県民手帳
県民手帳(けんみんてちょう)は、日本の都道府県もしくはその外郭団体である県統計協会が発行する手帳である。
発行・販売[編集]
当初は国勢調査、特に1960年(昭和35年)に実施された第9回国勢調査(大規模調査)に前後して統計調査員向けに作成されることが多かったが[1]、後に広く市販されるようになった。2016年(平成28年)現在、北海道・東京都・神奈川県・京都府・大阪府・兵庫県を除く41県で発行されている[2]。発行していない6都道府県のうち北海道・神奈川県[3]・京都府は過去に道府県民手帳をそれぞれ発行していたが、いずれも統計協会の解散に伴い2011年(平成23年)頃までに発行を終了した。兵庫県は朝日放送の取材に対し、過去を含めて手帳を発行した記録が存在しないと回答している[4]。三重県は2005年(平成17年)に県統計協会の解散を受けて一旦廃止していたが[5]、復活の要望が多かったため2014年(平成26年)に発行を再開した[6]。
手帳を発行している県では毎年10月から12月頃に県や市町村のサイトに案内が掲載される。価格は300円から900円[2]。販売は県庁や市役所の他、県によっては書店やコンビニエンスストアで取り扱っている場合もある。
石川県統計協会調べによると、全国の発行部数は確認できただけで2014年(平成26年)度版は80万8507部[7]、2015年(平成27年)度版は83万9370部[7]、2016年(平成28年)度版は84万1400部[7]と年々上昇傾向にある。
2013年(平成25年)度版の発行部数が最も多いのは長野県の5万5000部で[8]、これに茨城県・新潟県・群馬県が4万部台で続いている[2]。
2016年(平成28年)度版の発行部数は1位:長野県(7万部)[7]、2位:茨城県(4万4000部)[7]、3位:群馬県・新潟県(4万部)[7]で、県民1人当たりの発行部数では、1位の長野県に次いで2位が山形県(発行部数3万3000部)になる[7]。
掲載内容[編集]
県により多少異なるが、以下の情報を掲載しているものが多い。
- 県庁、市役所と町村役場の所在地と連絡先
- 県議会議員、県選出国会議員の連絡先
- 人口の推移
- 県の記録(主にその県が日本一の事項を列挙)
- 県のシンボル(県章・県旗・県の木・花・鳥など)
- 県民歌および県内で愛唱されている民謡
- 県内の主な年中行事(祭り・イベント)
脚注[編集]
- ^ “県民手帳「売れてます」 全国最多5万5千部「信濃の国」歌詞も ”. 47NEWS (共同通信社). (2013年2月6日) 2013年10月21日閲覧。
- ^ a b c “県民手帳、隠れたベストセラー 40県で計80万部発行”. 朝日新聞デジタル (朝日新聞社). (2012年12月29日) 2013年10月21日閲覧。
- ^ かながわ県民手帳について
- ^ “12/18(木)「県民手帳」は全国にもあるのか?”. ABCテレビ「ムーブ!」 (朝日放送). (2008年12月18日) 2013年10月21日閲覧。
- ^ 県民手帳の廃止について(三重県)
- ^ 三重県「県民手帳」10年ぶりの復活、全国的な県民手帳人気に乗れるか?(Jタウンネット)
- ^ a b c d e f g 人気 毎年工夫加え詳細情報満載 3年連続で販売部数増 /山形、毎日新聞、2017年1月8日、地方版。
- ^ “全国人気NO.1県民手帳は断トツで長野県。その中身には郷土愛がいっぱい!”. マイナビニュース」 (マイナビ). (2013年5月12日) 2013年10月21日閲覧。
外部リンク[編集]
- ゆるキャラだけが県じゃない。県民手帳は何を考えているのか〈沖縄県〜山口県編〉(エキレビ!、2013年1月24日)
- 富士山をめぐる仁義なき戦い。県民手帳死闘編〈広島県〜福井県編〉(エキレビ!、2013年1月25日)
- 富山は持ち家、石川は蟹、埼玉はスイーツ。県民手帳自慢編〈石川県〜青森県編〉(エキレビ!、2013年1月30日)