社会人大学院

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社会人大学院(しゃかいじんだいがくいん)とは、既存の大学院社会人が通学しやすいような設備、施設、構成を用意している大学(大学院)である。具体的には、一定期間の社会経験等を考慮した入学試験を課す社会人入試を用意していることなどを指す。フルタイムで大学院に通学する学部卒業学生と同様、社会人大学院生もこれを修了すれば修士号博士号を授与される。

概要[編集]

大学側がこうした社会人大学院の設置・導入に積極的になった背景には、大学入学予定者の絶対数の減少という時代の趨勢をうけて、大学が社会人(現役就労者・退職者・主婦層など)を新たな教育消費者として掘り起こそうとしたという事情がある。また、大学院に在籍する学生の定数充足率が予算配分の重要な指標の一つとされており、大学にはその定数を満たすため、学部卒業学生以外にも広く大学院の門戸を開く必要性がある。

また、社会人の側にも、大学院を新たな教育ニーズの受け皿として利用するメリットがある。MBAなど専門職大学院などで顕著なように、現役就労者は大学院を自身の職業上、直接、キャリアアップにつながるものとして利用し、また、退職者や主婦の場合には、大学(大学院)が提供する高度な知的資源を利用して、自身の知的関心を満たすことを期待する者が少なくない。そのような社会人のニーズに応えるため、大学側も設備や施設、教育内容を充実させていくことが要請されているのである。

一般大学院に比べ、履修期間が短いコースもある、中卒、高卒、専門学校卒など、大卒者でなくても入学可能である、学試がない場合もある、といったことから、学歴ロンダリングに利用しやすいとされるが[1]、仮にそうであっても、学歴改善やより高度な教育を求めた向上心の結果として努力を評価すべきとする向きもある[2]

環境[編集]

社会人は、大学院受験の際、現役の学部卒業学生の場合とは異なる入試方式が課されている場合が少なくない。一例として、現役学生には外国語の入試科目(1-2外国語)が課されるのに対して、社会人受験生にはこの外国語試験が免除され、小論文試験、面接のみでその合否が判定される場合などがある。

大学(大学院)側が提供する教育内容(講義演習論文指導)は、おおむね現役の学部卒業学生のそれに等しいが、社会人のニーズに応じて、特定のコースや専門科目を設置する場合もある。

そして、社会人大学院では、社会人特有の就学環境に配慮した措置がとられている場合が多い。すなわち、就業者の仕事が終わる夕刻以降(夜間)に講義・演習を実施する措置がとられたり(夜間大学院を参照)、それにあわせて図書館(図書室)などの付属施設も夜間まで開放されたりしている。

また、都心部の大学院(大学)には、のそばなど、交通の便のよい場所にサテライトキャンパスを設置して講義・演習をおこない、社会人大学院生の利便性を高めているものもある。

社会人大学院が設置される研究科[編集]

  • 経済・金融・商
  • 国際・社会・福祉
  • 公共政策・公共経営
  • 心理・教育
  • 医療・看護

社会人大学院を設置している大学[編集]

脚注[編集]

  1. ^ 赤田達也『「学歴ロンダリング」実践マニュアル―最短で憧れの学歴を手に入れる方法』、オクムラ書店 (2009/12)
  2. ^ 社会人の大学・大学院/社会人の大学・大学院基本知識 学歴ロンダリングとは?西嶋美穂、AllAbout、2005年10月10日

参考文献[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]