田村泰次郎

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田村 泰次郎(たむら たいじろう、1911年11月30日 - 1983年11月2日)は三重県四日市市出身の小説家である。早稲田大学文学部卒。

来歴・人物[編集]

高知出身の中学教師である父親と、京都出身の母親のもとに生まれる。母親は文章や歌を書くことが好きな人だった。11歳上の姉と5歳上の兄がおり、姉も文学好きだった。父親が校長を務めていた四日市の中学で学び、早稲田の高等科から早稲田大学仏文科に進学した。ジェームス・ジョイスに傾倒し、在学中に初めての小説を学内の雑誌に発表、三田文学に評論を書いたりもした。絵と剣道も得意だった。絵画愛好会のチャーチル会に所属し、展覧会もしていた。同会には、藤山愛一郎石川達三もいた。昭和9年に大学を卒業すると作家を目指し、小説のネタを探して当時住んでいた新宿を毎日歩き回った。[1]

戦時中は5年3か月に渡って中国山西省で従軍した。その当時の経験は尾西康充が『田村泰次郎の戦争文学-中国山西省での従軍体験から』(笠間書院)にて現地調査を実施してまとめている。洲之内徹とは中国時代からの友人であり、上京を勧めた。美術マニアでもあり画廊「現代画廊」を経営していたが、後に経営を洲之内に託している。

40代のときに脳卒中で倒れ、少し言語障害が残った。

1983年11月2日死去。享年71。

著書[編集]

  • 強い男 昭和書房 1940年 のちゆまに書房から復刊
  • 学生の情熱 明石書房 1941年
  • 銃について 高山書院 1941年
  • 肉体の悪魔1946年)のち講談社文芸文庫、「肉体の門・肉体の悪魔」新潮文庫
  • 肉体の門 風雪社 1947年5月 のち新潮文庫、角川文庫、ちくま文庫
  • 春婦伝(銀座出版社 1947年5月)のち春陽文庫
  • 狩られる女 草野書房 1947年11月
  • 大学の門(イヴニングスター社 1947年)
  • 不良少女(文京出版 1947年)
  • 大學 美和書房 1947年4月
  • 入道雲 鎌倉書房 1948年
  • 女しゃべる 地平社 1948年
  • 銀座裏 和敬書店 1948年
  • 嵐に斃れず 雄文社 1948年
  • 今日われ欲情す 六興出版社(1949年
  • 地獄から来た女 太虚堂書房 1948年 のち春陽文庫
  • 霧 朝明書院 1948年
  • 肉体の文学 朝明書院 1948年
  • 南風薫るところ 少女小説 青々堂出版部 1948.8
  • 刺青 鎌倉文庫 1949年
  • 雁かへる 大日本雄弁会講談社 1949年
  • 白夜行路 春陽堂 1949年
  • 幸福のための秘密 東京書籍出版社 1949年
  • 新粧五人女(大泉書店 1949年)
  • 女学生群(東方社 1949年)
  • 東京の門(読売新聞社 1949年-1950年
  • 真昼を生きる女 鷺ノ宮書房 1950年
  • 肉塊 北米書房 1950年
  • 夢去り夢来る 鷺ノ宮書房 1950年
  • 転落の薔薇 東方社 1950年
  • 人間夜色 ジープ社 1950年
  • 東京夜曲 湊書房 1951年
  • 情熱山河・都会の青草 大日本雄弁会講談社 1951年 (傑作長篇小説全集)
  • 愛情火山 湊書房 1951年
  • 女の復讐 湊書房 1951年
  • 女豹の地図(湊書房 1951年
  • 東京不夜城 湊書房 1952年
  • 永遠にわれ愛す・私は戦後派ではない 大日本雄弁会講談社 1952(傑作長篇小説全集)
  • 情婦の火 北辰堂 1952年
  • 風の中の女たち 東方社 1953年
  • 美しき暗礁 東方社 1953年
  • 都会の虹 神正書房 1953年
  • 抵抗する女たち 東方社 1953年
  • 虹を呼ぶ人 東方社 1953年
  • 泥んこ夫人 創世社 1954年
  • 風のなかの都 北辰堂 1954年
  • 白い望楼 山田書店 1954年
  • 断崖の花々 大日本雄弁会講談社 1955年(ロマン・ブックス)
  • 銀座慕情 鱒書房 1955年(コバルト新書)
  • 田村泰次郎長篇小説選集 第1-9 東方社 1954年-1955年
  • 幸福の座席 東方社 1956年
  • 女の一生 大日本雄弁会講談社 1956年(ロマン・ブックス)
  • 肉体の都 東方社 1956年
  • 愛の歴史 大日本雄弁会講談社 1956年(ロマン・ブックス)
  • 天使は生きている 東方新書 1956年
  • 旅情 東都書房 1957年
  • 人間の街パリ 大日本雄弁会講談社 1957年
  • 地獄は薔薇で一ぱいだ 大日本雄弁会講談社 1957年(ロマン・ブックス)
  • 切れ長の眼 和同出版社 1958年
  • 若い裸像 文芸評論新社 1958年
  • 斜面の女 小壷天書房 1958年
  • 三平好日 光風社 1958年
  • 不良女学生 和同出版社 1958年
  • 戦場の顔 講談社 1958年
  • 東京の秘密 講談社 1959年(ロマン・ブックス)
  • 若い河 講談社 1959年(ロマン・ブックス)
  • 肌の孤独 新潮社 1960年
  • 群狼の街 講談社 1960年
  • 奇妙な夜 講談社 1961年
  • 東京のイヴ 東方社 1962年
  • わが文壇青春記 新潮社 1963年
  • 隠沼 講談社 1964年
  • 女拓 中央公論社 1964年
  • 暗い渇き 講談社 1965年
  • 偽われる女体 日本文華社 1965年(文華新書)
  • 蝗 (いなご)(1964年)新潮社
  • 永遠にわれ愛す 東方社 1965年(イースト・ブックス)
  • 愛の航跡 日本文華社 1966年(文華新書)
  • 失われた男 講談社 1967年
  • 深い傷のなかで 講談社 1968年
  • 昨日の花々 泰流社 1979年7月
  • 田村泰次郎選集 全5巻 日本図書センター 2005年

