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装弾数6発、作動方式ダブルアクション、銃口初速2000m/s。
装弾数6発、作動方式ダブルアクション、銃口初速2000m/s。


500mからの距離から撃っても厚さ100センチのメタライト(特殊合金)を撃ち抜くという小型のミサイル並みの威力を持つ。直撃せずとも衝撃波のみで周囲のものが破壊でき、さらには水中でも撃つことができる(「神の瞳」編。[[実銃]]自体、火薬に[[酸化剤]]が含まれるため撃発に酸素は必須ではなく、水中どころか宇宙空間でも発射出来る<ref>警察が弾丸を損傷させずに条痕を採取したい場合、水を満たした水槽の中で当該拳銃を発砲する手法が採られる</ref>。薬莢は密閉空間のため、酸化剤がないと燃焼ができない)。コブラの弁によれば電子制御装置が組み込まれており、コブラと彼以外の識別が行われるためコブラ以外は引き金を引いても撃発できない。
500mからの距離から撃っても厚さ100センチのメタライト(特殊合金)を撃ち抜くという小型のミサイル並みの威力を持つ。直撃せずとも衝撃波のみで周囲のものが破壊でき、さらには水中でも撃つことができる(「神の瞳」編。[[実銃]]自体、火薬に[[酸化剤]]が含まれるため撃発に酸素は必須ではなく、水中どころか宇宙空間でも発射出来る<ref>警察が弾丸を損傷させずに[[施条痕]]を採取したい場合、水を満たした水槽の中で当該拳銃を発砲する手法が採られる</ref>。薬莢は密閉空間のため、酸化剤がないと燃焼ができない)。コブラの弁によれば電子制御装置が組み込まれており、コブラと彼以外の識別が行われるためコブラ以外は引き金を引いても撃発できない。


サイコガンが使用するのに義手を外す必要があるのに比べて、こちらはホルスターから取り出すだけで撃てるため、早撃ちに関してはこちらの方が有利だが、リボルバー式拳銃の宿命として装弾数6発という弱点を抱えている。「シドの女神」編、「神の瞳」編ではそれを敵から指摘された。
サイコガンが使用するのに義手を外す必要があるのに比べて、こちらはホルスターから取り出すだけで撃てるため、早撃ちに関してはこちらの方が有利だが、リボルバー式拳銃の宿命として装弾数6発という弱点を抱えている。「シドの女神」編、「神の瞳」編ではそれを敵から指摘された。

2018年12月24日 (月) 12:37時点における版

コブラ (漫画) > コブラの登場人物 > コブラ (架空の人物)

コブラは、寺沢武一の漫画『コブラ』およびそれを基にしたアニメ作品などに登場する架空の人物。同作品の主人公である。

本項では彼の代表的な使用武器であるサイコガンパイソン77マグナムについても併せて解説する。

キャラクター概要

快速宇宙船タートル号を駆り、左腕に仕込まれたサイコガンで銀河系に海賊コブラとしてその名を轟かせた一匹狼の宇宙海賊。本人の弁によるとならず者からは「毒ヘビ」と呼ばれ、銀河パトロールでは「330号」の犯罪者番号が打たれているという。

海賊ギルドとの果てのない闘争に疲れ切ったため、3年前(映画版では2年前、旧TV版では5年前)に自分の死を偽装してアウトローの世界から姿を消す。さらには自らの記憶も封じ、顔も整形手術で美男子風の整った顔立ちからタレ目で団子鼻のややとぼけた印象の顔に変え、貿易会社の平凡なサラリーマン、ジョンソンとして生活していた。しかしふとしたきっかけで記憶が戻り、新しい顔もギルドに割れてしまったことから、相棒のアーマロイド・レディと共に再び海賊稼業に身を投じることになる。

性格・人物

キャプテン・ドレイクのような正統派海賊たらんと常に心がけており、普段は冗談やとぼけた言動が多い三枚目だが、ここ一番では正統派ハードボイルドヒーローの顔を見せて凛々しい活躍をする。

