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{{生物分類表
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|和名 = フエガラス
|和名 = フエガラス
|英名 = [[:en:Pied Currawong|Pied Currawong]]
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|status = {{Least concern|ref=<ref>BirdLife International 2009. [http://www.iucnredlist.org/apps/redlist/details/146734/ ''Strepera graculina'']. In: IUCN 2011. IUCN Red List of Threatened Species. Version 2011.1</ref>}}
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{{Commons|Pied Currawong}}
{{Commons|Pied Currawong}}


[[Image:Currawong in peppercorn.jpg|thumb|220px|亜種''S. g. nebulosa''<br> ビクトリア州スイフト・クリーク|alt=a dark grey crow-like bird perched in a peppercorn tree]]
[[Image:Currawong in peppercorn.jpg|thumb|220px|亜種''S. g. nebulosa''<br> ビクトリア州スイフト・クリーク|alt=濃い灰色のカラスに似た鳥。[[コショウボク]]にとまっている。]]


'''フエガラス'''(笛烏、学名'''''Strepera graculina''''' )は[[オーストラリア]]東部および[[ロード・ハウ島]]に分布する中型、黒色の[[スズメ目]][[フエガラス科]]の鳥類である。
'''フエガラス'''(笛烏、学名'''''Strepera graculina''''' )は[[オーストラリア]]東部および[[ロード・ハウ島]]に分布する中型、黒色の[[スズメ目]][[フエガラス科]]の鳥類である。


フエガラスはモリツバメ科のモズガラス類や[[カササギフエガラス]]に近縁である。6亜種が記録されている。フエガラスは体長が約48cm、黒褐色の羽毛、下尾筒が白色、翼には白色のパッチがあり、虹彩は黄色、厚いくちばしをもつ、カラスに似た鳥類である。雌雄の外見は同じ。美しい鳴き声で知られ、英語名の "currawong"(カラワン)は[[アボリジニ]]の言葉が起源となっている。
フエガラスはモリツバメ科のモズガラス類や[[カササギフエガラス]]に近縁である。6亜種が記録されている。フエガラスは体長が約48cm、黒褐色の羽毛、下尾筒が白色、翼には白色のパッチがあり、虹彩は黄色、厚いくちばしをもつ、カラスに似た鳥類である。雌雄の外見は同じ。美しい鳴き声で知られ、英語名のcurrawong(カラワン)は[[アボリジニ]]の言葉が起源とされる。
== 概要 ==

分布域内では寒い時期に高所から低地へ移動するが、一般的に定住性である。食性は鳥類の卵や雛、[[無脊椎動物]]、果実や種子など様々な種を含む[[雑食性]]である。フエガラスは市街地によく順応した捕食者で、農村の森林地帯と同様に、公園や庭などでも見られる。発達した森林が繁殖にまれるが、生息地はすべての森林地域が含まれる。ねぐらや繁殖、採食行動の大部分は樹上である。
分布域内では寒い時期に高所から低地へ移動するが、一般的に定住性である。食性は鳥類の卵や雛、[[無脊椎動物]]、果実や種子など様々な種を含む[[雑食性]]である。フエガラスは市街地によく順応した捕食者で、農村の森林地帯と同様に、公園や庭などでも見られる。繁殖には発達した森林むものの、生息地はすべての森林地域にある。ねぐらや繁殖、採食行動の大部分は樹上である。


==分類==
==分類==
フエガラスは1790年にイギリスの鳥類学者[[:en:George Shaw|George Shaw]]によって''Coracias strepera'' として最初に記載され、後に新設された''Strepera'' 属に移された。
フエガラスは1790年にイギリスの鳥類学者[[:en:George Shaw|George Shaw]]によって''Coracias strepera'' として最初に記載され、後に新設された''Strepera'' 属に移された。
[[学名]]はラテン語で「うるさい」を意味する''strepera''と、[[ニシコクマルガラス]]に似ているとして''graculina''とつけられたことに由来する<ref name=Hig529>Higgins ''et al.'', p. 529</ref>
[[学名]]の''strepera'' はラテン語で「うるさい」を意味し、''graculina''[[ニシコクマルガラス]]に似ているとして命名された{{sfn|Higgins et al|p=529}}


フエガラスは[[タスマニア州|タスマニア]]に生息する[[クロフエガラス]]に非常に近縁であり、クロフエガラスはフエガラスの亜種の一つであるとされることもある{{sfn|Higgins et al|p=552}}。フエガラスはクロフエガラスおよび[[ハイイロフエガラス]]とともに、''Strepera'' 属を形成する<ref name="CB08">{{cite book|title=Systematics and Taxonomy of Australian Birds|last1=Christidis|first1=L|last2=Boles|first2=WE|year=2008|publisher=CSIRO Publishing|location=Canberra|isbn=9780643065116|page=196}}</ref>。
Pied Crow-shrikeは植民地時代からの俗称である<ref>Gould's "Handbook to the Birds of Australia" (1865)</ref>。他の一般名称としてPied Chillawong, Currawang, Charawack, Kurrawack, Tallawong, Tullawong, Mutton-bird, Otway Forester, Pied Afternoon-tea Birdなどがある<ref name=Hig530>Higgins ''et al.'', p. 530</ref>。"carrawong" という言葉は、フエガラスの鳴き声に由来する<ref name=Hig530>Higgins ''et al.'', p. 530</ref>。しかし、この言葉の正確な起源は不正確である。もっとも可能性がありそうなのは[[ブリスベン]]地域に住んでいたアボリジニのJagera族の言葉である "garrawaŋ" であるが、[[シドニー]]地域のDarug族の言葉 "gurawaruŋ" の可能性もある<ref>{{cite book|last=Dixon|first=Robert Malcolm Ward|title=Australian Aboriginal Words in English|publisher=Oxford University Press|date=1992|page=90|isbn=0-19-553394-1}}</ref>。


カラスに似た外見と生息地でっても、フエガラス類は真のカラス類とは近縁ではなく、かわりにカササギフエガラスやモズガラス類とともに[[フエガラス科]]に属する。これらカササギフエガラス属、''Cracticus'' 属、''Strepera'' 属の3属の類似性は早くから認められており、鳥類学者[[:en:John Albert Leach|John Albert Leach]]のフエガラス類の筋肉組織の研究によって1914年に[[フエガラス科]]に分類された<ref>{{cite journal|last=Leach|author=|first=John Albert|year=1914|title=The myology of the Bell-Magpie (''Strepera'') and its position in classification|journal=Emu|volume=14|issue=1|page=|pages=2-38|language=en|authorlink=:en:John Albert Leach|coauthors=}}</ref>。
フエガラスはタスマニアに生息する[[クロフエガラス]]に非常に近縁であり、クロフエガラスはフエガラスの亜種の一つであるとされることもある<ref name=Hig552>Higgins ''et al.'', p. 552</ref>。フエガラスはクロフエガラスおよび[[ハイイロフエガラス]]とともに、''Strepera'' 属を形成する<ref name=CB08>{{cite book |title=Systematics and Taxonomy of Australian Birds|author=Christidis L, Boles WE |year=2008 |publisher=CSIRO Publishing |location=Canberra |isbn=9780643065116 |page=196}}</ref>。


1985年に鳥類学者の[[チャールズ・シブリー]]および[[ジョン・アールクィスト]]は、モリツバメ類およびモズガラス類に非常に近縁であるとし、フエガラス科をCracticini分岐群の一つとして再分類し、[[カラス科_(Sibley)|カラス科]][[モリツバメ族_(Sibley)|モリツバメ族]]に分類した<ref name="CB08" /><ref name="SibAhl85">{{cite journal|last1=Sibley|first1=CG|last2=Ahlquist|first2=JE|date=1985|title=The phylogeny and classification of Australo-Papuan passerine birds|url=http://www.publish.csiro.au/?act=view_file&file_id=MU9850001.pdf (fulltext)|journal=Emu|volume=85|issue=1|pages=1-14|language=en|accessdate=2009-04-15}}</ref>。
カラスに似た外見と生息地であるが、フエガラス類は真のカラス類とは近縁ではなく、かわりにカササギフエガラスやモズガラス類とともに[[フエガラス科]]に属する。これらカササギフエガラス属、''Cracticus'' 属、''Strepera'' 属の3属の類似性は早くから認められており、鳥類学者[[:en:John Albert Leach|John Albert Leach]]のフエガラス類の筋肉組織の研究によって1914年に[[フエガラス科]]に分類された<ref>{{cite journal|last=Leach |first=John Albert |authorlink=John Albert Leach |coauthors= |year=1914|title=The myology of the Bell-Magpie (''Strepera'') and its position in classification |journal=Emu |volume=14 |issue=1 |pages=2?38}}</ref>。


=== 命名 ===
1985年に鳥類学者の[[チャールズ・シブリー]]および[[ジョン・アールクィスト]]は、モリツバメ類およびモズガラス類に非常に近縁であるとし、フエガラス科をCracticini分岐群の一つとして再分類し、[[カラス科_(Sibley)|カラス科]][[モリツバメ族_(Sibley)|モリツバメ族]]に分類した<ref name=CB08/><ref name="SibAhl85">{{cite journal|author=Sibley CG, Ahlquist JE|date=1985|title=The phylogeny and classification of Australo-Papuan passerine birds|journal=Emu|volume=85|issue=1|pages=1?14|url=http://www.publish.csiro.au/?act=view_file&file_id=MU9850001.pdf (fulltext)|accessdate=2009-04-15}}</ref>。
植民地時代からの俗称は「縞のあるモズガラス」 (Pied Crow-shrike) である<ref>{{仮リンク|ジョン・グールド|en|John Gould}}著、"[[:en:Handbook to the Birds of Australia|Handbook to the Birds of Australia]]" (1865年)</ref>。他の一般名には鳴き声を連想させるもの{{efn|フエガラスの現地オーストラリアの一般名で、鳴き声を連想させるもの。Pied Chillawong、Currawang、Charawack、Kurrawack、Tallawong、Tullawong}}、島の名前にもなったマトンバード(Mutton-bird)、地域名を付けた[[En:Otway Basin|Otway]] Forester(''Strepera graculina ashbyi'' )のほか「縞のあるアフタヌーンティーの鳥」Pied Afternoon-tea Bird<ref>{{Cite book|title=Australian Bird Names: A Complete Guide (オーストラリア鳥名事典)|url=https://books.google.co.uk/books?id=z6ia8rqTa7EC&pg=PA238&lpg=PA238&dq=Pied+Afternoon-tea+Bird&source=bl&ots=TXouXpHARu&sig=ACfU3U3vWPMnz2VhF3hBH1p1l5_zdVo6tw&hl=en&sa=X&ved=2ahUKEwiw5Nuc5f_iAhWjzIsBHeZ8APAQ6AEwCXoECAkQAQ#v=onepage&q=Pied%20Afternoon-tea%20Bird&f=false|publisher=Csiro Publishing|date=2013-05-15|isbn=9780643104709|language=en|first=Jeannie|last=Gray|first2=Ian|last2=Fraser|year=}}</ref>などがある。「カラワン」(currawong)という通称はフエガラスの鳴き声に由来する{{sfn|Higgins et al|p=530}}といわれるものの、正確な起源は不明で、もっとも可能性がありそうな説はかつて[[ブリスベン]]地域に住んでいたアボリジニの[[En:Yugara|ヤガラ]]族{{Languageicon|en}}の言葉「garrawaŋ」にちなむといい、[[シドニー]]地域の[[En:Darug|ダラグ族]]{{Languageicon|en}}の言葉「gurawaruŋ」の可能性もある<ref>{{cite book|last=Dixon|first=Robert Malcolm Ward|title=Australian Aboriginal Words in English|publisher=Oxford University Press|date=1992|page=90|isbn=0-19-553394-1}}</ref>。


