「ジュドウマクラ」の版間の差分

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|画像キャプション =
|名称='''ジュドウマクラ'''
| 地質時代 =
|界=[[動物界]] [[w:Animalia|Animalia]]
| 地質時代2 =
|門=[[軟体動物門]] [[w:Mollusca|Mollusca]]
| = [[動物界]] [[w:Animalia{{sname||Animalia]]}}
|綱=[[腹足綱]] [[w:Gastropoda|Gastropoda]]
| = [[軟体動物門]] [[w:Mollusca{{sname||Mollusca]]}}
|亜綱=[[直腹足亜綱]] [[w:Orthogastropoda|Orthogastropoda]]
|上目= [[新生腹足上目]] [[w:Caenogastropoda{{sname|Caenogastropoda]]|Gastropoda}}
|亜綱階級なし = [[新生腹足類]] {{sname||Caenogastropoda}}
|目=[[吸腔目]] [[w:Sorbeoconcha|Sorbeoconcha]]
|階級なし = [[高腹足亜目]] [[w:Hypsogastropoda{{sname||Hypsogastropoda]]}}
|下目階級なし = [[新腹足下目]] [[w:Neogastropoda{{sname||Neogastropoda]]}}
|上科=[[マクラガイ上科]] [[w:Olivoidae{{sname||Olivoidae]]}}
|科=[[マクラガイ科]] [[w:Olividae{{sname||Olividae]]}}
|亜科=[[マクラガイ亜科]] [[w:Olivinae{{sname||Olivinae]]}}
|属= {{snamei||Miniaceoliva}} Petuch & Sargent, 1986
|属=[[マクラガイ属]] ''[[w:Oliva|Oliva]]''
|学名=''Oliva {{snamei||Miniaceoliva miniacea''}} <br/>({{auy|Röding, [[1798年|1798]]}}) <ref name=Roeding,1798/>
|和名=ジュドウマクラ(寿童枕)
|英名=
[[File:Oliva miniacea.shell002.jpg|thumb|220px|螺塔の高い個体<br/>殻口内の橙色が本種の特徴の一つ。ただし幼貝のうちは暗紫褐色。]]
[[File:Oliva miniacea 004 (spire) from Okinawa.jpg|thumb|220px|螺塔部の各螺層の側面は決して膨らまず、普通は弧抉するのも本種の識別点。]]
'''ジュドウマクラ''' (寿童枕、壽童枕[[学名]]:{{snamei|OlivaMiniaceoliva miniacea}})は [[マクラガイ科]]に分類される[[巻貝]]の一種。[[インド太平洋]]の暖流域の浅海に生息する。この海域では最も普通なマクライガイ類の一つ。
属 ''Miniaceoliva'' Petuch et Sargent, 1986 のタイプ種であるが、亜属まで示されることは少ない
 
寿童とは[[枕慈童]]などで知られる不老長寿の仙童・慈童のこと。和名には「ガイ」を付けてジュドウマクラガイとする場合もある。種小名 ''miniacea'' は[[ラテン語]]で「朱色の-」の意で、成貝の殻口内部の色を表したもの。中国名は{{lang|zh|橙口榧螺}}。
 
==分布==
[[インド太平洋|インド-西太平洋]]: 
[[インド太平洋]]: 日本([[紀伊半島]]以南)、[[東シナ海]]、[[フィリピン]]、[[オーストラリア]]にかけての太平洋中西部からインド洋にかけての暖海域に分布する<ref name=Higo1993>肥後俊一・後藤芳央 (1993) 『日本及び周辺地域産軟体動物総目録』 (株)エル貝類出版局、[[八尾市]]. (p.248)</ref><ref name=Tsuchida2000>土田英治 (2000) マクラガイ科. pp.522-531, pl.260-264. in 奥谷喬司(編) 『日本近海産貝類図鑑』 東海大学出版会 (p.531)</ref>。ただしインド洋はタイ沿岸までで、それより以西のものは亜種 ''O. m. tremulina'' か、ジュドウマクラと混同されてきた ''O. ponderosa'' という別種だとされる<ref name=Hunton2009>Hunton, C., Hoarau A., & Robin, A. (2009) ''OLIVIDAE (Mollusca, Gastropoda)'' Xenophora/ConchBooks. ISBN 978-3-939767-22-0 (p.114-120)</ref>。
:日本([[紀伊半島]]以南)、[[東シナ海]]、[[フィリピン]]、[[オーストラリア]]にかけての太平洋西部から[[インド洋]]にかけての暖海域に分布する<ref name=Higo&Goto,1993/><ref name=Tsuchida,2000/><ref name=Tsuchida&Kubo,2017/>。ただしインド洋は[[タイ王国|タイ]]沿岸までで、それより以西の記録は、別種である {{snamei||Miniaceoliva tremulina}} や {{snamei||Oliva ponderosa}} を本種と混同したものだという<ref name=Hunton,2009/>。
 
