日閲覧。
- ^ a b c d “中国外相、動静途絶え3週間 広がる臆測、当局「身体的理由」”. 毎日新聞. (2023年7月18日) 2023年7月19日閲覧。
- ^ “中国・王毅氏が出席へ ASEAN関連会合、秦剛氏は体調不良で欠席”. 朝日新聞. (2023年7月11日) 2023年7月17日閲覧。
- ^ a b “秦剛外相の「状況把握せず」 中国外務省、女性問題で”. 産経新聞. (2023年7月17日) 2023年7月17日閲覧。
- ^ “中国外相、動静不明続く 「提供できる情報ない」” (2023年7月17日). 2023年7月19日閲覧。
- ^ “英外相が中国訪問を延期、秦剛外相の謎めいた不在が影響か-関係者”. ブルームバーグ (2023年7月23日). 2023年7月26日閲覧。
- ^ “中国 秦剛外相を解任、後任に王毅氏”. 時事通信 (2023年7月25日). 2023年7月25日閲覧。
- ^ “秦剛外相解任、後任は王毅氏 理由の説明なし―中国全人代”. 時事通信 (2023年7月25日). 2023年7月25日閲覧。
- ^ “中国、秦剛外相を解任 習主席に痛手、後任に前外相”. 共同通信 (2023年7月25日). 2023年7月26日閲覧。
- ^ “中国外務省のサイトから「即データ全削除」の怪...新任外相の秦剛はなぜ解任されたのか?”. ニューズウィーク日本版 (2023年8月1日). 2023年8月1日閲覧。
- ^ “中国の秦剛前外相、駐米大使時代の不倫疑惑で更迭 WSJが報道”. ロイター (2023年9月19日). 2023年9月19日閲覧。
- ^ “中国前外相、国家安全で調査か 米との関係注視”. 産経新聞. (2023年9月19日) 2023年9月19日閲覧。
- ^ “中国外相の解任は不倫原因か、アメリカ生まれの子供を共産党が問題視と米紙報道”. 読売新聞. (2023年9月19日) 2023年9月24日閲覧。
- ^ “中国、李尚福国防相を解任 消息経ち2カ月、秦剛外相に続く異例事態”. 朝日新聞. (2023年10月24日) 2023年10月24日閲覧。
- ^ “中国の秦剛前外相が全人代代表を辞任 全人代常務委が発表、昨年7月に外相職解任”. 産経新聞. (2024年2月27日) 2024年2月27日閲覧。
- ^ “中国共産党、前外相の秦剛氏を中央委員会から追放-3中総会閉幕”. ブルームバーグ (2024年7月18日). 2024年7月18日閲覧。
- ^ “<速報>中国共産党が秦剛・前外相の党役職を解く 辞職申し出を受け入れ 重要会議「3中総会」閉幕”. 産経新聞. (2024年7月18日) 2024年7月18日閲覧。
- ^ “中国の秦剛前外相、外務省傘下の出版社に配属か 米紙報道も報道官は「把握せず」”. 産経新聞. (2024年9月9日) 2024年9月9日閲覧。
- ^ “香港紙「中国・秦剛前外相左遷、米紙報道は誤報」「同名の別人」”. 朝鮮日報. (2024年9月12日). オリジナルの2024年9月12日時点におけるアーカイブ。 2024年9月12日閲覧。
外部リンク
[編集]官職 | ||
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先代 馬朝旭 |
中華人民共和国外交部新聞司司長 2012年1月-2015年1月 |
次代 劉建超 |
先代 張昆生 |
中華人民共和国外交部礼賓司司長 2015年1月-2018年8月 |
次代 洪磊 |
先代 李保東 |
中華人民共和国外交部副部長 2018年9月-2021年7月 |
次代 鄧勵 |
先代 王毅 |
中華人民共和国外交部部長 2022年12月-2023年7月25日 |
次代 王毅 |
外交職 | ||
先代 崔天凱 |
中華人民共和国駐アメリカ合衆国大使 2021年7月-2023年1月5日 |
次代 謝鋒 |