独身アパートどくだみ荘

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動先: 案内検索

独身アパートどくだみ荘』(どくしんアパートどくだみそう)は、福谷たかしによる日本漫画作品。および、それを原作とした映画OVAOV

作品概要[編集]

週刊漫画TIMES』(芳文社1979年5月18日号から1993年4月2日号まで連載。最初は読み切りとして掲載されたが、毎号連載を望む声も多く、連載が隔週刊化、週刊化となっていった。しかし、1990年代に入ったころから作者がマンネリに悩み、連載648回目で「もう描かない」と宣言し終了となった[1]

東京都杉並区阿佐ヶ谷を舞台に、四畳半の安アパートで暮らす貧乏な男の青春を描いた作品。主人公・堀ヨシオのモデルは作者である福谷となっており、作者の実話をもとに描かれたストーリーも存在する。

汚くて華がなく、かつエロティックなストーリーであるが、女性とうまく付き合っていたのに、最後には捨てられてしまうというあまりにもみじめな主人公の人生に多数の読者が共感し人気を得た。風俗ヤクザ麻薬中毒者などサブカルチャーを多数扱っており、1988年11月4日号から12月9日号に掲載されたHIVを扱ったエピソード「愛と死を見つめて」は「蔑視・差別表現」にあたるとしてHIVと人権・情報センターよりクレームを受けた[1]

新・どくだみ荘[編集]

1994年からは同誌にて『新・どくだみ荘』として連載を再開。しかしその直後、過去のどくだみ荘に他の漫画家の模倣が多数あるということで、作者の福谷が模倣された作家からのクレームを受けた。本人もそれを認め、模倣したコマに対する使用料を作家に支払うことで解決したが、他人の作品を無断で使ってしまったことに後悔し、謝罪とともに「筆を折る」と宣言、1994年4月1日号から8月26日号までのわずか15回で連載終了となり、全て単行本未収録に終わった[1]

なお、作者の福谷の死後の2004年には、同誌の1月7・14日合併号から2月4日号まで、お年玉企画として原作:福谷たかし、画:中河和典、シナリオ協力:やまざきみきで『帰ってきたどくだみ荘』が掲載された[1]。こちらは完結編ともいえる内容で、現在のどくだみ荘(かつてヨシオが入居していた部屋。)に漫画家志望の青年が入居し、ヨシオの幽霊から漫画のアドバイスをもらいながら執筆活動を行い、雑誌社から連載を任されるまでに成長。最終的にヨシオがガス中毒で死亡していたという形で完結した。

単行本[編集]

単行本は芳文社コミックスより全35巻。その後、1994年から1995年にかけて過去の未収録エピソードを収録した「新・どくだみ荘」(雑誌掲載の新・どくだみ荘とは別)が同じく芳文社コミックス全7巻で刊行され、2001年から2004年にかけて芳文社のマイパルコミックスよりコンビニ向け廉価版コミックスが全13巻刊行(一部に以前の単行本未収録のエピソードを収録)。また、2006年にはよりぬき「どくだみ荘」やこれまでの単行本で未収録だった「福谷たかし物語」などを収録した「レジェンドどくだみ荘伝説」が青林工藝舎より刊行された。

単行本の売り上げは累計500万部を記録[1]。現在はいずれも絶版であるが、最初に刊行された単行本のみ電子書籍化されている。

登場人物[編集]

堀 ヨシオ(ほり ヨシオ)
本作の主人公。岡山県西大寺出身の24歳(初登場時)。地元からミュージシャンを志し上京してきたものの、デビューに恵まれず、現在は阿佐谷にある四畳半一間・風呂無し・トイレ共同・キッチン共同の安アパート「どくだみ荘」で「金なし・職なし・女なし」の貧乏な独身生活を送っている。ギターは上京後1年で質屋に流してしまい、以後は日雇い労働(主に土木建設作業)で生計を立てている。極度のスケベで、いつも「女とヤリたい」と考えており、女と関係すると隙を見てはレイプに走り、路上でのナンパ、暇を持て余してはオナニーを行っている。しかし実は現在、青春真っ只中で、思わぬ出会いがたびたび訪れる・・・のだが、いつもそのチャンスを逃してしまう。趣味は飲酒で、を飲んでは道端に倒れることも多い。
堀 ミユキ(ほり ミユキ)
ヨシオの妹。しばしば兄のヨシオを叱るが、兄思いの一面もある。
しかし堀家とは血は繋がってない養子(捨て子)である。作中、ヨシオに犯されそうになったことがある。
六田 大助(ろくた だいすけ)
どくだみ荘の住人。売れない漫画家である。眼鏡をかけている。当初は堅い性格だったが、登場に連れて柔軟になっていった。
豪 広美(ごう ひろみ)
どくだみ荘の住人。若者の交流サークル「若い芽っこの会」に入会している。きつい訛りと、頬にある毛の生えた大きなホクロが特徴。
酒を飲んで暴れて犬を口元から八つ裂きにするなど普段の温厚さからは思えないほどの酒乱である。