なお[[江戸時代]]の貝類図譜『目八譜』([[武蔵石寿]]著)には「[[紀州]] [[相州]] [[房州]] 其外海辺ニ産ス」<ref name=Musashi>[[武蔵石壽]] (1843) 『目八譜』 九巻 42-43丁 [{{NDLDC|1287304/45}} 「<small>四十九</small> 壽童枕」]</ref>とあり、千葉県神奈川県周辺にも産するように書いてあるが、当時の証拠標本の所在等が不明なためれらが同種の情報の正否も不明であるかどうかは不確実
 
==形態==
<ref name=Hunton2009Hunton,2009/><ref name=Tsuchida2000Tsuchida,2000/>
;大きさと全形
 
:通常は殻高50(殻長)50-80mm、時に95mm以上となりマクラガイ科では[[インド太平洋ニシキマクラ]]の ''Oliva'' 属では[[オオジュドウマクラ]]に次いで形種型になる。殻は厚く、上下がやや細まった円筒形、螺塔は低く、体層(最終螺層のこと)が殻高の大部分を占める。表面は全体に非常に滑らかで光沢があり、砂中に潜るために通常は付着物などが付いていない
:殻頂は尖り、螺塔部の各螺層の側面は多少なりとも弧抉する(弧状にえぐれる)のが一般的で、少なくとも膨らむことはない(ただし。ときに螺塔が非常に低い個体では次層の滑層が被って一見膨らんでいるように見える場合もあるが、螺層自体は膨らんでいない。縫合は狭く深い溝状を呈する。殻底には深く切れ込んだ水管溝があり、生時はこの溝にフィラメントと呼ばれる糸状の感覚触手を巻きつける。
 
;殻表彫刻
殻頂は尖り、各螺層の側面は多少なりとも弧抉するのが一般的で、少なくとも膨らむことはない(ただし螺塔が非常に低い個体では次層の滑層が被って一見膨らんでいるように見える場合もあるが、螺層自体は膨らんでいない)。縫合は狭く深い溝状を呈する。殻底には深く切れ込んだ水管溝がある。
:表面は全体に非常に滑らかで光沢があり、砂中に潜るために通常は付着物などが付いていない。
 
;殻口
殻口は内唇から軸唇にかけて細かい斜めの襞が多数あるが、あまり強くはない。外唇縁は単純で成貝では丸みを帯びて滑らかだが、成長途中のものは薄く鋭い。殻口内の色も変異するが、成貝では通常内部が濃い橙色となるのが顕著な特徴の一つで、類似種との識別に役立つ。ただし幼貝では暗褐色や紫褐色のこともあり殻口内の色のみによる同定は難しい場合がある。またインド洋に分布し、本種の亜種とされる ''O. miniacea tremulina'' ("シリタカマクラ")は成貝の殻口内部が白い。
:殻口は内唇から軸唇にかけて細かい斜めの襞が多数あるが、あまり強くはない。外唇縁は単純で成貝では丸みを帯びて滑らかだが、成長途中のものは薄く鋭い。殻口下端(前端)には深く切れ込んだ水管溝がある。
 
;殻色
:殻表の斑紋には変異が多いが、最も普通なのはクリーム色や淡褐色の地に褐色のジグザグ模様があり、体層の上中下に模様が濃くなった色帯を3本めぐらすもの。ジグザグ模様は多少ぼけた感じになることが多く、その色が橙色がかったり紫がかったりすることもある。斑紋の強弱も変異し、時には強く発達して全体がほとんど黒褐色になるものもある。
 
殻口は内唇から軸唇にかけて細かい斜めの襞が多数あるが、あまり強くはない。外唇縁は単純で成貝では丸みを帯びて滑らかだが、成長途中のものは薄く鋭い。:殻口内の色も変異するが、成貝では通常内部が濃い橙色となるのが顕著な特徴の一つで、類似種との識別に役立つ。ただし幼貝では暗褐色や紫褐色のこともあり殻口内の色のみによる同定は難しい場合がある。またインド洋に分布するとされ、本種の亜種とされたこともあ''O. miniacea{{snamei||Miniaceoliva tremulina''}} ("シリタカマクラ")は成貝の殻口内部が白い。
蓋はない( ''Oliva'' 属の特徴)
;蓋
 
