異世界薬局

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異世界薬局
ジャンル 異世界ファンタジー医学薬学
小説
著者 高山理図
イラスト keepout
出版社 KADOKAWAメディアファクトリー
レーベル MFブックス
巻数 既刊6巻
漫画
原作・原案など 高山理図(原作)
keepout(キャラクター原案)
作画 高野聖
出版社 KADOKAWA(メディアファクトリー)
掲載サイト ComicWalker
レーベル MFC
発表期間 2016年11月19日 - 連載中
巻数 既刊4巻(2019年2月現在)
テンプレート - ノート
プロジェクト ライトノベル

異世界薬局』(いせかいやっきょく)は、高山理図による日本のライトノベル。イラストはkeepoutが担当している。MFブックスKADOKAWA メディアファクトリー)より、2016年1月25日から既刊6巻が刊行されている。

概要[編集]

小説投稿サイト『小説家になろう』にて2015年7月1日より連載が始まり、2016年1月に加筆・修正されMFブックスより書籍化。また本作を原作とするコミカライズ版が『コミックウォーカー』及び『ニコニコ静画』に2016年11月から連載、KADOKAWAより書籍化されている。

2018年4月現在、『小説家になろう』で公開された作品は閲覧可能。

著者は現役の研究者であり、また多数の研究者・専門家が協力して正確な科学考証がなされている。

あらすじ[編集]

薬学研究に勤しむ日本の若き主人公は、志半ばで過労死して宮廷薬師見習いのファルマとして転生する。ファルマは医学が未発達な世界で、転生前の知識と転生後に手に入れたチート能力を活かして多くの人々を救おうと奮闘する。

登場人物[編集]

主要人物[編集]

ファルマ・ド・メディシス
主人公。宮廷薬師の名家ド・メディシス家の次男。金髪碧眼の少年。10歳。名前の「ファルマ」は「医薬品」の意味。
転生前は、日本の国立T大学大学院の薬学研究科の准教授を務める31歳の薬学者。名前は「薬谷 完治(やくたに かんじ)」。幼い頃、脳腫瘍を患った4歳の妹を二年間の闘病生活の末に亡くしており、その時に多くの人々を救うことが出来る薬を創ることを目指し、人生を薬学に捧げて研究に没頭する。しかし、極度の過労が祟って、急性心筋梗塞を発症し、志半ばで過労死する。その後、異世界に転生し、宮廷薬師見習いのファルマ・ド・メディシスとして生まれ変わる。
当初は転生に戸惑っていたものの、誤った治療法が蔓延している(地球でいう中世レベル)異世界を目の当たりにして、生前の薬学の知識を活かして異世界の治療法を正して医薬を普及し、大勢の人々を救うことを決意する。そして、皇帝エリザベート二世を不治の病の白死病から救い、後に抜き打ちで行われた試験にも合格したことで宮廷薬師として認められ、その後エリザベート二世の勅許を得て帝国勅許薬局・「異世界薬局(DIVERSIS MUNDI OF PHARMACY)」を開業する。
転生前のファルマが雷に打たれた時に、両腕に「薬神の聖紋」と呼ばれる形(リヒテンベルク図形)の傷が出来たことから、薬神の生まれ変わりと周囲から崇拝と畏怖される。本人は否定しているが、神術が水属性から無属性に変わり、ありとあらゆる物質(ただし、自身が分子構造を正確にイメージできるものに限る)を生成または消去でき、神力をいくら使っても無くならない、影が無いなど、人外染みた変化をしている。
経歴から薬学一辺倒で他には全く興味がなさそうだが、「萌え」や「ショタコン」という言葉を知っていたり、フットボールが伝来したと聞いて喜ぶなど、意外に多趣味。
エレオノール・ボヌフォワ
ヒロインの一人。ファルマの父である宮廷薬師ブリュノ・ド・メディシスの一番弟子であり、一級薬師。ファルマの家庭教師を務める眼鏡を掛けた少女。16歳。愛称は「エレン」。
ボヌフォワ伯爵家の令嬢であり、艶やかな銀髪と美貌を持つ才媛。だが、よく眼鏡を落として割ったりするなど、ドジな面もある。
転生後のファルマの異変に最初に気付き、規格外の変貌を見て薬神の化身だと恐れをなす。ブリュノに家庭教師を辞めたいと懇願するが、ファルマの説得で家庭教師を続投。その後はファルマを薬神の化身だと考えながらも、ファルマの良き理解者として接する。
ファルマが「異世界薬局」を開業する際、ブリュノに頼まれてサポートのために「異世界薬局」で働くことに。
シャルロット・ソレル
ヒロインの一人。メディシス家に仕える召使いの少女。9歳。愛称は「ロッテ」。
4歳の時から母のカトリーヌとともにメディシス家に仕え、ファルマの世話係をしている。いつも元気いっぱいで、天真爛漫な性格。甘い物が好物。
ファルマが「異世界薬局」を開業にする際、彼にお願いして庶務と事務を任される。
イラスト調の絵が上手で、謄写版献上の際に一緒に差し出した絵を皇帝に見いだされ、宮廷画家見習いとして取り立てられる。

