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[[ファイル:高雄武德殿正門.jpg |thumb |出入口のポーチ。室内の奥には神棚が見える。出入口には賽銭箱まである]]
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'''高雄市武徳殿'''(たかおしぶとくでん<!--facebookもbutokudenつづり-->、{{Lang-zh|高雄市武德殿}})は[[台湾]]の[[高雄市]][[鼓山区]]にある[[武徳殿]]<ref name="boch">{{Cite web |url=https://nchdb.boch.gov.tw/assets/overview/monument/19990525000002 |title=武德殿 |publisher=[[文化部文化資産局]] |accessdate=2017-11-26}}</ref>。武徳殿とは[[日本統治時代の台湾|日本による台湾統治の時代]]において各地に建設された武道鍛錬のための建物の種別名であり、の武徳殿は'''振武館'''と名付けられていた<ref name="fukuro2010_pp134-135">{{Citation |和書 |last=王 |first=恵君 |last2=二村 |first2=悟 |last3=後藤 |first3=治 監修 |title=図説台湾都市物語 : 台北・台中・台南・高雄 |series=ふくろうの本 |publisher=河出書房新社 |year=2010 |url=http://ci.nii.ac.jp/ncid/BB01154634 |pages=134-135}}</ref>。高雄市の[[台湾古跡一覧|市定古蹟]]は単に'''武徳殿'''として登録されている<ref name="boch" />。
'''高雄市武徳殿'''(たかおしぶとくでん<!--facebookもbutokudenつづり-->、{{Lang-zh|高雄市武德殿}})は[[台湾]]の[[高雄市]][[鼓山区]]にある[[武徳殿]]<ref name="boch">{{Cite web |url=https://nchdb.boch.gov.tw/assets/overview/monument/19990525000002 |title=武德殿 |publisher=[[文化部文化資産局]] |accessdate=2017-11-26}}</ref>。武徳殿とは[[日本統治時代の台湾|日本による台湾統治の時代]]において各地に建設された武道鍛錬のための建物の種別名であり、本項目の武徳殿は'''振武館'''と名付けられていた<ref name="fukuro2010_pp134-135">{{Citation |和書 |last=王 |first=恵君 |last2=二村 |first2=悟 |last3=後藤 |first3=治 監修 |title=図説台湾都市物語 : 台北・台中・台南・高雄 |series=ふくろうの本 |publisher=河出書房新社 |year=2010 |url=http://ci.nii.ac.jp/ncid/BB01154634 |pages=134-135}}</ref>。高雄市の[[台湾古跡一覧|市定古蹟]]としては単に'''武徳殿'''として登録されている<ref name="boch" />。