無用な殺人を嫌い、生業である海賊稼業に関しても「殺人はせずスマートにやりたい」と自らの信条を口にしており、信条を曲げずに仕事をすることがどうしても無理であると判断すれば、どのような宝が目の前にあろうとあっさり諦める。その一方で悪党相手や自衛のためなら殺人もいとわず、特に激怒した時や血も涙もない悪党に対しては「地獄が寝ぐら、悪魔が友の、本物の殺人者」の顔を見せて一切容赦しない。

一匹狼ながら義理や友情を重んじる。かなりの女好きで手も早く、相手は概ね20代ほどのグラマーな地球人の美女に限定される。「守備範囲」ではない醜女、年輩の女性、未成年者、そして地球人型以外の女性には手をつけない。

高額の懸賞金が掛けられた賞金首である。10万ドルの賞金首として全宇宙に手配されていたが、情報屋のミス・マドウによればその額でも本気で首を狙おうとする者がいなかったために「ザ・サイコガン」編でギルドから300万ドルの賞金が懸けられた。旧TV版では、賞金稼ぎのジェーン・ロイヤルの弁によるとコブラに懸けられた賞金は700万ドル(第3話)、ギルドが雇った殺し屋・ターベージの弁では1万クレジット(第5話)、その雇い主であるクリスタル・ボーイが別に雇った情報屋たちの会話では700万ビート(第6話)とされている。いずれにせよ、本人曰く「天文学的な額の賞金が懸かっている」ことは確かである。

生粋の地球人だが、500kgというゴリラ並みの握力(本人のセリフより)、100メートルを5秒で走破、特殊強化サイボーグの腹を正拳突きで打ち抜けるなど、超人的な肉体と精神力の持ち主。本人は「オリンピックに出れば金メダルでオセロができる」と豪語し、スキーやラグ・ボール(作中に登場する野球に似た球技)でも超一流の腕前を披露するなど、スポーツに関しても常人離れした身体能力を発揮する。生命力は相当なもので高所から落ちても死ぬことはなく(「刺青の女編」、「聖なる騎士伝説」にて)、かなりの深手でさえ致命傷にはならない。「死の商人編」、「神の瞳編」では全身を凍結させられたが蘇生した。「黄金の扉編」では体を貫通するほどの重傷を負って自身の船の中で治療を受けたが、その時同乗していた人物はコブラの回復スピードを見て「トカゲのシッポ」と評したこともある。こうした地球人離れした異常な身体能力について本人は「毎朝コーンフレークを山盛り2杯食べていたおかげ」などととぼけた返答をしており、真の理由は不明である。

葉巻が大好きで、常にくわえていて、どんな時でも手放さない。 これはコブラ自身が単にヘビースモーカーであるというのに加え、葉巻に偽装した時限爆弾や酸素カプセルなど様々な道具を持ち歩いているためでもある。

容姿・服装など

身長8フィート4インチ(約250cm)、体重193ポンド(約87.5kg)(「ラグ・ボール」編でのレッド・サクソンズ入団時)。ただしこの身長だと、コブラの対戦相手である一軍チームの選手ゲルドと同じになってしまう。作画を見る限り彼のほうが遥かにコブラより身長が高く、旧TV版では6フィート4インチ(約190cm)となっている。旧TV版終了後に執筆された「地獄の十字軍」編でも、棺桶屋がコブラの身長を測って「190ってとこか」と言う場面がある。

外見は白人の男性といった感じの容貌で、筋肉質の体をしている。整形前は栗色の長髪だったが、整形後は金の短髪にしており瞳の色はエメラルドグリーン。常に葉巻をくゆらせ、また口元に不敵な笑みを浮かべていることが多く、作中でも「リターンコブラ」編で「葉巻をくわえた、にやついた男」といわれている。原作者の寺沢によると、この容姿のモデルはフランスの俳優・ジャン=ポール・ベルモンドである[1]。なお、整形前の端麗な容姿は第1話で描かれており、旧TV版ではこれを元にして若い頃のコブラが描かれている。彼の過去を描いたその後のエピソードでも描かれているが、発表時期により異なっている。