===亜種===
===亜種===
現在、主に大きさや羽毛の違いによって、6[[亜種]]に分けられている。形態や大きさに一定の変化があり、南部のものほど羽毛はより明るく灰色で、体長はより大きく、くちばしはより短くなる。また、南部の個体群は尾羽の白色の模様がより顕著に見られ、初列風切り羽の基部にある白色のパッチはより小さい<ref name=Hig552/>
現在、主に大きさや羽毛の違いによって、6[[亜種]]に分類する。形態や大きさに一定の変化があり、南部のものほど羽毛はより明るく灰色で、体長はより大きく、くちばしはより短くなる。また、南部の個体群は尾羽の白色の模様がより顕著に見られ、初列風切り羽の基部にある白色のパッチはより小さい{{sfn|Higgins et al|p=552}}
;''S. g. graculina'':[[ニュー・サウス・ウェールズ州]]シドニー地域から、[[クイーンズランド州]]ノーザン・クイーンズランド地方<!---地方名なのでクイーンズランド北部としない--->バーデキン川にかけてみられる。
;''S. g. graculina'':[[ニュー・サウス・ウェールズ州]][[シドニー]]地域から、[[クイーンズランド州]]ノーザン・クイーンズランド地方<!---地方名なのでクイーンズランド北部としない--->バーデキン川にかけてみられる。
;''S. g. ashbyi''(英名:Western Victorian Pied Currawong):オーストラリアのアマチュア鳥類学者[[:en:Gregory Mathews|Gregory Mathews]]により、1913年に記載された<ref>{{cite journal|last=Mathews|first=Gregory M.|date=1913|journal=Austral Avian Record|volume=2|issue=4|pages=78}}</ref>。西部へ分布域を広げている亜種''S. g. nebulosa'' との雑種化により減少している<ref name=Hig533>Higgins ''et al.'', p. 533</ref>。2000年の調査では繁殖数は約250羽ほどと見らているため、オーストラリア政府により絶滅寸前亜種に指定されている<ref name=Recoveryashbyi>{{cite web|url=http://www.environment.gov.au/biodiversity/threatened/publications/action/birds2000/pubs/pied-currawong-v.pdf|title=Recovery Outline: Pied Currawong (western Victoria)|date=2000|work=Department of the Environment, Water, Heritage and the Arts website|publisher=Department of the Environment, Water, Heritage and the Arts|accessdate=2009-11-06|archiveurl=https://web.archive.org/web/20111112162702/http://environment.gov.au/biodiversity/threatened/publications/action/birds2000/pubs/pied-currawong-v.pdf|archivedate=2011年11月12日|deadurldate=2017年9月}}</ref>この亜種''S. g. ashbyi'' は、羽毛が黒色で長い尾羽で短いくちばしの亜種''S. g. nebulosa'' に似ている<ref name=Hig553>Higgins ''et al.'', p. 553</ref>ほとんど知られていないが、亜種''S. g. ashbyi'' 独立した亜種であるか、もしくは亜種''S. g. nebulosa'' の色彩多型である、の疑念がある。これらつの個体群は西部ビクトリアの玄武岩の平野によって隔てられた後に進化し、18世紀後半のアボリジニによる定期的な火入れが行われなくなった後、森林回復したこと、これらの個体群が再び混在したことに影響したと考えられている。雑種は[[グランピアンズ国立公園]]やヤラ・ヴァレーで確認されている<ref name=Recoveryashbyi/>。
;''S. g. ashbyi''(英名:Western Victorian Pied Currawong):オーストラリアのアマチュア鳥類学者[[:en:Gregory Mathews|Gregory Mathews]]により、1913年に記載された<ref>{{cite journal|language= en|last=Mathews|first=Gregory M.|date=1913|journal=Austral Avian Record|volume=2|issue=4|page=78}}</ref>。西部へ分布域を広げる亜種''S. g. nebulosa'' との雑種化により減少している{{sfn|Higgins et al|p=533}}。2000年の調査では繁殖数は約250羽ほどと推計されるため、オーストラリア政府により絶滅寸前亜種に指定され<ref name=Recoveryashbyi>{{cite journal|language= en|url=http://www.environment.gov.au/biodiversity/threatened/publications/action/birds2000/pubs/pied-currawong-v.pdf|format= pdf|title=Recovery Outline: Pied Currawong (western Victoria)|date=2000|work=Department of the Environment, Water, Heritage and the Arts website|publisher=Department of the Environment, Water, Heritage and the Arts (オーストラリア政府)|accessdate=2009-11-06|archiveurl=https://web.archive.org/web/20111112162702/http://environment.gov.au/biodiversity/threatened/publications/action/birds2000/pubs/pied-currawong-v.pdf|archivedate=2011年11月12日|deadurldate=2017年9月}}</ref>{{efn|name=least}}。この亜種''S. g. ashbyi'' は、羽毛が黒色で長い尾羽で短いくちばしの亜種''S. g. nebulosa'' に似ている{{sfn|Higgins et al|p=553}}。亜種''S. g. ashbyi'' の生息数は少ないものの、独立した亜種か、もしくは亜種''S. g. nebulosa'' の色彩多型か疑念がある。これら2つの個体群が再び混在したとすると、ビクトリア州西部の玄武岩の平野によって隔てられた後に進化し、アボリジニによる定期的な火入れが行われなくなった18世紀半以降、森林回復が進んだ影響と考えられる。雑種は[[グランピアンズ国立公園]]やヤラ・ヴァレーで確認されている<ref name=Recoveryashbyi/>。
;''S. g. crissalis''(英名:[[:en:Lord Howe Currawong|Lord Howe Currawong]]):1877年にイギリスのナチュラリスト[[:en:Richard Bowdler Sharpe|Richard Bowdler Sharpe]]によって記載された<ref>{{cite journal|last=Sharpe|first=Richard Bowdler|date=1877|journal=Catalogue of Birds in the British Museum|volume=3|pages=58}}</ref>。ロード・ハウ島の人の移住によく適応しているが個体群は小さく、約70-80羽である<ref>Garnett, S. (1993) ''Threatened and Extinct Birds Of Australia''. RAOU. National Library, Canberra. ISSN 0812-8014</ref>ため、オーストラリア政府およびニュー・サウス・ウェールズ州政府により危急亜種に指定されている<ref>{{cite web|url=http://www.threatenedspecies.environment.nsw.gov.au/tsprofile/profile.aspx?id=10897|title=Lord Howe Currawong -profile|date=2005|work=NSW Threatened species website|publisher=NSW Government - Department of Environment and Conservation|accessdate=2009-11-11}}</ref>。現在は亜種として見なされているが分子系統学による研究はされておらず、別種として再分類される可能性がある<ref name=Macallan>{{cite journal|author=McAllan IAW, Curtis BR, Hutton I, Cooper RM|date=2004|title=The birds of the Lord Howe Island Group: a review of records|journal=Australian Field Ornithology|volume=21|pages=1?82}}</ref>。
;''S. g. crissalis''(英名:[[:en:Lord Howe Currawong|Lord Howe Currawong]]):1877年にイギリスのナチュラリスト[[:en:Richard Bowdler Sharpe|Richard Bowdler Sharpe]]によって記載された<ref>{{cite journal|language= en|last=Sharpe|first=Richard Bowdler|date=1877|journal=Catalogue of Birds in the British Museum|volume=3|pages=58}}</ref>。ロード・ハウ島入植地によく適応しているが個体群は小さく、約70–80羽である<ref>{{cite journal|language= en|last= Garnett |first= S. | year= 1993 |title= Threatened and Extinct Birds Of Australia | journal= RAOU |publisher= National Library, Canberra| ISSN = 0812-8014}}</ref>ため、オーストラリア政府およびニュー・サウス・ウェールズ州政府により危急亜種に指定され<ref>{{cite web|language= en|url=http://www.threatenedspecies.environment.nsw.gov.au/tsprofile/profile.aspx?id=10897|title=Lord Howe Currawong - profile|date=2005|work=NSW Threatened species website|publisher=NSW Government - Department of Environment and Conservation (ニュー・サウス・ウェールズ州政府)|accessdate=2009-11-11}}</ref>{{efn|name=least}}。現在は亜種と見なされるが分子系統学による研究はされておらず、別種として再分類される可能性がある<ref name=Macallan>{{cite journal|language= en| last1= McAllan | first1= IAW |last2= Curtis | first2= BR |last3= Hutton |first3= I |last4= Cooper |first4= RM|date=2004|title=The birds of the Lord Howe Island Group: a review of records|journal=Australian Field Ornithology|volume=21|pages=1-82}}</ref>。
;''S. g. magnirostris'' :[[ヨーク岬半島]]からノーザン・クイーンズランド地方<!---地域名なのでクイーンズランド北部としない--->のノーマンビー川にかけて見られる。1923年にヘンリー・レイク・ホワイトによって最初に記載された<ref>{{cite journal|last=White|first=Henry Lake|date=1923|journal=Emu|publisher=RAOU|volume=22|issue=3|pages=258}}</ref>。亜種''S. g. magnirostris'' はより長く、より重いくちばしを持ち、尾羽は他の亜種よりも短い。 あまり研究されていない<ref name=Hig553/>
;''S. g. magnirostris'' :[[ヨーク岬半島]]からノーザン・クイーンズランド地方<!---地域名なのでクイーンズランド北部としない--->のノーマンビー川にかけて見られる。1923年にヘンリー・L・ホワイトによって最初に記載された<ref>{{cite journal|language= en|last=White|first=Henry Lake|date=1923|journal=Emu|publisher=RAOU|volume=22|issue=3|page=258}}</ref>。亜種''S. g. magnirostris'' は体がより長く、くちばしはより厚く、尾羽は他の亜種よりも短い。あまり研究されていない{{sfn|Higgins et al|p=553}}
;''S. g. robinsoni'' :アサートン高原にて見られる。1912年に[[:en:Gregory_Mathews|Gregory Mathews]]によって最初に記載されたが<ref>{{cite journal|last=Mathews|first=Gregory M.|date=1912|journal=Novitates Zoologicae|volume=18|issue=3|pages=443}}</ref>、研究者によっては''S. g. magnirostris'' と同一亜種と見なすこともある。 あまり研究されていないが、他の亜種よりも小さい<ref name=Hig553/>
;''S. g. robinsoni'' :アサートン高原にて見られる。1912年に[[:en:Gregory_Mathews|Gregory Mathews]]によって最初に記載されたが<ref>{{cite journal|language= en|last=Mathews|first=Gregory M.|date=1912|journal=Novitates Zoologicae|volume=18|issue=3|pages=443}}</ref>、研究者によっては''S. g. magnirostris'' と同一亜種と見なすこともある。 あまり研究されていないが、他の亜種よりも小さい{{sfn|Higgins et al|p=553}}
;''S. g. nebulosa'':ニュー・サウス・ウェールズ州南東部、[[オーストラリア首都特別地域]]および[[ビクトリア州]]中部で見られ、他の亜種とよく似ているが、より短いくちばし、より長い尾羽、より大きい翼を持つ。背面は灰黒色で、他の亜種より少し淡く、腹部は青灰色がかった黒褐色である。初列風切りの白色のパッチもまた小さい<ref name=Hig552/>。鳥類学者で鳥類分類学者の[[:en:Richard Schodde|Richard Schodde]]および[[:en:Ian J. Mason|Ian Mason]]によって、1999年に命名された<ref name="SchoddeMason99">{{cite book|last=Schodde |first=Richard|coauthors=Mason, Ian J.|title=The directory of Australian birds : a taxonomic and zoogeographic atlas of the biodiversity of birds in Australia and its territories. [Vol.1], Passerines |publisher=CSIRO Publishing|location=Melbourne|date=1999|pages=552|isbn=0-643-06456-7}}</ref>。ニュー・サウス・ウェールズ州エデン北部からイラワラ地域、およびブルー・マウンテンズ北西部にかけて、亜種''S. g. graculina'' との交雑地域がある<ref name=Hig553/>
;''S. g. nebulosa'':ニュー・サウス・ウェールズ州南東部、[[オーストラリア首都特別地域]]および[[ビクトリア州]]中部で見られ、他の亜種とよく似ているが、くちばしは短めで尾羽は長め翼はより大きい。灰黒色の背面は他の亜種より少し淡く、腹部は青灰色がかった黒褐色である。初列風切りの白色のパッチもまた小さい{{sfn|Higgins et al|p=552}}。鳥類学者で鳥類分類学者の[[:en:Richard Schodde|Richard Schodde]]および[[:en:Ian J. Mason|Ian Mason]]によって、1999年に命名された<ref name="SchoddeMason99">{{cite book|last=Schodde |first=Richard|coauthors=Mason, Ian J.|title=The directory of Australian birds : a taxonomic and zoogeographic atlas of the biodiversity of birds in Australia and its territories|volume= 1 Passerines |publisher=CSIRO Publishing|location=Melbourne|date=1999|page=552|isbn=0-643-06456-7}}</ref>。亜種''S. g. graculina'' との交雑はニュー・サウス・ウェールズ州エデン北部からイラワラ地域にかけてまた[[ブルー・マウンテンズ国立公園|ブルー・マウンテンズ]]北西部に見られる{{sfn|Higgins et al|p=553}}


