西鉄バス北九州・行橋自動車営業所

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路線車

西鉄バス北九州・行橋自動車営業所(にしてつバスきたきゅうしゅう・ゆくはしじどうしゃえいぎょうしょ)は、西鉄バス北九州のバス営業所の一つで、主に福岡県北九州市小倉南区から行橋市および京都郡苅田町にかけての地区を中心エリアとする。一部の路線で、弥生が丘営業所と事業分担を行っている。

歴史[編集]

京築地区における西鉄バスの歴史は、複雑な歴史をたどっている。西鉄北九州観光の項も参照してほしい。

行橋営業所自体は、西日本鉄道北九州自動車営業局(現:西鉄バス北九州)の管轄下にあったが、2000年の子会社再編により運営が当時の京築交通へ移され、同社の本社が当時の豊津町から移された。その後、運行路線の大幅縮小が続き、2004年4月1日付で廃止され、西鉄北九州観光へ移管された。

だが、観光バス事業の不振、北九州空港の移転、残った路線を引き継いだ弥生が丘営業所への回送コスト増が問題となり、2007年4月28日、再度一般路線バスの営業所として復活、弥生が丘営業所の有人車庫となった。そして翌2008年、蜷田営業所とともに正式に西鉄バス北九州の営業所として戻ったのである。

現在は、営業所を起点とする高速(西鉄天神BC・ヤフードーム)路線と北九州市小倉南区東部・京都郡苅田町行橋市を中心とする一般路線を担う。

2009年6月23日より、nimoca(IC乗車券)取扱い開始。又、営業所でのnimocaチャージなどの業務も同時に開始。

所在地[編集]

福岡県行橋市中央一丁目12番41号
  • 併設バス停:行橋営業所(構内)

行橋営業所(構内)バス停は、行橋自動車営業所の建物の一部を仕切って、乗客の利便性向上のために待合室及び出札窓口を設置したものである。ここでは、安全確保のため、発車数分前に乗務員が待合室の客を案内誘導する方式をとっている。

2021年10月1日ダイヤ改正までは、営業所向かいの県道28号上にも行橋営業所バス停が存在した。しかし雨ざらしのベンチがあるのみでバス待ちに不便なので、ここから乗車する客はほとんどいなかった。かつては県道28号上のバス停から小倉 - 中津線、行橋ローカル線等への乗り換え需要があったが、現在ではこれらの路線は全て廃止されているか太陽交通に移管されている。このため、無料配布される紙の時刻表では行橋営業所(構内)のみ表記されていた[注釈 1]

管轄路線[編集]

2023年3月18日現在の路線(太字は終点・始発停留所)

行橋 - 福岡線(高速)[編集]