普段の服装は、「サラリーマンのジョンソン」時代と同じブーツと身体にぴったり張り付いたタイツ調の服装で、黒いベルトで腰を締めている以外は、いずれもカラーは赤で統一されている。アニメ化される以前のコミックスの表紙などに使用されたカラーイラストでは紫になっていたが、アニメ化されてからは寺沢のイラストでも赤で描かれるようになった。ブーツの踵には強力なスクリューが仕込まれており、人を抱いた状態でも水流に逆らって推進することができる。これはカッターとしても使用可能で、触手に足を絡まれた際などに脱出に使用している。ベルトの金色の四角いバックルはカメラとして使用可能なもの、着脱式の双眼鏡として使用可能なものなどがある。前者は「刺青の女」編で、後者は「タイムドライブ」編で使用。両手に嵌めている黒いリストバンドには、通信機やワイヤーの命綱、危険物感知機、カッターなどが内蔵されている。ワイヤーは移動手段としても使用可能でコブラはこれを壁などに打ち込み、ターザンさながらのアクションを披露している。

映画版及び旧TV版では、ブーツの爪先には刃が内蔵されていた。これは武器として使用したわけではなく、映画では崖から落ちそうになったときに滑り止めとして使用した。旧TV版では人一人ほどの幅しかない壁と壁の間を降りていく際に、左右の壁に突き刺して使用しているほか、リストバンドのワイヤーの代わりにヨーヨーに似たタイプのワイヤーを使用したこともある。

ほぼ常に葉巻をくわえており、水中や気絶している時でさえ葉巻を離さず、甲冑を着た際も葉巻をくわえたまま面頬を下げるほど(ただし、ドミニクの死の証拠を目の当たりにした時は、ショックのあまり口から抜け落ちてしまった)。喫煙用のものだけとは限らず、酸素が圧縮されている「オキシ・シガー」や、煙幕の出せるもの、手榴弾になる「マイト・シガー」、レーザーが発射できるもの、ペンライト内蔵型など様々な細工を仕込んだものも携帯している。葉巻の銘柄は、「黄金の扉」編や「タイムドライブ」編における本人の弁によると「トルコ巻」とのこと。

コブラの名前どおり、コブラ科のヘビの背面にある斑紋を模したマークをトレードマークとして使用している。これはサイコガン、タートル号(「ザ・サイコガン」編以降のデザイン)などに使われている。マークのデザインも連載当初は丸メガネのような形だったが、「ザ・サイコガン」編以降は直線的なデザインとなった。

初めて真の“恐怖”を味わうこととなった「ある事件」で切断された左腕に、精神力をエネルギー波に変えて撃ち出す銃「サイコガン」を仕込み、普段は上に義手を被せて隠している。この義手は非常に精巧な物で、カモフラージュ装置によってレントゲンなどの探査を受けても生身の腕と判別できないようになっているほか、置き去りにされても呼び戻すことができ、空気噴射で空を飛んだり、サイコガンを使ってロケットパンチの要領で射出も可能。ジョンソンとして生活していた間に装着していた義手は、覚醒時に、嵌めたままでバイケンを撃ったために壊れてしまい(自分の左手首から先がなぜか黒焦げになり銃身が覗いているのを見て仰天している)、自室に予備が隠してあった。劇場版では義手がどこかに転送されてサイコガンが現れる描写となっており、原作およびその後に製作されたTV版と異なっている。

外した義手は右手に持ったり口にくわえたりすることが多いが、放り出された義手が自動操縦で手元に戻ってくるという描写も散見される。ただしこのため「右手がふさがっている時はサイコガンが抜けない」、「サイコガンを抜いているときは左手が使えない」という「ハンディキャップ」がある。

コブラの弁によれば、利き手はサイコガンを仕込んである義手の左手だが、劇中で葉巻をくわえたり、パイソン77マグナムを撃つ場面などでは右手を使うことがほとんどである。

使用武器

コブラが主に使用している武器として、サイコガンとパイソン77マグナムがある。特に、サイコガンはコブラの代名詞とも言うべき武器であり、コブラとサイコガンの組み合わせは手配書に描かれるほど有名である。その手配書には、左腕のサイコガンを掲げる整形前のコブラが描かれている。サイコガン、77マグナム共に初期はデザインが一定していなかった。