== 生態 ==
== 生態 ==
フエガラスは一般的に、初列風切り羽の基部および尾羽に白色のパッチがあり、下尾筒および上尾筒の基部が白色の、黒色の鳥である。虹彩は黄色。成鳥は体長44-50cm(平均約48cm)で翼開長は56-77cm(平均約69cm)である。成鳥の雄は平均320g、雌は280gである<ref name=Hig530/>。翼は長く幅広い。長く厚いくちばしは頭部の約1.5倍で、先端はフック状になってい<ref name=Hig551>Higgins ''et al.'', p. 551</ref>
フエガラスは一般的に黒色の鳥で[[鳥類用語#翼羽部|初列風切り羽]]の基部および[[鳥類用語#尾部|尾羽]]に白色のパッチがあり、[[鳥類用語#尾部|下尾筒]]および[[鳥類用語#尾部|上尾筒]]の基部が白色である。[[虹彩]]は黄色。成鳥は体長44–50cm(平均約48cm)で[[翼幅|翼開長]]56–77cm(平均約69cm)である。成鳥の雄は平均320g、雌は280gである{{sfn|Higgins et al|p=530}}。翼は長く幅広い。長く厚い[[くちばし]]は頭部の約1.5倍で、先端はフック状であ{{sfn|Higgins et al|p=551}}


若鳥は成鳥と同じ外見であるが、全体的により明るい茶褐色で、尾羽の白色の帯はより狭い。背面は、首から頭にかけて濃い茶褐色の縞模様があり、腹部は明るい茶色である。目は濃茶色で、くちばしは黄色の斑点る黒みがかった色をしている。口腔内は明るい黄色である<ref name=Hig530/>。成鳥の羽毛を獲得するまでだんだんと濃くなっていくが、尾羽は発達するのが遅く、成鳥になときに変化する<ref name=Hig530/>
若鳥は成鳥と同じ外見であるが、全体的により明るい茶褐色で、尾羽の白色の帯はより狭い。背面は、首から頭にかけて濃い茶褐色の縞模様があり、腹部は明るい茶色である。目は濃茶色で、黒みがかったくちばしは黄色の斑点り、口腔内は明るい黄色である{{sfn|Higgins et al|p=530}}[[羽毛]]は成鳥になるまでだんだんと濃くな、尾羽は発達が遅く、若鳥と成鳥の識別ポイントの1つであ{{sfn|Higgins et al|p=530}}


繁殖期の後の晩夏に、一年に一度換羽を行う<ref name=Hig530/>。寿命は野生下で20年以上である<ref name=Hig536/>
[[鳥類用語#繁殖|換羽]]は年に1回、繁殖期の後の晩夏に行う{{sfn|Higgins et al|p=530}}。寿命は野生下で20年である{{sfn|Higgins et al|p=536}}


===鳴き声===
===鳴き声===
{{listen|filename=Pied-Currawong.ogg|title=フエガラスのさえずり|description=}}
{{listen|filename=Pied-Currawong.ogg|title=フエガラスのさえずり|description=}}
フエガラスは飛翔中や日中に鳴く。特に朝とねぐら入り前の夕方、雨の前などによく鳴く<ref name=Hig531>Higgins ''et al.'', p. 531</ref>。鳴き声は独特であり''Kadow-Kadang''''Curra-wong''と表現される。また''Wheeo''という甲高く、笛のように鳴く<ref name=Hig545>Higgins ''et al.'', p. 545</ref>。ロード・ハウ島亜種''S. g. crissalis'' はさらに特で、もっと旋律的な鳴き声である。
フエガラスは飛翔中や日中に鳴く。特に朝と[[鳥類#睡眠ねぐら|ねぐら入り]]前の夕方、雨の前などによく鳴く{{sfn|Higgins et al|p=531}}。鳴き声は独特であり「カダカダン」や「カラワン」''(Kadow-Kadang、Curra-wong'' ''''と表現される。また笛のように甲高く、「フィーウ」''Wheeo'' 鳴く{{sfn|Higgins et al|p=545}}。ロード・ハウ島亜種''S. g. crissalis'' の鳴き声はさらに特徴的で、もっと旋律的である。


===類似種===
===類似種===
フエガラスよりも小型の[[オオツチスドリ]](''[[:en:White-winged_Chough|Corcorax melanorhamphos]]'' )は似たような外見であるが、虹彩が赤く、主に地上で見かける。フエガラスより大型のオーストラリアのカラス類は虹彩が白く、尾羽に白色部はない。フエガラスと同じ大きさのカササギフエガラスは虹彩が赤く、明るい黒で白色の飾り羽を持つ<ref name=Hig531/>フエガラスより大型のハイイロフエガラスは全体により明るい灰色で尾羽の白色の羽を欠くことから容易に識別できる<ref>{{cite book |title= A Field Guide to Australian Birds. Volume Two: Passerines |author= Slater, Peter|year= 1974|publisher= Rigby |location= Adelaide |isbn= 0-85179-813-6|page=282}}</ref>。ビクトリア州北西部のハイイロフエガラス亜種''S. v. melanoptera'' は他の亜種より黒色であるが、フエガラスの初列風切りにある白いパッチを欠く<ref name=Hig531/>
[[オオツチスドリ]](''[[:en:White-winged_Chough|Corcorax melanorhamphos]]'' )は外見が似ていてフエガラスよりも小型であるが、虹彩が赤く、主に地上で見かける。オーストラリアの[[カラス|カラス類]]より大型で虹彩が白く、尾羽に白色部はない。カササギフエガラスはフエガラスと同じ大きさ虹彩が赤く、羽毛は明るい黒で飾り羽は白い{{sfn|Higgins et al|p=531}}。ハイイロフエガラスはより大型で全体により明るい灰色で尾羽の白色の羽がないことから容易に識別できる<ref>{{cite book |title= A Field Guide to Australian Birds. Volume Two: Passerines | last1= Slater |first= Peter|year= 1974|publisher= Rigby |location= Adelaide |isbn= 0-85179-813-6|page=282}}</ref>。ビクトリア州北西部のハイイロフエガラス亜種''S. v. melanoptera'' は他の亜種より黒濃く、フエガラスの初列風切りにある白いパッチはない{{sfn|Higgins et al|p=531}}


== 分布 ==
== 分布 ==
[[File:Lord Howe Island Currawong.jpg|thumb|right|ロード・ハウ島亜種 ''S. g. crissalis''|alt=ヤシの木にとまるロード・ハウ島亜種]]
[[File:Lord Howe Island Currawong.jpg|thumb|right|ロード・ハウ島亜種 ''S. g. crissalis''|alt=ヤシの木にとまるロード・ハウ島亜種]]


フエガラスは絶滅危惧亜種が生息するロード・ハウ島、ヨーク岬半島からビクトリア州西部にかけてのオーストラリア東部の農村や郊外の湿潤[[硬葉樹林]]および湿潤硬葉樹林で一般的に見られる。一般的に、フエガラスは定住性あるが、高地の個体群は冬には低地へ移動してくる<ref name=Hig531/>。しかし、移動の範囲に対しての証拠は争論になっており、この種の移動に関してはあまり研究されていない<ref name=Hig534>Higgins ''et al.'', p. 534</ref>
ロード・ハウ島に生息し絶滅危惧の指定を受けている亜種を除くとフエガラスは一般にオーストラリア東部の[[ヨーク岬半島]]からビクトリア州西部にわたる農村や郊外の湿潤[[硬葉樹林]]および硬葉樹林で見られる[[留鳥]]で、高地の個体群は冬には低地へ移動してくる{{sfn|Higgins et al|p=531}}。しかし、移動の範囲をめぐる論拠は一致せず、この種の移動に関してはあまり研究されていない{{sfn|Higgins et al|p=534}}


