「気体定数」の版間の差分
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[[地球の大気]]は[[窒素]]、[[酸素]]、[[アルゴン]]、[[二酸化炭素]]、[[水蒸気]]などで構成される。地表付近においては水蒸気を除いて組成がほぼ一定であり、この組成での混合気体は乾燥空気と呼ばれる。乾燥空気の平均モル質量は {{math|''M''{{sub|d}} {{=}} {{val|28.966|u=g/mol}}}} なので、乾燥空気の気体定数の値は {{math|''R''{{sub|d}} {{=}} {{val|287|u=J/(kg K)}}}} である<ref>[[#gakugei|気象学概説(学芸大)]]の講義ノート</ref><ref name="satomura">[[#satomura|里村 物理気候学]]の講義ノート</ref><ref name="hanami">[[#hanami|花見 地球大気科学]]の講義ノート</ref>。[[気象学]]の分野で単に気体定数と呼ぶときには乾燥空気の気体定数を指すことが多い<ref name="hanami" />。なお、水蒸気を含む湿潤空気では、水蒸気の濃度が場所や時間で大きく変化するため、水蒸気を別扱いにして表される<ref name="satomura" />。 |
[[地球の大気]]は[[窒素]]、[[酸素]]、[[アルゴン]]、[[二酸化炭素]]、[[水蒸気]]などで構成される。地表付近においては水蒸気を除いて組成がほぼ一定であり、この組成での混合気体は乾燥空気と呼ばれる。乾燥空気の平均モル質量は {{math|''M''{{sub|d}} {{=}} {{val|28.966|u=g/mol}}}} なので、乾燥空気の気体定数の値は {{math|''R''{{sub|d}} {{=}} {{val|287|u=J/(kg K)}}}} である<ref>[[#gakugei|気象学概説(学芸大)]]の講義ノート</ref><ref name="satomura">[[#satomura|里村 物理気候学]]の講義ノート</ref><ref name="hanami">[[#hanami|花見 地球大気科学]]の講義ノート</ref>。[[気象学]]の分野で単に気体定数と呼ぶときには乾燥空気の気体定数を指すことが多い<ref name="hanami" />。なお、水蒸気を含む[[湿潤空気]]では、水蒸気の濃度が場所や時間で大きく変化するため、水蒸気を別扱いにして表される<ref name="satomura" />。 |
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{{See also|空気}} |
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2018年11月4日 (日) 04:27時点における版
モル気体定数 molar gas constant | |
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記号 | R |
値 | 8.3144598(48) J K−1 mol−1[1] |
相対標準不確かさ | 5.7×10−7 |
気体定数(きたいていすう、英: gas constant[2])は、理想気体の状態方程式における係数として導入される物理定数である[3]。理想気体だけでなく、実在気体や液体における量を表すときにも用いられる。
気体定数の測定法としては、低圧の領域で状態方程式から計算する方法もあるが、低圧で音速測定を行い、そこから求めるほうが正確に得られる[3]。
モル気体定数(モルきたいていすう、英: molar gas constant)の値は
モル気体定数は、ボルツマン定数 k のアボガドロ定数 NA 倍である。したがって、2019年5月20日に施行予定の国際単位系(SI)の改定(新しいSIの定義)によって、ボルツマン定数もアボガドロ定数も定義定数となるので、モル気体定数も定義定数となり 1.380649×10−23 J/K × 6.02214076×1023 mol−1 = 8.31446261815324 J·K−1·mol−1 となる。
記号
気体定数の記号は通常 R で表される。なお、R の由来は明確ではないが、「定数」を意味する ラテン語: Ratio が由来であるとする説もある[4]。
導出
ボイルの法則によれば、一定の温度の下で、体積が圧力に逆比例するので
と表される。さらにシャルルの法則により、一定の圧力の下で体積に比例するように温度を定めることができるので
となる。ここで体積の示量性から質量 m に比例するので係数 K も質量 m に比例し
とすれば、この係数 R(X) は気体の種類Xによって決まる定数であり、これが気体定数である。
物質量 n = m/M(X) を導入すれば
となる。この R は係数 M(X) を適当に定めることによって、気体の種類に依らない普遍定数とすることができて、これがモル気体定数である。
乾燥空気
地球の大気は窒素、酸素、アルゴン、二酸化炭素、水蒸気などで構成される。地表付近においては水蒸気を除いて組成がほぼ一定であり、この組成での混合気体は乾燥空気と呼ばれる。乾燥空気の平均モル質量は Md = 28.966 g/mol なので、乾燥空気の気体定数の値は Rd = 287 J/(kg K) である[5][6][7]。気象学の分野で単に気体定数と呼ぶときには乾燥空気の気体定数を指すことが多い[7]。なお、水蒸気を含む湿潤空気では、水蒸気の濃度が場所や時間で大きく変化するため、水蒸気を別扱いにして表される[6]。
性質
定圧モル比熱と定積モル比熱では前者のほうが大きく、その差は気体定数 R に等しく、これはマイヤーの法則と呼ばれている。
脚注
- 出典
- ^ a b CODATA Value
- ^ 『学術用語集<物理学編>』[要ページ番号]
- ^ a b アトキンス『物理化学』 p.20
- ^ 気体定数Rの由来について
- ^ 気象学概説(学芸大)の講義ノート
- ^ a b 里村 物理気候学の講義ノート
- ^ a b 花見 地球大気科学の講義ノート
参考文献
- 文部省・日本物理学会編 編『学術用語集<物理学編>』(増訂版)培風館、1990年9月。ASIN 4563021954。ISBN 978-4563021955。 NCID BN05183934。OCLC 23241821。全国書誌番号:90057219。
- P. W. Atkins 著、千原秀昭・中村亘男 訳『物理化学』 上巻(第6版)、東京化学同人、2001年2月。ASIN 4807905295。ISBN 978-4807905294。 NCID BA50699995。OCLC 676196082。全国書誌番号:20141197。
関連項目
外部リンク
- “CODATA Value: molar gas constant”. NIST (2015年6月25日). 2015年6月27日閲覧。
- “気体定数Rの由来について”. 化学の広場. ニフティ株式会社 (2004年6月2日). 2014年7月15日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年12月29日閲覧。
- “気象学概説 大気の熱力学” (PDF). 気象学研究室. 東京学芸大学. 2016年2月6日閲覧。
- 里村雄彦. “物理気候学 大気の状態方程式” (PDF). OPEN COURSEWARE. 京都大学. 2016年2月6日閲覧。
- 花見仁史. “地球大気科学 大気の熱力学”. 人文社会科学部. 岩手大学. 2016年2月6日閲覧。
- オンライン学術用語集 - 検索欄に「気体定数」と入力して検索結果の「気体定数」をクリックすれば気体定数に関する基礎情報の閲覧が可能である。
- ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典『気体定数』 - コトバンク