特種用途自動車

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動先: 案内検索
自動車 > 日本における自動車 > 特種用途自動車

特種用途自動車(とくしゅようとじどうしゃ)とは、道路運送車両法およびそれに付随する通達により定められた法令上の自動車の区分の一種で、定められた特種な用途に応じた設備を有する自動車のことをいう。車両に対して付与されるナンバープレート[1]の「車種を表す数字(分類番号という)」が8で始まることから、一般に「8ナンバー車」とも呼称される。

使用目的や車体の形状が特種で、特別な用途に使われる。日本では下記の分類がなされる。特殊自動車と区分する必要があるときは、「特種=とくだねじどうしゃ」、「特殊=とくことじどうしゃ」などと呼び分けられることがある。

例えば、クレーン用台車にクレーンが載っている車は特種用途自動車3-3なので8ナンバーとなり大型免許等で運転が可能であるが、ホイールクレーンは特殊自動車の例示「一イ」に該当するので9ナンバーとなり、運転には大型特殊免許(1種または2種)が、また作業の際にはそれぞれの重機に合った特別教育や技能講習の修了・作業主任者資格などが必要となる。

使用目的[編集]

国土交通省の「自動車の用途等の区分について(依命通達)」(1960年自動車交通局長通達)の一部改正(2001年4月6日付け、自動車交通局長通達)による区分。

1 緊急自動車[編集]

道路交通法第三十九条に「緊急自動車(消防用自動車、救急用自動車その他の政令で定める自動車で、当該緊急用務のため、政令で定めるところにより、運転中のものをいう。」とある。当該政令が道路交通法施行令。 救急車、消防車は届出。それ以外は使用する者の申請に基づき公安委員会が指定したもの。 専ら緊急の用に供するための自動車(緊急自動車の指定・届出をされ、かつ、適合する設備を持つもの。13車体形状)

2 法令特定事業[編集]

法令等で特定した事業を遂行するための自動車(13車体形状)必ず準拠法令がある。

使用目的3 その他[編集]

特種な目的に専ら使用するための上記以外の自動車

3-1 運搬[編集]

特種な物品を運搬するための特種な物品積載設備を有する自動車で、車体の形状が次に掲げる自動車(15車体形状)

3-2 患者等移送[編集]

患者、車いす利用者等を輸送するための特種な乗車設備を有する自動車で、車体の形状が次に掲げる自動車(2車体形状)

  • 患者輸送の寝台車
  • 車いす移動車(リフトバス、リフトワゴン)

3-3 特殊作業[編集]

特種な作業を行うための特種な設備を有する自動車で、車体の形状が次に掲げる自動車(32車体形状)

3-4 その他[編集]

キャンプ又は宣伝活動を行うための特種な設備を有する自動車で、車体の形状が次に掲げる自動車(3車体形状)

登録と運転免許[編集]

特種用途自動車(8ナンバー)の運転には乗車定員数、車輌総重量、最大積載量に応じ、普通免許・中型免許・大型免許のいずれかが必要である。クレーンなどの特殊な設備などの運転や操作に別の資格が必要なものもある。

なお、特殊自動車として登録されるもの(9ナンバー、0ナンバー)を運転する際は、大型特殊免許が必要要件となる。

違法8ナンバーと規制強化[編集]

1995年に改造自動車の届け出が緩和されたことを受けて、1990年代後半から特種用途自動車の保険料や自動車税が安いことを狙い、キャンピングカーや放送宣伝車、事務室車として8ナンバー登録をした後、設備を外して走行する違法な行為が多発した。一部では堂々と改造代行を行うカーショップも出現したほか、改造に適さないスポーツカータイプの乗用車を放送宣伝車や事務室車に改造して8ナンバーを取得するという事態も発生した。それを裏付けるように、この3車種の登録台数を見ると、1991年から2000年の間に

  • キャンピングカー : 3万台弱→33万台(11倍)
  • 放送宣伝車 : 4000台強→6万5000台(14倍)
  • 事務室車 : 184台→2万台以上(111倍)

と激増し、特に事務室車が100倍以上の伸びを示しているのが目につく。

こうした行為を防ぐため、国土交通省2001年から特種用途自動車の規制強化を実施、構造要件を厳格化した。なおキャンピングカーについては2003年から新しい規制を適用した。

キャンピングカー[編集]

ワンボックス車やオフロード四輪駆動車、SUVでは乗用車登録の3・5ナンバーだけでなく、毎年車検を受けなければならない貨物自動車(バン)登録の1・4ナンバー車が車検期間を2年に延長できるメリットを理由に多数実施していた事等から、キャンピングカーへの改造が目立っていたが、新規制では構造要件が厳しくなったことによりキャンピングカーへの改造登録が安易に出来なくなった。特に、調理設備前のフロアには160cm以上の高さの空間が求められるようになった事により、以前は対応可能であったステーションワゴンではかなりの対応改造が必要となる。これにより、規制後に市販されている新車のキャンピングカーは、トラックベースかバスベースのものが多い。なお登録変更しない場合は旧基準対応のキャンピングキットを装着しても問題はない。

放送宣伝車[編集]

登録後や継続検査を受けた後、日常の使用時にスピーカーや放送機材をはずす車が多かったため、車体の外にスピーカーを露出させること、演説用の舞台(固定型演壇)を備えること、車内から放送する空間(放送室)が規定された。

事務室車[編集]

乗用車やスポーツ車による違法8ナンバー化の温床となっていたので、出入り口・通路・事務室または教室用の空間に関する規定を設け、乗車用の座席を事務用スペースとして流用できないように定義した。

脚注[編集]

  1. ^ 自動車検査証に記載されナンバープレートにより対外的に表示される

関連項目[編集]

外部リンク[編集]