白竜 (漫画)

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白竜
ジャンル ヤクザ漫画
漫画:白竜
原作・原案など 天王寺大(原作)
作画 渡辺みちお
出版社 日本文芸社
掲載誌 漫画ゴラクネクスター(増刊含む)
レーベル ニチブンコミックス
発表期間 1996年9月 - 2008年3月
巻数 全21巻
漫画:白竜LEGEND
原作・原案など 天王寺大(原作)
作画 渡辺みちお
出版社 日本文芸社
掲載誌 週刊漫画ゴラク
レーベル ニチブンコミックス
発表期間 2008年4月 -
巻数 既刊44巻(2016年9月現在)
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プロジェクト 漫画
ポータル 漫画

白竜』(はくりゅう)は、原作:天王寺大、作画:渡辺みちおによる日本漫画、またそれを原作とするオリジナルビデオ。

概要[編集]

構成員わずか約40人の黒須組を率いる若頭・白竜こと白川竜也を主人公としたヤクザ漫画で、もっぱら黒須組のシノギとそれに絡んだ他組織・企業との抗争を描く。エピソードの中には現代社会の事件を素材にした話(西都鉄道編、医療ミス隠蔽編、オリオン編、原子力マフィア編等)も存在する。話数カウントは「暴力の○」(『LEGEND』でも同様)。

漫画ゴラクネクスター』(日本文芸社)にて連載が開始されたが、その後同誌が休刊となったため、『週刊漫画ゴラク』(日本文芸社)に移動し連載された。その後舞台を渋谷から六本木に移し、直接の続編『白竜LEGEND』(はくりゅうレジェンド)として現在も連載中。

単行本は『白竜』全21巻、『白竜LEGEND』が現在44巻で続刊中。このほか、連載を中断した「原子力マフィア編」は『白竜LEGEND原子力マフィア編』として、上下巻の別編として収録されている。

原子力マフィア編の中断・再開[編集]

2011年2月より連載中であった「原子力マフィア編」が、同年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震に関連して発生した福島第一原子力発電所事故における状況・および被害状況の深刻さに配慮されたことにより、3月18日発売の4月1日号の掲載を以って中断[1]し、連載は次のエピソードに移行した。中断された章の最後の回は雑誌が既に印刷されていたため差し替えが間に合わず、地震による事故後の掲載となった[1]。2013年8月23日発売の同年9月12日号より中断された回から再開されたが、その結末は震災が関わる内容となっている。

主な登場人物[編集]

黒須組[編集]

判明しているものは年齢も記載するが、作中での時間経過の状況は不明[2]

