猫組長

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猫組長(ねこくみちょう、1964年5月25日- )は日本評論家、元山口組系組長[1]

経歴[編集]

兵庫県神戸市出身。父親はサラリーマン。父親の転勤のため中学3年のときに上京する。大学では経済学部に入学する。大学時代、日本は好景気に沸いていた。大学は2年生のときに中退し、先輩が勤めていた大阪の不動産会社に勤める。働きだして間もなく、バブル景気がやってくる。

バブルがピークを迎える頃、東京の証券会社で働いていた先輩から誘われ、4人の仲間とともに投資会社を持つことになる。バブルの波に乗って順調に稼ぐも、25歳くらいだったころの1989年加藤暠が仕掛けた仕手戦に参加して失敗し、投資会社は倒産してしまう。このため個人資産5億円を失い、逆に2億円ほどの負債ができる。

このとき仕事の関係で知り合った、また債権者の1人でもあった山口組系組長を頼ったことでヤクザ人生が始まる。企業から直接株を買う「新株引き受け、相対取引」で市場を通さず割安で株を手に入れることや、企業から直接情報を得るインサイダー取引を経験する。その後石油取引を通じて国際金融の知識とスキルを得る。

構成員18人ほどの山口組系団体の組長を務める。「組長」というアカウント名でTwitterを使い、発言をする。2012年6月13日を最後に休止状態だったTwitterを山口組が分裂する6日前の2015年8月21日より再開する。神戸山口組への離脱派であることを示唆し、山口組分裂騒動の内部情報をつぶやき続け、独自情報を次々と公開する。精度の高さと速報性で話題となった。2015年11月、『HARBOR BUSINESS Online』編集部からのインタビューに応じる[2]鈴木智彦(フリーライター)から直接取材を申し込まれ、同月、東京の料亭で初めて会う。

「事始め」というヤクザ社会の新年行事の日である12月13日、ヤクザを引退して評論・執筆活動などを行う。それにともないTwitterのアカウント名を「猫組長」に改める。翌14日、滞在していた香港でメディア初の対面インタビューに応じる。このときインタビューをしたのは鈴木智彦だった[3][4][5][6]。その後猫組長はタイなどを放浪し、現地のゲストハウスで元競馬騎手の安田康彦と会話していたことが2017年11月に明らかとなった[7]。ただし、猫組長は安田が当時元競馬騎手であることを知らず、安田も対話相手が猫組長であることを帰国後にテレビで見るまで存じていなかったと言う。

2016年2月22日、『HARBOR BUSINESS Online』に「オフショアで蠢く幽霊マネーの正体」を寄稿した[8]。同年9月には渡邉哲也、工藤明男の2人と『R-ZONE』で鼎談をした[9][10]。同年10月3日には『R-ZONE』への寄稿の中で、自分は「組織の持つ暴力性と経済を合理的に利用し、極めてプラグマティックにヤクザ人生を歩んできただけだ」と述べた[11]。同月、沖田臥竜の著書『生野が生んだスーパースター 文政』(サイゾー)を「新しい試み」だと高く評価し、『R-ZONE』へ書評も寄稿した[12][13]。同月23日には柴田大輔の著書『酒鬼薔薇聖斗と関東連合』(サイゾー)の書評を『R-ZONE』に寄稿した[14]

人物[編集]

  • 自称ネコノミスト・ネコ評論家[15]
  • 専門はマクロ経済学金融市場論・ファイナンス[15]
  • 得意分野は国際金融取引と投資全般[15]。投資家としての顔も持つ[16][17]
  • 投資顧問会社から暴力団の世界に飛び込んだ「“カタギ出”のインテリ経済ヤクザ」(山口組関係者)とされる[18]
  • Twitterでは暴力団関連のツイートの他、経済ニュースやネットの炎上案件について言及することも多い。
  • 愛猫家で、Twitterでは猫の画像も頻繁に投稿する。
  • カラヴァッジョを高く評価し、「カラヴァッジョが醸し出す暴力性と芸術における才能に心を奪われた」、「カラヴァッジョは狂気の天才なのだろうと思う」と述べている[19][20]
  • 山口組分裂騒動についてメディアから解説を求められることがある[21][22]

主張[編集]

投資[編集]