:蓋はない( マクラガイ亜科 {{sname||Olivinae}} に共通)
軟体は大きく、淡灰色-淡褐色の地に白色や暗色の斑紋を多数散らし、砂地に似た色彩になっている。他の ''Oliva'' 属諸種と同様に足は前後に分かれており、それぞれ上方が葉状に伸びて殻の一部を被うようになっている。頭は小さく1対の先が尖った触角があり、触角の中ほどの外側に眼がある。外套膜の後方にはフィラメントと呼ばれる触手状に伸びた部分があり、殻の縫合の溝に巻き付けている。これは一種の感覚器官で、砂中に潜るときに殻頂まで完全に埋没したかどうかを感知するための感覚器官だと考えられている。外套膜の前方は象の鼻のように伸びて長い水管を形成し、その付け根の横にある触手状に伸びた部分を殻表に寝かせている。
;軟体
 
:軟体は大きく、淡灰色-淡褐色の地に白色や暗色の斑紋を多数散らし、砂地に似た色彩になっている。他の ''Oliva'' 属諸種と同様に足は大きく前後に分かれてお、前足と呼ばれる前端部は左右に広がり、それぞ中央に細い溝がある。後足は左右に側足と呼ば上方葉状に伸び広がる部分をもち、これで殻の一部を左右から被うようになっ活動する。頭は小さく1対の先が尖った触角があり、触角の中ほどの外側に眼がある。外套膜の後方にはフィラメントと呼ばれる触手状に伸びた部分があり、殻の縫合の溝に巻き付けている。これは一種の感覚器官で、砂中に潜るときに殻頂まで完全に埋没したかどうかを感知するための感覚器官だと考えられている。外套膜の前方は象の鼻のように伸びて長い水管を形成し、その付け根の横にある触手状に伸びた部分を殻表に寝かせている。
歯舌は中歯1個とその左右に側歯が1個ずつあり、この3個を1組とする狭舌型。中歯は3歯尖、側歯は1歯尖で多少湾曲したような三角形、もしくは猫の爪のような形である。
;[[歯舌]]
:歯舌は中歯1個とその左右に側歯が1個ずつあり、この3個を1組とする狭舌型。中歯は3歯尖、側歯は1歯尖で多少湾曲したような三角形、もしくは猫の爪のような形である。
 
==生態==
[[潮間帯-]]から水深20mくらいまでの砂底に生息する<ref name=Tsuchida,2000/><ref name=Tsuchida&Kubo,2017/>この仲間グループの一般的生態として普段は砂に半ば埋もれ、水管を上方に伸出させて生活する。肉食で、他の動物の死体などを食べるほか、砂地を這いながら他の二枚貝や同類の貝なども捕食する。貝を捕食する場合は、後の裏面押さえ込むように捕まえて砂の中で食べるという。雌雄異体で交尾して受精し、数十個の卵が入った卵嚢を産卵する。卵嚢は球形、固着性はなく潮流で移動拡散する<ref name=Hunton,2009/>
<ref name=Hunton2009/>
 
潮間帯-20mの砂底に生息する。この仲間は普段は砂に半ば埋もれ、水管を上方に伸出させて生活する。肉食で、他の動物の死体などを食べるほか、砂地を這いながら他の二枚貝や同類の貝なども捕食する。貝を捕食する場合は足で捕まえて砂の中で食べるという。雌雄異体で交尾して受精し、数十個の卵が入った卵嚢を産卵する。卵嚢は球形、固着性はなく潮流で移動拡散する。
 
==分類==
:Martini & Chemnitz (1773) ''Neues systematisches Conchylien-Cabinet'' 2 Bd. Taf.45, figs.476-477([http://www.archive.org/stream/neuessystematisc21773mart#page/n415/mode/2up インターネットアーカイブ])
 
===属の分類===
本種ジュドウマクラ属 ''Miniaceoliva'' Petuch et Sargent, 1986 のタイプ種であるため細分する場合本属当初 {{Oliva}} 属の亜属に分類として創設される。したため、20世紀し本科ら21世紀初頭まで亜属ほとんど分類資料でジュドウマクラ未だ ''Oliva'' 属に置かれていた。その後2010年代人為的で不明瞭部分があ独立の属に昇格され分子系統解析も交えたマクラガイ上科の再検討が必要だとされを行ったKantorら(2017)<ref name=Hunton2009Kantor&al.,2017/>、普通は単に ''Oliva'' も独立の属として扱われっていことが多い
 