フエガラスはヨーロッパ人の入植によく順応し、調査によるとオーストラリア東部の人口が増加した[[クイーンズランド州]]ナナンゴ、[[ビクトリア州]][[ジーロング]]、[[ニューサウスウェールズ州|ニュー・サウス・ウェールズ州]]境のバハームと同州の[[グレートディヴァイディング山脈]]に沿って北の高原ノーザン・テーブルランズ地方から南の平原サウス・ウェスト・スロープス地方まで、多くの地域で一般に見られるようになった。
フエガラスはヨーロッパ人の入植によく順応し、調査によると、人口が増加したクイーンズランド州ナナンゴ、ニュー・サウス・ウェールズ州バハーム、ビクトリア州ジーロング、ニュー・サウス・ウェールズ州のノーザン・テーブルランズ地方、サウス・ウェスト・スロープス地方など、オーストラリア東部の多くの地域で、より一般的になった。この個体数の増加はシドニーでは1940年代に、キャンベラでは1960年代に顕著である。両市では以前はフエガラスは冬鳥であったが、現在は年間を通し生息ておりまた繁殖もしている<ref name=Hig533/>フエガラスはシドニーの庭園では[[優占種]]の一種となっおり、普通に生息している<ref name=Parsons06>{{cite journal|author=Parsons H, Major RE, French K|date=2006|title=Species interactions and habitat associations of birds inhabiting urban areas of Sydney, Australia|journal=Austral Ecology|volume=31|issue=2|pages=217?27}}</ref>。1980年から2000年までの[[サウス・イースト・クイーンズランド]]地方でのフエガラスの個体数調査ではフエガラスがブリスベン郊外を含み、この地方で個体数が増えていることが分かった<ref name=Woodall04>{{cite journal|author=Woodall PF|date=2004|title=The distribution and abundance of Pied Currawong and Torresian Crow in South-east Queensland|journal=The Sunbird|volume=34|issue=2|pages=49?57|issn=1037-258X|url=http://espace.library.uq.edu.au/eserv/UQ:71609/Woodall_distribution_and_abundance_of_pied.pdf(fulltext)|accessdate=2009-11-11}}</ref>。1992年のオーストラリアのフエガラスの全個体数調査により、1960年代の300万羽から、1990年初期に2倍の600万羽になったことが分かっ<ref name=Hig533/>


個体数の増加はシドニーでは1940年代に、首都[[キャンベラ]]では1960年代に顕著である。両市では以前は冬鳥であったが、現在は年間を通して暮らし、繁殖もしている{{sfn|Higgins et al|p=533}}。シドニーでは庭園の[[優占種]]の一種とどこでも生息る<ref name="Parsons06">{{cite journal|language= en| last1= Parsons |first1= H |last2= Major | first2= RE |last3= French |first3= K |date=2006|title=Species interactions and habitat associations of birds inhabiting urban areas of Sydney, Australia|journal=Austral Ecology|volume=31|issue=2|pages=217-227}}</ref>。[[サウス・イースト・クイーンズランド]]地方で1980年から2000年の個体数調査を分析し[[ブリスベン]]郊外を含めて増えていることが分かった<ref name="Woodall04">{{cite journal|language= en| last1= Woodall | first1= PF|date=2004|title=The distribution and abundance of Pied Currawong and Torresian Crow in South-east Queensland|journal=The Sunbird|volume=34|issue=2|pages=49-57|issn=1037-258X|url=http://espace.library.uq.edu.au/eserv/UQ:71609/Woodall_distribution_and_abundance_of_pied.pdf(fulltext)|accessdate=2009-11-11}}</ref>。1992年のオーストラリア国内のフエガラスの全個体数調査により、1960年代の300万羽から、1990年初期に600万羽に倍増したことが判明し{{sfn|Higgins et al|p=533}}
フエガラスはビクトリア州ウィルソンズ・プロモントリー海岸から10kmの場所に位置するロドンド島や、クイーンズランド州のいくつかの沖合の島から記録されたように、ある程度の距離であれば海上を飛ぶことができる<ref name=Hig534/>。しかし、[[グレート・バリア・リーフ]]のトライオン島、ノース・ウェスト島、マストヘッド島、ヘロン島からくなった<ref>{{cite journal|author=Kikkawa J, Boles W|date=1976|title=Seabird Islands. No 15. Heron Island, Queensland|journal=Australian Bird Bander|volume=14|issue=1|pages=3?6}}</ref><ref>{{cite journal|author=Walker TA|date=1987|title=Birds of Bushy Island (with a summary of the nesting status of bud species on southern. Great Barrier Reef cays)|journal=Sunbird|volume=17|pages=52?58}}</ref>。ロード・ハウ島亜種の存在は、この変化の結果に決着をつける可能性があるかもしれない<ref name=Macallan/>。


フエガラスはビクトリア州ウィルソンズ岬<small>([[En:Wilson's Promontory|英語版]])</small>10kmに位置するロドンド島や、クイーンズランド州沖合の複数の島記録されたように、ある程度の距離であれば海上を飛ぶことができる{{sfn|Higgins et al|p=534}}。しかし、[[グレート・バリア・リーフ]]のトライオン島、ノース・ウェスト島、マストヘッド島、ヘロン島もう生息し<ref>{{cite journal|language= en| last1= Kikkawa |first1= J |last2= Boles | first2= W|date=1976|title=Seabird Islands. No 15. Heron Island, Queensland|journal=Australian Bird Bander|volume=14|issue=1|pages=3-6}}</ref><ref>{{cite journal|language= en| last1= Walker |first1= TA|date=1987|title=Birds of Bushy Island (with a summary of the nesting status of bud species on southern. Great Barrier Reef cays)|journal=Sunbird|volume=17|pages=52-58}}</ref>。ロード・ハウ島亜種の存在は、この変化の結果に決着をつける可能性があるかもしれない<ref name="Macallan" />。
巣の捕食に影響を受けやすい小型鳥類に対するフエガラスの影響は、議論を呼んでいる<ref name="bb01">{{cite journal|author=Bayly KL, Blumstein DT|title=Pied Currawongs and the decline of native birds|journal=Emu|year=2001|volume=101|pages=199?204|url=http://www.eeb.ucla.edu/Faculty/Blumstein/pdf%20reprints/Bayly&Blumstein2001_Emu.pdf(fulltext)|accessdate=2009-10-30}}</ref>。つまりいくつかの研究において、この種が重大な問題になっている一方で、このことは、移入鳥類がオーストラリア固有の鳥類より影響を与えるということを観察した[[マッコーリー大学]]のベイリーとブルームスタインによるフエガラスの採餌習慣における論文により疑われた<ref name="bb01" />。しかしながら、フエガラスによる捕食は、ニュー・サウス・ウェールズ州ポート・ステファンズの近くのキャベツ・ツリー島にある[[ミナミシロハラミズナギドリ]](''[[:en:Gould's Petrel|Pterodroma leucoptera]]'' )のコロニー減少の一つの要因となっている。つまり、成鳥のミズナギドリが捕食されているのが記録されてい。この島からのフエガラス除去は絶滅危機にあるミズナギドリ減少ことができた<ref>{{cite journal|author=Priddel D, Carlile N|date=1995|title=Mortality of Adult Gould's Petrels ''Pterodroma leucoptera leucoptera'' at the Nesting Site on Cabbage Tree Island, New South Wales|journal=Emu|volume=95|issue=4|pages=259?64|doi=10.1071/MU9950259}}</ref>。さらに、[[ニューイングランド大学 (オーストラリア)|ニュー・イングランド大学]]2006年に行った調査において、ニュー・イングランド高原の[[ヒガシキバラヒタキ]]と[[サンショクヒタキ]]の繁殖成功率は、巣保護され、フエガラスが駆除されたのちに上昇し、そしてヒガシキバラヒタキは地域的に絶滅していた場所、移住するようになった<ref>{{cite journal|author=Debus, SJS|date=2006|title=The Role of Intense Nest Predation in the Decline of Scarlet Robins and Eastern Yellow Robins in Remnant Woodland Near Armidale, New South Wales|journal=Pacific Conservation Biology|volume=12|issue=4|pages=279?87|issn=1038-2097}}</ref>。シドニーの庭園におけるフエガラスの存在は、[[ハイムネメジロ]]の存在に悪影響であることが証されている<ref name=Parsons06/>。


== 他の生物種への影響 ==
フエガラスは果実や種子を採餌し、その後、分散することにより、雑草の分布拡大に影響している<ref name=Hig538/>。20世紀前半フエガラスはトウモロコシやイチゴの害して考えられまた[[オプンティア]]属の一種の分布拡大を影響ていたとして駆除された。ロード・ハウ島においてもまたニワトリをおそうため駆除された。しかし林業においては[[ナナフシ]]類を捕食するため、農業においても[[コドリンガ]](''[[:en:codling moth|Cydia pomonella]]'' )の繭捕食するとして、益鳥としてみられる<ref name=Hig530/>
巣の捕食に影響を受けやすい小型鳥類に対するフエガラスの影響は、議論を呼んでいる<ref name="bb01">{{cite journal|language= en| last1= Bayly |first1= KL |last2= Blumstein | first2= DT|title=Pied Currawongs and the decline of native birds|journal=Emu|year=2001|volume=101|pages=199-204|url=http://www.eeb.ucla.edu/Faculty/Blumstein/pdf%20reprints/Bayly&Blumstein2001_Emu.pdf(fulltext)|accessdate=2009-10-30}}</ref>。つまり移入鳥類のほうがオーストラリア固有の鳥類より影響が大きいかどうか探る研究において、この種が重大な問題になっている一方で、[[マッコーリー大学]]のベイリーとブルームスタインはフエガラスの採餌習慣の観察を論文にまとめ、疑義を呈した<ref name="bb01" />。

しかしながら、ニュー・サウス・ウェールズ州キャベツ・ツリー島にある[[ミナミシロハラミズナギドリ]](''[[:en:Gould's Petrel|Pterodroma leucoptera]]'' )<ref>{{Cite web|title=ミナミシロハラミズナギドリ|url=https://ebird.org/species/goupet1|website=ebird.org|accessdate=2019-06-23|language=ja|publisher=eBird、[[コーネル大学]][[:en:Cornell Lab of Ornithology|鳥学研究所]] (en)}}</ref>のコロニー減少は、フエガラスによる捕食が要因の一つであ(ポート・ステファンズ近傍)。つまり、成鳥のミズナギドリが捕食され記録があためフエガラス除去したところ、この島のミズナギドリ減少まり、絶滅の危機から脱している<ref>{{cite journal|language= en| last1= Priddel |first1= D |last2= Carlile | first2= N|date=1995|title=Mortality of Adult Gould's Petrels ''Pterodroma leucoptera leucoptera'' at the Nesting Site on Cabbage Tree Island, New South Wales|journal=Emu|volume=95|issue=4|pages=259-264|doi=10.1071/MU9950259}}</ref>。さらに、[[ニューイングランド大学 (オーストラリア)|ニュー・イングランド大学]]2006年調査では、ニュー・イングランド高原の巣を保護してフエガラスを駆除した後、[[ヒガシキバラヒタキ]]と[[サンショクヒタキ]]の繁殖成功率が上昇し、さらにヒガシキバラヒタキは地域的に絶滅していた場所生息が認められるようになった<ref>{{cite journal|language= en| last1= Debus |first1= SJS|date=2006|title=The Role of Intense Nest Predation in the Decline of Scarlet Robins and Eastern Yellow Robins in Remnant Woodland Near Armidale, New South Wales|journal=Pacific Conservation Biology|volume=12|issue=4|pages=279-287|issn=1038-2097}}</ref>。シドニーの庭園にフエガラスがいると、[[ハイムネメジロ]]の存在に悪影響を与えることが証されている<ref name="Parsons06" />。