映画[編集]

監督[編集]

  • 日本を叱る シャッター0 1966年 しばた映画プロ

脚本[編集]

  • 新女・女・女物語 1964年 フェニックス・フィルム

原作[編集]

  • 大学の門 1948年 新東宝映画
  • 肉体の門 1948年 吉本プロ=大泉スタジオ
  • 不良少女 1949年 東横
  • 今日われ恋愛す 第一部 愛欲編 1949年 C・A・C
  • 今日われ恋愛す 第二部 争闘篇 1949年 C・A・C
  • 暁の脱走 1950年 新東宝
  • 新粧五人女 1950年 東横
  • 女学生群 1950年 東横
  • 東京の門 1950年 東宝
  • 肉体の暴風雨 1950年 東宝
  • 女豹の地図 1951年 新東宝=連合映画
  • 愛の歴史 1955年 東京映画
  • 不良女学生 1957年 東映東京
  • 紅の拳銃 1961年 日活
  • 肉体の門 1964年 日活
  • 女体 1964年 東宝
  • 春婦伝 1965年 日活
  • 肉体の門 1977年 日活
  • 肉体の門 1988年 東映京都
  • 肉体の門(テレビドラマ、2008年、テレビ朝日系列

出演[編集]

  • 泥だらけの青春 1954年 日活 (ニューフェイス審査員役)

脚注[編集]

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  1. ^ NHKラジオアーカイブス「田村泰次郎 第一回「自作朗読『肉体の門』、文学と私」(1978年10月4日収録)、2013年12月2日放送

外部リンク[編集]