生野駅 (北海道)

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生野駅
駅全景(2009年6月)
いくの
Ikuno
A51 安国 (3.9 km)
(5.0 km) 生田原 A53
地図
所在地 北海道紋別郡遠軽町生田原豊原
北緯43度57分36.12秒 東経143度31分58.49秒 / 北緯43.9600333度 東経143.5329139度 / 43.9600333; 143.5329139 (生野駅)座標: 北緯43度57分36.12秒 東経143度31分58.49秒 / 北緯43.9600333度 東経143.5329139度 / 43.9600333; 143.5329139 (生野駅)
駅番号 A52
所属事業者 北海道旅客鉄道(JR北海道)
所属路線 石北本線
キロ程 132.7 km(新旭川起点)
電報略号 イク
駅構造 地上駅
ホーム 1面1線
乗降人員
-統計年度-
2人/日
-2011年-
開業年月日 1946年昭和21年)12月1日
廃止年月日 2021年令和3年)3月13日[JR 1][JR 2][新聞 1][新聞 2]
備考 無人駅
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生野駅(いくのえき)は、北海道紋別郡遠軽町生田原豊原にあった北海道旅客鉄道(JR北海道)石北本線廃駅)である。駅番号A52

停車本数が僅少なことで知られ、廃止直前の2020年3月14日改正時点では、普通列車のうち上り1本・下り2本のみ停車していた[1][新聞 3]

歴史[編集]

1977年の生野仮乗降場と周囲約500m範囲。下が網走方面。国土交通省 国土地理院 地図・空中写真閲覧サービスの空中写真を基に作成

もともと、1946年昭和21年)に北見保線区生野線路班の保線官舎(職員住宅)があった地点(豊原57号、廃止時点よりおよそ1 km 生田原方)に乗降場が設けられたことが由来であった[2]

駅名の由来[編集]

「生野」は所在する豊原地区のほか、現在の安国・旭野を含めた当地の旧地名であり[7]、一説には「田原のにある[3]」との意で命名されたとされている[3]

なお、当地の字名は1944年(昭和19年)2月11日に、生田原村(当時)で実施された字名の整理に伴い豊原(のちに遠軽町発足により「生田原豊原」)となっているが、これは隣接の安国などと同様、当時の村長が神道の「大祓詞祝詞のひとつ)」に因んだ字名を選んだことに由来し、「広大で平坦で肥沃な農耕地」であることに因み、「豊芦原」を略して名付けたものである[8]

駅構造[編集]

1973年(昭和48年)の移転前の構造は詳らかではないが、以後は網走方に向かって左手に1面1線の単式ホームを設けた地上駅であった[9]

遅くとも1992年(平成4年)時点ではホーム横に黄色い廃バス待合室として設置されていたが、2007年(平成19年)頃に撤去された[6]

遠軽駅管理の無人駅だった。

利用状況[編集]

廃止直前の時点では「主に豊原地区の住民に利用されてきましたが、現在ではほとんど利用がない[10]」とされた。

廃止に至るまでの乗車人員の推移は以下のとおり。年間の値のみ判明している年については、当該年度の日数で除した値を括弧書きで1日平均欄に示す。乗降人員のみが判明している場合は、1/2した値を括弧書きで記した。

また、「JR調査」については、当該の年度を最終年とする過去5年間の各調査日における平均である。

年度 乗車人員 出典 備考
年間 1日平均 JR調査
1992年(平成04年) (3.0) [9] 一日平均乗降客数:6
2016年(平成28年) 0.6 [JR 3]
2017年(平成29年) 0.4 [JR 4]
2018年(平成30年) 0.6 [JR 5]
2019年(令和元年) 0.4 [JR 6]
2020年(令和02年) 0.4 [JR 7]

駅周辺[編集]

山間部に挟まれた狭い平地の農業地域にあって周りは田畑が多く、目立った建物は無い。駅の近くには人家があり、道路によるアクセスも容易である[新聞 3]

隣の駅[編集]

北海道旅客鉄道(JR北海道)
石北本線(廃止時点)
安国駅 (A51) - 生野駅 (A52) - 生田原駅 (A53)

脚注[編集]

出典[編集]

  1. ^ 施設名称については『生田原町史』などで「乗降場」となっているが、本項目中では便宜上この種の乗降場を表す一般的な用語である「仮乗降場」と記載する。

出典[編集]

