破獄

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破獄
著者 吉村昭
イラスト 村上豊(装画)
発行日 1983年11月24日
発行元 岩波書店
ジャンル 犯罪小説
日本の旗 日本
言語 日本語
形態 上製本
ページ数 339
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破獄』(はごく)は、吉村昭の長編小説。第36回読売文学賞(小説部門)受賞作品。

1985年と2017年にテレビドラマ化。

概要[編集]

脱獄の常習犯である主人公と、それを防ごうとする刑務官たちとの闘いを描いた犯罪小説である。また、戦前から戦後の混乱期にいたるまでの刑務所の実態を克明に描いた歴史小説との解釈も可能である。

吉村は“長きに渡り矯正業務に関わった人物(元刑務官)から聞いた、実在の天才的脱獄犯(白鳥由栄)にまつわる話を基にした”という。

赤い人』同様、会話文が少なく、地の文が多い。

主な登場人物[編集]

佐久間 清太郎
主人公。7月31日生まれ。準強盗致死罪による無期刑囚。
5尺2寸の小柄な体型だが、肩幅が広くて腕力がある。斜視
幼いころ両親と死別して親戚に預けられ、成人した後魚の行商から豆腐店を営むようになっていた。
布団を頭からかぶって寝る癖があり、看守が注意しても直さない。
桜井 均
青森県警察部刑事課長。のちに青森警察署長。
昭和8年に発生した未解決の事件を独自に調査。粘り強い捜査により佐久間を逮捕するに至る。
佐久間の破獄との連絡を受けて、県下に住む妻子のもとに戻ると考え、部下を張り込ませる。
板橋 長右衛門
岩手県警察部刑事課長で、全国最古参の刑事課長。
面識のあった桜井の要請を受けて、別件で逮捕した佐久間を青森県に移送することを同意する。
山本 銓吉
網走刑務所長。
司法省の信頼に応えるため、移送されてきた佐久間に対して、厳重な管理をすることを決める。
内野 敬太郎
網走刑務所看守部長。柔道・剣道の有段者。
沿岸を防備する第31警備隊に依頼された道路工事のため、駆り出した囚人たちを監視する。
のちに人員不足のため、刑務所内の工場で働く200人の囚人を1人で監視することになる。
亀岡 梅太郎
札幌刑務所戒護課長。囚人監視の最高責任者。前職は網走刑務所看守長。
網走に在籍していたが、当時は庶務課長だったため、札幌で初めて佐久間を担当することになった。
慢性的な食糧不足と老朽化した建物、さらに進駐軍との交渉で苦労する。
オックスフォード
大尉。軍政部保安課長。
日本人は残酷であるとの考えから、当初は佐久間に対して同情的だったが、実情を知るにつれて再び逃走されることを恐れ、府中刑務所に移送するように手続きを取る。
鈴江 圭三郎
府中刑務所長。
明治大学法学部卒業後司法省に入り、佐久間が収容される前の網走刑務所長、札幌刑務所長を歴任。昭和22年8月から府中刑務所長に着任していた。
行刑局長から佐久間清太郎を府中刑務所に移管されることを告げられ、幹部職員と対策を立てることになる。

あとがきには、「素材の性格上人物のほとんどを仮名にし、同様の意味から協力して下さった多くの関係者の名を記すことをひかえる」、との記述がある。

テレビドラマ[編集]

1985年版[編集]

1985年4月6日21:00-22:30にNHK総合テレビでスペシャルドラマとして放送された。第1回芸術作品賞を受賞。脚本は山内久

キャスト[編集]

2017年版[編集]

破獄
ジャンル テレビドラマ
放送時間 21:00 -
放送期間 2017年4月12日[1][2](1回)
放送国 日本の旗 日本
制作局 テレビ東京
演出 深川栄洋
原作 吉村昭
脚本 池端俊策
プロデューサー 田淵俊彦(テレビ東京)
川村庄子(テレビ東京)
浅野敦也(ドリマックス・テレビジョン)
橘康仁(ドリマックス・テレビジョン)
出演者 ビートたけし
山田孝之
松重豊
寺島進
渡辺いっけい
勝村政信
池内博之
中村蒼
橋爪功
上杉柊平
吉田羊
満島ひかり
ナレーター 吉田羊
音声 ステレオ放送
字幕 文字多重放送
外部リンク 公式サイト
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2017年4月12日テレビ東京で開局記念日スペシャルドラマとして放送[3]。視聴率は6.9%(ビデオリサーチ調べ、関東地区・世帯・リアルタイム)[4]

キャスト[編集]

スタッフ[編集]

脚注[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]