福島章
|
|
この存命人物の記事には検証可能な出典が求められています。信頼できる情報源の提供に協力をお願いします。存命人物に関する出典の無い、もしくは不完全な情報に基づいた論争の材料、特に潜在的に中傷・名誉毀損あるいは有害となるものはすぐに除去する必要があります。(2011年7月) |
| この記事は検証可能な参考文献や出典が全く示されていないか、不十分です。 出典を追加して記事の信頼性向上にご協力ください。(2011年7月) |
福島 章(ふくしま あきら、1936年1月29日 - )は日本の医学者、精神科医(医学博士)。専門は犯罪精神医学、病跡学。上智大学名誉教授。福嶋章表記の場合もある。
経歴・人物[編集]
東京生まれ。東京都立大学附属高等学校卒業。東京大学医学部卒業。1968年同大学大学院医学系研究科精神医学専攻博士課程修了、「窃盗累犯の精神医学的研究 意志欠如精神病質者の犯罪学および性格学への一寄与」で医学博士。府中刑務所医師、東京医科歯科大学助教授、上智大学文学部教授。2001年定年退任、名誉教授。犯罪心理学、精神鑑定などの啓蒙書を多く執筆。また、犯罪心理学を題材にした小説も執筆している。さらに病跡学の第一人者としても知られ日本病跡学会名誉会長を務めた。
1983年の深川通り魔殺人事件を始めとして、下関通り魔殺人事件(1999年)、西鉄バスジャック事件(2000年)などの著名な事件の裁判で精神鑑定を行っている。
「ネット利用者やオタクは性犯罪者予備軍」との持論を展開しているが、それを裏付ける根拠を提示することはない。
石原慎太郎への傾倒[編集]
2002年に、民事訴訟「宝島社対東京都知事石原慎太郎」事件に関する「意見書」を書く。その中で、石原の著書『真実の性教育-学校では教えない人間の性』(1972年、光文社)について言及し、
「性科学や性教育に長年かかわってきた専門家として、文学者・石原慎太郎氏のこの態度に深い敬意を表したいと考える」
「私は、自分の『意見書』を書いた時にこの石原氏の著書を知っていて、その中から多くの文章を引用することが出来たらさらに幸運であったろうと思った。それほど、石原氏の思想・見解は意見書作成人の主張と同一であり」
など、石原に対して崇拝に近い態度を示している。
冤罪を生んだ事件[編集]
足利事件(1990年)の一審の精神鑑定において、当時の被告人に対して「代償性小児性愛者である」と鑑定した。第一審及び控訴審ともに福島の鑑定結果を証拠として採用し、被告人を有罪(無期懲役)とした。
弁護人は、たった3回の面会のみで被告人を代償性小児性愛者と断定した福島の鑑定結果には大いに疑問の余地があるとして、福島に対して面会時の録音テープの提出を要求した。福島は再三の提出要求にも、一切応じなかった。また、控訴審で「一年間も警察官が尾行したのに菅家が幼女に声をかけたりロリコン物に興味を示したことはなかった。鑑定は誤りではないか」と弁護人が質したところ、福島は「自分は被告人が犯人であることを前提に鑑定した」と証言した。これは、言うまでもなく鑑定人としての中立性、客観性を満たしていない態度である。公判廷において悪びれることもなく、このような発言をすること自体、裁判制度の根幹を理解していない証左と言える。
被告人は、福島に対して民事訴訟を提訴した。当初、自分の名前は「福嶋章」なのに「福島章」と記載されている(やまへん欠落)という理由で訴状の受け取りを拒否した。一方で精神鑑定書も法廷での宣誓書も自ら「福島章」と署名している。民事訴訟になると、福島は「テープは破棄した」と、提訴前の回答とは矛盾する答弁を行った。
なお、当該被告人については無期懲役の判決が確定した。 しかし、後にDNA再鑑定が行われ、遺留品から検出されたDNA型と被告人のそれとが一致しないという結果が出た。 これをきっかけとして刑の執行が停止された。 その後、再審が開始され、2010年3月26日、無罪判決が言い渡された。
学会[編集]
- 日本病跡学会名誉会長
著書[編集]
- 『宮沢賢治―芸術と病理』(金剛出版新社、1970年)『宮沢賢治―こころの軌跡(講談社学術文庫、1985年)
- 『狂気と正気の間』(至文堂、1972年 ナツメ社、1982年)
- 『現代人の攻撃性―犯罪心理の異常と正常』(太陽出版、1974年)
- 『甘えと反抗の心理』日本経済新聞社、1976(講談社学術文庫、1988年)
- 『犯罪心理学研究1』(金剛出版、1977年)
- 『愛の幻想―対人病理の精神分析』(中公新書、1978年)
- 『現代青年心理ノート』(日本教文社、1978年)
- 『天才の精神分析 パトグラフィの冒険』(新曜社、1978年)
- 『思春期のこころの深層―むずかしい年齢をどう生きるか』(大和書房、1979年)
- 『対抗同一性』(金剛出版、1979年)
- 『愛と性と死―精神分析的作家論』(小学館、1980年)
- 『機械じかけの葦 過剰適応の病理』(朝日出版社、1981年)
- 『青年期のカルテ 受験世代の心理と病理』(新曜社、1981年)
- 『犯罪心理学入門』(中公新書、1982年)
- 『性と暴力の世代』(サイエンス社、1982年)
