「ワクチン」の版間の差分

ナビゲーションに移動 検索に移動
編集の要約なし
=== 生ワクチン ===
{{Main|弱毒化ウイルス}}
毒性を弱めた[[微生物]]や[[ウイルス]]を使用。[[液性免疫|体液性免疫/液性免疫]]のみならず[[細胞性免疫|細胞性免疫/細胞免疫]]も獲得できる<ref>「ワクチンと予防接種のすべて 見直されるその威力」p37 尾内一信・高橋元秀・田中慶司・三瀬勝利編著 金原出版 2019年10月15日改訂第3版第1刷発行</ref>ため、不活化ワクチンに比べて獲得免疫力が強く、免疫持続期間も長い。生産コストが低い上投与回数も少なくて済み、経済性に優れるが、発見は偶発的なものに頼る部分が多いため開発しづらく、また弱っている病原体を使うため、ワクチン株の感染による[[副反応]]を発現する可能性が稀にある<ref>「ワクチン 基礎から臨床まで」p238 日本ワクチン学会編集 朝倉書店 2018年10月10日初版第1刷</ref>。免疫不全症で細胞性免疫が低下している場合は、生ワクチンを接種してはならない<ref>https://www.jmedj.co.jp/journal/paper/detail.php?id=3784 「免疫不全患者に対して禁忌とされるワクチンの種類とステロイドがワクチン接種に与える影響」Web医事新報 No.4761 (2015年07月25日発行) P.64 2020年8月8日閲覧</ref>。
* [[BCG|BCGワクチン]]
* [[ポリオワクチン]]
=== トキソイド ===
{{See also|トキソイド}}
ある病原体の産生する[[毒素]]のみを予め抽出して、[[ホルマリン]]などで処理し、毒性を抑えて抗原性のみを残したものを人体に接種し、その毒素に対する抗体を作らせるもの<ref>「ワクチンと予防接種のすべて 見直されるその威力」p38 尾内一信・高橋元秀・田中慶司・三瀬勝利編著 金原出版 2019年10月15日改訂第3版第1刷発行</ref>。病原体そのものを攻撃する抗体を作らせるわけではないので、厳密にはワクチンに含めないという考え方もある。
 
== 接種方法 ==
==ワクチン開発==
ワクチン開発は、まず病原の培養や不活化・弱毒化などの基礎研究を行った後、動物による非臨床試験をおこない、その後3段階に分けて臨床試験を行う。試験終了後に国による承認審査が行われ、承認されれば生産体制を整え、販売が始まる。ワクチン開発にかかる期間は非常に長く、最短でも10年近くは必要となる<ref>https://www.biken.or.jp/about_business/reserch-project/development-flow 「研究開発の流れ」一般財団法人 阪大微生物病研究会(BIKEN財団) 2020年8月8日閲覧</ref>。ワクチン開発の際重視される条件は、感染症予防・重症化阻止の効果、副反応などを最小限に抑えた安全性、そして開発・生産・接種コストを中心とする経済性の3点であり、これらのうち一つでも顕著に問題が存在した場合は実用化はなされない<ref>「ワクチン 基礎から臨床まで」p238 日本ワクチン学会編集 朝倉書店 2018年10月10日初版第1刷</ref>。
 
ワクチン開発には多額の資金と期間がかかるうえに、多数の人々に接種を行う関係上巨大な生産力も必要となるため、資本力に優れた大企業が開発・供給を主導する傾向にあり、寡占化が進んでいる。2019年にはイギリスの[[グラクソ・スミスクライン]]、アメリカの[[メルク]]、アメリカの[[ファイザー]]、そしてフランスの[[サノフィ]]の4大企業でワクチン市場の79%のシェアを占めている<ref>https://vdata.nikkei.com/newsgraphics/coronavirus-vaccine/ 「分かる 教えたくなる コロナワクチン開発」日本経済新聞 2020年7月28日 2020年8月9日閲覧</ref>。これに[[スイス]]の[[ノバルティス]]を加えた5社は5大ワクチンメーカーと呼ばれる<ref>「ワクチンと予防接種のすべて 見直されるその威力」p30 尾内一信・高橋元秀・田中慶司・三瀬勝利編著 金原出版 2019年10月15日改訂第3版第1刷発行</ref>。ワクチン市場は巨大であり、2018年には3兆9500億円の市場規模を持っている上、さらに急速な拡大が見込まれている<ref>https://vdata.nikkei.com/newsgraphics/coronavirus-vaccine/ 「分かる 教えたくなる コロナワクチン開発」日本経済新聞 2020年7月28日 2020年8月9日閲覧</ref>。
 
新たな感染症に対するワクチン開発は、多額の投資と時間を要するため、流行が収束して関心が低下すると資金が滞り中断を余儀なくされることがある。[[グラクソ・スミスクライン]]の例では、[[エボラ出血熱]]に対応するワクチン開発を長らく行ってきたが、臨床試験の最終段階の時点で流行が広がっていたのは最貧国の[[コンゴ民主共和国]]であり、金銭的リターンが事実上見込めないとして開発継続を断念。ワクチン候補を[[2019年]]までにアメリカの非営利機関に昨年譲渡した<ref>{{Cite web |date=2020-03-10 |url=https://www.swissinfo.ch/jpn/business/covid-19-_新型コロナウイルスのワクチン開発-製薬大手が消極的な理由/45605794 |title=新型コロナウイルスのワクチン開発-製薬大手が消極的な理由 |publisher=スイスインフォ |accessdate=2020-04-18}}</ref>。

案内メニュー