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2021年6月12日 (土) 13:05時点における版
朱世傑(しゅせいけつ、生没年不詳)は、元初期の数学者。朱世杰とも表記される。字は漢卿。自号は松庭。
詳細な伝記は不詳であるが、元は燕山(現在の北京付近)の人で、官に就かずに数学を学びながら国内を巡り、その間『算学啓蒙』(1299年)と『四元玉鑑』(1303年)を著した。『四元玉鑑』執筆時には旅の生活も既に20年以上になっていた。揚州に来た際、彼から数学を学ぼうと多くの人々が彼の元を訪れた。それを見てここに落ち着き、数学の教育に生涯を捧げたという。
『算学啓蒙』は宋から元にかけて発達した中国数学の集大成であり、命数法から四則演算、面積計算、天元術に至るまで幅広い内容を取り上げている。極以上の命数法が初めて登場したのも同書だった。『四元玉鑑』は天元術を発展させ、4元の高次連立方程式の解法を論じた。
参考文献
- 李迪 著、大竹茂雄・陸人瑞 訳『中国の数学通史』(森北出版、2002年)ISBN 978-4-627-01941-6
- 銭宝 編、川原秀城 訳『中国数学史』(みすず書房、1990年)ISBN 978-4-622-04083-5
- 『聖なる数学:算額-世界が注目する江戸文化としての和算』(森北出版)p.42-44