直筆

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直筆(じきひつ[1])とは、手書きの文字などにおいて、ある特定の個人が直接書いたものである事を指す言葉。自筆肉筆直書(ちょくしょ)、真筆真跡とも呼ばれる。

定義[編集]

手書きであっても、誰が書いたか分からないものや他人に代筆させたものなどは含まれない。また、通常などに書かれた実体のある物だけに適用される言葉で、タブレットなどを用いてコンピュータ上で書かれたものなどは除外される。

特徴[編集]

直筆である事の最大の特徴は二度と同じものが出来ないこと、つまり絶対に複製が不可能ということである。

各種契約や取引などで直筆による署名が用いられるのもそのためである。物である印鑑は盗難や複製の心配があるが、人間の手が生み出す筆跡や筆圧のクセなどは他人がそう簡単に真似の出来るものではない(ただし、本人と筆記用具だけがあれば良いため、印鑑よりも安易に使えてしまうデメリットも否定できない)。

価値[編集]

有名人が直筆で書いたものにはそれだけで高い価値が生まれる。色紙などに書かれるサインはその典型である。 直筆のサインなどを他人に売ったりする時は、直筆である事を証明するために、書きあがったものと本人が一緒に写っている写真を添付したりする。

小説などの直筆原稿は、推敲の跡などがそのまま残るため、文学史の研究などにおいても重要な資料となり、「作家本人の手書きである事」以上に高い価値を持つ。

『たけくらべ』草稿[編集]

樋口一葉の『たけくらべ』の草稿が日本近代文学館に現存する。まだ草稿段階であるがゆえに自在な運筆をみせ、一葉の息づかいが感じられる。連綿で書きながら原稿用紙のます目に一字ずつを入れており、その流麗な筆は絶妙といえる。書においても天賦の才を窺い知ることのできる貴重な真跡である[2]

脚注[編集]

  1. ^ 「ちょくひつ」と読むと別の意味の言葉になってしまうため、誤用に注意(書法#直筆を参照)。
  2. ^ 永由徳夫 P.81

参考文献[編集]

関連項目[編集]