「高安動脈炎」の版間の差分

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2006年9月13日 (水) 03:25時点における版

大動脈炎症候群のデータ
ICD-10 M314
統計 出典:
世界の患者数
日本の患者数 約5,000
(2005年6月3日)
○○学会
日本 日本リウマチ学会
日本脈管学会
日本炎症学会
世界
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大動脈炎症候群(だいどうみゃくえんしょうこうぐん、aortitis syndrome)は大動脈炎症が起こる自己免疫疾患で、血管炎のひとつ。発見者を高く評価する欧米では高安動脈炎(たかやすどうみゃくえん、Takayasu's arteritis;TA)という名称が通常であり、発見者の故郷であるわが国だけがその名前をあまり用いないのは皮肉である。脈なし病(みゃくなしびょう、pulseless disease)ともいう。特定疾患に定められている。

疫学

日本に最も多く患者がおり、またインド中国などのアジア諸国にも患者が多い。一方、他の地域では比較して患者数が少ない。女性に多い疾患で、男女比は1:10である。発症年齢は20代が最も多く、次いで30代や40代が多い。

症状

合併症

検査

  • 血液検査
    赤沈亢進、CRP陽性、白血球増加、凝固能亢進、高ガンマグロブリン血症などが見られる。
  • 動脈造影
    大・中動脈の狭窄、閉塞、拡張、動脈瘤。石灰化が見られることもある。
  • CTMRI
    動脈造影は本症の診断にきわめて重要ではあるものの、動脈造影にみられるような血管の狭窄がみられるようになってしまうともはや疾患は進行している事を示しており、そこから治療をおこなっても狭窄が治るわけではない。近年の画像診断技術の発達により、本症が血管の狭窄を来たす以前に炎症性の血管壁肥厚をきたすことが、CT、MRIで早期に検出できる様になってきた。
  • CTアンギオ
    近年の画像診断とコンピュータの融合は目覚しく、その最たるものがCT情報を三次元的に再構成した3DCTである。これを用いて大動脈を三次元的に再構築する事により、動脈造影のメリットとCTのメリットの双方が得られ、本症の診断に当たって大変有用である。
  • PET-CT
    通常のPETはあまり役立たないのではないかと思われる。PET-CTでは炎症を起こしている大血管壁に活動性の炎症所見をみることができると考えられているが、まだ実際の経験数が少なくはっきりしたことは言えない。

診断

診断基準と重症度分類の詳細は[1](PDFファイル)を参照のこと。

診断基準

動脈造影で確定診断を行う。大動脈とその第一次分枝に閉塞性または拡張性病変が多発していれば当疾患を疑い、炎症反応があれば確定する。その他、自覚症状や検査所見が合致し、鑑別疾患が除外できるものも当疾患であるとする。

  • 鑑別疾患
動脈硬化症、炎症性腹部大動脈瘤、血管ベーチェット病梅毒性中膜炎、巨細胞性動脈炎、先天性血管異常、細菌性動脈瘤

重症度分類

治療せず経過観察のみあるいはステロイドを除く治療を短期間加える程度の段階をI度とし、治療の難度や合併症によってV度までの5段階に分類する。

治療

炎症性活動病変があればステロイド剤を投与する。その他、血管狭窄に対して抗血小板薬や血管拡張薬、高血圧に対して降圧薬の投与などの対症療法を行う。外科的に血行再建術を施行することもある。

予後

生命予後は良好で、5年生存率は約90%、10年生存率は約80%である。死因は弁膜症から誘発される心不全、高血圧、脳出血など。

診療科

アレルギー科、膠原病科、循環器内科など

歴史

1908年高安右人によって初めて報告される。

関連項目

外部リンク