  1. ^ 『北海道時刻表』第61巻第3号(通巻723号)、交通新聞社、2020年2月25日、pp.129-131。 
  2. ^ a b c 生田原町史編さん委員会 編『生田原町史』生田原町、1981年、679頁。doi:10.11501/9570602https://doi.org/10.11501/95706022022年11月20日閲覧 
  3. ^ a b c d 太田幸夫 (2004-02-29). 北海道の駅 878ものがたり~駅名のルーツ探求~ (1 ed.). 札幌市: 富士コンテム. p. 113. ISBN 4-89391-549-5 
  4. ^ 旧生田原町の沿革”. 遠軽町. 2020年10月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年10月14日閲覧。
  5. ^ a b 曽根悟(監修) 著、朝日新聞出版分冊百科編集部 編『週刊 歴史でめぐる鉄道全路線 国鉄・JR』 28号・釧網本線/石北本線、朝日新聞出版〈週刊朝日百科〉、2010年1月31日、22-23頁。 
  6. ^ a b 山宮喬也 (2012-12-15). ボールペンで書く 北海道の駅舎たち. バルク・カンパニー. p. 351 
  7. ^ 生田原町史編さん委員会 編『生田原町史』生田原町、1981年、289-290頁。doi:10.11501/9570602https://doi.org/10.11501/95706022022年11月20日閲覧 
  8. ^ 生田原町史編さん委員会 編『生田原町史』生田原町、1981年、102-103頁。doi:10.11501/9570602https://doi.org/10.11501/95706022022年11月20日閲覧 
  9. ^ a b 宮脇俊三原田勝正 著、二見康生 編『北海道630駅』小学館〈JR・私鉄各駅停車〉、1993年6月20日、142頁。ISBN 4-09-395401-1 
  10. ^ 第31回 町長定例記者会見” (PDF). 遠軽町 (2021年2月26日). 2022年2月19日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年2月19日閲覧。
  11. ^ 路線図 清里線(キララン清里行)”. 北海道北見バス. 2019年6月21日閲覧。

JR北海道[編集]

  1. ^ a b 来春のダイヤ見直しについて』(PDF)(プレスリリース)北海道旅客鉄道、2020年12月9日。 オリジナルの2020年12月9日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20201209060401/https://www.jrhokkaido.co.jp/CM/Info/press/pdf/20201209_KO_kaisei.pdf2020年12月9日閲覧 
  2. ^ a b 2021年3月ダイヤ改正について』(PDF)(プレスリリース)北海道旅客鉄道、2020年12月18日。 オリジナルの2020年12月18日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20201218050637/https://www.jrhokkaido.co.jp/CM/Info/press/pdf/20201218_KO_Daikai.pdf2020年12月18日閲覧 
  3. ^ 石北線(新旭川・網走間)」(PDF)『線区データ(当社単独では維持することが困難な線区)』、北海道旅客鉄道、2017年12月8日。 オリジナルの2017年12月9日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20171209102701/http://www.jrhokkaido.co.jp/corporate/senku/pdf/senku/10.pdf2017年12月10日閲覧 
  4. ^ 石北線(新旭川・網走間)」(PDF)『線区データ(当社単独では維持することが困難な線区)(地域交通を持続的に維持するために)』、北海道旅客鉄道株式会社、3頁、2018年7月2日。 オリジナルの2018年8月19日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20180818171718/http://www.jrhokkaido.co.jp/corporate/region/pdf/senku/10.pdf2018年8月19日閲覧 
  5. ^ 石北線(新旭川・網走間)” (PDF). 線区データ(当社単独では維持することが困難な線区)(地域交通を持続的に維持するために). 北海道旅客鉄道. p. 3 (2019年10月18日). 2019年10月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年10月18日閲覧。
  6. ^ 石北線(新旭川・網走間)” (PDF). 地域交通を持続的に維持するために > 輸送密度200人以上2,000人未満の線区(「黄色」8線区). 北海道旅客鉄道. p. 3・4 (2020年10月30日). 2020年11月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年11月2日閲覧。
  7. ^ 駅別乗車人員 特定日調査(平日)に基づく”. 北海道旅客鉄道. 2022年8月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年8月14日閲覧。

新聞記事[編集]

  1. ^ a b “停車少ないけど思い出はいっぱい JR石北線生野駅廃止 75年間の感謝、廃止セレモニー”. 北海道新聞. (2021年3月12日). オリジナルの2021年3月13日時点におけるアーカイブ。. https://archive.ph/Vq9oA 2021年3月13日閲覧。 
  2. ^ a b “18無人駅に「ありがとう」 JRダイヤ改正で廃止 住民やファン 各地で別れ”. 北海道新聞. (2021年3月13日). オリジナルの2021年3月13日時点におけるアーカイブ。. https://archive.ph/k4tNW 2021年3月13日閲覧。 
  3. ^ a b 原田伸一【道南とっても"鉄"な旅話】(41)小幌駅と生野駅『北海道新聞』夕刊2019年12月24日みなみ風(地域情報版)1面

関連項目[編集]

外部リンク[編集]