株に限らず投資に最も重要なのは「資金」と「情報」、そして「人間」だと述べている[2]

株取引[編集]

自らの経験を踏まえて、株取引の結論は次の4つだと述べている[2]

  1. 株は市場で買うものではなく、企業に発行させて売るものである
  2. 市場で流通する発行済み株式は企業から直接得た情報を基にしか買わない
  3. 企業に発行させた株は市場で価格を上げてから売り抜ける
  4. 仕手戦には参加しない

重要な情報[編集]

「本当の重要情報とは人間関係から得られるもの。決してネットからではありません。だから、投資で勝つためには人間関係を大切にすることが重要なのです。パソコンの前で日銀のリポートを読むより、外に出て人間関係を構築するほうがよほど重要だと思います」と述べている[2]

TV出演[編集]

週刊誌での連載[編集]

  • 週刊『SPA!』で2016年4月26日号より「猫組長と西原理恵子の『ネコノミクス宣言』」を連載している[28]
  • 週刊『アサヒ芸能』で2016年7月28日号より渡邉哲也と共に「短期集中タブー対談」を連載している。

著書[編集]

単著[編集]

  • 『アンダー・プロトコル : 政財暴一体で600億円稼いだ男の錬金哲学』徳間書店、2018年2月。ISBN 9784198645625
  • 『暴力が支配する一触即発の世界経済』ビジネス社、2019年4月。ISBN 978-4828420950

共著[編集]

  • 渡邉哲也『山口組分裂と国際金融 : インサイダーが明かすヤクザとカネと世界経済の関係』徳間書店、2016年12月。ISBN 9784198642976
  • 沖田臥竜、柴田大輔『「惡問」のすゝめ : 「猫組」有名講師陣による禁断のドリル ヤクザ・暴走族の知られざる実態』徳間書店、2017年7月。ISBN 9784198643287
  • 渡邉哲也『ヤクザとオイルマネー : 石油で250億円稼いだ元経済ヤクザが手口を明かす』徳間書店、2017年9月。ISBN 9784198644895
  • 西原理恵子『猫組長と西原理恵子のネコノミクス宣言』扶桑社、2018年6月。ISBN 9784594080013
  • 西原理恵子『猫組長と西原理恵子のネコノミクス宣言 完全版』扶桑社、2019年3月。ISBN 9784594081867

書籍への寄稿[編集]

  • 「そこからですか!? 山口組」『密着! ビジュアル決定版 山口組 分裂抗争の全軌跡』宝島社、2015年。ISBN 9784800249333
  • 「弘道会と山健組の衝突を招いたカネと暴力のバランスシート」『山口組分裂「六神抗争」365日の全内幕 - 最新ビジュアルDX版!』宝島社、2016年。ISBN 9784800258441[29]

脚注[編集]

