異世界 (ジャンル)
異世界は、日本の漫画、ライトノベル、アニメ、コンピュータゲームなどのフィクション作品のサブジャンルのひとつ。主に、異なる世界(異界)に転生または転移するといった内容のものがある。
概要
物語の類型としての異界転移譚は古事記の時代からみられるが、欧米ファンタジーの影響を受けた異世界召喚ものの嚆矢は高千穂遙『異世界の勇士』(1979年)とみられている[1]。
今日のジャンルの広がりの発端は、個人サイトでオンライン小説として連載され、後に書籍化やアニメ化がされた川原礫『ソードアート・オンライン』(2009年)のヒットであると言われている[2][3]。この作品のヒットの流れに続く形で、異世界を題材にした作品が急増する。小説投稿サイト「小説家になろう」には異世界ものの作品が多数投稿され、そこから書籍化・アニメ化される作品が増えていった[3]。
異世界を題材にした作品があまりにも増えているため、KADOKAWAのライトノベルレーベル「NOVEL 0」主催の小説コンテストではこのジャンルの作品を投稿することが禁止になった[4]。
異世界転生と異世界転移
小説家になろうは「異世界転生」と「異世界転移」を以下のように定義している。
異世界転生は、一度死亡し、別の人物として転生すること[5]。当てはまるものに、『無職転生 - 異世界行ったら本気だす -』『私、能力は平均値でって言ったよね!』などがある。前者は転生直後から前世の記憶と意識があるのに対し、後者は成長してから前世のことを思い出すと言った違いも見られる。
異世界転移は、何らかの形で異世界への移動を果たすこと[5]。当てはまるものとして、ふとした拍子に突然異世界に移動してしまう『Re:ゼロから始める異世界生活』などがある。『異世界食堂』や『異世界居酒屋「のぶ」』など、何らかの形で現実世界と異世界が繋がっている設定の作品も存在する。
その他、『この素晴らしい世界に祝福を!』や『異世界はスマートフォンとともに。』など、現実世界で一度死亡しながらも、人物としての同一性を保ったまま異世界に移動するという作品も存在する[注釈 1]。
脚注
注釈
- ^ なお、『この素晴らしい世界に祝福を!』のテレビアニメ第1期第1話のサブタイトルは「この自称女神と異世界転生を!」となっている。
出典
- ^ “異世界召喚・転移・転生ファンタジーライトノベル年表|ブックオフオンライン”. www.bookoffonline.co.jp. 2018年5月23日閲覧。
- ^ “異世界転生”アニメはなぜ増えた? 『ソードアート・オンライン』以降のWeb小説ブーム
- ^ a b ライトノベル業界を席巻する異世界転生ブーム 書店員がトレンドの変遷を解説
- ^ “ラノベコンテストで「異世界転生NG」の縛り広がる ネット民「これは朗報」と歓迎”. キャリコネニュース (2017年5月18日). 2018年5月30日閲覧。
- ^ a b 「異世界転生」「異世界転移」のキーワード設定に関して