===亜種の分類===
斑紋などに変異が多く、いくつかの亜種に分けられることがあるが、時期や研究者によって分け方などが異なる。海産動物のデータベース「WoRMS」では下記のように2010年時点では4亜種に区分されていたが、2017年版ではそれらのうち3亜種が別種扱いとなり、十分ジュドウマクラには全く亜種が認められていない<ref name=Worms,2017/>。また日本の代表的結論貝類図鑑である「日本近海産貝類図鑑(第二版)」で、かつて日本で亜種とされることが多かったムラサキジュドウマクラを、褐色斑の少ない単なる色彩変異とし、やはり亜種は認めていない<ref name=Tsuchida&Kubo,2017/>これらも含め、以下にいくつかの分類例を示す挙げる
 
;分類例1:
:海産動物のデータベース「WoRMS」の2010年版 <ref name=Worms,2010/>では下記の4亜種を区別している;
:海産動物のデータベース「WoRMS」は下記の4亜種に分けている<ref>WoRMS (2010). ''Oliva miniacea'' (Röding, 1798). In: Bouchet, P.; Gofas, S.; Rosenberg, G. (2010) World Marine Mollusca database. Accessed through: World Register of Marine Species at http://www.marinespecies.org/aphia.php?p=taxdetails&id=208379  (2011年5月17日閲覧)</ref>;
:*''Oliva miniacea berti'' Terzer, 1986 
:*''Oliva miniacea flammeacolor'' Petuch & Sargent, 1986 
:*''Oliva miniacea miniacea'' (Röding, 1798) ジュドウマクラ
:*''Oliva miniacea tremulina'' Lamarck, 1811 "シリタカマクラ"
:
:海産動物のデータベース「WoRMS」の2017年版 <ref name=Worms,2017/>では、上記で分けられていた4亜種のうち ''berti'' はジュドウマクラの異名に、他はそれぞれ独立種とされており、ジュドウマクラ自体に亜種区分はないという見解が示されている。
:
;分類例2:
:Hunton ら(2009)のマクラガイ属の図鑑「''OLIVIDAE (Mollusca, Gastropoda)''」<ref name=Hunton2009Hunton,2009/>では ''miniacea miniacea'' (ジュドウマクラ)と ''miniacea tremulina'' ("シリタカマクラ")の2亜種しか認めず、多数の学名を両亜種の[[シノニム|異名]]と見なしているが、その一部には「forma (型)」として説明も加えている。以下がその概要である;
:*''Oliva miniacea miniacea'' (Röding, 1798) ジュドウマクラ (原名亜種) 
::*異名は以下のとおり;
:*''Oliva irisans erythrostoma'' Lam. 亜種 ムラサキジュドウマクラ(新称) (図版7 図29-30)
:*''Oliva'' sp. シリタカマクラ(新称) (図版7 図32)
:この分類ではジュドウマクラは4亜種に分けられ、近縁種としてシリタカマクラも一緒に図示されている。ここでジュドウマクラに充てられている ''irisans'' という学名は Huntonら (2009)<ref name=Hunton2009Hunton,2009/>の分類では、別種の[[ヌメリマクラ]]に充てられ、クチムラサキジュドウマクラの学名 ''concinna'' はインド洋の固有種(タオヤカマクラという和名がある)に、オオジュドウマクラの ''tremulina'' という学名はやはりインド洋のみに分布するジュドウマクラの亜種に充てられている。またムラサキジュドウマクラの ''erythrostoma'' はジュドウマクラの単なる型としてシノニムとされている。日本での分類では、クチムラサキジュドウマクラという和名はその後ほとんど使用されておらず詳細は不明、次のオオジュドウマクラは別種 ''Oliva sericea'' として扱われ、最後のムラサキジュドウマクラは21世紀でも亜種もしくは型とみなされている。またこの分類で学名不詳の独立種として新和名が提唱されたシリタカマクラは、いまだに分類が確定していないのは上記のとおりである('''分類例3'''を参照)。
 
