福井一成

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福井 一成(ふくい かずしげ、1955年 - )は、日本の受験アドバイザー、医学博士内科医 (専門は高血圧)、医療法人理事東京都出身。

経歴[編集]

学歴[編集]

小学校は三鷹市の私立・明星学園。5年生の春から四谷大塚進学教室に通塾し、開成中学校・高等学校を経て、東京大学文科二類(≒経済学部)に合格した[1]。しかし、半年間で東大文科二類を「仮退学」し、10月から受験勉強を再開(休学することなく、東大にも通学)。12月下旬の河合塾の東大オープン模試で、理IIIの成績優秀者リストに名前を載せ、翌年3月、再受験で東京大学理科三類(≒医学部医学科)に合格した[2]。当時の東京大学には、仮退学制度があり、これを利用すれば、東大に在学したまま、東大の入学試験を受験できた。そして、入学試験に合格すると、文科二類を本退学となり、東大理科三類に進学する。もし入学試験に落ちると、仮退学を取消し、文科二類の2年生に進級する。

文II[3]から理III[4]を再受験した理由[2]

  • 当時受験校としては中位であった開成高校は現役合格者を増やす方針をとっており、合格確実な文Ⅱを勧められて素直に従ったが、もともとは医学部志望だった[5]
  • 仮退学制度の利用により、すべり止め校(東大文II)が100%保証されたため。
  • 司法試験の勉強を半年間やったが、司法試験よりも理IIIの方が簡単だと分かったから。
  • 福井式勉強法(東大 理III攻略法)が正しいことを証明するため。

その勉強法[6]とは、

  1. 一般的には考えて解く科目とされる、数学物理の丸暗記 … 数学は3000問以上を暗記。
  2. 東大の頻出分野、たとえば英文の大意要約や、現代文(200字の感想文)の徹底対策。
  3. 最大の武器は、開成の校内模試で学年トップの理科古文… 東大古文の的中率6割以上。
  4. 発売中のすべての参考書に目を通し、「受験生の知られざる名著」を使って、周囲に差をつける。
  5. 勉強時間は1日に15時間(睡眠は8時間、休憩は1時間)… 例:駿台物理1年分を8日で終了。

文IIから理IIIへの合格(東大の教務課によると、前例がないという)[2]は、エール出版社 の合格体験記に掲載され、それが現在の執筆活動のきっかけとなった[2]

職歴[編集]

東京大学医学部医学科卒業後は、東大附属病院の内科研修医および医師国家試験予備校に勤務。予備校における専門領域は消化器であり、非常勤講師・模擬試験の作成[7]・予備校出版物の共同執筆[8]にあたる。内科研修の終了後は、日本赤十字社医療センター人工透析救急当直など)を経て、東京大学医学部附属病院の第2内科に勤務。内科医としての専門は高血圧である[9]。平田恭信助手(現・東大医学部循環器内科准教授)の指導の下、医学博士を取得した(学位論文:乙10857)[10]。なお、その当時、和田秀樹医師(下記参照)が研修医として第2内科に半年間勤務している。学会関係では、日本内科学会認定医 の資格を取得[11]、日本内科学会・日本腎臓学会日本臨床生理学会での発表(口演)[12]、国際学会での発表(ポスター / Kyoto Symposium on ANP 1988年)など。

その後、安田生命保険会社に勤務し、43歳で中間管理職となる(医事研究室長→医務企画課長)[13][14]。安田生命時代の仕事は、研究・企画の他に、産業医 ・社内教育テキストの作成[15]・社内雑誌への連載記事[16]・社内ビデオの制作など。社内ビデオでは脚本を担当し、芸能プロダクションと連携し、俳優2名・現場監督・カメラ・照明・音声スタッフの協力の下、現地ロケも決行[17]。「条件がついてたまるか! (1) 」(22分)および「同上 (2) 」(23分)の2本のビデオが、安田生命の全国の支社に配布された。学会関係では、日本保険医学会認定医の資格を取得、同学会の分科会での口演[18]、安田生命の代表として同学会の委員および国際学会(アメリカのカンザスシティ)への参加など)[19]明治生命に合併される前に、安田生命を退職し、医療法人の理事・施設長となる[20]