白川竜也(しらかわ たつや)
本作の主人公。通称白竜。暴力団黒須組の若頭。一時期組長代行だったが現在は若頭に戻っている[3]。常に冷静沈着で、あまり感情を表に出さない。年齢は判明していないが30過ぎとされている[4]。大変頭の切れる人物であり組の勢力拡大のためなら非情な手段も取るが、一方で組員たちとは家族同然の強い信頼関係にある。 その行動から他のヤクザには恐れられるものの子供好きを思わせる一面もあり、幾つかのエピソードでは知り合った子供を助けたりしている。都内の一流大学法学部出身[5]で特に法律に精通している。同窓生には役人からヤクザまで居るが、詳しい経歴、黒須勘介を親と仰いでヤクザになった経緯は明らかにされていない。黒須組長が衆議院選挙に出馬した際、2代目組長に就任するよう黒須より要請されるが、「オヤジさんが戻ってくる場所はいつでも空けておく」と言って組長就任を固辞し、しばらくは組長代行の座についていた。哲学からクラシック音楽美術などにも造詣が深く、時にそれらをシノギの手段ともする。初期は事務所でゲーム機で遊んでいる姿も見られたが、現在は新聞を読んでいることが多い。女性に対しては淡白な一面、あるいは弱い一面がある。
39巻から展開中の「地の果て海の始まり」編より、若き日の白川竜也[6]がリュウという名で呼ばれていた経緯や黒須と出会う経緯等が描かれている。
黒須勘助(くろす かんすけ)
黒須組組長、48歳[7]。白竜に絶対の信頼を置き、侠気あふれる人物ではあるが一方で女好き。他組織との抗争中に組事務所を抜け出して呑みに出かけたり、色情狂な愛人の行動を組員に見張らせるなど、自分の気分や都合を優先して空気を読まない部分もある。高所恐怖症。かつて妻を覚醒剤で亡くしたことから、組内では薬物を扱うことは禁じている。この禁を自ら破ったことの顛末が本作の最初のエピソードであり、これ以降は薬物の禁止体制を継続している。 知り合いからある政治家の資金集めパーティのチケットを購入して出席したが、その席で面子を潰された事に怒りを覚え、衆議院選挙に出馬しその政治家を落として自分が国会議員となり、しばらくは組長を退き議員を務めている[8]。器が大きいため、多くの人から慕われ頼られる事も多い。格闘には弱く見えるが、チンピラ程度なら束になってもかなわないほどの強さをもっている。
田代輝人(たしろ てるひと)
黒須組若頭補佐。28歳[9]。頭が固く細かい事に拘るタイプ。少年時代に家庭の事情で家出して黒須に拾われて可愛がられた。そのため20代で幹部を務めている。女性関係には非常に弱く、それが原因で追い詰められた事もある。
佐田安啓二(さだやす けいじ)
黒須組組員。36歳[10]。額に悪の一文字(入墨と思われる)がある。主要な黒須組若衆の中では唯一の妻子持ちであり、息子の有名私立中学受験に際しては白竜に保護者面接を代わってもらった。組員の中では格闘系タイプ。
若菜ケンジ(わかな けんじ)
黒須組組員。24歳[11]。田代の舎弟として登場、組内のご法度である薬物に手を出し、売人も行っていたことを白竜に見抜かれ制裁を受けたが、以降は組の主要メンバーとして活躍する。制裁を受けた際、割れた瓶で白竜に滅多刺しにされた額の傷はその後も残っている。白竜からは男として信頼されており、裏カジノ襲撃事件で剛野組に拉致された時は拷問に耐え抜いた。女絡みや組の慰安旅行の際など本人の意思と関係なく剛野とトラブルになる事が多い。70歳を過ぎた母親が田舎におり、ケンジは8年前に家出してから1度も会っていないという[12]
浜中ヨシキ(はまなか よしき)
黒須組組員。22歳[11]。野球賭博や相撲賭博の元締めを白竜から任されている[13]。銀行員の男性と結婚している姉がいるという[14]
畠田利夫(はただ としお)
黒須組の新入り組員として登場。28歳[15]。3年前まで大手製薬会社「世界製薬」に勤務していたが、新薬開発の名目で行われた人体実験の餌食となり退職した過去を持っていた。 気弱な性格で、学生相手に怖気づく姿を弟分の鮫川に目撃され馬鹿にされることもあったが、白竜から与えられた試練を乗り越え一人前の極道として成長する。 偶然立ち寄った小料理屋「菜の花」の女将・美佐子と恋仲になり結婚。小料理屋を営むカタギとなり、黒須組を抜けた[16]
鮫川順也(さめかわ じゅんや)
黒須組組員。20歳[17]。ヨシキと対立した暴走族のリーダーとして登場[18]、白竜との対決に破れたのち、勝手に組員として参加するようになった。組内では「サメ」と愛称で呼ばせている。黒須組の若手の中でも凶暴な性格で知られるが、女手ひとつで育ててくれた母親を慕い、旅行に毎年欠かさず連れて行く親思いの一面を持つ。兄貴分の利夫の臆病さを馬鹿にしつつも、彼がみかじめ料の揉め事の件で荒巻組に話をつけに行くよう白竜から命じられた際には心配して同行を申し出るなどもしている。
ヒロシ
黒須組組員。フルネーム不明。組員の多くが逮捕された際に、残っていた新入りとして登場[19]。しばらく白竜と共に行動していたことで立場を強め、以後主要メンバーと肩を並べるようになる。その際、他組員たちとのトラブルでゲイであることが発覚した。剛野がゲイであると予想し篭絡を目論むが失敗、怒りを覚えた剛野に発砲され拘束されたが、白竜の交渉により救出された。腕は確かで、凶暴な一面もあり、ゲイである事を馬鹿にした一般人に暴力をふるい、ケンジに「最強のゲイ」と言わしめた。
新田亜利沙(にった ありさ)
黒須組組員。銀座のナイトクラブ・騎士の新人ホステスで白竜の席についても恐れる様子を見せない気丈な美人[20]。元は伝説のレディースとまで言われた暴走族のヘッド[21]。鷲中に犯されたため彼を殺そうとしたが白竜に止められる[22]。白竜の才知と行動力に惚れ込み黒須組組員となったが、その際組加入の条件として白竜に命じられた困難な任務(色情狂である黒須の愛人・ミーナの面倒を見る)を見事にやり遂げている[23]。ただし『LEGEND』の第1話を最後に登場していない。