===近似種===
一見似たものが多いが殻口内の橙色と螺層側面の形状を目安にすれば識別しやすい。
;[[オオジュドウマクラ]] ''Oliva sericea'' (Roeding, 1798)  
:一見ジュドウマクラに似ているが、本種では殻口全体が内外ともに淡肉色なのが一般的、内唇、外唇、殻口内ともに大差濃くなる場合でのジュドウマクラほど明瞭な橙色にならないこと(ジュドウマクラは普通内唇や外唇よりも内奥部が明らかに濃い橙色になる)、螺塔上部の各螺層の側面が丸みを帯びて多少なりとも弧膨する(弧状に膨らむ)こと(ジュドウマクラでは普通は弧抉して弱い凹面になるか時に直線的、しかし膨らむことはない)などで識別できる。また模様がより細かい傾向があることと、体層側面がやや膨らむ傾向があることでも相違するが、この2点には変異もあるため飽くまでも参考である。最大では110mmほどになりジュドウマクラより大成する個体があるが、十分成長したもの以外大きさは全く当てにならない。名前は大-ジュドウであるが、実際に殻形は[[クチベニマクラ]]に似ており、それを巨大にして口縁の色を淡くしたような外観をもつ。
;[[ヌメリマクラ]] ''Oliva irisans'' Lamarck, 1811
:斑紋、殻形、大きさなども似ているが、殻口内は橙色にならず、螺塔の大部分が滑層に覆われるため、螺層の最終層以外の縫合には溝がないことで識別できる。
==人との関係==
;利用
:殻は観賞用となる<ref name=Taki1957>滝庸(1957) in 岡田要・滝庸(著者代表)『原色動物大図鑑 第III巻 棘皮・毛顎・前肛・軟体動物』(p.138, pl.67, fig. 10)</ref>。
;毒
:一般には食用にされないが、[[台湾]]では[[フグ毒]](弱毒-強毒:約150 MU/個体)による中毒例も報告されている<ref>[http://www.mhlw.go.jp/topics/syokuchu/poison/animal_15.html ジュドウマクラ(台湾産):フグ毒] -- 厚生労働省 自然毒のリスクプロファイル (2011年7月30日閲覧)</ref>。日本での中毒例の報告はないが、食用利用には注意が必要である。
[[File:Judo-Makura.jpg|thumb|180px|'''壽童枕'''「貝殻断面図案一」(平瀬,1913)より]]
[[ファイル:Kume-no-Sen'nin & Kiku-Judou by Kunichika Toyohara 1866.jpg|thumb|180px|きく壽童(右)と[[久米仙人]]<br/>『長生殿枕の兼言』([[豊原国周]], 1866)より]]
ジュウドウマクラという和名は、江戸後期の貝類図鑑『目八譜』で著者の[[武蔵石壽]]が「通称」として採用した「壽童枕」が最初である<ref name=Musashi/>。明治後期になり、[[岩川友太郎|岩川]](1900)<ref>[[岩川友太郎]](編)(1900)『東京帝室博物館天産部海産貝類標本目録 第壱編(頭足類翼足類及櫛鰓類)』 p.31 name=Iwakawa, no.369. <1900/ref>が[[帝室博物館]]の貝類標本リストを出版した際にこれを本種の和名として正式に採用した。その後は、[[平瀬與一郎|平瀬]](1913)<ref>平瀬與一郎 (name=Hirase,1913) 『貝殻断面図案 第一』 芸艸堂</ref>や[[滝庸|滝]](1957)<ref name=Taki1957/>なども同じ漢字表記で本種を図示している。従って昭和-平成期の一部書籍にある「授童枕」(1933)<ref>浅野彦太郎 (name=Asano,1933) 『分類水産動物図説 』 太陽堂 (p.365)</ref>や「寿頭枕」(1993)<ref name=Higo1993Higo&Goto,1993/>などの表記は、意味が不明である上に時系列的にも採用されない<ref>ネット上などに見られる「寿頭枕」と表記して[[寿老人]]や[[福禄寿]]の頭の形に由来するという説は牽強付会の奇説。</ref>。
 
寿童とは、本来は慈童という名の[[枕]]の縁で童子姿のまま不老長寿となった仙童のことで、[[慈童説話]]として知られている。慈童は「[[枕慈童]]」や「[[菊慈童]]」として[[謡曲]]、[[長唄]]、[[日本画|画]]の題材などにもなり、下って『目八譜』が編纂された江戸後期には慈童説話から[[スピンオフ]]したキャラクターとして「菊寿童」や「きく寿童」の名で、他の不老長寿のキャラクターとともに芝居などにも登場した。慈童説話で最も有名な例の一つは『[[太平記]]』巻十三の「龍馬進奏事」にある次のような話である;
 