執筆歴[編集]

東大の学生時代は、エール出版社の東大合格体験記週刊朝日の取材記事[21] → 予備校パンフレットに掲載記事[22]など。東大医学部を卒業後は、共著単行本監修 → 雑誌 → 新聞の順に、次第に執筆活動を拡大。主な読者層は高校生(+浪人生大学受験生)だが、小学生向け・中学生向け・大学生向け・社会人向けの単行本や雑誌記事も少しある。主なジャンルは勉強法であるが、その他に脳科学ビジネス書もある。海馬の長期記憶のメカニズムに基づいた暗記法も勧めている。著書は多数あるが、代表作は以下の3冊。

  • 『夏休み計画の立て方』(ごま書房) - 週間売上がノンフィクション部門で全国ベスト10位[23]
  • 『大人のための科学的勉強法』(日本実業出版社) - 韓国語翻訳されて出版された[24]
  • 『一発逆転 マル秘 裏ワザ勉強法』(エール出版社) - ロングセラー。現在のものは改訂第20版。

福井式勉強法は開成高校における勉強法、福井一成自身が開発した勉強法、和田秀樹から取り入れた勉強法、認知心理学に基づく勉強法から成り立っている[25]エール出版社から多くの受験本を出版する。受験界においては、和田秀樹に次ぐ影響力を誇り、和田秀樹と共に彼の勉強法には近年受験生に人気の漫画『ドラゴン桜』との共通点が多い[26]。元・早稲田予備校の井川治久講師は、開成高校の後輩。

父親は福井馨[27]早稲田大学英文科卒。小説「空」で 第49回(1963年・上半期)の直木賞候補になり、小説「風樹」で 第13回(1985年)の平林たい子文学賞を受賞した。 母親は福井慶子[28]。県立福井高等女学校(現福井県立藤島高等学校)卒。単行本「黄色い海」(定年時代新書)、共著で「記念樹」(TOP企画出版部)がある。

執筆活動[編集]

著書[編集]

  • 『脳を一番効率よく使う勉強法』(KADOKAWA/中経出版 2014年)
  • 『一発逆転「マル秘」裏ワザ勉強法』(エール出版社 2013年)
  • 『センター試験「超」ラクラク突破法』(エール出版社 2013年)
  • 『合格る(うかる)早慶 絶対に失敗しない参考書選び』(旺文社 1999年)
  • 『ドクター福井の開成流勉強術』(ワニブックス 1996年)
  • 『超ラストスパート勉強術』(ワニブックス 1995年)
  • 『偏差値が20上がる 夏休み計画の立て方』(ごま書房 1993年)
  • 『受かる参考書・落ちる参考書』(ごま書房 1993年)
  • 『Dr.福井の大学入試必勝の法則 改訂版』(ライオン社 2012年)
  • 『仕事に使える脳科学!』(PHP研究所 2004年)
  • 『思うように時間がとれない 大人のための科学的勉強法』(日本実業出版社 2002年)
  • 『頭脳革新』(oriental books 2002年)… 上記の本の韓国語版
  • 『大学合格「マル秘」裏ワザ計画表』(エール出版社 2010年)
  • 『一発逆転「超」手抜き受験術』(エール出版社 2009年)
  • 『患者が気になる医者のひそひそ話』(エール出版社 2001年)

共著・監修[編集]

  • 『第81~83回 医師国家試験問題解説書』(医学評論社 1987~1989年)
  • 『病院診療マニュアル 内科編』(医学評論社 1989年)
  • 『私の東大合格作戦』(エール出版社)
  • 『私の医学部合格作戦』(エール出版社 1976年)
  • 『青チャートで東大理IIIも受かる』(ごま書房 1993年)
  • 『間違いだらけの復習法』(ごま書房 1994年)