サイコガン

コブラの左腕に仕込まれた銃で、肘から先を包み込むように装着されている。地球・日本の銃鍛冶である不知火鉄心しらぬいてっしんの作。精神サイコエネルギーを破壊エネルギーに変換して撃ち出すもので、コブラの強力な精神力あっての武器。なぜ左肘から先を失う重傷を負ったのかは作中で語られる。

連載当初はサイコ・ガンと黒丸入りで表記されていた。また、当初は手首までの長さで描かれていたが、現在では腕よりも太く描かれ、銃身も銃口が中指まで伸びるなど、連載当初に比べて長くなっている。設定では収納時は縮んでおり、義手を外すと銃身が原寸まで伸びる仕掛けになっている[2][3]

射出されるエネルギーが精神エネルギーを元にしていることから、思うがままに弾道を曲げて障害物の後ろの敵を撃ったり、相手の気配のみで狙ったりすることも可能。OVAでは、1本のビームが途中で3本ほどに分岐して複数の敵を撃ち抜くという描写もなされた。窮地に陥った時には、目に頼らず相手の気配を掴み、そこに向けて発砲したことが決め手となることもあった。またパワー制御も自由にできる。精神力がエネルギーなのでコブラの命が尽きない限り弾切れはあり得ない。レディ曰く「サイコガンは心で撃つもの」。その威力は精神力の大きさに比例するので絶好調や怒りなどの感情で精神力が昂まっている時は、戦艦ですらも撃沈できる。「惑星さえも撃ち砕いてみせるぜ」とは、本人の弁。反面、敵の攻撃などでダメージを受け、コブラの精神力や気力が落ちている時には威力も落ち、敵から「紙一枚焦がす力も残ってはいまい」と嘲笑されたこともあった(「サイコガンの秘密」編、「ザ・サイコガン」編」)。

通常時はコブラの精神力と銃身双方にかかる負担を少なくするため、パワーセーブをかけて使用している。低出力で撃つことで相手を殺さず気絶させることもでき、ショックガンとしての運用も可能。逆に「ラグ・ボール」編では金庫室を構造的に巨大サイコガン化してサイコエネルギーをチャージ、光線銃に至るまであらゆるエネルギーを吸収して生きる宇宙生命体・マーメイドを一撃で吹き飛ばした。

弾道が重力の影響を受けて狂うこともある。「サイコガンの秘密」編序盤では地球の重力に慣れていないためか、銃撃戦で一発外している[4]。また、「黄金の扉」編では、強力な重力場の影響でビームが直進せず、軌道を曲げられて一発も当たらないという事態が起こった。また、サイコガンを無効化する相手や装甲、防具類も数多く登場している(もっとも、相手が耐熱特性を持っていない場合は、連続で撃ち込むことにより蒸し焼きに出来る)。

先述の通り、コブラとサイコガンの組み合わせは手配書に描かれるほど有名である。そのため、サイコガンを使ったために正体を知られることが珍しくない。逆に名刺代わりに使用することもある。例えば「ラグ・ボール」編では、リック・ブルーこと、元海賊でコブラの旧友であるザック・シモンに対してこれを行った。

作中で一度寿命で壊れて銃身が割れたため、不知火鉄心が生前に造ってあった2代目に交換している。

サイコガン自体、特に道具などを用いずに容易に付け外しが可能である。コブラは「6人の勇士」編でそれを利用して自分が死んだと偽装し、アーシュラ中佐をだまして油断を誘った。逆に、「聖なる騎士伝説」編では玄武鬼に囚われた際、サイコガンを奪われ武器コレクションルームに展示されたこともあった。

「マジックドール」編終盤では、舞台となるマハドーマ星の魔力の影響で、義手共々「本物の左腕」になってしまい、使用不能に陥ってしまった。

原作者・寺沢はサイコガンのイメージを座頭市の手にする「仕込み杖」と語っており[5]、劇中でも「海底の墓標」編で時代劇の侍さながらにサイコガンを抜く場面がある。

商品化もされており、1度目は旧TV版放送時にスポンサーのバンダイから玩具として、2度目はコスパより500個限定で発売、3度目はプライズゲームの景品として、4度目は2008年6月2日に1/1スケールモデルとして、ブラックとブルーメタルの2種類が発売された。