== 出典・脚注 ==
 
{{脚注ヘルプ}}
<!--【著者名アルファベット順】-->
{{Reflist}}
 
<div class= "references-small">
{{reflist|refs=
<ref name=Asano,1933>浅野彦太郎 (1933) 『分類水産動物図説 』 太陽堂 (p.365)</ref>
 
<ref name=Higo&Goto,1993>
肥後俊一・後藤芳央 (1993) 『日本及び周辺地域産軟体動物総目録』 (株)エル貝類出版局、[[八尾市]]. (p.248)</ref>
 
<ref name=Hunton2009/Hirase,1913>
平瀬與一郎 (1913) 『貝殻断面図案 第一』 芸艸堂</ref>
 
<ref name=Hunton,2009>
Hunton, C., Hoarau A., & Robin, A. (2009) ''OLIVIDAE (Mollusca, Gastropoda)'' Xenophora/ConchBooks. ISBN 978-3-939767-22-0 (p.114-120)</ref>。
 
<ref name=Musashi>
[[武蔵石壽]] (1843) 『目八譜』 九巻 42-43丁 [{{NDLDC|1287304/45}} 「<small>四十九</small> 壽童枕」]
</ref>
<ref name=Iwakawa,1900>
[[岩川友太郎]](編)(1900)『東京帝室博物館天産部海産貝類標本目録 第壱編(頭足類翼足類及櫛鰓類)』 p.31, no.369. </ref>
 
<ref name=Kantor&al.,2017>
{{cite journal |author=Kantor Yu.I. |author2=Fedosov A.E. |author3=Puillandre N. |author4=Bonillo C. |atuhor5=Bouchet P. |date=2017 |title=Returning to the roots: morphology, molecular phylogeny and classification of the Olivoidea (Gastropoda: Neogastropoda) |journal=Zoological Journal of the Linnean Society |voume=180 |issue=3 |pages=493-541 |doi=10.1093/zoolinnean/zlw003}}
</ref>
 
<ref name=Roeding,1798>
Röding P. F. (1798). ''Museum Boltenianum sive Catalogus cimeliorum e tribus regnis naturae quae olim collegerat Joa. Fried. Bolten M. D. p. d. Pars secunda continens Conchylia sive Testacea univalvia, bivalvia et multivalvia''.: p.33, sp.391 ([http://biodiversitylibrary.org/page/11067350 Biodiversity Heritage Library])</ref>
 
<ref name=Taki1957>滝庸(1957) in 岡田要・滝庸(著者代表)『原色動物大図鑑 第III巻 棘皮・毛顎・前肛・軟体動物』(p.138, pl.67, fig. 10)</ref>
 
<ref name=Tsuchida,2000>
{{Cite book |author =土田英治 |year=2000 |title =''マクラガイ科 (p.522-531, pl.260-264)'' in ''奥谷喬司(編) 『日本近海産貝類図鑑』''|publisher =[[東海大学出版会|東海大学出版部]] |pages =1173('''p.531''') |isbn =4-486-01406-5 }}</ref>
 
<ref name=Tsuchida&Kubo,2017>
{{Cite book |author =土田英治・久保弘文 |year=2017 |title =''マクライガイ科 (p.334-336 [pls.290-292], 997-999)'' in ''奥谷喬司(編著)『日本近海産貝類図鑑 第二版』''|publisher =[[東海大学出版会|東海大学出版部]] |pages =1375 ('''p.335 [pl.291 fig.6], 998-999''') |isbn =978-4486019848 }}
</ref>
<ref name=Worms,2010>
:海産動物のデータベース「WoRMS」は下記の4亜種に分けている<ref>WoRMS (2010). ''Oliva miniacea'' (Röding, 1798). In: Bouchet, P.; Gofas, S.; Rosenberg, G. (2010) World Marine Mollusca database. Accessed through: World Register of Marine Species at http://www.marinespecies.org/aphia.php?p=taxdetails&id=208379  (2011年5月17日閲覧)</ref>
 
<ref name=Worms,2017>
Bouchet, P. (2017). Miniaceoliva Petuch & Sargent, 1986. In: MolluscaBase (2017). Accessed through: World Register of Marine Species at http://www.marinespecies.org/aphia.php?p=taxdetails&id=815505 on 2017-12-20 (2017年12月20日閲覧)</ref>
 
}}
 
==外部リンク==
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