1924年創建で、当時は[[台湾総督府]][[高雄州]][[府県警察部|警務路]](警務部<ref name="tva.org.tw">{{Cite web |url=http://www.tva.org.tw/Upload/publication_483.pdf |title=台灣観光月刊 vol.483 |publisher=台灣觀光協會 |format=PDF |page=22 |year=2008 |accessdate=2017-11-26}}</ref>)の武徳会支部の所有であった<ref name="fukuro2010_pp134-135" />。武徳殿の運営組織[[大日本武徳会]]は縦型の組織割りであったが、高雄の武徳殿は高雄州におかれた各郡支部を統括する「州庁級」の位置づけであったという<ref name="tva.org.tw" />。戦後は高雄市鼓山小学校({{Zh|鼓山國小}})の管理下に置かれ<ref name="tva.org.tw" />、職員宿舍として使用されたもののやがて放置され荒れ果てていたが、1999年5月25日公告の市定古蹟となり、2003年から修復工事が行われ翌2004年完了、2005年より{{Zh|社團法人高雄市劍道文化促進會}}に運営を委託されている<ref name="boch" />。台湾に現存する武徳殿のほとんどが他の用途(文化施設や忠烈祠、さらにはレストランなど)に転用されている一方で、高雄市武徳殿は武道場として利用されるようになっており、日本との親善試合なども行われている<ref name="kata2009">{{Citation |和書 |last=片倉 |first=佳史 |authorlink=片倉佳史 |title=台湾に生きている「日本(にっぽん)」 |isbn=9784396111496 |series=[[祥伝社新書]] |url=https://books.google.co.jp/books?id=F6WNPgAACAAJ |year=2009 |publisher=[[祥伝社]]}}電子版([[楽天kobo]])にて閲覧。「大渓武徳殿」の節。</ref>。
1924年創建で、当時は[[台湾総督府]][[高雄州]][[府県警察部|警務路]](警務部<ref name="tva.org.tw">{{Cite web |url=http://www.tva.org.tw/Upload/publication_483.pdf |title=台灣観光月刊 vol.483 |publisher=台灣觀光協會 |format=PDF |page=22 |year=2008 |accessdate=2017-11-26}}</ref>)の武徳会支部の所有であった<ref name="fukuro2010_pp134-135" />。武徳殿の運営組織[[大日本武徳会]]は縦型の組織割りであったが、高雄の武徳殿は高雄州におかれた各郡支部を統括する「州庁級」の位置づけであったという<ref name="tva.org.tw" />。戦後は高雄市鼓山小学校({{Zh|鼓山國小}})の管理下に置かれ<ref name="tva.org.tw" />、職員宿舍として使用されたもののやがて放置され荒れ果てていたが、1999年5月25日公告の市定古蹟となり、2003年から修復工事が行われ翌2004年完了、2005年より{{Zh|社團法人高雄市劍道文化促進會}}に運営を委託されている<ref name="boch" />。台湾に現存する武徳殿のほとんどが他の用途(文化施設や忠烈祠、さらにはレストランなど)に転用されている一方で、高雄市武徳殿は武道場として利用されるようになっており、日本との親善試合なども行われている<ref name="kata2009">{{Citation |和書 |last=片倉 |first=佳史 |authorlink=片倉佳史 |title=台湾に生きている「日本(にっぽん)」 |isbn=9784396111496 |series=[[祥伝社新書]] |url=https://books.google.co.jp/books?id=F6WNPgAACAAJ |year=2009 |publisher=[[祥伝社]]}}電子版([[楽天kobo]])にて閲覧。「大渓武徳殿」の節。</ref>。
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鼓山小学校の北側に建っているが、出入口のポーチ前にそれを隠すほどの大きな[[ガジュマル]]も立っている<ref>以下、本段落は特記ない限り前掲 {{harv|王|二村|後藤|2010|pp=134-135}} による。</ref>。建物右手の階段をのぼると街路より高いレベルにあるウッドデッキと出入口に至る。全体の姿をみれば[[近代和風建築]]に分類される[[平屋]]ではあるが、外壁は[[煉瓦造]]。[[入母屋造]]の[[平入]]屋根を戴く。建材の煉瓦は台湾煉瓦株式会社打狗工場製という。ポーチの柱は[[エンタシス]]をもつ[[トスカナ式オーダー]]3本組4セットで、[[唐破風]]の屋根を支持する。湿気の多い土地柄ゆえ、換気に気をつかったためか壁面には多くの窓をもつ。内部の小屋組は[[トラス]]構造を見せ、内壁や床は先述の2004年完了の工事においてリフォームされている。
鼓山小学校の北側に建っているが、出入口のポーチ前にそれを隠すほどの大きな[[ガジュマル]]も立っている<ref>以下、本段落は特記ない限り前掲 {{harv|王|二村|後藤|2010|pp=134-135}} による。</ref>。建物右手の階段をのぼると街路より高いレベルにあるウッドデッキと出入口に至る。全体の姿をみれば[[近代和風建築]]に分類される[[平屋]]ではあるが、外壁は[[煉瓦造]]。[[入母屋造]]の[[平入]]屋根を戴く。建材の煉瓦は台湾煉瓦株式会社打狗工場製という。ポーチの柱は[[エンタシス]]をもつ[[トスカナ式オーダー]]3本組4セットで、[[唐破風]]の屋根を支持する。湿気の多い土地柄ゆえ、換気に気をつかったためか壁面には多くの窓をもつ。内部の小屋組は[[トラス]]構造を見せ、内壁や床は先述の2004年完了の工事においてリフォームされている。