雑誌・新聞[編集]

  • 「週刊朝日」(朝日新聞社 2013年 1/18号、1/25号)
  • 「朝日新聞」(朝日新聞社 2013年 1月13日・朝刊)
  • 「サンデー毎日」(毎日新聞社 1998年 1/18号、1/25号、2/1号、2/8号)
  • 「蛍雪時代」(旺文社 1999年12月号、2000年3月号~2001年3月号)
  • 「大学受験 Vコース」(学研 1995年4月号・9月号、1996年11月号・12月号)
  • 「右脳アタマ トレーニング」(PHP研究所 2004年 5月特別増刊号)
  • 「驚速仕事術」(PHP研究所 2003年 4月特別増刊号)
  • 「The 21」(PHP研究所 2004年 5月号)
  • 「BIG Tomorrow」(青春出版社 2004年 6月号)
  • 「月刊 実況中継」(語学春秋社 1996年 4月~6月号)
  • 「月刊 医歯薬進学」(玄文社 1997年12月号 1998年3月号)
  • 「日経ビジネス Associe」(日経BP社 2004年 12/07号)
  • 「日経BPムック 実践思考力UPドリル」(日経BP社 2005年)
  • 「旺文社ムック 痛快生活練習帳」(旺文社 1999年)
  • 「頭のいい子の育て方 vol. 8」(学研ムック 2009年)
  • 「週刊朝日」 デキゴトロジー欄(朝日新聞社)
  • 「Choice」(ゴルフ ダイジェスト社 2004年 7月号)
  • 「The Liberty」(ザ・リバティ編集部 2006年 10月号)
  • 「Insight」(エス・エス・アイ 2003年7月号~2004年1月号)
  • 「日本経済新聞」(日本経済新聞社 2000年 1/12、4/3、11/14)
  • 「高校生新聞」(高校生新聞社 1999年 6月号、7・8月号)
  • 「専門家が語る! 医学部受験動向」(YOMIURI ONLINE)

講演・パンフレット・コラム[編集]

  • ラジオ夕刊 週末元気予報(NHK 1998年 1/24・31)
  • 土曜日の原宿(テレビ朝日 2002年 11/23)
  • 偏差値アップ勉強法(於:西武学園文理高校 1996年 6月)
  • 大学受験対策セミナー(於:パナ教育システム 1995年 10月)
  • 受験生の宿(日本交通公社 1997年・1998年・1999年)
  • 開成中学校 スーパー過去問(声の教育社 2010年)
  • トーシン・タイムズ(東進ハイスクール 1997年、1998年)
  • 進研ゼミ 中3My Vision(ベネッセ 2011年5月)
  • MEET(アカデミー出版 1996年)… 現在はネットでも閲覧可
  • 受験生のためのキオークマン式勉強法(パナ教育システム 1995年)
  • 塗り絵 写仏巡礼(日本カルチャーライフ 2006年)
  • 受験勉強指導塾アテネ 顧問(アテネ 1993年)
  • 日総医通信(日本総合医学研究会 1982年)
  • 医評通信(医学評論社 1987年)
  • 医師国家試験 公開模擬試験(テコム 1986~1987年)
  • 医歯専門予備校 メルリックス学院 学校案内(メルリックス学院)
  • 医学的に効果があるメモリマインダー(ブライト学院進学塾)
  • 横浜タウン情報誌 URBAN(アーバン企画 2000年)
  • 条件がついてたまるか!(安田生命 社内教育用ビデオ 1996年)
  • 新訂 現代日本人名録2002(日外アソシエーツ 2002年)

医学論文[編集]