福岡~苅田・行橋線

乗務は弥生が丘の乗務員が行う。 

行橋営業所 - 行橋駅東口 - 小波瀬 - 近衛橋 - 南原 - 苅田駅入口 - 西苅田 - 南朽網 - 日豊ニュータウン入口 - 下貫 - バイパス津田 - 小倉東IC -(九州自動車道) - (福岡都市高速) - 直方PA - 若宮IC - 蔵本 - 中洲 - 天神中央郵便局前(福岡行きのみ停車) - 西鉄天神高速バスターミナル
※以前(弥生が丘営業所運営時)、小倉競馬場にて競馬開催時に下記のような臨時が存在した。
(福岡行) 津田 - 小倉東IC -(九州自動車道) - (福岡都市高速) - 西鉄天神高速バスターミナル
(行橋行) 通常運行と同ルートで運行。
福岡行と行橋行の間に、福岡(西鉄天神高速バスターミナル) - 小倉競馬場(臨時)を運行していた。
以前は、大分県の中津まで運行していたが、JR日豊本線が整備されたため、行橋以南の運行を止めている。
  • 福岡市内(天神 - 蔵本)はクローズドドアとなっており、福岡発では乗車のみ、福岡行きでは降車のみ。それ以外の区間では乗降制限がなく、行橋営業所 - 小倉東IC間の高速道路を含まない利用も可能である[1]
  • 福岡行きの直方パーキングエリアバス停は、鞍手パーキングエリアバス停が廃止になり移動したもの。もとあった鞍手パーキングエリアバス停より北九州市側に寄ったところにある。
  • 南朽網停留所では、北九州空港行き路線バスに接続している。
  • 苅田駅入口バス停(2006年3月 苅田駅前より改称)は、苅田駅東口より約300mの国道10号線上にある。苅田駅バス停(駅ロータリー内)には停車しない。
  • 九州自動車道での渋滞(小倉東IC~福岡IC)などで遅延が発生した場合、通常の福岡IC・福岡都市高速(粕屋ランプ経由)ではなく古賀IC・国道3号線・福岡都市高速(香椎東ランプ経由)経由で運行する場合がある。
  • 4列シート車で運行。かつてはトイレつきの車両が使用されていたが、中津までの運転を取りやめたことで所要時間が短くなったため、現在はトイレなし車両が投入されている。また車両も三菱+西工で統一されていたが、増便したため日産ディーゼル+西工も導入した。
  • 2004年3月に行橋営業所が廃止後、弥生が丘営業所の担当となり、約20分ほど回送していたが、2007年4月28日に弥生が丘営業所の車庫として行橋車庫が復活し、弥生が丘営業所行橋車庫(2008年に行橋営業所に昇格)の担当となった。2010年より弥生が丘営業所の担当も再開したが、現在は弥生が丘営業所行橋車庫に戻されている為、車両を行橋車庫に駐在させ、乗務は弥生が丘の乗務員が行う形態を採る。(後述の19番も同)
  • 2019年3月より行橋駅東口に乗り入れを開始、同時に行橋駅前通りへの停車を取りやめる。

行橋 - 下曽根線[編集]

かつては10番を名乗り、主に国道10号および旧10号を通り小倉都心部 - 安部山入口 - 下曽根 - 朽網 - 苅田町 - 行橋市 - 築城町 - 椎田町 - 豊前市 - 吉富町 - 中津市を結ぶ長距離路線であった。恒見 - 弥生が丘のローカル線も存在した。2015年3月14日ダイヤ改正より路線が大幅に短縮され、九州労災病院発着となった。2021年10月1日ダイヤ改正より行橋駅東口に乗り入れを開始。行橋営業所(県道28号上)・行橋駅前通り・裁判所通りの各バス停は廃止となった。この時に「貫 - 小倉線」から19番が分離して小型車運行に変わっている。

□ 19
行橋営業所 - 行橋駅東口 - 苅田駅 - 南朽網 - 朽網駅 - 下曽根駅北口 - 九州労災病院

行橋 - 福岡線(高速・PayPayドーム臨時)[編集]

行橋営業所 - 苅田駅入口 - バイパス津田 - 小倉東IC -(九州自動車道) - (福岡都市高速) - PayPayドーム
※PayPayドームにて、福岡ソフトバンクホークスの試合やイベントが、開催される場合に運行される(時刻は、バス停で周知される)。
※停車停留所は、行橋 - 福岡線(高速)と同一である。(天神BTを除く)
※プロ野球の試合開催時の行橋行きは、基本的に試合終了後に発車するが、22時30分になると試合が続いていても発車する。

廃止された路線[編集]

苅田 - 北九州空港線[編集]

