「チェンバロ」の版間の差分

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18世紀のイギリスのカークマンとシュディのチェンバロの音域はFF,GG-f3が一般的であり、おそらく視覚的に左右対称にするためにFF#を欠いている。1780年頃以降は通常通りFF#が含まれるようになった。カークマンの5オクターヴより広い音域の楽器は、1772年のFF-c4の二段鍵盤の楽器1台のみが知られるが、シュディはCC-f3の楽器を定期的に製作し、 1765年から1782年までの日付を持つ12台が現存している。
 
== 他の撥弦鍵盤楽器 ==
[[File:Virginal Pisaurensis.JPG|thumb|イタリアのドミニクス・ピサウレンシスのヴァージナル(16世紀中頃)]]
[[File:Virginal.jpg|thumb|フランドルのハンス・ルッカースのスピネット型ヴァージナル(1583年)]]
[[File:Muselaar Couchet.JPG|thumb|フランドルのヨハネス・クーシェのミュゼラー型ヴァージナル(1650年)]]
[[File:EpinetteRichard.JPG|thumb|フランスのミシェル・リシャールのスピネット(1675年頃)]]
[[File:015 Museu de la Música, claviorgue Hauslaib.jpg|thumb|ニュルンベルクのロレンツ・ハウスライプのクラヴィオルガヌム(1590年頃)]]
ヴァージナル、スピネットなども、チェンバロと同様の発音原理による鍵盤楽器である。ただし、チェンバロ、ヴァージナル、スピネットといった名称は、歴史的には曖昧に用いられており、厳密に区別することは難しい。
 
=== ヴァージナル ===
[[File:Virginal Pisaurensis.JPG|thumb|イタリアのドミニクス・ピサウレンシスのヴァージナル(16世紀中頃)]]
[[File:Virginal.jpg|thumb|フランドルのハンス・ルッカースのスピネット型ヴァージナル(1583年)]]
[[File:Muselaar Couchet.JPG|thumb|フランドルのヨハネス・クーシェのミュゼラー型ヴァージナル(1650年)]]
ヴァージナル({{lang-en-short|virginal [virginals]}}, {{lang-de-short|Virginal}})は小型の撥弦鍵盤楽器で、弦が楽器の長辺および鍵盤と平行に張られているものを指す<ref name="virginal">E. M. Ripin, D. Wraight, D. Martin, "Virginal," ''The New Grove Dictionary of Music and Musicians,'' 2nd ed., London, Macmillan, 2001.</ref> 。 特に長方形の楽器を指すこともある。一般に弦は一組のみで、手前に低音、奥に高音の弦が張られる。そのため鍵の全長は低音で短く、高音で長い。
 
 
ヴァージナルという語の指し示す範囲はしばしば曖昧である。[[エリザベス朝]]の頃のイギリスでは virginal という語は撥弦鍵盤楽器全般を指していた。イタリアの多角形のヴァージナルはスピネットと呼ぶことが多い。イタリア語には本来ヴァージナルという語は存在せず、spinetta や arpicordo と呼ばれていた。
 
イタリアのヴァージナル(あるいはスピネット)は、長方形、あるいは多角形のケースで、突き出た形の鍵盤を持つものが多い。
 
フランドルでは大小2台のヴァージナルを組み合わせたダブル・ヴァージナルも作られた。
 
=== スピネット ===
[[File:EpinetteRichard.JPG|thumb|フランスのミシェル・リシャールのスピネット(1675年頃)]]
{{Main|スピネット}}
スピネット({{lang-en-short|spinet}}, {{lang-fr-short|épinette}}, {{lang-de-short|Spinett}}, {{lang-it-short|spinetta}}, {{lang-es-short|espineta}})は小型の撥弦鍵盤楽器で、弦が鍵盤に対して斜めに張られているものを指す<ref name="spinet"> E. M. Ripin, L. Whitehead, "Spinet," ''The New Grove Dictionary of Music and Musicians,'' 2nd ed., London, Macmillan, 2001.</ref> 。一般に弦は一組のみで鍵盤も一段のみである。典型的にはおおよそ三角形の形状で右側板が湾曲している「ベントサイド・スピネット」を指す。ベントサイド・スピネットは特に18世紀のイギリスでヴァージナルに代わる家庭用鍵盤楽器として普及した。
 
ヴァージナルと同じくスピネットという語の指し示す範囲もしばしば曖昧である。イタリアでは小型の撥弦鍵盤楽器全般を指して spinetta という語が使われた。フランスでは épinette という語はイギリスにおける virginal と同様に撥弦鍵盤楽器全般に対して用いられた。
 
=== クラヴィツィテリウム ===
クラヴィツィテリウム (clavicytherium) は響板と弦が垂直に、奏者の顔の前にくるように立てられた楽器である。同様の省スペース原理は、後の[[アップライトピアノ]]でも用いられることとなった<ref>The Ultimate Encyclopaedia of Musical Instruments, ISBN 1-85868-185-5, p. 138.</ref>。興味深いことに、現存最古のチェンバロはクラヴィツィテリウムである。クラヴィツィテリウムはチェンバロの主流とはならなかったが、その後も散発的に製作され続けており、18世紀にはフランドルのアルベルトゥス・ドゥランによって優れたクラヴィツィテリウムが製作されている<ref>Hubbard 1967, 77</ref>。
 
=== オッタヴィーノ ===
4フィート弦のみを持つ、1オクターヴ高いピッチの小型の楽器もあり、オッタヴィーノ (ottavino) と呼ばれる。
 
=== クラヴィオルガヌム ===
[[File:015 Museu de la Música, claviorgue Hauslaib.jpg|thumb|ニュルンベルクのロレンツ・ハウスライプのクラヴィオルガヌム(1590年頃)]]
クラヴィオルガヌム (claviorganum) はチェンバロやヴァージナルを[[オルガン]]と組み合わせ、両方の音を同時に鳴らすことのできる複合楽器であり、ヨーロッパ各地で製作された。
 
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