サン・フルーヴ帝国[編集]

エリザベート二世
サン・フルーヴ帝国を治める女帝。24歳。
若く美貌を持つ大陸全土で最も高い神力を持つ火属性の神術使いで、病死した先帝の後継者として神殿に選定され、皇帝の座に就いた。武勇に優れて帝国を拡大させるほどの辣腕を発揮する一方で、僻地を開拓し政情を安定化させて内政を見事にこなす賢君であり、国民から慕われている。また、非常に気が短くせっかちな性格で、案件があれば即時決断して行動に移すほど(そのためファルマからは「脳筋」と評されている)。
ファルマが転生した時は白死病に侵されて衰弱していたが、ファルマの処方した特効薬によって無事に完治する。この一件で、ファルマを大いに気に入り、彼を見習い薬師から宮廷薬師に昇格させて主治薬師に任命する他、勅許状を与えて「異世界薬局」の開業を許し、ひそかに側近のノアを使って彼の要望を調べさせ即時叶えたりしている。他にも「異世界薬局」を疎む薬師ギルドやファルマを狙う神聖国からファルマを守る絶大な後ろ盾となる。また、彼がうっかり要望したテルマエを褒美として帝都に5箇所も建造させ、それらが完成する度に強引に彼を連れて混浴している。
ルイ
サン・フルーヴ帝国の皇子。エリザベート二世の息子。6歳。
母親であるエリザベート二世を救ってくれたファルマに懐いている。
クロード・ド・ショーリアック
エリザベート二世の主治医師の侍医長でブリュノ同様尊爵の称号を持つ。神術は風属性。
ノア
エリザベート二世に仕える小姓の少年。後に従騎士へと昇格する。14歳。
有名侯爵の公子で、女帝の前では恭順な態度をとっているが、ファルマの前では口が悪くフランクに接している。
普段は女帝の身の回りの世話やルイの遊び相手をしているが、口上手くファルマが望むものを聞き出してそれを女帝に報告している。

ド・メディシス家[編集]