=== 植物の分布への影響 ===
果実や種子を採餌し分散するフエガラスは、雑草の分布拡大に影響している{{sfn|Higgins et al|p=538}}。20世紀前半フエガラスが駆除の対象だった理由トウモロコシやイチゴの害と、[[オプンティア]]属の[[センニンサボテン]]の分布拡大による深刻な侵略したからとされた。ロード・ハウ島においてもまたニワトリをおそうため駆除された。ところが林業は[[ナナフシ]]類を捕食者として、農業においても[[コドリンガ]](''[[:en:codling moth|Cydia pomonella]]'' )の繭捕食として、益鳥として扱われる{{sfn|Higgins et al|p=530}}


==行動==
==行動==
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[[Image:Currawongs carnarvon gorge 1994 email.jpg|thumb|ピクニック広場で餌をもらう機会を狙うフエガラス、クイーンズランド州[[カーナボン渓谷]]|alt=フエガラスの群れが、サンドウィッチを屋根にのっけた古い車の周辺に集まっている。]]
[[Image:Currawongs carnarvon gorge 1994 email.jpg|thumb|ピクニック広場で餌をもらう機会を狙うフエガラス、クイーンズランド州[[カーナボン渓谷]]|alt=フエガラスの群れが、サンドウィッチを屋根にのっけた古い車の周辺に集まっている。]]


フエガラスは一般に地面から数mの樹上で採食するため、地上のカササギフエガラスと生息環境を共有することが出来る。夜間は大きな木や森林地帯で休み、早朝に餌を探すために分散し、夕方に戻ってくる<ref name=Hig543>Higgins ''et al.'', p. 543</ref>。単独もしくは小さなグループで行動するが、秋から冬にかけては50羽以上の大きな群れを作ることもある。地上ではぴょんぴょんと跳びはねるか、胸を張るようにして歩く<ref name=Hig531/>
フエガラスは一般に地面から数mの樹上で採食するため、地上のカササギフエガラスと生息環境を共有することが出来る。夜間は大きな木や森林地帯で休み、早朝に餌を探すために分散し、夕方に戻ってくる{{sfn|Higgins et al|p=543}}。単独もしくは小さなグループで行動するが、秋から冬にかけては50羽以上の大きな群れを作ることもある。地上ではぴょんぴょんと跳びはねるか、胸を張るようにして歩く{{sfn|Higgins et al|p=531}}


繁殖期になると、フエガラスはペアになり、なわばりを持ち、巣と採餌場所の両方を防衛する。シドニーの緑の多い1994年の研究によると巣との距離は平均250m<ref name="Larkins94">{{cite journal|last=Larkins|first=D|date=1994|journal=Australian Birds|volume=28|pages=7?10}}</ref>、キャンベラでの1990の研究によると、400mの松の木の街道沿いに3つがいが営巣していた<ref>{{cite journal|last=Lenz|first=M|date=1990|journal=Canberra Bird Notes|volume=15|issue=1|pages=2?9}}</ref>。フエガラスのなわばりはシドニーやウロンゴンでは約0.5から0.7ha、キャンベラでは7.9haであった<ref name=Hig543/>。ただしこれらは営巣地に限られ、もっと大きな採餌場所は含まれな<ref name=Hig543/>。フエガラスはカラス類どの天敵を、くちばしで攻撃したり、急降下したり、空中で追撃したりしながら追払う。フエガラスは他のフエガラスに対し、頭と体を地面と平行にし、くちばしを前方もしくは侵入者の方向に対して向け、頭を低くするという特有の脅しのディスプレイを行う<ref name="Wood01">{{cite journal|last=Wood|first=KA|title=Aspects of breeding of the Pied Currawong ''Strepera graculina'' at Wollongong, New South Wales|date=2001|journal=Corella|volume=25|issue=4|pages=85?93}}</ref>。雄は脅しのディスプレイでなわばり防御で優位に立ち、そして雌と巣を厳重に守る<ref name=Hig544>Higgins ''et al.'', p. 544</ref>
繁殖期になるとペアになり、なわばりを持ち、巣と採餌場所の両方を防衛する。緑の多いシドニー北郊で行われた1994年の調査によると巣との距離は平均250m<ref name="Larkins94">{{cite journal|language= en|last=Larkins|first=D|date=1994|journal=Australian Birds|volume=28|pages=7-10}}</ref>、キャンベラでの調査(1990によると、400mの松の木の街道沿いに営巣する3つがいが観察され<ref>{{cite journal|language= en|last=Lenz|first=M|date=1990|journal=Canberra Bird Notes|volume=15|issue=1|pages=2-9}}</ref>なわばりはシドニーや[[ウロンゴン]]では約0.5–0.7ha、キャンベラでは7.9haであった{{sfn|Higgins et al|p=543}}。ただしこれらの数値は営巣地に限られ、もっと広範な採餌場所は含んでいない{{sfn|Higgins et al|p=543}}。
群れで遊ぶこともある。最初に1羽が高い木やポール、尖塔の頂に留まり、他の鳥(挑戦者)が急降下したり、飛びかかったり、追い払ったりする。成功した挑戦者が次のになり、群れの中の他の鳥によって挑戦され<ref name=Hig543/>


フエガラスはカラス類などの天敵を、くちばしで攻撃したり、急降下したり、空中で追撃したりしながら追い払う。フエガラスの他の個体には特有の脅しのディスプレイを行い、頭と体を地面と平行に伸ばし、くちばしを前方もしくは侵入者の方向に対して向け、頭を下げる<ref name="Wood01">{{cite journal|language= en|last=Wood|first=KA|title=Aspects of breeding of the Pied Currawong ''Strepera graculina'' at Wollongong, New South Wales|date=2001|journal=Corella|volume=25|issue=4|pages=85-93}}</ref>。雄は脅しのディスプレイによってなわばり防御で優位に立ち、雌と巣を厳重に守る{{sfn|Higgins et al|p=544}}。
水浴びは15cmほどの深さの水たまりで行い、水の中にしゃがみこみ、頭を水中に一度入れたのち、羽をふるわせる。時々最初に泥や砂を利用ることもある。水浴びの最後に[[グルーミング|羽づくろい]]を行う。また、[[蟻浴]]([[:en:anting (bird activity)|anting]])をするのが観察されている<ref name=Hig544/>

群れで遊ぶ習性もあり、最初に1羽が高い木やポール、尖塔の頂に留まり、他の鳥(挑戦者)が急降下したり、飛びかかったりして、追い払おうと挑む相手が逃げると、成功した挑戦者が次の防戦役になり、群れの他の鳥挑戦を受け{{sfn|Higgins et al|p=543}}

水浴びは深さ15cmほどの水たまりで行い、水の中にしゃがみこんで頭を水中に一度入れたのち、羽をふるわせる。ときにはに泥や砂を利用してから水を浴びることもあり、水浴びを終えると[[グルーミング|羽づくろい]]を行う。また、[[蟻浴]] ([[:en:anting (bird activity)|anting]]) が観察されている{{sfn|Higgins et al|p=544}}

採食は夏は単独かペアで、秋や冬は主に市街地で群れで行う{{sfn|Higgins et al|p=537}}。採食を行うとき、カササギフエガラスや[[ホシムクドリ]]とともに群れることが多い<ref name="Roberts42" />。ハイイロフエガラスや[[アオアズマヤドリ]]と行動することもある{{sfn|Higgins et al|p=531}}。[[オーストラリアチゴハヤブサ]]、[[アカエリツミ]]、[[キバタン]]など他の鳥類から、食料を横取りする行動が記録され<ref>{{cite journal|last=Veerman|first=PA|year=1983|title=|journal=Canberra Bird Notes|volume=11|issue=4|page=132}}</ref><ref>{{cite journal|last=Metcalf|first=EC|year=1988|title=|journal=Canberra Bird Notes|volume=13|issue=2|pages=30-31}}</ref>。同種内攻撃が観察され{{sfn|Higgins et al|p=538}}、[[オーストラリア国立大学]]の研究者による2007年の研究ではフエガラスが落ち葉の上を歩く録音を{{仮リンク|マミジロヤブムシクイ|en|White-browed Scrubwren}}(''Sericornis frontalis'' )の雛かせると、静かになった<ref>{{cite journal|last1=Magrath|first1=RD|last2=Pitcher|first2=BJ|last3=Dalziell|first3=AH|date=2007|title=How to be fed but not eaten: nestling responses to parental food calls and the sound of a predator's footsteps|journal=Animal Behaviour|volume=74|issue=5|pages=1117-1129|language=en|doi=10.1016/j.anbehav.2007.01.025}}</ref>。


===食性===
===食性===
フエガラスは雑食で、果実、多くの無脊椎動物、小さな脊椎動物幼鳥や鳥の卵など、機会があれば食べる。フエガラスは樹上で、巣から鳥や卵、木から昆虫や果実を採餌する。また空中や地上で採餌することもある<ref name=Hig536>Higgins ''et al.'', p. 536</ref>。夏期の間は昆虫が、冬期は果実が食の中心を占める。残飯やゴミなどをあさることもあり、ピクニック広場や給餌台の近くでは、人から餌をもらうことを恐れなくなる<ref name=Hig537>Higgins ''et al.'', p. 537</ref>甲ちゅう類やアリ類は、もっともよく消費される昆虫である。ネズミ、農場では[[ニワトリ]]や[[シチメンチョウ]]の雛を捕食した記録がある<ref name=Roberts42>{{cite journal|author=Roberts NL|date=1942|title=The Winter Flocking of the Pied Currawong |journal=Emu|volume=42|pages=17?24}}</ref>。
フエガラスは雑食で、果実、多くの無脊椎動物、小さな脊椎動物幼鳥や鳥の卵など食べる。フエガラスは樹上巣から鳥や卵、木から昆虫や果実を採餌する。また空中や地上で採餌することもある{{sfn|Higgins et al|p=536}}。夏期は昆虫が、冬期は果実が食の中心を占める。残飯やゴミなどをあさることもあり、ピクニック広場や給餌台の近くでは、人慣れして餌をもらうことを恐れなくなる{{sfn|Higgins et al|p=537}}。もっともよく消費る昆虫は甲ちゅう類やアリ類である。ネズミ、農場では[[ニワトリ]]や[[シチメンチョウ]]の雛を捕食した記録がある<ref name=Roberts42>{{cite journal|language= en| last1= Roberts | first1= NL|date=1942|title=The Winter Flocking of the Pied Currawong |journal=Emu|volume=42|pages=17-24}}</ref>。