- 『働きざかりの過剰適応症候群』(大和書房、1982年)
- 『幼児化の時代―子どもっぽくて、なぜわるい!』(光文社カッパ・サイエンス、1982年)
- 『天才―創造のパトグラフィー』(講談社現代新書、1984年)
- 『続 天才の精神分析』(新曜社、1984年)
- 『こころが危ない―一人ぼっちの時代をどう生きる』(保健同人社、1984年)
- 『性格をどう生きるか―人格形成の病理と思春期の危機』(彩古書房、1984年)
- 『犯罪心理学研究2』(金剛出版、1984年)
- 『非行心理学入門』(中公新書、1985年)
- 『精神鑑定―犯罪心理と責任能力』(有斐閣、1985年)
- 『精神分析で何がわかるか―無意識の世界を探る』(講談社ブルーバックス、1986年)
- 『犯罪者たち 罪にいたる病』平凡社 1987
- 『音楽と音楽家の精神分析』(新曜社、1990年)
- 『歓迎ストレス様御一行 こころの処方を考える』(ネスコ、1990年)
- 『イメージ世代の心を読む 疑似現実はどういう人間を生み出したか』新曜社、1991
- 『ヒトは狩人だった』青土社 1991
- 『青年期の心―精神医学からみた若者』(講談社現代新書、1992年)
- 『マンガと日本人―“有害”コミック亡国論を斬る』(日本文芸社、1992年)
- 『覚せい剤犯罪の精神鑑定』(金剛出版、1994年)
- 『精神鑑定とは何か―何をどう診断するか?』(講談社ブルーバックス、1995年)「精神鑑定脳から心を読む」文庫
- 『天才、生い立ちの病跡学―甘えと不安の精神分析』(講談社プラスアルファ文庫、1996年)
- 『不思議の国の宮沢賢治―天才の見た世界』(日本教文社、1996年)
- 『彼女は、なぜ人を殺したのか 精神鑑定医の証言』(小説)講談社 1997 のちプラスアルファ文庫
- 『ストーカーの心理学』(PHP新書、1997年)
- 『殺人者のカルテ 精神鑑定医が読み解く現代の犯罪』清流出版 1997
- 『創造の病―天才たちの肖像』(新曜社、1997年)
- 『父親殺し 孤独な家族の精神鑑定』講談社 1998
- 『家族が壊れるとき』(小学館、1999年)
- 『殺人と犯罪の深層心理―「攻撃願望」というヒトの本性』(講談社プラスアルファ文庫、1999年)
- 『子どもの脳が危ない』(PHP新書、1999年)
- 『ブッシュ・アメリカの精神分析 なぜ、アメリカ人は戦争が好きなのか』(大和書房、2003年)
- 『殺人という病―人格障害・脳・鑑定』(金剛出版、2003年)
- 『犯罪精神医学入門 人はなぜ人を殺せるのか』(中公新書、2005年)
- 『子どもを殺す子どもたち』(河出書房新社、2005年)
- 『ベートーヴェンの精神分析 愛と音楽と幼児体験の心理』(河出書房新社、2007年)
共編著[編集]
- 『日本の精神鑑定』小木貞孝、中田修共編集(みすず書房、1973年)
- 『ノイローゼ 現代の精神病理』佐治守夫,越智浩二郎共編 有斐閣選書 1976
- 『現代臨床社会病理学 今日の不安をどうみるか』岩井寛共編集 岩崎学術出版社 1980
- 『ふたりっ子家族の親離れ・子離れ』依田明共編 有斐閣新書 1981
- 『血が酩酊するとき 精神鑑定講義』村松友視対談 朝日出版社 レクチャーブックス、1985
- 『親と子のかかわり』長島正共編著 金子書房 1986
- 『性格心理学新講座 第3巻 適応と不適応』責任編集 金子書房 1989
- 『臨床心理学大系 第11巻 精神障害・心身症の心理臨床』山中康裕,村瀬孝雄共編 金子書房 1990
- 『イメージと心の癒し』編(金剛出版、1991年)
- 『境界例の精神療法』編 金剛出版 1992
- 『精神医学と社会学』編 金剛出版 1992
- 『人格障害』町沢静夫、大野裕共編 金剛出版 1995
- 『犯罪ハンドブック』編 新書館 1995
- 『精神分析の知88』編 新書館 1996
- 『臨床精神医学講座 人格障害』牛島定信共責任編集 中山書店 1998
- 『現代の精神鑑定』編著 金子書房 1999
- 『人格障害の精神療法』町沢静夫共編 金剛出版 1999
- 『パトグラフィーへの招待』中谷陽二共編 金剛出版 2000
- 『臨床精神医学講座 病跡学』高橋正雄共責任編集 中山書店 2000
- 『臨床心理学大系 第19巻 人格障害の心理療法』馬場禮子,水島恵一共編 金子書房 2000
- 『現代の犯罪』作田明共編 新書館 2005
翻訳[編集]
- エリッヒ・ノイマン『グレート・マザー 無意識の女性像の現象学』町沢静夫、大平健、渡辺寛美、矢野昌史共訳 ナツメ社 1982
- ポール・ローゼン『アイデンティティ論を超えて』高原恵子、大沼隆博共訳 誠信書房 1984
- D.マックスウィニー『クレージーエイプ 精神医学入門』町沢静夫,大平健,林直樹共訳 産業図書 1986
- B.E.ムーア, B.D.ファイン編『アメリカ精神分析学会精神分析事典』監訳 新曜社 1995
- P.H.ウェンダー『成人期のADHD 病理と治療』延与和子共訳 新曜社 2002