ブリュノ・ド・メディシス
ド・メディシス尊爵家の当主。パッレ、ファルマ、ブランシュの父親。37歳。
帝国に三人しかいない宮廷薬師の一人で、エリザベート二世の主治薬師も務める筆頭宮廷薬師。サン・フルーヴ帝国薬学校(のちにサルレノ医学校と統合しサン・フルーヴ帝国医薬大学校)の総長を務める。エリザベート二世の白死病の完治後は、褒美としてマーセイル領の統治を任される。
非常に厳格な性格で、転生前のファルマを厳しくしごいていたため、彼から恐れられていた。だが、それは息子を思っての事であり、一人前の宮廷薬師として育てるためについ厳しくしていた。後にエレンを家庭教師にしてファルマを任せるが、抜き打ちで薬学の試問をすることがある。薬師は人の命に寄り添い、必要なのは技術ではなく心だという信念を持ち、常に患者の事を優先的に考えている。不治の病である白死病に侵された皇帝にも、病名を告げて絶望させることを避け、自らの命もかえりみず傍に寄り添い手を尽くしていた。
薬学の知識においては当然のことながら現代日本レベルの知識を持つファルマには及ばないが、独自の神術でこの世界では不治の病である白死病を診断したり、原因は特定できていないものの、経験則から白粉の毒性を見抜くなど、地位に違わぬ一流の能力を持つ。
(転生したファルマにとって)初めての女帝の診察にファルマとともに赴いた時に、ファルマの異変に気付いて慄くが、ファルマに自分も白死病に侵されていることを見抜かれ、ともに特効薬を処方されて白死病を完治する。この一件で転生したファルマのことを認め、あくまで息子としてファルマを見守る立場を取り、時に助言したり叱責したりしている。
ベアトリス・ド・メディシス
ブリュノの妻で、パッレ、ファルマ、ブランシュの母親。34歳。
銀髪の碧眼で清楚な雰囲気を持つ貴婦人。夫婦仲は非常に良好で、腰痛を患っているが、心配させまいとブリュノには隠している。
パッレ・ド・メディシス
ド・メディシス家の長男。ファルマとブランシュの兄。16歳。名前の「パッレ」は「丸薬」の意味。
母と同じ銀髪の碧眼であり、薬学ではファルマに劣らぬほど優秀。ファルマが転生した当初はノバルート医薬大学に留学しており、その後首席で卒業して一級薬師の資格を得る。
兄弟仲は良いのだが苛烈な面があり、ブリュノにやり過ぎと叱られるほど神術の特訓で転生前のファルマとブランシュをしごいていたため、二人からは恐れられている。エレンとはライバル関係であり、顔を合わす度に口喧嘩や神術による勝負を始めようとする。今までにたくさんの女性と付き合い数々の武勇伝をもつ。
ブランシュ・ド・メディシス
ド・メディシス家の末女。パッレとファルマの妹。4歳。
ファルマと同じ金髪の碧眼で、まだ舌足らずな少女。兄思いでファルマとパッレに懐いている。水疱瘡を患いファルマが看病に来た時に彼の異変に感付いたが、どちらのファルマも好きということであまり気にしていない。
カトリーヌ・ソレル
ロッテの母親であり、ド・メディシス家の上級使用人。

サン・フルーヴ帝国医薬大学校[編集]

副総長
恰幅のよい、爆発した様な髪型の白髪の男性。ファルマを新設学部の教授に推挙した中心的人物。
キャスパー
定年間近な老婦人の教授。カビや胞子の研究をしているが、役に立たない地味な研究と後ろ指をさされ、研究費もロクに回されずブリュノの保護で何とか命脈を保っている有様だったが、黒死病騒ぎの際に放線菌を培養していたことから一気に脚光を浴びる事になる。
ゾエ・ド・デュノワ
ファルマの秘書。
ジョセフィーヌ・バリエ
一級獣医の少女。ファルマの業績に対して感謝と敬意を寄せており、彼が教鞭をとる新設学部の設立を知り、サン・フルーヴ帝国医薬大学に入学する。
エメリッヒ・バウアー
新設された総合医薬学部の首席新入生。プロセン王国の一級薬師。画期的な教科書を著したファルマ(とパッレ)に感銘を受けて入学試験を受けるものの、ファルマをただの子供とみて侮り、退学しようとする。だが、彼をなめてかかった上での神術試合で散々に打ちのめされて考えを改め、退学を取り消す。
元はスパイン王国の大貴族であるソラ家の末裔で、本名はエメリッヒ・ソラ。一族全体が「薬神の呪い」と呼ばれる遺伝病致死性家族性不眠症に侵されており、その呪いを克服するため、「バウアー」という偽名を名乗り、サン・フルーヴ帝国医薬大学に入学した。
「ソラ」という姓はサン・フルーヴ帝国の言葉だと「ソレル」になり、実はロッテの遠縁に当たる。

異世界薬局[編集]