フエガラスはモートン・ベイ・イチジク(''[[:en:Ficus macrophylla|Ficus macrophylla]]'' )やポート・ジャクソン・イチジク(''[[:en:Ficus rubiginosa|F. rubiginosa]]'' )、バンヤン・イチジク(''[[:en:Ficus virens|F. virens]]'' )、シメコロシイチジク(''[[:en:Ficus watkinsiana|F. watkinsiana]]'' )など多種のイチジクを含む果実<ref name="Floyd09">{{cite book|last=Floyd|first=Alex G.|title=Rainforest Trees of Mainland Southeastern Australia|publisher=Terania Rainforest Publishing|location=Lismore, NSW|date=2009|pages=232?35|isbn=9780958943673}}</ref>、''[[:en:Syzygium|Syzygium]]'' 、センダン(''[[:en:Melia azedarach|Melia azedarach]]'' )、マキ属の一(''[[:en:Podocarpus elatus|Podocarpus elatus]]'' )、''[[:en:Persoonia|Persoonia]]'' 属の実などを採食する。また、他の採食さりんご、洋梨、いちご、ブドウ核果、柑橘類およびとうもろこしなどを、果樹園からみ出すことも知られている<ref name=Hig538>Higgins ''et al.'', p. 538</ref>。フエガラスはシドニー地域において、侵略的外来植物の''[[:en:Asparagus densiflorus|Asparagus densiflorus]]'' の分布域拡大に<ref>{{cite web|title=Asparagus Densiflorus ? Asparagus Fern|url=http://www.lanecove.nsw.gov.au/Our%20Environment/natural%20environment/Noxious%20Weeds/NoxiousWeedDescriptions-Asparagusdensiflorus.htm|accessdate=2009-07-28|work=Lane Cove Council ? Our Environment|publisher=Lane Cove Council, NSW|archiveurl=https://web.archive.org/web/20090531005508/http://www.lanecove.nsw.gov.au/Our%20Environment/Natural%20Environment/Noxious%20Weeds/NoxiousWeedDescriptions-Asparagusdensiflorus.htm|archivedate=2009年5月31日|deadurldate=2017年9月}}</ref>、またアーミデール周辺では[[イボタノキ属]]の[[トウネズミモチ]]や''[[:en:Ligustrum sinense|L. sinense]]''、[[トキワサンザシ属]]のタチバナモドキ(''[[:en:Pyracantha angustifolia|Pyracantha angustifolia]]'' )や''[[:en:Pyracantha rogersiana|P. rogersiana]]'' などの侵略的外来植物の分布域拡大に影響している<ref name=Hig538/>
フエガラスはイチジクの仲間のモートン・ベイ・イチジク(''[[:en:Ficus macrophylla|Ficus macrophylla]]'' )やポート・ジャクソン・イチジク(''[[:en:Ficus rubiginosa|F. rubiginosa]]'' )、バンヤン・イチジク(''[[:en:Ficus virens|F. virens]]'' )、シメコロシイチジク(''[[:en:Ficus watkinsiana|F. watkinsiana]]'' )などを含む果実<ref name="Floyd09">{{cite book|last=Floyd|first=Alex G.|title=Rainforest Trees of Mainland Southeastern Australia|publisher=Terania Rainforest Publishing|location=Lismore, NSW|date=2009|pages=232-235|isbn=9780958943673}}</ref>、[[En:Syzygium|フトモモ科の仲間]] {{Languageicon|en}}[[センダン]](''[[:en:Melia azedarach|Melia azedarach]]'' )、オーストラリア東海岸固有[[イラワラプラム]]や[[ヤマモガシ科]] ''[[En:Persoonia|Persoonia]]'' 属{{Languageicon|en}}の実などを採食する。また果樹園に現わて[[リンゴ|りんご]][[セイヨウナシ|洋梨]][[イチゴ|いちご]][[ブドウ]]の果肉や[[核果]][[柑橘類]]を食し、畑で[[トウモロコシ|とうもろこし]]などを盗ことも知られている{{sfn|Higgins et al|p=538}}。


侵略的[[外来種|外来植物]]の分布拡大に介在し、シドニー地域ではアフリカ南部から持ち込まれた[[クサスギカズラ属]]の一種''[[En:Asparagus densiflorus|Asparagus densiflorus]]'' {{Languageicon|en}}<ref>{{cite web|language= en|title=Asparagus Densiflorus ? Asparagus Fern|url=http://www.lanecove.nsw.gov.au/Our%20Environment/natural%20environment/Noxious%20Weeds/NoxiousWeedDescriptions-Asparagusdensiflorus.htm|accessdate=2009-07-28|work=Lane Cove Council ? Our Environment|publisher=Lane Cove Council, NSW|archiveurl=https://web.archive.org/web/20090531005508/http://www.lanecove.nsw.gov.au/Our%20Environment/Natural%20Environment/Noxious%20Weeds/NoxiousWeedDescriptions-Asparagusdensiflorus.htm|archivedate=2009年5月31日|deadurldate=2017年9月}}</ref>、[[アーミデイル]]周辺では生垣用に移入された[[イボタノキ属]]の[[トウネズミモチ]]や杻(''[[:en:Ligustrum sinense|L. sinense]]'' ){{Languageicon|en}}、[[トキワサンザシ属]]の[[En:Pyracantha angustifolia|タチバナモドキの仲間]]{{Languageicon|en}}や[[ピラカンサ|ピラカンサの仲間]] (''[[:en:Pyracantha rogersiana|P. rogersiana]]'' ){{Languageicon|en}}などに影響している{{sfn|Higgins et al|p=538}}。
採食は夏は単独かペアで、秋や冬は主に市街地で群れで行う<ref name=Hig537/>。採食を行うとき、カササギフエガラスや[[ホシムクドリ]]とともに群れることが多い<ref name=Roberts42/>。ハイイロフエガラスや[[アオアズマヤドリ]]と行動することもある<ref name=Hig531/>。[[オーストラリアチゴハヤブサ]]、[[アカエリツミ]]、[[キバタン]]など他の鳥類から、食料を横取りすることが記録されている<ref>{{cite journal |last=Veerman|first=PA|year=1983|journal=Canberra Bird Notes|title= |volume=11 |issue=4 |page=132}}</ref><ref>{{cite journal |last=Metcalf|first=EC|year=1988|journal=Canberra Bird Notes|title= |volume=13 |issue=2 |pages=30?31}}</ref>。フエガラスはまた、同種内攻撃することある<ref name=Hig538/>。[[オーストラリア国立大学]]の研究者による2007年の研究によると、[[マミジロヤブムシクイ]]([[:en:White-browed Scrubwren|''Sericornis frontalis'']] )の雛がフエガラスが落ち葉上を歩く音の録音をいた、静かになった<ref>{{cite journal|author=Magrath RD, Pitcher BJ, Dalziell AH|date=2007|title=How to be fed but not eaten: nestling responses to parental food calls and the sound of a predator's footsteps |journal=Animal Behaviour|volume=74|issue=5|pages=1117?29|doi=10.1016/j.anbehav.2007.01.025}}</ref>。


===繁殖===
===繁殖===
いろいろなタイプの森林で見られるが、フエガラスはよく成長した森林で繁殖することを好む<ref name=Hig531/>。フエガラスは春にい木に草や木の皮でできた厚い巣を作る。営巣木には一般的に孤立していないユーカリの木が選ばれる。1回の産卵で、3卵を産む。卵は、濃色の桃褐色およびラベンダー色の斑点があ明るいピンク色である。形は細長く約30m×42mm<ref name = "Beru03">{{cite book |author=Beruldsen G |title = Australian Birds: Their Nests and Eggs| publisher = self |date = 2003| location = Kenmore Hills, Qld| page = 280|isbn=0-646-42798-9}}</ref>。雌が単独で抱卵する<ref name=Hig548>Higgins''et al.'', p. 548</ref>。抱卵期間は巣の観察が困難であるためよく判していないが、観察によると産卵から孵化まで約30日ほどである。多くのスズメ目鳥類と同じように、雛は無毛で生まれ、目が見えず(晩成)、長期間を巣で過ごす(留巣性)。雛は灰褐色の羽毛(ダウン)を急速に成長させる。両親が若鳥に給餌するが、雄は孵化から数日後までは、直接、雛に給餌を開始することはない<ref name=Hig548/>
いろいろなタイプの森林で見られるが、繁殖にはよく成長した森林を好む{{sfn|Higgins et al|p=531}}一般にフエガラスは春に孤立してない[[ユーカリ]]の高木を営巣木に選び、草や木の皮で厚い巣を作る。1回の産卵で、3卵を産む。明るいピンク色のは、濃色の桃褐色およびラベンダー色の斑点があ、形は細長く約30mm×42mm<ref name = Beru03">{{cite book | last1= Beruldsen | first1= G |title = Australian Birds: Their Nests and Eggs| publisher = self |date = 2003| location = Kenmore Hills, Qld| page = 280|isbn=0-646-42798-9}}</ref>。雌が単独で抱卵し{{sfn|Higgins et al|p=548}}、その期間は巣の観察が困難であるため明らかではないが、産卵から孵化まで約30日ほどである。


多くのスズメ目鳥類と同じように、生まれたての雛は無毛で晩成<small>([[En:Altriciality|英語版]])</small>のため目が見えず、長期間を巣で過ごす<small>([[鳥類#親鳥の世話と巣立ち|留巣性]])</small>。灰褐色の羽毛(ダウン)は急速に生え揃い、両親が若鳥に給餌するが、雄は孵化から数日後までは、直接、雛に給餌を開始することはない{{sfn|Higgins et al|p=548}}。
[[オオオニカッコウ]]はフエガラスの巣に[[托卵]]し、仮親により育てられる<ref name="Johnsgard ">{{cite book|last=Johnsgard PA|title=The avian brood parasites: deception at the nest|publisher=Oxford University Press|date=1997|pages=268?69|isbn=0195110420}}</ref>。オオオニカッコウの卵はフエガラスの卵に非常によく似ている。オオオニカッコウがフエガラスの巣を訪れると、親鳥が逃げるが知られており、フエガラスの幼鳥を捨てたり<ref name="Larkins94"/>、幼鳥の首を切り落とすことが記録されている<ref name="Wood01"/>。また[[アカハラオオタカ]] (''[[:en:Brown Goshawk|Accipiter fasciatus]]'' )や[[レースオオトカゲ]] が雛を捕食している記録されてい<ref name=Hig549>Higgins ''et al.'', p. 549</ref>

[[オオオニカッコウ]]はフエガラスの巣に[[托卵]]し、仮親に育てさせる<ref name="Johnsgard">{{cite book|last=Johnsgard PA|title=The avian brood parasites: deception at the nest|publisher=Oxford University Press|date=1997|pages=268-269|isbn=0195110420}}</ref>。の卵はフエガラスの卵に非常によく似ている。巣を訪れフエガラスの親鳥が逃げると、オオオニカッコウはフエガラスの幼鳥を捨てたり<ref name="Larkins94" />、幼鳥の首を食い切る<ref name="Wood01" />。また雛を捕食する[[アカハラオオタカ]] (''[[:en:Brown Goshawk|Accipiter fasciatus]]'' )や[[レースオオトカゲ]]の記録があ{{sfn|Higgins et al|p=549}}


== 脚注 ==
== 脚注 ==
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=== 注釈 ===
{{Reflist}}
{{Notelist}}
=== 出典 ===
{{Reflist|2}}


