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** 保安研修所(保安隊及び警備隊の管理及び運営に関する基本的な調査研究をするとともに、[[士官|幹部保安官]]、幹部警備官その他の幹部職員を訓練する目的。[[防衛研究所|防衛研修所]]の前身。)
** 保安研修所(保安隊及び警備隊の管理及び運営に関する基本的な調査研究をするとともに、[[士官|幹部保安官]]、幹部警備官その他の幹部職員を訓練する目的。[[防衛研究所|防衛研修所]]の前身。)
** 保安大学校(幹部保安官又は幹部警備官となるべき者を訓練する目的。[[防衛大学校]]の前身。)
** 保安大学校(幹部保安官又は幹部警備官となるべき者を訓練する目的。[[防衛大学校]]の前身。)
** 技術研究所(保安隊及び警備隊の装備品等について技術的研究を行う目的)
** 技術研究所(保安隊及び警備隊の装備品等について技術的研究を行う目的。[[技術研究本部]]の前身。
* 海上公安局(海上公安局の組織、所掌事務及び権限等については、海上公安局法(昭和27年法律第267号)の定めるところによる。)
* 海上公安局(海上公安局の組織、所掌事務及び権限等については、海上公安局法(昭和27年法律第267号)の定めるところによる。)
** 海上公安大学校(現在の[[海上保安大学校]])
** 海上公安大学校(現在の[[海上保安大学校]])
** 海上公安学校(現在の[[海上保安学校]])
** 海上公安学校(現在の[[海上保安学校]])
** 海上公安訓練所([[1955年]](昭和30年)4月1日 - 訓練所を廃止、海上保安学校に統合)
** 海上公安訓練所([[1955年]](昭和30年)4月1日 - 訓練所を廃止、海上保安学校に統合)


== 行動及び権限 ==
== 行動及び権限 ==

2019年12月3日 (火) 23:25時点における版

保安庁
保安庁長官 詳しくは防衛大臣を参考。
組織
内部部局 長官官房、保安局、人事局、経理局、装備局、第一幕僚監部、第二幕僚監部
附属機関 保安研修所保安大学校技術研究所
部隊その他
の機関
(省略)
本庁所在地
定員・定数
年間予算額
設置年月日 1952年(昭和27年)8月1日
前身 警察予備隊本部海上保安庁海上警備隊
後身 防衛庁防衛省

保安庁(ほあんちょう、英語表記:National Safety Agency)は、かつて存在した日本の行政機関1952年昭和27年)8月1日から1954年(昭和29年)6月30日まで置かれ、警察予備隊海上保安庁などの統合を目的に創設された。防衛庁(現在の防衛省)の前身。

日本平和と秩序を維持し、人命及び財産を保護するため、保安隊及び警備隊を管理し、運営し、及びこれに関する事務を行い、あわせて海上における警備救難の事務を行うことを任務とした。また、付属機関の海上公安局(海上保安庁)は、海上における公共秩序の維持、法令違反、犯罪の捜査、摘発、逮捕および海難救助などを行なうとして、海上での治安機関として海上公安局法が公布された。

設立の趣旨

警察予備隊及び海上保安庁の海上警備隊並びに「海上保安庁本体」を統合する、総理府外局として設置される。但し、警察予備隊の保安隊(陸上自衛隊の前身)への改組のためには準備期間が必要だったことから、保安庁法の規定中の保安隊及び保安官(後の陸上自衛官)に係る規定は、昭和27年10月15日から施行されることとなり、警察予備隊や所属の警察官は、昭和27年8月1日から昭和27年10月14日までの間、保安庁の機関や職員として置かれていた。

また、海上保安庁の海上警備隊は、「警備隊(海上自衛隊の前身)」になり、海上保安庁の本体(警備・救難以外)も、昭和27年7月31日に海上公安局法が公布され、保安庁に付属する機関の「海上公安局」となり、職員も海上保安官の名称が変更になり、海上での治安維持などを行なう「海上公安官」とされた。しかし、2年間にもおよぶ立法府が作成した法律を行政当局の海上保安庁の本体側が、統合に強く反対して抵抗するなどの事態となり、防衛庁設置と陸上自衛隊、海上自衛隊、航空自衛隊の発足に伴い、昭和29年7月1日に海上公安局法の廃止が行なわれ、「海上保安庁の本体」は統合されずに「海上保安庁」として存続することになった。

昭和27年7月31日に第13回国会(常会)で保安庁法(昭和27年7月31日法律第265号)が成立、即日公布され、一部の規定を除いて翌8月1日に施行された。保安庁法第4条によると、「保安庁は、わが国の平和と秩序を維持し、人命及び財産を保護するため、特別の必要がある場合において行動する部隊を管理し、運営し、及びこれに関する事務を行い、あわせて海上における警備救難の事務を行うことを任務とする。」とされ、より軍事色も強まり、海上公安局法も条文内に規定され、海上保安庁(海上公安局)の任務まで包括する法律となった。

