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n 次の特殊ユニタリ群(とくしゅユニタリぐん、英語: special unitary group)SU(n) とは、行列式が1の n 次ユニタリ行列の為す群の事である。群の演算は行列の積で与えられる。
特殊ユニタリ群 SU(n) はユニタリ群 U(n) の部分群であり、さらに一般線型群 GL(n, C)の部分群である。
特殊ユニタリ群は素粒子物理学において、電弱相互作用のワインバーグ=サラム理論や強い相互作用の量子色力学、あるいはそれらを統合した標準模型や大統一理論などに出てくる。

ここで U(n) はユニタリ群、 det は行列式である。
特殊ユニタリ群 SU(n) は、以下のような性質を満たす。
生成子[編集]
SU(n) の生成子 T は、トレースが 0 のエルミート行列で表現される。


基本表現[編集]
基本表現、或いは定義表現では、n 次正方行列で表現される。

ここで、 f は構造定数で、全ての添え字に関して反対称であり、d は全ての添え字に関して対称である。
従って、

![[T_{a},T_{b}]=T_{a}T_{b}-T_{b}T_{a}=i\sum _{c=1}^{n^{2}-1}f_{abc}T_{c}](https://wikimedia.org/api/rest_v1/media/math/render/svg/f3ea0f75c19d3b1a95713a35498f3270a5ffd633)
規格化条件として

をとる。
随伴表現[編集]
随伴表現では、n2−1 次正方行列で表現され、その成分は、

で与えられる。
SU(2)[編集]
SU(2) の元の一般形は

となる。ここで、α, β ∈ C は |α|2 + |β|2 = 1 を満たす。
SU(3)[編集]
の生成子 T の基本表現は

ここで、
はゲルマン行列である。



交換関係は
![[T_{a},T_{b}]=i\sum _{c=1}^{8}f_{abc}T_{c}](https://wikimedia.org/api/rest_v1/media/math/render/svg/f18fc0db2be4c5a2ff2de5d7ad8a3c70ec53eb37)
となり、構造定数 f は



となる。d は



となる。
他の群との関係[編集]
素粒子物理学では、対称性の破れに関連して部分群が重要になる。








O(n): 直交群、SO(n): 特殊直交群、USp(2n): シンプレクティック群、E6, E7, G2: 例外型リー群
また、スピン群と以下の同型がある



関連項目[編集]
外部リンク[編集]