== 参考文献 ==
== 参考文献 ==
{{commons|Strepera graculina}}
{{commons|Strepera graculina}}
* {{仮リンク|ジョン・グールド|en|John Gould}}著、"[[:en:Handbook to the Birds of Australia|Handbook to the Birds of Australia]]" (1865年)
* {{IUCN2006|assessors=BirdLife International|year=2004|id=51218|title=Strepera graculina|downloaded=1 November 2006|ref= {{sfnref|IUCN|2006}} }} データベースにはフエガラスが保護対象として危急ではない根拠を述べている。
*{{cite book |title= Handbook of Australian, New Zealand and Antarctic Birds. Vol. 7: Boatbill to Starlings |last= Higgins| first= Peter Jeffrey |editor-last1= Peter |editor-first1= John M|editor-last2= Cowling | editor-first2= SJ |year= 2006|publisher=Oxford University Press |location= Melbourne |isbn= 978-0195539967 |ref={{sfnref|Higgins et al}} }}

== 関連文献 ==
発行年順<!-- Mathews, Gregory Macalister ; Iredale, Tom "A manual of the birds of Australia" (1921年)、Lilian Medland (挿画)。1 Orders Casuarii to Columbae、London : H.F. & G. Witherby -->

* Gould, John ; Chisholm, Alec H. ; Serventy, Vincent "John Gould's the birds of Australia" (1973年)、Lansdowne。{{ncid|BB1149664}}
* Gould, John ; [[ロンドン自然史博物館]] "The birds of Australia" (1989年)、Hill House。{{ncid|BA13795016 }}

=== 図鑑 ===

* 『オーストラリアの鳥』(1976年)、〈世界の鳥の和名〉第6巻、[[山階鳥類研究所]]。

* Simpson, Ken ; Day, Nicolas "[http://ci.nii.ac.jp/ncid/BA73772165 The Birds of Australia : a book of identification : 758 birds in colour]"(1984年)、L. O'Neil for C. O'Neil。
* Pizzey, Graham ; Knight, Frank and Menkhorst, Peter "[http://ci.nii.ac.jp/ncid/BA72531924 The field guide to the birds of Australia](2003年)、HarperCollins Publishers。第7訂新版。

== 関連項目 ==


== 外部リンク ==
* {{IUCN2006|assessors=BirdLife International|year=2004|id=51218|title=Strepera graculina|downloaded=1 November 2006}} Database entry includes justification for why this species is of least concern
*{{cite book |title= Handbook of Australian, New Zealand and Antarctic Birds. Vol. 7: Boatbill to Starlings |author= Higgins, Peter Jeffrey; Peter, John M.; Cowling SJ (eds.) |year= 2006|publisher=Oxford University Press |location= Melbourne |isbn= 978-0195539967 }}


* [https://ebird.org/species/piecur1/ フエガラス] eBird コーネル大学鳥学研究所のオンライン図鑑
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[[Category:フエガラス科]]
[[Category:フエガラス科]]

2019年6月23日 (日) 20:05時点における版

フエガラス
フエガラス(亜種S. g. graculina、ニュー・サウス・ウェールズ州ブルーマウンテン)
保全状況評価
LEAST CONCERN (IUCN Red List Ver. 3.1 (2001))[1]
[注釈 1]
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 鳥綱 Aves
: スズメ目 Passeriformes
: フエガラス科 Cracticidae
: フエガラス属 Strepera
: フエガラス S. graculina
学名
Strepera graculina
(Shaw, 1790)
和名
フエガラス
英名
Pied Currawong
濃い灰色のカラスに似た鳥。コショウボクにとまっている。
亜種S. g. nebulosa
ビクトリア州スイフト・クリーク

フエガラス(笛烏、学名Strepera graculina )はオーストラリア東部およびロード・ハウ島に分布する中型、黒色のスズメ目フエガラス科の鳥類である。

フエガラスはモリツバメ科のモズガラス類やカササギフエガラスに近縁である。6亜種が記録されている。フエガラスは体長が約48cm、黒褐色の羽毛、下尾筒が白色、翼には白色のパッチがあり、虹彩は黄色、厚いくちばしをもつ、カラスに似た鳥類である。雌雄の外見は同じ。美しい鳴き声で知られ、英語名の「currawong」(カラワン)はアボリジニの言葉が起源とされる。

概要

分布域内では寒い時期に高所から低地へ移動するが、一般的に定住性である。食性は鳥類の卵や雛、無脊椎動物、果実や種子など様々な種を含む雑食性である。フエガラスは市街地によく順応した捕食者で、農村の森林地帯と同様に、公園や庭などでも見られる。繁殖には発達した森林を好むものの、生息地はすべての森林地域にある。ねぐらや繁殖、採食行動の大部分は樹上である。

分類

フエガラスは1790年にイギリスの鳥類学者George ShawによってCoracias strepera として最初に記載され、後に新設されたStrepera 属に移された。 学名strepera はラテン語で「うるさい」を意味し、graculinaニシコクマルガラスに似ているとして命名された[3]

フエガラスはタスマニアに生息するクロフエガラスに非常に近縁であり、クロフエガラスはフエガラスの亜種の一つであるとされることもある[4]。フエガラスはクロフエガラスおよびハイイロフエガラスとともに、Strepera 属を形成する[5]

カラスに似た外見と生息地ではあっても、フエガラス類は真のカラス類とは近縁ではなく、かわりにカササギフエガラスやモズガラス類とともにフエガラス科に属する。これらカササギフエガラス属、Cracticus 属、Strepera 属の3属の類似性は早くから認められており、鳥類学者John Albert Leachのフエガラス類の筋肉組織の研究によって1914年にフエガラス科に分類された[6]

1985年に鳥類学者のチャールズ・シブリーおよびジョン・アールクィストは、モリツバメ類およびモズガラス類に非常に近縁であるとし、フエガラス科をCracticini分岐群の一つとして再分類し、カラス科モリツバメ族に分類した[5][7]

命名

植民地時代からの俗称は「縞のあるモズガラス」 (Pied Crow-shrike) である[8]。他の一般名には鳴き声を連想させるもの[注釈 2]、島の名前にもなったマトンバード(Mutton-bird)、地域名を付けた Forester(Strepera graculina ashbyi )のほか「縞のあるアフタヌーンティーの鳥」Pied Afternoon-tea Bird[9]などがある。「カラワン」(currawong)という通称はフエガラスの鳴き声に由来する[10]といわれるものの、正確な起源は不明で、もっとも可能性がありそうな説はかつてブリスベン地域に住んでいたアボリジニの族(英語)の言葉「garrawaŋ」にちなむといい、シドニー地域の(英語)の言葉「gurawaruŋ」の可能性もある[11]

亜種

現在、主に大きさや羽毛の違いによって、6亜種に分類する。形態や大きさに一定の変化があり、南部のものほど羽毛はより明るく灰色で、体長はより大きく、くちばしはより短くなる。また、南部の個体群は尾羽の白色の模様がより顕著に見られ、初列風切り羽の基部にある白色のパッチはより小さい[4]

S. g. graculina
ニュー・サウス・ウェールズ州シドニー地域から、クイーンズランド州ノーザン・クイーンズランド地方バーデキン川にかけてみられる。
S. g. ashbyi(英名:Western Victorian Pied Currawong)
オーストラリアのアマチュア鳥類学者Gregory Mathewsにより、1913年に記載された[12]。西部へ分布域を広げる亜種S. g. nebulosa との雑種化により減少している[13]。2000年の調査では繁殖数は約250羽ほどと推計されるため、オーストラリア政府により絶滅寸前亜種に指定された[14][注釈 1]。この亜種S. g. ashbyi は、羽毛が黒色で長い尾羽で短いくちばしの亜種S. g. nebulosa に似ている[15]。亜種S. g. ashbyi の生息数は少ないものの、独立した亜種か、もしくは亜種S. g. nebulosa の色彩多型か疑念がある。これら2つの個体群が再び混在したとすると、ビクトリア州西部の玄武岩の平野によって隔てられた後に進化し、アボリジニによる定期的な火入れが行われなくなった18世紀後半以降、森林回復が進んだ影響と考えられる。雑種はグランピアンズ国立公園やヤラ・ヴァレーで確認されている[14]
S. g. crissalis(英名:Lord Howe Currawong
1877年にイギリスのナチュラリストRichard Bowdler Sharpeによって記載された[16]。ロード・ハウ島への入植地によく適応しているが個体群は小さく、約70–80羽である[17]ため、オーストラリア政府およびニュー・サウス・ウェールズ州政府により危急亜種に指定された[18][注釈 1]。現在は亜種と見なされるが分子系統学による研究はされておらず、別種として再分類される可能性がある[19]
S. g. magnirostris
ヨーク岬半島からノーザン・クイーンズランド地方のノーマンビー川にかけて見られる。1923年にヘンリー・L・ホワイトによって最初に記載された[20]。亜種S. g. magnirostris は体がより長く、くちばしはより厚く、尾羽は他の亜種よりも短い。あまり研究されていない[15]
S. g. robinsoni
アサートン高原にて見られる。1912年にGregory Mathewsによって最初に記載されたが[21]、研究者によってはS. g. magnirostris と同一亜種と見なすこともある。 あまり研究されていないが、他の亜種よりも小さい[15]
S. g. nebulosa
ニュー・サウス・ウェールズ州南東部、オーストラリア首都特別地域およびビクトリア州中部で見られ、他の亜種とよく似ているが、くちばしは短めで尾羽は長め、翼はより大きい。灰黒色の背面は他の亜種より少し淡く、腹部は青灰色がかった黒褐色である。初列風切りの白色のパッチもまた小さい[4]。鳥類学者で鳥類分類学者のRichard SchoddeおよびIan Masonによって、1999年に命名された[22]。亜種S. g. graculina との交雑はニュー・サウス・ウェールズ州エデン北部からイラワラ地域にかけて、またブルー・マウンテンズ北西部に見られる[15]

生態

フエガラスは一般的に黒色の鳥で、初列風切り羽の基部および尾羽に白色のパッチがあり、下尾筒および上尾筒の基部が白色である。虹彩は黄色。成鳥は体長44–50cm(平均約48cm)で翼開長は56–77cm(平均約69cm)である。成鳥の雄は平均320g、雌は280gである[10]。翼は長く幅が広い。長く厚いくちばしは頭部の約1.5倍で、先端はフック状である[23]

若鳥は成鳥と同じ外見であるが、全体的により明るい茶褐色で、尾羽の白色の帯はより狭い。背面は、首から頭にかけて濃い茶褐色の縞模様があり、腹部は明るい茶色である。目は濃茶色で、黒みがかったくちばしには黄色の斑点があり、口腔内は明るい黄色である[10]羽毛は成鳥になるまでだんだんと濃くなり、尾羽は発達が遅く、若鳥と成鳥の識別ポイントの1つである[10]

換羽は年に1回、繁殖期の後の晩夏に行う[10]。寿命は野生下で20年超である[24]

鳴き声

フエガラスは飛翔中や日中に鳴く。特に朝とねぐら入り前の夕方、雨の前などによく鳴く[25]。鳴き声は独特であり「カダカダン」や「カラワン」(Kadow-Kadang、Curra-wong と表現される。また笛のように甲高く、「フィーウ」Wheeo とも鳴く[26]。ロード・ハウ島亜種S. g. crissalis の鳴き声はさらに特徴的で、もっと旋律的である。