住所表記は{{Zh|高雄市鼓山區登山街36號}}。[[西子湾駅]]から出ているバスの文化公社・哈瑪星線隣の停留所、武徳殿下車<ref>{{Cite web |url=http://www.taipeinavi.com/special/5046615 |title=市内観光循環バス「文化公車」で便利&お得な高雄観光 哈瑪星線編(1) |publisher=株式会社台湾ナビ |date=2013-06-17 |accessdate=2017-11-26}}</ref>。または[[高雄駅]]より、1・31・50・99・248橘線・柴山専車バスで鼓山市場停留所か中山大学停留所下車<ref name="tva.org.tw" />。
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== 脚注 ==
== 脚注 ==

2017年12月1日 (金) 13:37時点における版

高雄市武徳殿。右手の階段を上ると出入口レベルへ至る
出入口のポーチ。室内の奥には神棚が見える。出入口には賽銭箱まである

高雄市武徳殿(たかおしぶとくでん、中国語: 高雄市武德殿)は台湾高雄市鼓山区にある武徳殿[1]。武徳殿とは日本による台湾統治の時代において各地に建設された武道鍛錬のための建物の種別名であり、本項目の武徳殿は振武館と名付けられていた[2]。高雄市の市定古蹟としては単に武徳殿として登録されている[1]

1924年創建で、当時は台湾総督府高雄州警務路(警務部[3])の武徳会支部の所有であった[2]。武徳殿の運営組織大日本武徳会は縦型の組織割りであったが、高雄の武徳殿は高雄州におかれた各郡支部を統括する「州庁級」の位置づけであったという[3]。戦後は高雄市鼓山小学校(鼓山國小)の管理下に置かれ[3]、職員宿舍として使用されたもののやがて放置され荒れ果てていたが、1999年5月25日公告の市定古蹟となり、2003年から修復工事が行われ翌2004年完了、2005年より社團法人高雄市劍道文化促進會に運営を委託されている[1]。台湾に現存する武徳殿のほとんどが他の用途(文化施設や忠烈祠、さらにはレストランなど)に転用されている一方で、高雄市武徳殿は武道場として利用されるようになっており、日本との親善試合なども行われている[4]

鼓山小学校の北側に建っているが、出入口のポーチ前にそれを隠すほどの大きなガジュマルも立っている[5]。建物右手の階段をのぼると街路より高いレベルにあるウッドデッキと出入口に至る。全体の姿をみれば近代和風建築に分類される平屋ではあるが、外壁は煉瓦造入母屋造平入屋根を戴く。建材の煉瓦は台湾煉瓦株式会社打狗工場製という。ポーチの柱はエンタシスをもつトスカナ式オーダー3本組4セットで、唐破風の屋根を支持する。湿気の多い土地柄ゆえ、換気に気をつかったためか壁面には多くの窓をもつ。内部の小屋組はトラス構造を見せ、内壁や床は先述の2004年完了の工事においてリフォームされている。

住所表記は高雄市鼓山區登山街36號。交通アクセスについて、西子湾駅から出ているバスの文化公社・哈瑪星線に乗りすぐ隣の停留所、武徳殿下車[6]。または高雄駅より、1・31・50・99・248橘線・柴山専車バスで鼓山市場停留所か中山大学停留所下車[3]

脚注

  1. ^ a b c 武德殿”. 文化部文化資産局. 2017年11月26日閲覧。
  2. ^ a b 王恵君; 二村悟; 後藤治 監修『図説台湾都市物語 : 台北・台中・台南・高雄』河出書房新社〈ふくろうの本〉、2010年、134-135頁http://ci.nii.ac.jp/ncid/BB01154634 
  3. ^ a b c d 台灣観光月刊 vol.483” (PDF). 台灣觀光協會. p. 22 (2008年). 2017年11月26日閲覧。
  4. ^ 片倉佳史台湾に生きている「日本(にっぽん)」祥伝社祥伝社新書〉、2009年。ISBN 9784396111496https://books.google.co.jp/books?id=F6WNPgAACAAJ 電子版(楽天kobo)にて閲覧。「大渓武徳殿」の節。
  5. ^ 以下、本段落は特記ない限り前掲 (王, 二村 & 後藤 2010, pp. 134–135) による。
  6. ^ 市内観光循環バス「文化公車」で便利&お得な高雄観光 哈瑪星線編(1)”. 株式会社台湾ナビ (2013年6月17日). 2017年11月26日閲覧。

外部リンク

座標: 北緯22度37分29秒 東経120度16分21秒 / 北緯22.62466度 東経120.27240度 / 22.62466; 120.27240