男なら

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男なら(おとこなら)とは、山口県萩市とその周辺で謡われている民謡である。

概要[編集]

幕末長州藩では尊皇攘夷運動が高まり、それを受けて1863年文久3年)には朝廷より攘夷令が出され、藩士の多くが外国船攻撃のために下関に集結した。

一方で萩で留守を守る藩士の妻や子供たちも、外国船の報復攻撃に対抗するため、萩の菊ヶ浜沿いの海岸に女台場(おんなだいば)という土塁を築いた(現在でもその遺構の一部が残る)。

「男なら」はその女台場を築く際工事に携わった、長州藩士や奇兵隊をはじめとする諸隊士の妻や子供たちによって謡われた歌である。

地元でも一部の伝承者を除いて長らく忘れられていたが、1936年昭和11年)に音丸のレコードがヒットして広く知られた。その後赤坂小梅のレコードもヒットして、炭坑節などと同様に全国的な人気を呼んだ。

現在萩市では、古くからある唄や踊りの他に、萩夏まつりなどにおいてはよさこい風にアレンジされた踊りで踊られることもある。

歌詞の内容[編集]

  • 「(もしも自分が)男だったなら、を担いで中間(ちゅうげん)として下関について行き、(外国との戦争に参加し)たい。自分も女ではあるが、武士の妻であるから、(外国の軍勢が萩に攻めてくるようなことがあっても)神功皇后のようにこの国を守る」1番の歌詞は以上のような内容である。
  • 最後には「オーシャーリシャーリ」(おっしゃるとおり、という意味)というお囃子が付く。
  • 3番の歌詞には、「三千世界を殺し、主と朝寝がしてみたい」というフレーズがあるが、これは高杉晋作が詠んだ都々逸が元になっていると言われる。また、晋作自身も歌詞に登場する。

土産菓子[編集]

萩市にはかつて、この民謡をモチーフとした同名の饅頭が存在し、萩市の土産菓子の一つとなっていた。有限会社神戸屋ベーカリー(萩地域を商圏とする地元企業であり、大阪市が本社のパン製造大手の株式会社神戸屋とは関係ない。)が製造販売していた。

白餡を饅頭皮の生地で包んだシンプルな饅頭であったが、饅頭の頂上部に毛利家家紋である一に三つ星紋がかたどられているのが特徴であった。

神戸屋が製造販売していた土産菓子には、他に一口大のバウムクーヘンの中にクリームを入れた「萩日記」や「夏みかんサブレ」があった。

しかし、神戸屋ベーカリーは2012年8月に経営悪化のため廃業してしまい、これらの菓子は現在作られていない。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]