砂の城

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砂の城』(すなのしろ)は、一条ゆかり原作の漫画。『りぼん1977年7月号から1979年7月まで、および1980年9月号から1981年11月号まで掲載された。最初の連載時は、ほぼ毎号4色カラー4ページ(うち見開き扉2ページ)を確保していた。

1997年6月30日から10月3日まで、東海テレビフジテレビ系列でテレビドラマ(昼ドラマ)が放送された。

概要[編集]

フランスを舞台にした長編漫画で、ナタリーとフランシスの禁じられた恋愛と、その周囲の複雑な心情を描く。

『砂の城』というタイトルの由来は不明だが、作中の中でナタリーが「人生なんて、砂の城のような(壊れやすく脆い)ものなのかもしれないわね…」という台詞がある。

あらすじ[編集]

1944年春、フランスの裕福な家庭に生まれたナタリーと、彼女の誕生日に4歳で屋敷の前に捨てられたフランシスは、兄妹同然に育てられ、やがて2人は惹かれ合う。はじめは強く2人の交際に反対していたナタリーの父親も交際を公認するが、3年にわたって家を離れて学業を修めたフランシスの帰省直後、両親2人が事故で帰らぬ人となる。後を任された叔母の強硬な反対に2人は死を決意し、絶壁から飛び降りてしまう…。奇跡的に救助されたナタリーが、行方不明となったフランシスの面影を胸に学生生活を送っていたある日、彼を見かけたとの噂を聞く。ナタリーが訪ねてみると、記憶をなくしたフランシスは結婚し、男の子が生まれていた。フランシスはナタリーを見て記憶を取り戻すが、その直後に交通事故で帰らぬ人となり、彼の妻も後を追う。残された子に「フランシス」という名前をつけて引き取るナタリー。やがて、青春時代を迎えたフランシスはナタリーを意識し始め、そしてナタリーもまた……。

登場人物[編集]

主要人物[編集]

ナタリー・ローム
本作の主人公。裕福な家庭に一人娘として生まれた。幼少~少女時代を共に過ごし、物心ついた頃から常に一緒だったフランシスとは次第に惹かれ合い、恋人関係になる。しかし、度重なる数奇な運命により幾度も引き離されては再会を繰り返すも、最終的にはフランシスが事故で亡くなったことにより今生の別れを経験する。成人後は小説・童話作家としての才覚を見せ始め、賞を取るほど大成する。容姿端麗かつ才色兼備であり、作中では多くの男性から求められるも、フランシスへの一途な愛を貫き通す。
マルコ・ドベルジュ/フランシス・ドベルジュ(二代目)
フランシスの実子。幼い頃に両親であるフランシスとジョルゼが亡くなり、身寄りが無かったためナタリーに引き取られる。顔はフランシスに似ているが、髪は母親譲りの金髪。フランシスの面影を残しているため、ナタリーからは「フランシス」と改名し、育てられた。絵画の才能があり、ランベールの薦めで名門ヴァン・ロゼ校に進学する。ナタリーとは17歳の歳の差である。当初はナタリーを母親のように慕っていたが、次第に一人の女性として愛するようになる。

ナタリーをとりまく人物[編集]

エレーヌ・オーモン
ナタリーの学生時代からの同級生かつ親友であり、良き理解者。明朗快活でしっかり者。ナタリーを時に叱咤し、励ます。編集の仕事をしている。ヴォージュに惹かれるも失恋し、傷心の際にミッシェルに慰められたことをきっかけに結婚。やがて、一人娘・エディットを産む。
ロベール・ブリュエ
エレーヌの上司。ナタリーの童話を出版している出版社の編集長。彼女の才能を見いだしデビューさせた。ナタリーに好意を寄せており、思いを打ち明けるが、ナタリーの思いを尊重し、身を引く。その後もなにかと力になっている。
ミッシェル
ロベールの友人で、ヴォージュの甥。精神科医で、マダム・クレールの主治医だった。専門は精神科医だが、幼いフランシスがはしかを患った時に適切な治療を施している。長髪で眼鏡をかけている。プレイボーイだったが、のちにエレーヌと結婚する。
ヴォージュ・ド・ランベール
画家であり、ヴァン・ロゼ校で美術教師をしている。学生時代にドイツ人のフローリア・ドベルジュと恋仲になったが、父親に反対され、フローリアが密かに身を引いたため失恋する。実情を知らず、裏切られたと思っていたが、彼女を忘れられず、フローリアをモチーフにした絵を描き続け、独身を貫いている。 絵画の才能があるフランシスをとても可愛がっていた。後に、彼が実の孫であると知る。
シフォンヌ・シャブローニュ
社交界の女王で、ヴォージュの元婚約者だった。こっぴどく振られたあとも、ヴォージュと大人のつきあいをしている。作家協会のスポンサーのひとり。ナタリーにアメリカ行きを勧めた。
ジェフ・ハワード
アメリカのテレビ局H.B.Cの社長。ナタリーのスポンサー。ジェラルディと結婚しているが、彼女の家柄とつり合う人間になるために仕事に邁進しているうちにすれ違い、別居に至った。在米中のナタリーと懇意にしていて、同棲しようと激しくアプローチしていたが、ナタリーに妻の元へ戻るよう諭され、ジェラルディの元へ戻った。
ジル・カーター
ジェフの女性秘書。アメリカでのナタリーの生活を支えるよい友人となった。