類似種

オオツチスドリ(Corcorax melanorhamphos )は外見が似ていてフエガラスよりも小型であるが、虹彩が赤く、主に地上で見かける。オーストラリアのカラス類はより大型で虹彩が白く、尾羽に白色部はない。カササギフエガラスはフエガラスと同じ大きさで虹彩が赤く、羽毛は明るい黒で飾り羽は白い[25]。ハイイロフエガラスはより大型で全体により明るい灰色で、尾羽の白色の羽がないことから容易に識別できる[27]。ビクトリア州北西部のハイイロフエガラス亜種S. v. melanoptera は他の亜種より黒さが濃く、フエガラスの初列風切りにある白いパッチはない[25]

分布

ヤシの木にとまるロード・ハウ島亜種
ロード・ハウ島亜種 S. g. crissalis

ロード・ハウ島に生息し絶滅危惧の指定を受けている亜種を除くと、フエガラスは一般にオーストラリア東部のヨーク岬半島からビクトリア州西部にわたる農村や郊外の湿潤硬葉樹林および硬葉樹林で見られる留鳥で、高地の個体群は冬には低地へ移動してくる[25]。しかし、移動の範囲をめぐる論拠は一致せず、この種の移動に関してはあまり研究されていない[28]

フエガラスはヨーロッパ人の入植によく順応し、調査によるとオーストラリア東部の人口が増加したクイーンズランド州ナナンゴ、ビクトリア州ジーロングニュー・サウス・ウェールズ州境のバハームと同州のグレートディヴァイディング山脈に沿って北の高原ノーザン・テーブルランズ地方から南の平原サウス・ウェスト・スロープス地方まで、多くの地域で一般に見られるようになった。

個体数の増加はシドニーでは1940年代に、首都キャンベラでは1960年代に顕著である。両市では以前は冬鳥であったが、現在は年間を通して暮らし、繁殖もしている[13]。シドニーでは庭園の優占種の一種としてどこにでも生息する[29]サウス・イースト・クイーンズランド地方で1980年から2000年の個体数調査を分析し、ブリスベン郊外を含めて増えていることが分かった[30]。1992年のオーストラリア国内のフエガラスの全個体数調査により、1960年代の300万羽から、1990年初期に600万羽に倍増したことが判明した[13]

フエガラスはビクトリア州ウィルソンズ岬()の沖10kmに位置するロドンド島や、クイーンズランド州沖合の複数の島で記録されたように、ある程度の距離であれば海上を飛ぶことができる[28]。しかし、グレート・バリア・リーフのトライオン島、ノース・ウェスト島、マストヘッド島、ヘロン島にはもう生息しない[31][32]。ロード・ハウ島亜種の存在は、この変化の結果に決着をつける可能性があるかもしれない[19]

他の生物種への影響

巣の捕食に影響を受けやすい小型鳥類に対するフエガラスの影響は、議論を呼んでいる[33]。つまり移入鳥類のほうがオーストラリア固有の鳥類より影響が大きいかどうか探る研究において、この種が重大な問題になっている一方で、マッコーリー大学のベイリーとブルームスタインはフエガラスの採餌習慣の観察を論文にまとめ、疑義を呈した[33]

しかしながら、ニュー・サウス・ウェールズ州キャベツ・ツリー島にあるミナミシロハラミズナギドリ(Pterodroma leucoptera )[34]のコロニー減少は、フエガラスによる捕食が要因の一つである(ポート・ステファンズ近傍)。つまり、成鳥のミズナギドリが捕食された記録があるためフエガラスを除去したところ、この島のミズナギドリは減少が止まり、絶滅の危機から脱している[35]。さらに、ニュー・イングランド大学の2006年の調査では、ニュー・イングランド高原の巣を保護してフエガラスを駆除した後、ヒガシキバラヒタキサンショクヒタキの繁殖成功率が上昇し、さらにヒガシキバラヒタキは地域的に絶滅していた場所でも生息が認められるようになった[36]。シドニーの庭園にフエガラスがいると、ハイムネメジロの存在に悪影響を与えることが立証されている[29]

植物の分布への影響

果実や種子を採餌し分散するフエガラスは、雑草の分布拡大に影響している[37]。20世紀前半にフエガラスが駆除の対象だった理由は、トウモロコシやイチゴの食害と、オプンティア属のセンニンサボテンの分布拡大による深刻な侵略を促したからとされた。ロード・ハウ島においてもまた、ニワトリをおそうため駆除された。ところが林業ではナナフシ類を捕食者として、農業においてもコドリンガ(Cydia pomonella )の繭の捕食者として、益鳥として扱われる[10]

行動

フエガラスの群れが、サンドウィッチを屋根にのっけた古い車の周辺に集まっている。
ピクニック広場で餌をもらう機会を狙うフエガラス、クイーンズランド州カーナボン渓谷

フエガラスは一般に地面から数mの樹上で採食するため、地上のカササギフエガラスと生息環境を共有することが出来る。夜間は大きな木や森林地帯で休み、早朝に餌を探すために分散し、夕方に戻ってくる[38]。単独もしくは小さなグループで行動するが、秋から冬にかけては50羽以上の大きな群れを作ることもある。地上ではぴょんぴょんと跳びはねるか、胸を張るようにして歩く[25]

繁殖期になるとペアになり、なわばりを持ち、巣と採餌場所の両方を防衛する。緑の多いシドニー北郊で行われた1994年の調査によると巣との距離は平均250m[39]、キャンベラでの調査(1990年)によると、400mの松の木の街道沿いに営巣する3つがいが観察され[40]、なわばりはシドニーやウロンゴンでは約0.5–0.7ha、キャンベラでは7.9haであった[38]。ただしこれらの数値は営巣地に限られ、もっと広範な採餌場所は含んでいない[38]

フエガラスはカラス類などの天敵を、くちばしで攻撃したり、急降下したり、空中で追撃したりしながら追い払う。フエガラスの他の個体には特有の脅しのディスプレイを行い、頭と体を地面と平行に伸ばし、くちばしを前方もしくは侵入者の方向に対して向け、頭を下げる[41]。雄は脅しのディスプレイによってなわばり防御で優位に立ち、雌と巣を厳重に守る[42]

群れで遊ぶ習性もあり、最初に1羽が高い木やポール、尖塔の頂に留まり、他の鳥(挑戦者)が急降下したり、飛びかかったりして、追い払おうと挑む。相手が逃げると、成功した挑戦者が次の防戦役になり、群れの他の鳥の挑戦を受ける[38]

水浴びは深さ15cmほどの水たまりで行い、水の中にしゃがみこんで頭を水中に一度入れたのち、羽をふるわせる。ときには、先に泥や砂を利用してから水を浴びることもあり、水浴びを終えると羽づくろいを行う。また、蟻浴 (anting) が観察されている[42]

採食は夏は単独かペアで、秋や冬は主に市街地で群れで行う[43]。採食を行うとき、カササギフエガラスやホシムクドリとともに群れることが多い[44]。ハイイロフエガラスやアオアズマヤドリと行動することもある[25]オーストラリアチゴハヤブサアカエリツミキバタンなど他の鳥類から、食料を横取りする行動が記録された[45][46]。同種内の攻撃が観察され[37]オーストラリア国立大学の研究者による2007年の研究ではフエガラスが落ち葉の上を歩く録音をマミジロヤブムシクイ英語版(Sericornis frontalis )の雛に聞かせると、静かになった[47]

食性

フエガラスは雑食で、果実、多くの無脊椎動物、小さな脊椎動物や幼鳥や鳥の卵などを食べる。フエガラスは樹上の巣から鳥や卵、樹木から昆虫や果実を採餌する。また空中や地上で採餌することもある[24]。夏期には昆虫が、冬期は果実が食の中心を占める。残飯やゴミなどをあさることもあり、ピクニック広場や給餌台の近くでは、人慣れして餌をもらうことを恐れなくなる[43]。もっともよく消費する昆虫は甲ちゅう類やアリ類である。ネズミ、農場ではニワトリシチメンチョウの雛を捕食した記録がある[44]

フエガラスはイチジクの仲間のモートン・ベイ・イチジク(Ficus macrophylla )やポート・ジャクソン・イチジク(F. rubiginosa )、バンヤン・イチジク(F. virens )、シメコロシイチジク(F. watkinsiana )などを含む果実[48](英語)センダン(Melia azedarach )、オーストラリア東海岸固有種のイラワラプラムヤマモガシ科 '(英語)の実などを採食する。また果樹園にも現われてりんご洋梨いちごブドウの果肉や核果柑橘類を食し、畑でとうもろこしなどを盗むことでも知られている[37]

侵略的外来植物の分布拡大に介在し、シドニー地域ではアフリカ南部から持ち込まれたクサスギカズラ属の一種' (英語)[49]アーミデイル周辺では生垣用に移入されたイボタノキ属トウネズミモチや杻(L. sinense(英語)トキワサンザシ属(英語)ピラカンサの仲間P. rogersiana(英語)などに影響している[37]

繁殖

いろいろなタイプの森林で見られるが、繁殖にはよく成長した森林を好む[25]。一般にフエガラスは春に孤立していないユーカリの高木を営巣木に選び、草や木の皮で分厚い巣を作る。1回の産卵で、3卵を産む。明るいピンク色の卵には、濃色の桃褐色およびラベンダー色の斑点があり、形は細長く約30mm×42mm[50]。雌が単独で抱卵し[51]、その期間は巣の観察が困難であるため明らかではないが、産卵から孵化まで約30日ほどである。

多くのスズメ目鳥類と同じように、生まれたての雛は無毛で晩成()のため目が見えず、長期間を巣で過ごす留巣性。灰褐色の羽毛(ダウン)は急速に生え揃い、両親が若鳥に給餌するが、雄は孵化から数日後までは、直接、雛に給餌を開始することはない[51]

オオオニカッコウはフエガラスの巣に托卵し、仮親に育てさせる[52]。その卵はフエガラスの卵に非常によく似ている。巣を訪れフエガラスの親鳥が逃げると、オオオニカッコウはフエガラスの幼鳥を捨てたり[39]、幼鳥の首を食い切る[41]。また雛を捕食するアカハラオオタカ (Accipiter fasciatus )やレースオオトカゲの記録がある[53]

脚注

注釈

  1. ^ a b c IUCNレッドリストのデータベースにはフエガラスが保護対象として危急ではない根拠を述べている[2]
  2. ^ フエガラスの現地オーストラリアの一般名で、鳴き声を連想させるもの。Pied Chillawong、Currawang、Charawack、Kurrawack、Tallawong、Tullawong

出典

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参考文献

関連文献

発行年順

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  • Gould, John ; ロンドン自然史博物館 "The birds of Australia" (1989年)、Hill House。NCID BA13795016

図鑑

  • 『オーストラリアの鳥』(1976年)、〈世界の鳥の和名〉第6巻、山階鳥類研究所

関連項目

外部リンク

  • フエガラス eBird コーネル大学鳥学研究所のオンライン図鑑