セドリック・リュノー
男爵の爵位を持つド・メディシス家の元上級使用人。42歳。神術は土属性。
博識で社会事情や法律などに詳しく、ド・メディシス家では財務と畑の土の肥育を担っており、ブリュノから信頼されて他の使用人たちからも慕われている。長年の勤務と酷使で変形性膝関節症を患っており、杖が無ければ歩行がままならないほど悪化している。
ファルマが異世界薬局を開業するに伴い、ブリュノに博識さや誠実さ、財務経験を見込まれて膝の関節症を理由にあえて解雇され、そこをファルマに雇われて異世界薬局の財務と法務を任される。
ロジェ・デ・バッケル
ネデール王国出身の一級薬師。サン・フルーヴの言葉には慣れていないようで、語尾がたどたどしく書き言葉が苦手。腕はいいがやや軽薄で能天気な性格。
セルスト・バイヤール
女性の二級薬師。ノバルート医薬大学出身。まだ22歳だが何人もの子供を持つ肝っ玉母さん。
レベッカ・デュトワ
女性の二級薬師。サン・フルーヴ帝国医薬大学を卒業したばかりの新人。奥手な性格だがショタコン気味で、ファルマがロッテをハグしているのを見て鼻血を吹くなど、やや嗜好が濃い。
トム
疑義照会を行う(この世界では電話がないため、連絡は伝書鳩やメッセンジャーなどの物理的手段が必要となる)ために雇用したメッセンジャーの少年。異世界薬局では初となる新規雇用の一般職員。14歳。
元気と健脚が取り柄だが、字が非常に汚く、当初は採用を見送られそうになったが、クララの予知によって採用を決定。字の汚さを問題としないほどの記憶力で、職務に励んでいる。
ちなみに、字の汚さについて、web版では特に原因についての言及はなかったが、書籍版では識字障害という理由になっている。

貴族[編集]

クロエ・ド・シャティヨン
実業家として名高いド・シャティヨン侯爵家の令嬢。
日に焼けやすい体質で、想いを寄せる人に振られた反動で白い肌を求めるあまり瀉血し過ぎて貧血を引き起こす。ファルマが開発したファンデーションで白い肌が得られたことに感激し、それがきっかけで「異世界薬局」の評判が口コミで広まり繁盛することとなる。その後、コスメ部門に特化した2号店を提案し、その出資と人材に協力し、異世界薬局2号店コスメブランド「メディーク(MEDIQUE)」を創設させる。
メロディ・ル・ルー
医療火炎技術師の女性尊爵。一年前から緊張型の統合失調症を患い、それを悪霊の仕業と思い込んで自ら拘束して監禁状態にあったが、ファルマの施術によって回復する。ブリュノやファルマの使用する特殊なガラス器具や金属製の器具などを製作する。複雑な形状の器具であっても、繊細な火炎神術を駆使してきわめて精巧かつ丈夫に作り上げる技術をもつ。
ソフィ・ボヌフォワ
パッレが拾ってきた赤ん坊の女の子。神脈が開かず捨てられた貴族の子で、拾われた時にはロタウィルスに感染し、重篤な状態だったが、ファルマ達の治療により回復する。その後、ファルマが神脈を開いた事によって無属性・正属性で雷神を守護神に持つことが分かり、ボヌフォワ家に養子として迎え入れられた。まだ赤ん坊であるため神力の制御が上手くできず、特にファルマに頻繁に電撃を浴びせているが、そのため次第に痛気持ちいいという少々アブナい発言をするようになってしまう。また、AED代わりに使われるなど、応用範囲は広い。
彼女の件がきっかけで、神脈が開かず平民に落とされたものの再検索が行われ、後述のクララを始めとして数人が再び貴族に叙せられることとなった。
クララ・クルーエ
無属性で旅神が守護神の少女。ファルマと帝国によって見出された「神殿が見落としていた神脈を持つもの」の一人で女伯爵。身寄りがないため、ド・シャティヨン家で食客として世話になっている。日常生活に支障が出るほどの低血圧で、そのためなのか生来の性格なのかは不明だが何もせずゴロゴロするのが大好きな引きこもりタイプ。
予知能力を持ち、特に旅に出るものの安否を事前に知る事が出来る。

その他[編集]