フランシスをとりまく人物[編集]

フェラン・クレール
札付きの不良だが、フェンシングの学生チャンピオンかつ学業優秀で、絵画が得意。ヴァン・ロゼ校の寮で、フランシスと同室になる。当初は衝突が絶えなかったが、弟・ジュリアスに面影の似た彼の素直さに救われ、更生する。フランシスへの思いが、友人としてから愛情へ変わり、その思いを胸に秘めている。 のちにナタリーとも友人のように親しくなる。
エビアン・ココ
ヴァン・ロゼ校の生徒で、副寮長。ミルフィーヌの兄。フランシスの友人。
妹を可愛がりつつも間違いには諭すしっかりした性格。娘に甘い両親には辟易している。
ミルフィーヌ・ココ
エビアンの妹。愛称は「ミルフィ」。愛くるしい容姿をしており、ヴァン・ロゼ校のアイドル的存在。
フランシスに恋心を抱く。ナタリーには憧れを抱くと同時に、次第にフランシスを巡ってライバル心が芽生えるようになる。自己中心的で我儘な性格をしており、その強引さでナタリーとフランシスをはじめ周囲を振り回す。
エドウィン・シュナイダー
ヴァン・ロゼ校で寮長を務めている優等生。母であるアンジェラがフェランの父親の愛人だったことが分かり、フェランと異父兄弟だと思い悩んでいた。後にアンジェラと共にイギリスに移住する。
レミ・クロード
ヴァン・ロゼ校でのフランシスの同級生。快活な性格。
アンリ・マチュー
ヴァン・ロゼ校の生徒で、フェランとは元同室で、とばっちりを受けて何度も反省室行きになったために、彼を恨んでいる。感情的で私情で動く事が多く、エビアンの判断によって室の班長を解任になった。
ロジェ・アントン
ヴァン・ロゼ校での校医。フランシスの父と学生時代に主席争いをしていた秀才。当時はナタリーとの仲をやっかみフランシスの父とケンカをしていたが、今では申し訳なく思っていることをフランシスに話していた。

ローム家[編集]

ローム夫妻
ナタリーの両親。一人娘のナタリーを大切にしている。母親のセラフィーヌはフランシスとナタリーの仲を温かく見守っていた。父親はナタリーを溺愛しており、当初はフランシスとの交際に反対していた。ナタリーにふさわしい男になることを条件にフランシスに大学へ行かせる。のちにフランシスを認め、ナタリーとの交際を許した矢先、飛行機事故で帰らぬ身となる。
マリア
ナタリーの父方の叔母(父の妹)。ナタリーの両親が亡くなった際に、ローム家を守るためにフランシスとの仲を反対し、二人を駆け落ちに追いやってしまう。のちに、自分の過ちを後悔しており、ナタリーに謝罪をしている。

その他の人物[編集]

ジョルゼ・ドベルジュ
フランシスの妻。ナタリーと駆け落ちの末に崖から落ちて漂流していた彼を助けたことがきっかけで結婚する。フランシスの記憶が戻らなくても懸命に支え続けていた。良妻賢母であり、一人息子・マルコ(のちのフランシス)と3人で平穏に暮らしていた。しかし、ナタリーとフランシスが恋仲であったこと、そしてフランシスが交通事故に遭い重篤であることを知ると、ショックのあまりに幼いマルコ(のちのフランシス)を残し、海に身を投げ自殺する。葬儀には、フランシスと共に埋葬された。
フローリア・ドベルジュ
ヴォージュがドイツに留学していたときに懇意にしていた家の小間使い。深く愛し合ったが、身分違いのために身を引いた。しかしヴォージュの前から姿を消した時には、彼の子を宿しており、後にフランシスの父を産んでいる。
マダム・クレール
フェランの母親。夫が愛人との間にエドウィンが産まれたことの腹いせに行きずりの男と関係し、フェランを産む。自分のせいで夫が自殺をした事により、精神障害を患って入院した。
ジュリエス・クレール
フェランの弟。風邪気味の時に父親ときつね狩りに行き、誤って池に落ちて死亡した。クレール夫婦のかすがい的存在だったため、彼の死がきっかけで夫婦喧嘩が起こり、父親は死亡、母親は精神病を患うことになった。
ジェラルディ・ハワード
別居しているジェフの妻。H.B.C の大株主の一人娘。ジェフと親しい間柄であるナタリーにきつい態度をとる。
ココ夫妻
エビアンとミルフィーヌの両親。大きな書房を経営している。人当たりが良く仲が良い。ミルフィを溺愛しており甘やかすが、娘の非にはきちんと向き合い、迷惑をかけたナタリーやフランシスに謝罪をした。