コピーサイコガン(ジゴバモデル)
ジゴバが電送されてきたサイコガンの盗撮写真を元に製作した。オリジナルとは異なり、ヘッドセットから送られる精神エネルギーを、ケーブルで繋がった手持ち銃で撃ち出すスタイル。完成早々にジゴバの部下がコブラを返り討ちにするために使用されたが、当の彼等がサイコガンの扱いに慣れていなかったことに加え、ジゴバがサイコガンの性能や特性を完全に解析できていなかったため、ただの「威力が強力な、弾切れしない銃」でしかなかった。

パイソン77マグナム

コブラは他に、クリスタル・ボーイなどサイコガンの通用しない相手に対して、鉛固体弾丸マグナム実包で撃ち出す、19世紀の頃からの原理が用いられた回転式拳銃「パイソン77マグナム」を使用している。ボーイからは「博物館入りのシロモノ」呼ばわりされたが、光線銃や連射型熱線銃が膚に合わないコブラは、この銃に絶大な信頼を置いている。

初期はデザインが一定していなかったが、後にコルト・パイソンと同一のデザインとなる。コブラ曰く「バケモノじみた大きさとズシリとした重さがオレの命を守ってくれる保証」とのこと。並外れた腕力を持つコブラだからこそ扱える代物であり、普通の人間が撃っても反動で腕が吹っ飛ぶと言われている。

装弾数6発、作動方式ダブルアクション、銃口初速2000m/s。

500mからの距離から撃っても厚さ100センチのメタライト(特殊合金)を撃ち抜くという小型のミサイル並みの威力を持つ。直撃せずとも衝撃波のみで周囲のものが破壊でき、さらには水中でも撃つことができる(「神の瞳」編。実銃自体、火薬に酸化剤が含まれるため撃発に酸素は必須ではなく、水中どころか宇宙空間でも発射出来る[6]。薬莢は密閉空間のため、酸化剤がないと燃焼ができない)。コブラの弁によれば電子制御装置が組み込まれており、コブラと彼以外の識別が行われるためコブラ以外は引き金を引いても撃発できない。

サイコガンが使用するのに義手を外す必要があるのに比べて、こちらはホルスターから取り出すだけで撃てるため、早撃ちに関してはこちらの方が有利だが、リボルバー式拳銃の宿命として装弾数6発という弱点を抱えている。「シドの女神」編、「神の瞳」編ではそれを敵から指摘された。

拳銃ならではのサイズを生かし、警戒する相手に向けてこっそり物陰で構えるのに適している。「刺青の女」編、「六人の勇士」編、「地獄の十字軍」編がその例。いずれの場合も相手に気づかれたのか、発砲には至らず。

「シドの女神」編では、マゼラン博士の研究所内での射撃訓練でコブラは0.1秒で6発全部を撃ち、銃声が1発分しか聞こえないという早撃ち(しかも、3つの標的の中心に2発ずつ命中)を披露し、「地獄の十字軍」編では手にした銃の重さだけで弾丸が抜かれていることを見抜いた。

「神の瞳」編では、新しいサイコガンを手に入れる前に訪れた金星のマダム・ドローレの館での戦いでこの銃により窮地を切り抜けたが、「ザ・サイコガン」編序盤でのハンマーボルト・ジョーとの戦闘中に破壊された。しかし、その後の「ブルーローズ」編で新しい77マグナムが登場しており、サイコガンほど希少な銃ではないようである。

先述の通り、電子制御装置が組み組まれているので普通の拳銃よりも若干複雑な構造であるが、それでもサイコガンに比べれば単純な構造であり、「マジックドール」編終盤ではサイコガンとは対照的に、「複雑な物ほど影響を受けやすい」マハドーマ星の魔力の影響を受けづらく、結果としてメガ・カーンとの戦いの最中サイコガンが義手共々本物の左腕と化して窮地に陥ったコブラが逆転の切り札として用いた。