王道会[編集]

大城重樹(おおしろ しげき)
王道会会長。60歳[24]。構成員約8000人とされる関東最大の組織・王道会のトップであり、関東極道界の首領として君臨する。 娘(絵美里)に甘いが、剛野すら震え上がらせる威厳を持つ。
大城絵美里(おおしろ えみり)
20歳。王道会会長大城重樹の娘(長女)[25]。大城が年をとってから生まれた娘のため溺愛されている。父親の威光を利用して取り巻きの男たち相手に威張っていたが、白竜にその取り巻きたちを一掃され、更に自らも折檻という形で犯される。しかし、それが逆に快感となる。その後、白竜が絵美里の家庭教師として王道会に招かれた際に覚醒剤中毒である事が判明する[26]

王道会系 剛野組[編集]

剛野一成(ごうの かずなり)
王道会理事長・王道会系剛野組組長。42歳[27]。王道会のNO.2であり、事実上六本木を取り仕切る大幹部。黒須組が六本木に事務所を構えた直後には自ら出向いて出て行くように命令するが、白竜の戦略により1度は退くことになる。その後は若頭赤石の謀反(立場を無視した躾による怒りと本人の野心が原因)で経営する裏カジノが襲撃され、自身の非を認めながらも極道としてのケジメをつけるために赤石を射殺する。 自他共に認める超武闘派で、体を鍛え上げている。普段はワンマンタイプで風下に立つことが大嫌いだが、筋の通らないことは決してやらず薬物も禁じている。カジノ襲撃事件以降も白竜と事あるごとに戦っており、決着らしい決着は着いていない。一方で友好的とは言えないまでも黒須組とはある程度話が通じる関係になりつつあり、初期の激しい抗争状態という緊張感は薄れてきている。我慢すると身体中に蕁麻疹が出る。大城からは厚い信任を受けて次代の王道会を継ぐべき者として指名されている。
赤石誠(あかし まこと)
王道会剛野組若頭。32歳[28]。厳しすぎる剛野に反発し[註 1]、六本木に巣喰う不良外国人を使って剛野のカジノを襲わせ黒須組を犯人に仕立て上げる事によって剛野を失脚させようとするが、白竜によって計画が暴かれ真犯人の不良外国人と共に剛野に射殺された[29]
柳川晶(やながわ あきら)
王道会剛野組若頭補佐(初登場時・後に若頭に昇格[30])。28歳[31]。剛野には忠実であり、血の気が多く武闘に走りがちな剛野を良く抑える。剛野も赤石の件で多少反省したのか、彼の進言は比較的聞き入れている。赤石亡き後剛野組の若頭はしばらく不在だったようだが、特別編にて彼が若頭に昇格している。
佐々木次郎(ささき じろう)
王道会系剛野組幹部。32歳[32]。剛野の命令で六本木のラーメン屋の土地買収を担当した。サディストで赤石の命令でケンジの拷問を行なったが、白竜に報復されて殺された[33]

