皆勤賞

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皆勤賞(かいきんしょう)は、主に学校会社、もしくは何かしら継続している労働・作業などを1日も欠席せずに登校・出勤すると貰える賞である。転じてそれをもらった者、大会などに毎回参加している者のことを言う。

解説[編集]

学校の場合その年度の終わりや卒業式の前、または卒業式と同時に皆勤賞の表彰式が行われ、賞状などが贈呈される。賞状を贈らず、全校生徒の前で称えるのみといった学校もある。賞と一緒に副賞として記念品(筆記用具ノート図書カードが多い)が贈られることもある。

また、学校によっては皆勤賞を獲得した生徒と親が一緒に表彰される学校もあれば、表彰と同時に学校正門前の石碑に、精勤賞の生徒と共にその名を刻む学校もある。

一部の学校では病気やケガなどで早退しても精勤すれば皆勤賞を受けるところも多く、実施している学校は減少している。

皆勤賞に対する学校側の対応は様々であるが、後述の理由で様々な批判もある。

一方で企業などでは年次有給休暇があるため、休みを取っても給料が支払われるというある種の矛盾が生ずるためか、学校ほど「皆勤賞」を称えることはない。月給に「精勤手当」の加算がある程度である。

批判[編集]

病気や事故にも遭わず皆勤を続けることは名誉なことである。しかし、本来は普段から熱や風邪をひいて欠席をしないような健康な体をつくり、それが結果的に皆勤になるという副次的なものだったが、ただ単に学校を1日も欠席させないために、あるいは受賞するために、明らかに体調不良にもかかわらず親の制止を振り切って無理やり登校する(あるいは親が登校させる)という場合が見受けられる[1]。さらにはクラス全員の皆勤賞を狙うために「40度の熱があっても点滴を打って登校」として美談化された例もある[1]

インフルエンザをはじめとする伝染病の疑いがあるにもかかわらず登校を強行した場合、本人のみならず他の生徒や学校関係者、ひいては通学路上に居合わせた人々に感染させるというエンデミックに発展しかねない[2]。このような、他の生徒や教員へ感染するリスクが高い病気、または身内や親戚の葬儀といった場合は「公欠」として欠席扱いにしない場合もある。

また、こういった皆勤賞に対する表彰や美化といったものが、社会の同調圧力を強め、日本独特の上手く休みを取らず、生産性の低い働き方を生む土壌となっているという見方での批判意見もある[3]

海外でも、「Perfect attendance award」、「100% Attendance Award」といった、日本で言う「皆勤賞」と同じような賞があるが、これについても感染病の拡大につながるといった批判がある[4]。また、脳に損傷を負って生まれてきた息子を持つある母親は、「”運”が表彰されるべきではない」、「皆勤賞は弱者を除外するもの」といった理由から皆勤賞の受賞を拒否するとしている[5]

かつて日本では「健康優良児」といったものの表彰も行われていたが、これは後の調査で生まれ持った遺伝的な要因が大きいことがわかっている[6]。病気にならず毎日学校に行けるかといったことは、実際のところ生まれ育った環境や遺伝的な要因も大きく、皆勤賞に関してもそういった本人にはどうしようもない部分があると言える。

脚注[編集]

  1. ^ a b 皆勤賞を喜ぶ人たちの裏に”. 2018年2月5日閲覧。
  2. ^ インフル大流行は「風邪でも絶対に休まないおじさん」のせい?”. 2018年2月5日閲覧。
  3. ^ 日本人なぜ休み下手? 「プレミアムフライデー」も今や「普通の金曜日」”. 2018年2月5日閲覧。
  4. ^ Attendance: Less than perfect can be even better”. 2018年2月5日閲覧。
  5. ^ Why my son won’t be accepting his 100% attendance award”. 2018年2月5日閲覧。
  6. ^ 「理想の子ども」としての健康優良児 -新聞報道における健康優良児のイメージ- [1]

関連項目[編集]