当初の保安庁法によると、保安庁の職員(海上公安局に勤務する職員を除く。)の定員(2月以内の期間を定めて雇用される者、休職者及び非常勤の者を除く。)は、11万9947人とし、うち11万人を保安官、7590人を警備官(後の海上自衛官)とされた。

内部部局等

長官官房及び各局は、保安隊及び警備隊に関する各般の方針及び基本的な実施計画の作成について長官が行う第一幕僚長又は第二幕僚長に対する指示、保安隊又は警備隊に関する事項に関して第一幕僚長又は第二幕僚長の作成した方針及び基本的な実施計画について長官の行う承認並びに保安隊又は警備隊の隊務に関して長官の行う一般的監督について、長官を補佐した。

保安庁長官国務大臣とされ、政務次官、次長及び長官官房、保安局、人事局、経理局、装備局並びに2つの幕僚監部(保安隊の隊務に関する長官の幕僚機関として第一幕僚監部(陸上幕僚監部の前身)、警備隊の隊務に関する長官の幕僚機関として第二幕僚監部(海上幕僚監部の前身)。)が置かれた。

  • 附属機関
    • 保安研修所(保安隊及び警備隊の管理及び運営に関する基本的な調査研究をするとともに、幹部保安官、幹部警備官その他の幹部職員を訓練する目的。防衛研修所の前身。)
    • 保安大学校(幹部保安官又は幹部警備官となるべき者を訓練する目的。防衛大学校の前身。)
    • 技術研究所(保安隊及び警備隊の装備品等について技術的研究を行う目的。技術研究本部の前身。)
  • 海上公安局(海上公安局の組織、所掌事務及び権限等については、海上公安局法(昭和27年法律第267号)の定めるところによる。)

行動及び権限

命令出動
内閣総理大臣は、非常事態に際して、治安の維持のため特に必要があると認める場合には、保安隊又は警備隊の全部又は一部の出動を命ずることができる。内閣総理大臣は、出動を命じた場合には、出動を命じた日から20日以内に国会に付議して、その承認を求めなければならない。長官は、警備隊の全部又は一部に対する出動命令があった場合において、特別の必要があると認めるときは、海上公安局の全部又は一部を警備隊の統制下に入れることができる。但し、国会が閉会中の場合又は衆議院が解散されている場合には、その後最初に召集される国会においてすみやかにその承認を求めなければならない。内閣総理大臣は、不承認の議決があったとき又は出動の必要がなくなった場合には、すみやかに保安隊又は警備隊の撤収を命じなければならない。
出動待機命令
長官は、事態が緊迫し、命令出動の出動命令が発せられることが予測される場合において、これに対処するため必要があると認めるときは、内閣総理大臣の承認を得て、保安隊又は警備隊の全部又は一部に対し出動待機命令を発することができる。
要請出動
都道府県知事は、治安維持上重大な事態につきやむを得ない必要があると認める場合には、当該都道府県公安委員会と協議の上、内閣総理大臣に対し保安隊又は警備隊の部隊の出動を要請することができる。内閣総理大臣は、都道府県知事の要請があり、事態やむを得ないと認める場合には、部隊の出動を命ずることができる。都道府県知事は、事態が収まり、部隊の出動の必要がなくなったと認める場合には、内閣総理大臣に対しすみやかに部隊の撤収を要請しなければならない。内閣総理大臣は、都道府県知事の要請があった場合又は部隊の出動の必要がなくなったと認める場合には、すみやかに部隊の撤収を命じなければならない。都道府県知事は、要請をした場合には、事態が収まった後、すみやかにその旨を当該都道府県の議会に報告しなければならない。
海上における警備行動
長官は、海上における人命若しくは財産の保護又は治安の維持のため緊急の必要がある場合には、内閣総理大臣の承認を得て、警備隊の部隊に海上において必要な行動をとることを命ずることができる。
災害派遣
都道府県知事その他政令で定める者は、天災、地変その他の災害に際して、人命又は財産の保護のため必要があると認める場合には、部隊の派遣を長官又はその指定する者に要請することができる。長官又はその指定する者は、都道府県知事等の要請があり、事態やむを得ないと認める場合には、部隊を救援のため派遣することができる。但し、庁舎、営舎その他の保安庁の施設又はこれらの近傍に火災その他の災害が発生した場合には、同項の要請を待たないで部隊を派遣することができる(近傍派遣)。

関連項目

関連法令(外部)