長谷川会[編集]

長谷川望外(はせがわ ぼうがい)
関東最大(と書かれているが王道会などと比べてどちらが強大なのかは不明)の広域暴力団・長谷川会会長。57歳。黒須組とは最初から特に敵対関係などがない作中では数少ない組織。傘下の組員には鬼のように恐れられているが、息子の修造には甘く、躾もまったく出来ていなかった。評判の高い黒須を見込んで矯正のために修造を黒須組に預ける。その後もドーベルマンのタロウを黒須にプレゼントした件などで黒須組に悶着を持ち込む事になる。

オリジナルビデオ[編集]

俳優の白竜主演(白川竜也役)でシリーズ化されている。

シリーズ[編集]

  • 白竜(1998年
  • 白竜 シノギの報酬(2006年 GPミュージアムソフト
  • 白竜 シノギの報酬Ⅱ(2006年 GPミュージアムソフト)
  • 白竜3 非情のバトルロワイアル(2007年 GPミュージアムソフト)
  • 白竜4 赤絨毯の死闘(2007年 GPミュージアムソフト)
  • 白竜5 支配者VS独裁者(2008年 GPミュージアムソフト)
  • 白竜6 仁義の火群(ほむら)(2008年 GPミュージアムソフト)
  • 白竜7 白竜暗殺計画(2009年 GPミュージアムソフト)
  • 白竜8 六本木侵攻(2009年 GPミュージアムソフト)
  • 白竜9 その女、亜利沙(2009年 GPミュージアムソフト)
  • 白竜10 白竜VS.黒竜(2010年 GPミュージアムソフト)
  • 白竜 ヒットラーの息子(2012年 オールインエンタテインメント

脚注[編集]

註釈[編集]

  1. ^ 剛野としては王道会を継いだら、赤石を組長に就任させるつもりだった。

出典[編集]

  1. ^ a b 日本文芸社|お知らせ
  2. ^ 「白竜」7巻p.60の時点でケンジとヨシキの年齢が1巻より2歳上がっているが、「白竜LEGEND」1巻では彼らを含む全員が初出時の年齢のままであることが確認できる。
  3. ^ 白竜21巻の時点では、白竜の肩書きが組長代行のままで、LEGEND1巻の時点で若頭に戻っている。
  4. ^ 白竜6巻p.163など。
  5. ^ 単行本11巻 pp.199-202 によれば、トップの成績であったとのこと。
  6. ^ 39巻以降の巻頭で説明されている。
  7. ^ 白竜1巻、p.25
  8. ^ 退任についてのエピソードは無いがLEGEND1巻の時点で組長に戻っている。
  9. ^ 白竜1巻、p.21
  10. ^ 白竜1巻、p.46
  11. ^ a b 白竜1巻、p.12
  12. ^ 白竜7巻、p.66
  13. ^ 白竜LEGEND17巻、p.71
  14. ^ 白竜7巻、p.69
  15. ^ 白竜3巻、p.135
  16. ^ 白竜17巻
  17. ^ 白竜LEGEND1巻、p.33
  18. ^ 白竜5巻
  19. ^ 白竜LEGEND7巻
  20. ^ 白竜19巻、p.5
  21. ^ 白竜20巻、p.5
  22. ^ 白竜19巻、p.178
  23. ^ 白竜20巻、p.198
  24. ^ 白竜LEGEND1巻、p.145
  25. ^ 白竜LEGEND1巻、p.146
  26. ^ 白竜LEGEND16巻、p.115
  27. ^ 白竜LEGEND1巻、p.45
  28. ^ 白竜LEGEND1巻、p.50
  29. ^ 白竜LEGEND6巻、p.131
  30. ^ 白竜LEGEND31巻、p.190
  31. ^ 白竜LEGEND11巻、p.20
  32. ^ 白竜LEGEND1巻、p.18
  33. ^ 白竜LEGEND6巻、p.178