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== 脚注 ==
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2020年10月9日 (金) 15:21時点における版

イラクサ
イラクサ
分類
: 植物界 Plantae
: 被子植物門 Magnoliophyta
: 双子葉植物綱 Magnoliopsida
亜綱 : マンサク亜綱 Hamamelidae
: イラクサ目 Urticales
: イラクサ科 Urticaceae
: イラクサ属 Urtica
: イラクサ U. thunbergiana
学名
Urtica thunbergiana
和名
イラクサ(刺草)
英名
Nettle

イラクサ(刺草・蕁麻、英名:Nettle、学名:Urtica thunbergiana)とは、イラクサ科イラクサ属多年生植物の一種、または総称。多年生植物で30~50cmの高さになり、茎は四角く、葉と茎に刺毛(トゲ)がある。6月から9月にかけて葉腋から円錐形に緑色の花をつける。

名称

「イラクサ」は Urtica thunbergiana標準和名である。ヨーロッパや北米の近縁種セイヨウイラクサ (Urtica dioica)(英名:Stinging nettle)も「イラクサ」と訳されることが多いが、日本に野生するイラクサとは別種である。

植物全体にある刺毛が特徴で、イラクサ科を意味するUrtica(ウルティカ)とはラテン語でチクチクするという意味である[1]

また、若芽が山菜として利用されるミヤマイラクサも、時として「イラクサ」と称されることがあるが、ミヤマイラクサはムカゴイラクサ属 (Laportea) であり、イラクサとは別属である。

日本でもイラクサの方言は多く、アイコ(アエコ)、イラナ(イラ)、アエダケ(アイダケ・エダケ)など、地域によって呼び名が変わる。イタイタグサともイラグサとも呼ばれる。

特徴

夏から秋にかけ、緑白色の雄花と淡緑色の雌花が咲く。茎や葉の表面には毛のようなトゲがある。そのトゲの基部にはアセチルコリンヒスタミンを含んだ液体の入った嚢があり、トゲに触れその嚢が破れて皮膚につくと強い痛みがある。死亡することはないが、皮膚炎を発症することがある。

関東以南の本州、四国、九州に自生し、北アメリカ、ヨーロッパにも見られる。近年では北海道でも自生する。

利用

セイヨウイラクサのピューレ

薬用部分は全草。夏から秋にかけて全草を採り、日干しして乾燥させる。近年ではセイヨウイラクサの葉を乾燥したものが「ネトル茶」などとして流通しており、「花粉症に悩む方の体質改善に」などと謳われることが多い。

ヨーロッパのセイヨウイラクサは料理・薬用ハーブコンパニオンプランツとして用いられている。ロシアではスープの具としても用いられる。

皮からは、滑らかで白い色合いを持った繊維が取れる。アイヌ民族は、イラクサの繊維から織った布や着物をレタルペ(白いもの)と呼んで珍重していた。

奈良公園のイラクサ

奈良県にある奈良公園では、シカによる食害を防ぐために自身が「をもつトゲ」を多く持つように進化した、との研究結果を奈良女子大学・加藤禎孝らのグループがまとめた[2][3]。グループは、県南部などのイラクサに比べ50倍以上もトゲが多く、この特徴が種子にも受け継がれていることを確認。実際、公園内のイラクサ、県南部のイラクサでシカに食べられやすいのはどちらか、という実験を行ったところ、県南部のものは全て食べられたが、公園内のイラクサは60%以上も残ったという。これについて教授は「1200年という長い間に、シカに対する防御機構が進化したのだろう」と話している。

その他

セイヨウイラクサは、アンデルセン野の白鳥」(グリム童話「六羽の白鳥」と似た話)に呪いを解く鍵として出て来る。

セイヨウイラクサ

セイヨウイラクサ
セイヨウイラクサ
分類
: 植物界 Plantae
: 被子植物門 Magnoliophyta
: 双子葉植物綱 Magnoliopsida
亜綱 : マンサク亜綱 Hamamelidae
: イラクサ目 Urticales
: イラクサ科 Urticaceae
: イラクサ属 Urtica
: セイヨウイラクサ U. dioica
学名
Urtica dioica
和名
セイヨウイラクサ
英名
Stinging nettle
Common nettle

脚注

  1. ^ 植物 鹿児島県、2020年1月28日閲覧。
  2. ^ イラクサの葉の外部形質の地域変異に及ぼすシカの採食の影響
  3. ^ イラクサ 独立行政法人森林総合研究所関西支所

関連項目

外部リンク