テレビドラマ[編集]

砂の城
ジャンル テレビドラマ
原作 一条ゆかり『砂の城』
企画 出原弘之(東海テレビ)
脚本 中島丈博
田部俊行
白石マミ
演出 西本淳一
小林俊一
出演者 大場久美子
佐藤敦啓(現・佐藤アツヒロ
南田洋子 ほか
エンディング バーストフルーツ「愛してる」[1]
時代設定 1957年 - 現代(1997年)
製作
プロデューサー 小林俊一(彩の会)
吉田紀子(彩の会)
鶴啓二郎(東海テレビ)
制作 東海テレビ
彩の会
放送
音声形式ステレオ放送
放送国・地域日本の旗 日本
放送期間1997年6月30日 - 10月3日
放送時間平日 13:30 - 14:00
放送枠東海テレビ制作昼の帯ドラマ
回数63
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東海テレビ制作で、フジテレビ系列で、1997年6月30日から10月3日まで放送された。テレビドラマ版では、日本の昭和時代に物語の舞台を移している。

あらすじ[編集]

昭和32年、磐城美百合は茨城県五浦でホテルを経営する裕福な家に生まれる。時を同じくして、家の前に男の赤ん坊の捨て子があった。男児の誕生を切望していた磐城家当主の雄一は、妻さや子を説得し、美百合と男の子を同じ日に生まれた双子として育てることに。美百合と比羅夫(ヒラフ)と名付けられた男の子は、ともに成長。2人は実の兄妹でないことを知ると、愛し合うようになる。

キャスト[編集]

磐城美百合
演 - 森下涼子大場久美子
裕福な家庭で育った。祖母の態度などから比羅夫とは血縁がない事に気づいており、両親の死後、比羅夫と恋愛関係になる。そして周囲の反対などから彼と心中を図るが失敗。一方の比羅夫は行方不明となってしまう。数年後に生存していた彼と再会するが、比羅夫は当時の記憶を無くしており、身の回りを世話してくれた女性と結婚し息子(杉彦)を儲けていた事を知ってショックを受ける。ややわがままな面が見られる。レイプ被害に遭ったことがある。
磐城比羅夫
演 - 佐藤敦啓(現・佐藤アツヒロ
生後まもなく磐城家の前に捨てられていた所を不憫に思った雄一によって美百合と双子の兄妹として育てられる。しかし彩からは嫌われており、邪険な仕打ちを受け、養父母の死後は家を出た。成長後に恋愛関係となった美百合と心中を図り行方不明となる。
磐城杉彦
演 - 佐藤敦啓(現・佐藤アツヒロ)(二役)
比羅夫が記憶を無くした際に彼を救出し、身の回りの世話をしてくれた女性・真奈美との間に生まれた息子。幼い頃に両親と死別した後は美百合に育てられるが、次第に美百合を一人の女性として愛するようになる。
磐城彩
演 - 南田洋子
雄一の継母でホテルの当主。不妊だった為、夫の不倫・愛人の出産など大目に見てきたが、跡取りとして愛人の産んだ雄一を引き取った事から、心に傷を負い、意地悪い性格になってしまう。特に比羅夫を目の敵にしており、雄一とさや子の目の届かない場所でいじめをしたとして、美百合から嫌悪されていて、のちに破産して美百合の元に逃げ込んだ時も邪険に扱われる。
津田山毅
演 - 五代高之
磐城さや子
演 - 榊原るみ
美百合の母で比羅夫の養母。さっぱりした心優しい性格。
磐城雄一
演 - 佐藤仁哉
美百合の父で比羅夫の養父。幼い頃に実母と引き離されて父の元へ引き取られるが、継母の彩に疎まれた哀しみなどもあり心優しい性格。家の前に置き去りにされていた比羅夫を引き取り、同日に生まれた美百合と双子として育てる。のちに妻のさや子と外出先で事故死。
船村伊佐子
演 - 八木小織白石まるみ
大橋棚子
演 - 新藤恵美
比羅夫の実母。美百合の経営する店にやって来て「人形に会いに来たい」と申し出る。
真奈美
演 - 西島愛
記憶をなくした比羅夫の世話をしていた女性。杉彦を出産後に亡くなる。
美百合の婚約者
演 - 吉満涼太
瑞原北帆
演 - 峰岸徹

スタッフ[編集]

脚注[編集]

[脚注の使い方]
  1. ^ 砂の城”. テレビドラマデータベース. 2021年11月14日閲覧。

外部リンク[編集]

東海テレビ制作 昼ドラマ
前番組 番組名 次番組
氷炎 死んでもいい
(1997.3.31 - 1997.6.27)
砂の城
(1997.6.30 - 1997.10.3)
その時がきた
(1997.10.6 - 1997.12.26)