映画[編集]

1988年12月24日公開。1989年VHS化されたが、DVD化はされていない。

スタッフ[編集]

  • 監督:阿部誠華
  • 原作:福谷たかし
  • 制作:小松崎隆次、大澤稔
  • 企画:衣川仲人、金沢文衛
  • プロデューサー:大上典保、太田順之
  • 脚本:滝洸一郎、阿部誠華
  • 音楽:緒方泰男
  • 主題歌:『泣かないで泣かないで』(唄:三好鉄生
  • 撮影:佐藤祐史
  • 照明:田中謙治
  • 美術:丸尾知行
  • 録音:福岡修
  • 編集:菅野善雄
  • 助監督:小林要
  • スチール:副田宏明
  • アクション監督:足立伶二郎
  • 配給:松竹富士

キャスト[編集]

OVA版[編集]

1989年から1990年にかけて、全3巻がリリース。現在DVD化はされていない。性表現が含まれているが、アダルトアニメ扱いではない。

独身アパートどくだみ荘 (1989年)[編集]

1話収録。この一作のみ、主題歌として憂歌団の「嫌んなった」が起用されている。

スタッフ[編集]

  • 原作:福谷たかし(芳文社刊)
  • 監督:T.立枯
  • 作画:小田仁
  • 美術監督:石垣努
  • 脚本:日野敬元、仲坂悠人
  • 製作:砂工房、株式会社日映エージェンシー
  • 主題歌:憂歌団

キャスト[編集]

独身アパートどくだみ荘Ⅱ(1989年)[編集]

「デス・トラップ」「突撃!奥多摩探検隊」の2話を収録。

スタッフ[編集]

  • 原作:福谷たかし(芳文社刊)
  • 監督・作画監督・キャラクターデザイン:小田仁
  • 脚本:もとひら了
  • 音楽:坂口博樹
  • 美術監督:龍池昇
  • 撮影:ITTアニメーション
  • 製作:砂工房

キャスト[編集]

独身アパートどくだみ荘Ⅲ(1990年)[編集]

「トウキョウ・ララバイ」「真夜中の訪問者」の2話を収録。

スタッフ[編集]

  • 原作:福谷たかし(芳文社刊)
  • 監督:棚橋一徳
  • 作画監督・キャラクターデザイン:小田仁
  • 脚本:西尾正人
  • 音楽:坂口博樹
  • 美術監督:龍池昇
  • 製作:タカハシスタジオ

キャスト[編集]

OV版[編集]

1995年に全2巻がリリース。現在DVD化はされていない。映画版「どくだみ荘」と同じ阿部誠華が監督を務めている。

新・どくだみ荘[編集]

スタッフ[編集]

  • 製作:櫻井洋三/小林尚武
  • 企画:田中浩三/大竹彰
  • 原作:福谷たかし(芳文社刊「芳文社コミックス」)
  • プロデューサー:山本芳裕/堀口貴子
  • 脚本:佐々木哲也
  • 監督:阿部誠華
  • 音楽プロデューサー:小林宏史(エンドレス・ジャパン)
  • 撮影:中橋嘉久
  • 照明:馬場修
  • プロデューサー補:石塚牧子
  • パッケージフォト:安達尊
  • 製作協力:コンセプト株式会社

キャスト[編集]

新・どくだみ荘2[編集]

スタッフ[編集]

  • 製作:櫻井洋三/小林尚武
  • 企画:田中浩三/大竹彰
  • 原作:福谷たかし(芳文社刊「芳文社コミックス」)
  • プロデューサー:山本芳裕/堀口貴子
  • 脚本:佐々木哲也
  • 監督:阿部誠華
  • 音楽プロデューサー:小林宏史(エンドレス・ジャパン)
  • 撮影:中橋嘉久
  • 照明:馬場修
  • プロデューサー補:石塚牧子
  • 製作協力:コンセプト株式会社

キャスト[編集]

脚注[編集]

  1. ^ a b c d e 『レジェンドどくだみ荘伝説』青林工藝舎