旧TV版のエンディングにも登場している。サイコガンのように商品化はされていない。

このほか、先述のマイト・シガーや小型の火炎放射器として使うこともできるライターがある。ワイヤーを武器として使用することもあり、「神の瞳」編では相手にワイヤーを打ち込み、そのまま教会のキリスト像に磔にしたことがある。

年齢

コブラの年齢ははっきりとしていない。惑星ダグザードのヘドバ・シティー郊外にある墓場に埋葬されたという形で自分の死を偽装してタートル号を隠しており、そこに仮の墓があるが、墓碑に刻まれた生没年が2303-2927となっているコマもあれば、没年が2355となっているコマもある。「ブルーローズ」編では、120歳の女性・竜樹がコブラの3倍も生きていると発言していることから、この時点では40歳近くということになる。旧TV版では生没年が2308-2332となっていることから、これが正しければ自分の死を偽装したのは24歳頃となり、旧TV版で記憶を取り戻したのがその5年後なので、物語開始時点での年齢は29歳ぐらいということになる。映画版では墓碑に刻まれた生没年が2005-2037で、これが正しければ2年前に死を偽装した時点で32歳頃なので、作中での彼の年齢は34歳ぐらいと推定できる。

なお、「シドの女神」編のボス・サラマンダーの正体に関するコブラの台詞から、本作の時代設定は20世紀から約3000年後となるため、上記の生没年表記は西暦ではなく他の暦法(銀河系標準暦など)によるものとみられる。

使用した偽名など

ジョンソンの他、劇中でジョー・ギリアンという偽名を名乗ったこともある。前者は先述の通り海賊稼業の休眠中に貿易会社のサラリーマンとして使用、後者は「ラグ・ボール」編で「レッド・サクソンズ」チームに新人選手として潜入するのに使用したのが初出。以降、「カゲロウ山登り」編ではジョンソンを、「聖なる騎士伝説」編、「ザ・サイコガン」編、「タイムドライブ」編、「ブルーローズ」編ではジョー・ギリアンをそれぞれ必要に応じて名乗った。また、ジェームズ・ボンドジョン・ウェインピーターパン、サンタクロースとうそぶいたこともある。この他「異次元レース」編では、高額の賞金首「ネホバ・キッド」に仕立てられたり、「ザ・サイコガン」編では運転手のサルバドールという名前にされたこともある。

キャラクターとしてのコブラ

週刊少年ジャンプ』連載当時の70年代、一部の例外を除いて少年誌の主人公は少年が定番だった。また、現在でも主な購買層として想定している読者の年齢に合わせ、少年誌の主人公は少年であることが多い。だが、『コブラ』は葉巻を咥えた成人男性が主人公で子供のキャラクターはほとんど登場せず、セクシーな女性キャラクターとのラブロマンスもあるという内容であり、当時の少年マンガ界においてその作風と主人公のキャラクター性は一線を画していた。

コブラの愛用するサイコガンは本作の代名詞ともなっている武器だが、腕に銃などの武器を仕込んだキャラクターが登場する作品は本作に限らずそれまでにも多数存在し、作中でもドーベルやアイアン・ブル軍曹、クイーンなどコブラ以外にも腕に銃を仕込んでいるキャラクターは存在する。だが、「精神力をエネルギーに変える銃」というアイデアは、『コブラ』が発表された当時は画期的なものであり、以後そのアイデアを流用したと思しき作品やパロディなどが幾つか登場している。