  • 心房性ナトリウム利尿ペプチドの尿蛋白増加作用機序に関する検討 furosemideおよびdopamineとの比較(東京大学 学位論文 1992年 9月)
  • アンジオテンシン変換酵素阻害薬の臨床応用 二次性高血圧(治療学 1987年 10月)
  • 心房性ナトリウム利尿ペプチド注入によるcGMP動態(日本臨床生理学会雑誌 1988年)
  • ペースメーカー植え込み患者における血圧日内変動の検討(日本臨床生理学会雑誌 1989年)
  • 血圧日内変動 Diurnal fluctuations in BP(Therapeutic Research 1989年 12月)
  • 心房性ナトリウム利尿ペプチド注入によるcGMP動態(日本臨床生理学会雑誌 1988年)
  • 心筋症ハムスターにおける血漿および心房内ANP濃度の研究(日本内分泌学会雑誌 1987年9月)
  • 心房性ナトリウム利尿ペプチドの尿蛋白増加作用に関する臨床的検討(腎臓学会誌1990年2月)
  • 心房性ナトリウム利尿ペプチドの尿蛋白増加作用機序の臨床的検討(東京医学 1993年3月)
  • The effects of atrial natriuretic peptide(Kyoto Symposium on ANP 1988年)
  • The effects of atrial pacing and ballooning on the plasma concentration of ANP in anestheyized dogs with or without vagotomy (Japanese Circulation Journal 1987年8月)

脚注[編集]

  1. ^ 「サンデー毎日」の東大合格者全氏名(出身高校別)1975年3月発行
  2. ^ a b c d 「私の医学部合格作戦 1977年版」(エール出版社)
  3. ^ 文科二類のことを、通常は略して文IIといい、その大多数は経済学部に進学する。
  4. ^ 理科三類のことを、通常は略して理IIIといい、その大多数は医学部医学科に進学する。
  5. ^ ああドラゴン桜 東大脳の限界を知りました(山中季広)、朝日新聞2013年1月12日
  6. ^ 「ドクター福井の開成流勉強術」(ワニブックス)
  7. ^ 「医師国家試験 公開模擬試験」(テコム)1983年発行
  8. ^ 「第81~83回 医師国家試験問題解説書」(医学評論社)
  9. ^ 「東京大学医学部 第二内科同窓会誌」年1回発行、会員に配布される
  10. ^ 「東京大学 学位論文データベース」(インターネット)
  11. ^ 「日本内科学会誌」に5年に1度。認定医全員の氏名が公表
  12. ^ 「心房性ナトリウム利尿ペプチドの尿蛋白増加作用に関する臨床的検討」(日本腎臓学会誌)
  13. ^ 「日本紳士録」(交詢社)
  14. ^ 「新訂 現代日本人名録」(日外アソシエーツ)1994年版
  15. ^ 「危険選択テキスト」(安田生命 医務部)1996年~1999年 社外秘
  16. ^ 「Harmony」(安田生命 医務部)1996年~1999年 社外秘
  17. ^ 「Growing」(安田生命 教育部)
  18. ^ 「日本保険医学会誌」1997年~1999年
  19. ^ 「The American Academy of Insurance Medicine」(AAIM、1997年発行)
  20. ^ 「東京大学医学部卒業生名簿」(鉄門倶楽部)年回発行、東京大学医学OBのみに配布
  21. ^ 「週刊朝日」(朝日新聞社)のデキゴトロジー欄 1978年
  22. ^ 「日総医通信」(日本総合医学研究会)1976年
  23. ^ 1993年7月31日の読売新聞に掲載
  24. ^ 「頭脳革新」(oriental books)
  25. ^ 「Dr.福井の大学入試必勝の法則」(ライオン社)
  26. ^ 朝日新聞」(朝日新聞社 2013年 1月13日・朝刊)
  27. ^ 「記念樹」(TOP企画出版部)の著者紹介欄
  28. ^ 「黄色い海」(定年時代新書)の著者紹介欄