  1. ^ 「著者紹介」『「惡問」のすゝめ : 「猫組」有名講師陣による禁断のドリル ヤクザ・暴走族の知られざる実態』徳間書店、2017年。
  2. ^ a b c d ツイッター組長[投資の掟]を語る!」『HARBOR BUSINESS Online』2015年11月23日、2016年8月13日閲覧。
  3. ^ Twitter組長「抗争したら無駄死に出る。避けるべき」と意見」『NEWS ポストセブン』2015年12月21日、2016年8月13日閲覧。
  4. ^ ツイッター組長「神戸山口組は自分たちの非を認めて欲しい」」『NEWS ポストセブン』2015年12月22日、2016年8月13日閲覧。
  5. ^ ツイッター組長「破滅するなら、全部ぶちまけてやろうと」」『NEWS ポストセブン』2015年12月24日、2016年8月13日閲覧。
  6. ^ FBアカウントを凍結されたツイッター組長 ヤクザの将来を語る」『NEWS ポストセブン』2015年12月25日、2016年8月13日閲覧。
  7. ^ 競馬最強の法則 2017年12月号「続報!消息不明JRA元GIジョッキー 安田康彦 - アジア放浪の果てに」
  8. ^ オフショアで蠢く幽霊マネーの正体【“猫組長”が緊急寄稿】」『HARBOR BUSINESS Online』2016年2月22日、2016年8月13日閲覧。
  9. ^ 男猫の午前会議25時☆ 工藤明男×猫組長×渡邉哲也(ゲスト)① 1日に215兆円消えた日―― イギリスってなんであんなにバカなの?”. R-ZONE (2016年9月15日). 2017年4月1日閲覧。
  10. ^ 男猫の午前会議25時☆ 工藤明男×猫組長×渡邉哲也(ゲスト)② ジャパニーズYAKUZAは「テロリスト扱い」が世界のルール!?”. R-ZONE (2016年9月16日). 2017年4月1日閲覧。
  11. ^ 単行本『生野が生んだスーパースター 文政』発売記念週間 特別企画その2 フォロワー4万人 twitterで人気の猫組長が緊急寄稿 「関西のアウトローで文政の名を知らぬ者はいない」”. R-ZONE (2016年10月3日). 2017年3月31日閲覧。
  12. ^ 単行本『生野が生んだスーパースター 文政』発売記念週間 特別企画その4 ネット界で話題の"猫組長"、"工藤明男"を直撃!「沖田臥竜って誰だ!?」”. R-ZONE (2016年10月8日). 2017年3月31日閲覧。
  13. ^ 話題の本を読む SPAで裏経済コラムを好評連載中の猫組長が『生野が生んだスーパースター 文政』の書評を特別寄稿”. R-ZONE (2016年10月12日). 2017年3月31日閲覧。
  14. ^ 話題の一冊『酒鬼薔薇聖斗と関東連合』発売記念 週刊SPA!でウラ経済コラムを好評連載中の猫組長は話題の本『酒鬼薔薇聖斗と関東連合』をどう読んだか?”. R-ZONE (2016年10月23日). 2017年3月31日閲覧。
  15. ^ a b c 猫組長”. NEKOKUMICHO. 2016年8月31日閲覧。
  16. ^ フェラーリの新車が実質0円で乗れる!? 金持ちにしかできないクルマ錬金術」『日刊SPA!』2016年8月9日、2017年4月2日閲覧。
  17. ^ 投資の裏も表も知り尽くした男・猫組長が語る“金融脳”の鍛え方」『日刊SPA!』2016年10月30日、2017年4月1日閲覧。
  18. ^ 元山口組の猫組長 現在、悠々自適の暮らしができる理由」『NEWSポストセブン』2017年8月3日、2017年9月23日閲覧。
  19. ^ カラヴァッジョ 暴力と芸術”. 猫の楽園 散歩と昼寝とたまにメシ (2016年3月20日). 2016年8月16日閲覧。
  20. ^ カラヴァッジョ 狂気と天才”. 猫の楽園 散歩と昼寝とたまにメシ (2016年3月21日). 2016年8月16日閲覧。
  21. ^ 神戸山口組系組員を射殺したヒットマンの正体は?【防犯カメラ映像をスクープ入手】」『日刊SPA!』2016年6月2日、2016年8月13日閲覧。
  22. ^ 2017年は「ヤクザの終わり」元年となるのか。猫組長の答え」『現代ビジネス』2017年8月4日、2017年8月20日閲覧。
  23. ^ "ヤクザと決別" 元組員と「猫組長」が明かす、その後の過酷な現実」『Abema TIMES』2017年4月4日、2017年4月6日閲覧。
  24. ^ 暴力団の資金源に?「月刊実話ドキュメント」休刊の背景とは」『Abema TIMES』2017年4月4日、2017年4月6日閲覧。
  25. ^ 「任侠団体山口組」立ち上げ 「猫組長」と会見参加のジャーナリストが分析」『Abema TIMES』2017年5月2日、2017年8月20日閲覧。
  26. ^ ビートたけし 元暴力団組長に映画出演オファー「いい顔してる」「本物は違うね」」『トピックニュース』2017年6月11日、2017年8月20日閲覧。
  27. ^ ビートたけし 暴力団の地下組織化を危惧「“マフィア化”するっていうのが一番強烈」」『リアルライブ』2017年6月12日、2017年9月9日閲覧。
  28. ^ パナマ文書報道はピントがズレている――猫組長の教科書に載らない経済と犯罪の危ない話」『日刊SPA!』2016年4月27日、2016年8月13日閲覧。
  29. ^ 猫組長 (2016年8月30日). “山口組分裂『六神抗争』365日の全内幕”. NEKOKUMICHO. 2016年8月31日閲覧。

関連人物[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]