声優

  • 松崎しげる(映画『コブラ SPACE ADVENTURE』)
    • 初の映像化作品となる映画版でコブラの声を担当。松崎はコブラと同じく左利きである。また、松崎は2008年からリリースされた2009年のOVAおよび2010年のTVシリーズ第2作『COBRA THE ANIMATION』のエンディングテーマも担当した。2008年6月24日に行われた『COBRA THE ANIMATION』の記者発表会で出席した際のコメントでは、コブラのことを「世界に通用する男」と語っている[7]
  • 野沢那智(TV版『スペースコブラ』ほか)
    • TVアニメで起用されて以来、最も多くコブラの声を担当した。アーケードゲーム『コブラ・ザ・アーケード』やパチンコ『CRコブラ』などでも声を担当している。「ザ・サイコガン」と「タイム・ドライブ」を映像化したOVAでも声を担当。
    • 野沢は1969年製作の劇場用シネマスコープサイズ版『ルパン三世(パイロットフィルム)』において、ルパン役を演じている。『ルパン三世 1st series』においてもルパン役を希望していたが、スケジュールの都合上かなわず、後にオファーを受けた『スペースコブラ』を快諾した。野沢に代わってルパン役を演じた山田康雄とはもともと口調が似ていたため、コブラ役を演じるにあたってルパン三世とキャラクターがかぶらないよう強く意識したという[8]
  • 山田康雄PCエンジン用ゲーム『コブラ 黒竜王の伝説』、『コブラII 伝説の男』
    • 寺沢はテレビアニメ化の際はベルモンドの吹き替えを多く務めていた山田を希望していた。しかし同じ東京ムービー新社の作品『ルパン三世』のイメージが強すぎたこと、山田自身にテレビアニメで同じ声の人間が複数の作品で主役を演じることへの反発があったことなどにより、実現しなかった。PCエンジン用ゲームの制作にあたり寺沢は山田の起用を再度熱望、アニメではなくゲームならということで実現に至った。
    • 寺沢は「もともとコブラの声というのはクリント・イーストウッドの山田さんのイメージなんです。だから常に山田さんだったらこうんな風にしゃべるだろうな、というのを意識して書きました」と語っている[9]
    • なお、テレビアニメの番宣ナレーションや放映当時に発売された玩具CMでは、山田が声を担当している。
  • 屋良有作プレイステーション用ゲーム『コブラ・ザ・シューティング』)
  • 内田直哉(『COBRA THE ANIMATION』)
    • 「タイム・ドライブ」を映像化したOVA5巻と6巻で青年期のコブラの声を担当したあと、TVシリーズ版でもコブラの声を担当した。

備考

  • 「ラグ・ボール」編で、ギルドの麻薬密売ネットワークを壊滅させる報酬として現金払いで200万ドルのほかに、司法取引により一度「すべての罪状を帳消し」(特赦)にされている。しかし、マーメイド退治後にパトロール基地の金庫室の天井を撃ち破り逃走したことで、ドミニク曰く「公共物破壊」の罪状で新たに手配された模様。
  • ニューギンのパチンコ『CRコブラ』では、プッシュボタンを連打してサイコエネルギーをチャージすることで波動砲のように発射するという演出がなされている。

画像リンク

  • コブラのフィギュア写真(コナミの玩具菓子に付属のもの)[1]
  • 整形前のコブラのフィギュア写真(同じくコナミの玩具菓子より。「ザ・サイコガン」編以降の、コブラの過去を描いた作品で登場する容姿のもの)[2]

  1. ^ クレタパブリッシング『昭和40年男』 2015年10月号 23頁
  2. ^ 寺沢武一による解説
  3. ^ アニメ版の設定画には「義手を外すと銃身がスライドしてせり出してくる」という記載がある。
  4. ^ 旧TV版では、外した理由が「5年間のブランク」とされた。
  5. ^ 関西テレビ☆京都チャンネルで放送のテレビ番組『ほびーワールド計画』第35回放送より。OVA『COBRA THE ANIMATION』ザ・サイコガン 1巻に特典映像として収録されている。
  6. ^ 警察が弾丸を損傷させずに施条痕を採取したい場合、水を満たした水槽の中で当該拳銃を発砲する手法が採られる
  7. ^ * 寺沢武一先生、野沢那智、松崎しげる、ケンドーコバヤシらが登場!『COBRA THE ANIMATION』豪華制作発表会レポート”. presepe (2008年7月9日). 2012年8月15日閲覧。
  8. ^ 『ほびーワールド計画』第35回放送「祝!!30周年 COBRAの魅力を探れ!!」(2008年6月、関西テレビ☆京都チャンネル)。OVA『COBRA THE ANIMATION』ザ・サイコガン 1巻に特典映像として収録。
  9. ^ PC Engine FAN徳間書店)1991年5月号 7ページ