確率要素

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数学確率論における確率要素(かくりつようそ、: random element)とは、単純な実数直線からより複雑な空間への、確率変数の概念の一般化である。この概念は、「確率論の発展とその応用分野の拡張は、経験の(ランダムな)結果が数や有限の集合によって表現される方法から、経験の結果が例えばベクトル関数、過程、級数変換集合あるいは集合族を表すような方法へと移行される必要性を導いている。」という意見を残したモーリス・ルネ・フレシェによって導入された。

昨今の慣例で「確率要素」を扱う際のその値の空間は位相線型空間であることが多いが、しばしば部分集合の特別なシグマ代数を備えるバナッハ空間ヒルベルト空間であるとされることもある。

定義[編集]

(Ω, ℱ, P) を確率空間とし、(E, ℰ) を可測空間とする。E に値を取る確率要素とは、(ℱ, ℰ)-可測であるような関数 X: Ω→E のことを言う。すなわち、任意の B ∈ ℰ に対して B の原像が ℱ に含まれるような関数 X (すなわち、{ω: X(ω) ∈ B} ∈ ℱが成り立つような関数 X)のことを、確率要素と言う。

E に値を取る確率要素はしばしば、E-値確率変数と呼ばれる。

\mathbb{R} を実数空間、\mathcal{B}(\mathbb{R}) をそのボレルシグマ代数としたとき、(E, \mathcal{E})=(\mathbb{R}, \mathcal{B}(\mathbb{R})) であるなら、確率要素の定義は古典的な確率変数の定義と一致する。

バナッハ空間 B に値を取る確率要素 X の定義は、一般的に、すべての有界線形汎関数が可測であるような B 上の最小のシグマ代数を役立てるものと理解される。この場合の同値な定義として、すべての有界線形汎関数 f に対して f \circ X が確率変数であるならば、確率空間上の写像 X: \Omega \rightarrow B は確率要素である、というものがある。それはまた、X弱可測関数であることとも同値である。

様々な場面における確率要素[編集]

脚注[編集]

  1. ^ a b Stoyan, D., and Stoyan, H. (1994) Fractals, Random Shapes and Point Fields. Methods of Geometrical Statistics. Chichester, New York: John Wiley & Sons. ISBN 0-471-93757-6

参考文献[編集]

外部リンク[編集]