北九州空港エアポートバスとして運転されていた。又、バスにエアポートバスを周知するステッカーが貼ってあった。

※北九州空港発着の飛行機のダイヤが変更になると、それに応じて、バスのダイヤも改正となっていた。

※土曜、及び休日でも日産九州工場が就業の場合は平日ダイヤにて運行されていた。逆に平日でも日産九州工場が休みの時は休日ダイヤにて運行されていた(バス停・バス車内で周知されていた)。
※以前は、行橋駅行きと同時に、日産九州工場止まり(土曜・休日ダイヤでは、苅田町役場止まり)も設定されていたが、乗客が少ない為休止され、行橋駅行きのみの9往復のみに大幅に縮小されていた。
※以前、行橋駅 - 日産九州工場間の一部で、貫 - 小倉線のコースを通行していた。(その後、国道10号のバイパスを通行していた。)
又、(北九州空港行のみ)日産九州工場内を運行していた。(その後、日産九州工場の入口で折り返していた。)
※行橋営業所 - 行橋駅東口間は、回送運転となっていた。
※下記の56番が途中で運休となった為、朝と夕方の便は、日産九州工場への通勤客が多数利用していた。
※行橋市から年間約590万円の補助金を受け運行されていたが、景気低迷やモータリゼーションの進行等に伴い利用客が減少し、自治体から補助を受ける基準(1台の乗客15人以上)にも満たなくなったため、2009年9月末をもって廃止された。
  • □ 56(運休後2009年9月末をもって廃止)
    • 苅田駅 - 苅田町役場 - 日産九州工場

貫 - 小倉線[編集]

  • □ 14(弥生が丘営業所と分担)
    • 青葉車庫 - 大門 - 西小倉駅前 - 魚町 - 平和通り - 市立医療センター前 - 三萩野 - 片野駅 - 城野駅前 - 高坊 - 湯川 - 安部山入口 - 葛原小学校前 - 葛原本町六丁目 - 葛原高松(旧九州労災病院) - 葛原本町六丁目 - 寺迫口 - 下曽根駅前 - 中曽根 - 貫入口 - 府殿入口 - 弥生が丘団地 - 弥生が丘営業所
    ※2011年5月に移転した旧九州労災病院へのアクセス路線として運行されていた。周囲に若干の住宅地も存在することから病院移転後名称を「葛原高松」と改称し規模を縮小した上で運行を継続していたが、利用状況が不振だったためか移転からわずか3か月弱の2011年8月1日の改正より路線廃止。

行橋 - 小倉線、行橋 - 下曽根線[編集]

  • □ 19
青葉車庫 - 魚町 - 三萩野 - 城野駅前 - 安部山入口 - (現行路線:寺迫口 - 行橋営業所)
曽根北町 - (現行路線:九州労災病院 - 行橋営業所)
2015年3月24日ダイヤ改正より路線が大幅に短縮され、行橋 - 下曽根線に路線名が変更となった。2018年12月より平日土曜のみ曽根北町へ延伸、さらに朽網駅発着が登場した。行橋営業所は行橋営業所~九州労災病院・曽根北町間のみ担当する。しかし利用は伸びず、2021年10月1日ダイヤ改正で曽根北町行き・朽網駅発着ともに廃止。
  • □ 13-1(大手町発は小倉駅バスセンターから13番として運行)
大手町 - ソレイユホール・ムーブ前 - 西小倉駅前 - 魚町 - 小倉駅バスセンター - 平和通り - 三萩野 - 片野駅 - 城野四角 - 城野駅前 - 高坊 - 湯川 - 安部山入口 - 安部山公園 - 湯川五丁目 - 安部山入口 - 湯川新町三丁目 - 湯川中学校前 - サンリブシティ小倉
2016年3月25日限りで廃止。

車両[編集]

一般路線車
中型ロング 6730
2015年現在では大型車の配属は無く、中型車は日産ディーゼルのB型のみ。以前は純正車体のいすゞエルガミオ日野・レインボーⅡが配置されていたが、行橋・貫~小倉線19番の系統分離によって弥生が丘営業所に転出したものの、2017年12月に弥生が丘営業所よりエルガミオ2台が転入したため再び配置された。また小倉~行橋線では中型または中型ロングを長く使用しているが、北九州空港のエアポートバスには大型ワンステップ車が導入されていた。2021年10月1日ダイヤ改正より路線廃止対策のため小型車(日野・ポンチョ)が導入された(ただし予備車としていすゞエルガミオを1台配置)。
高速路線車
日産ディーゼル(西工B型、UDトラックスへの社名変更後の導入あり)、いすゞ、日野の配置。

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ オフィシャルサイトの時刻表表示では営業所(構内)と営業所バス停が1分差で併記されている。

出典[編集]

  1. ^ 福岡⇔行橋 時刻表(2022年3月1日改正) (PDF) 西日本鉄道、2022年7月17日閲覧。