ジャン=アラン・ギャバン
「異世界薬局」開業当初から足しげく通う常連の老人。ファルマ達からは「ジャン老人」と呼ばれている。
店に訪れては「船乗りの飴(壊血病予防の飴)」を買ってファルマが生成した水を飲むのが日課。その正体はサン・フルーヴ帝国勅許会社、東イドゥン会社(S.I.O)連合艦隊提督。
ベロン
帝国薬師ギルド長の恰幅が良い初老の男性。
平民の薬師(三級薬師)を束ねるギルドの長で、ファルマが営む「異世界薬局」を快く思っておらず、ギルド加盟店に「異世界薬局」に近づくなと通達している。一度、汚染された土砂を積んだ無登録の馬車を「異世界薬局」に突っ込ませて営業妨害を行うが、土砂はセドリックの神術で浄化され、女帝とジャンら常連たちの尽力で二日後には営業を再開されてしまう。さらにこの行為が女帝の怒りを買って逆に営業停止処分(表向きは禁止された鉛入りの薬を扱った罰)を受ける羽目になり、ギルドの売上げがガタ落ちして業績低迷してしまう。
ピエール
「木漏れ日薬店」の店主である三級薬師の男性。
「異世界薬局」にもっとも近い場所で店を構えているため、ギルド加盟店の中で一番売上げが落ちていた。ある日、インフルエンザに罹って高熱を出して苦しむ娘を助けようとするが、薬が効かず医者も不在で窮地に立っていたところをファルマによって助けられ、その際「異世界薬局」を訪れて見学し、ギルド加盟店との格の違いを実感する。のちの会合で「異世界薬局」を見習うべきと訴えてベロンの怒りを買い、ギルドを追放されて店も潰されるが、ファルマに誘われて調剤薬局ギルドに加盟し、その長に任命される。

神殿[編集]

サロモン
大神殿異端審問局の異端審問官。その任務には悪霊の調伏や異端者の粛清も含まれている。
マーセイル領の神官長から「影の無い少年」の噂を知らされ、それを調べてファルマの可能性があると知ると、彼を誘き寄せて他の異端審問官たちとともに捕えようとする。しかし、ファルマの無尽蔵の神力や薬神の聖紋などを見て薬神の生まれ変わりではないかと覚り、慌てて平伏して許しを請う。ファルマとの神術戦闘の際に落馬して足を開放骨折してしまい、薬神に刃向った贖罪としてそのまま死のうとしたが、ファルマの治療によって完治する。それ以降、ファルマに深く心酔するようになる。
後にサン・フルーヴ帝都教区の神官長に任じられ、ファルマが普通の生活を送れるよう便宜を図っていたが、それを大神殿への反逆として拘束されるも、ファルマによって救出され、皇帝によって帝国の神術顧問として仕官するようになる。
ジュリアナ
神聖国の枢機神官。野盗に襲われた旅の二級薬師を装い、ファルマから神力を奪うために接触したが、彼の人柄に感銘を受け、苦悩の末に自ら命を断とうとする。だが、莫大な神力を持て余し気味だった彼にあっさりと神力を渡された上、身に刻まれた聖呪紋も解呪され、無事に神聖国に帰り、ファルマが神聖国との対立を望んでいないことを伝える。だが、守護神を信用していない上層部の疑心暗鬼により、虐待と監視を受ける。
その後、ファルマの要請によって再びサン・フルーヴ帝国に派遣されるが、虐待を受けた事を彼に見抜かれたことから国際条約に基づく難民として神聖国の国籍を放棄し、帝国国民として受け入れられることになった。
「神術按摩」という特殊スキルを持っており、異世界薬局の面々に好評を受けている。

用語[編集]

神術
転生した世界で使える能力のこと。生まれつき司る守護神と属性が決められており、神殿の洗礼儀の時に守護神を鑑定されて祝福を受けると、体内に神脈というものが開き、神術が使えるようになる。貴族は神術が使えることが最低条件であり、祝福されず神脈が開けなかった者は直ちに平民に落とされる。神技(神術の技)を使うのに必要な神力の多寡は生まれつき決まっており、鍛錬で増えることはない。また、神杖という杖があり、神術を増幅する作用がある。エレン曰く「貴族の命の次に大事な物」。
火、水、風、土、無の五つの属性があり、さらに生(生成)と負(減少)とに分けられる。特に無属性は希少な属性であり、中には「規格外」と言われるほどの力も持つ者がおり、神と同等の扱いとなる。
守護神は世界で百を超えるほど存在し、よくある太陽神、月神、地母神の他に、薬神、医神など職業神もいる。
診眼
転生したファルマに与えられた特殊能力。作中で「診眼」と呼ばれるのは左手の能力だけだが、本項では右手の能力も併せて記載する。
左手
指で作った輪っか(後に人差し指と中指で目を挟む形に変えた)から人を覗き込むと、相手の体に病巣がある場合そこが光って見える(ただし、あくまで「病巣があるかどうか」までしか知る事が出来ず、レントゲンCTスキャンのように病気によって見え方が異なるという事もないので、どんな病気であるかは自分で推測しなければならない。光は最初は青で、病名を特定できれば白く変わり(ファルマの技術(神術を除く)で治療出来ない場合は赤くなる)、根治出来る処方を口にすれば消え、対症療法しかできない場合は薄まるだけで消える事はない。また、投薬ではなく外科的療法など、施術者の技量に依存する療法が必要な場合はこの能力では判定できない)。
右手
患部を拡大してみる事が出来る。拡大率には限度があるが、顕微鏡など別の拡大鏡を併用することで遺伝子配列まで見る事が可能。
薬師
異世界では、大きく分けて三つに分類されている。日本の薬剤師とは違い、独立処方権を持ち、自分の診断で薬を処方する事が出来る。ちなみに、「くすし」ではなく「やくし」と読む。登録人数はファルマが転生して間もない時の人数である。
宮廷薬師
名門貴族階級の薬師。皇帝や王侯貴族に薬を処方する。宮廷薬師は貴族階級で公爵よりも上位にあたる「尊爵」という爵位が賜れる。帝国ではわずか3人しか登録されていなかったが、新たにファルマが認められる。
一級薬師、二級薬師
貴族階級の薬師。貴族に薬を処方する。帝国ではエレンなど21人が登録されている。女性の薬師は妊娠・出産などで一度退職すると再契約されることはなかったが、「メディーク」に雇用されることで産休、育休の権利を得た。
三級薬師
薬師ギルドに所属する、平民の薬師。薬師ギルドが免許を出し、平民に処方する。帝国では246人が登録されているが、ほとんどがろくに診察が出来ず、治療法が分からないまま適当な薬草を高い値で処方している。
異世界薬局
ファルマが皇帝の白死病を治療した褒美として与えられた勅許店。彼が理想とする「全ての人に安全・安心・安価な真に効果のある薬を」という理念を実現するための場。主に平民向けに開業したが、当初は貴族が営んでいることや店長が子供であることなどから客足は振るわなかったが、無害かつ今までの白粉などとは違う画期的な化粧品を売り出したことから爆発的に売り上げを伸ばし、さらに処方した薬の効果や丁寧で親身な診察などで受け入れられるようになった。
現在、一号店である異世界薬局総本店の他に、コスメブランドの二号店「MEDIQUE(メディーク)」とオーラルケア専門の三号店「8020」が存在する。
調剤薬局ギルド
三級薬師を取り込むために、ファルマが立ち上げた新ギルド。加盟料は無料で脱退も自由。最初はファルマが長だったが、後に最初の加盟店である木漏れ日薬局の店主、ピエールが長となった。
尊爵
公爵より上位に当たる最高位の爵位。家や領地ではなく個人に与えられる称号で、宮廷薬師は必ずこの地位にある(ファルマは未成年であるため例外)。その他、侍医長であるクロードと、医療技術師であるメロディがこの爵位を保有している。

既刊一覧[編集]

漫画[編集]

脚注[編集]

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  1. ^ 異世界薬局 1”. MFブックス. 2017年6月22日閲覧。
  2. ^ 異世界薬局 2”. MFブックス. 2017年6月22日閲覧。
  3. ^ 異世界薬局 3”. MFブックス. 2017年6月22日閲覧。
  4. ^ 異世界薬局 4”. MFブックス. 2017年6月22日閲覧。
  5. ^ 異世界薬局 5”. MFブックス. 2017年11月20日閲覧。
  6. ^ 異世界薬局 6”. MFブックス. 2018年3月27日閲覧。
  7. ^ 異世界薬局 (1)”. KADOKAWA. 2017年6月22日閲覧。
  8. ^ 異世界薬局 (2)”. KADOKAWA. 2017年11月20日閲覧。
  9. ^ 異世界薬局 (3)”. KADOKAWA. 2018年5月23日閲覧。
  10. ^ 異世界薬局 (4)”. KADOKAWA. 2019年2月22日閲覧。

外部リンク[編集]