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* [http://www.webdoku.jp/ WEB本の雑誌 / 本の雑誌公式サイト]
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2017年9月5日 (火) 00:10時点における版

本の雑誌社(ほんのざっししゃ)は、目黒考二椎名誠沢野ひとし木村晋介によって設立された出版社。事務所は東京都渋谷区笹塚にあったが、2012年6月に東京都千代田区神田神保町に移転。

書評を中心に本と活字にまつわる様々な話題を扱った月刊誌「本の雑誌」(書籍扱い。当初は季刊。隔月刊をへて月刊化した)を1976年4月より発行している。また、「本の雑誌」の連載内容の書籍化や、連載陣の書き下ろし本、独自に企画した「本に関する本」などを刊行している。

概要

『本の雑誌』の創刊は、椎名、目黒の他に、当時『漫画アクション』編集者の本多健治(のち、双葉社取締役)もかかわっていた。また、最初に社員を採用した際は、社員は群ようこ一人だった。

また、初期は「本の雑誌」は、関係者による契約書店への自力での持ち込みであった。そのため、「助っ人」と呼ばれる大学生の有志による配本部隊によって助けられていた。

のちのマガジンハウス編集者で、女優本上まなみの夫である沢田康彦も助っ人出身。また、お笑い演芸専門誌『カジノフォーリー』の編集長を務めた、竹本幹男も助っ人出身。

助っ人出身者は他に、白夜書房営業部藤脇邦夫、写真家の上原ゼンジ、翻訳家の那波かおり岩本正恵、絵本作家の本下いづみ、ジャズ評論家の富澤えいち、書評家の吉田伸子、イラストレーターの福井若恵小学館の編集者の徳山雅記ステレオグラム本を多数刊行。現「ドラえもんルーム」担当)、編集者・ライターの南陀楼綾繁、落語家の柳家喬之助などがいる。上原と吉田はのち、本の雑誌社の社員になった。

ちなみに当時の助っ人へはバイト代は出ず、見返りは、好きなときにカツ丼ギョウザラーメンなどを腹いっぱい食べられることであった(「助っ人」たちの話は、目黒考二の『本の雑誌風雲録』に詳しい)。

すべての出版物において、特例を除き書店からの返品を受けない、完全買切制をとっている。

雑誌「本の雑誌」について

小部数の「書評とブックガイド」のミニコミ雑誌としてスタート。椎名のコラムの独特の文体や、従来の書評誌になかったエンタテインメント中心の書評、ユニークな特集、独特の連載陣の発掘などで、人気を博す。1984年から「活字のコラムマガジン」に方針転換し、メジャーな雑誌へと変貌を遂げる。

なお当初は「季刊」と称しながら、不定期刊に近かったが、隔月刊をへて、1988年5月号から月刊化。 「特小号」など、無意味な号を作ったこともある。また「別冊」「増刊号」なども刊行している。

同誌の「編集長」は一貫して椎名誠だったが(ただし創刊号のみ目黒が編集長)、椎名がメジャーな文化人として多忙となったため、「発行人」を2001年までつとめた目黒考二が、長らく実質の編集長役をつとめてきた。目黒が降板後の「実質編集長」は、二代目発行人の浜本茂。なお、2011年1月号をもって椎名は編集人から退き、浜本が名実ともに編集長となった。また「本の雑誌社・顧問」だった目黒も、その職から退いた。

巻頭のコラム「真空飛びひざ蹴り」も、長らく椎名が執筆していて、出版業界への辛口な発言で評判を博した。

また、読書投稿欄「三角窓口」も、全国の読書好きが参加して盛り上がり、鈴木輝一郎などプロの作家の「常連投稿者」もいた(初期は、投稿一件ごとに椎名が独特の返答をしていて、それが名物であった)。また、中場利一植上由雄は「三角窓口」の常連投稿者から作家やエッセイストになった例である。

毎年、「『本の雑誌』のベスト10」を発表しているが、普通の雑誌が、他から作家や評論家を呼んでベストを決めるのに対し、「本の雑誌」のベストは、椎名誠目黒考二以下、編集部員、営業部員などの「本の雑誌社の社員全員」で座談会方式で決定するユニークなものである。第一位は、椎名のゴリ押しで、椎名が推した本になることが多い(「この本を一位にしてくれたらいい。あとは任せる。」が椎名の決まり文句)。

2008年12月発売の「本の雑誌」2009年1月号で、椎名誠のコラム『今月のお話』及び浜本茂の編集後記において、本の雑誌社が経営危機にあることが発表されている。

2015年5月、創刊40周年を記念して、『完全復刻版「本の雑誌」創刊号〜10号BOXセット』が刊行された。

2015年、第63回菊池寛賞を受賞[1]

「別冊本の雑誌」

本の雑誌に掲載された文章をまとめたものや、独自の企画など。

  1. ブックカタログ1000 さあ新しい書物探検の夜明けだ夜明けだ 1982.2
  2. 読み物作家100人集 1982.6
  3. ブックカタログ1000 PART2 1982.12
  4. 恋愛小説読本 ブックガイド&エッセイ 1983.6
  5. ブックカタログ1000 PART3 1981.12
  6. 活字中毒者読本 1984
  7. 「本の雑誌」傑作選 1988.8
  8. 「本屋さん」読本 1989.6
  9. 三角窓口傑作選 1991 1991.2
  10. 活字探偵団 1994.10
  11. 「本の雑誌」傑作選 風雲篇 1995.11
  12. 「三角窓口」傑作選 1997 1997.3
  13. 図書館読本 2000.1
  14. 新恋愛小説読本 2001.2
  15. SF本の雑誌 2009.7
  16. 古本の雑誌 2012.10
  17. 本屋の雑誌 2014.5
  18. 本の雑誌おじさん三人組が行く! 2017.3

「本の雑誌増刊」

  • おすすめ文庫王国シリーズ
    • おすすめ文庫王国 '99 1999.12
    • おすすめ文庫王国 2000年度版 2000.12
    • おすすめ文庫王国 2001年度版 2001.12
    • おすすめ文庫王国 2002年度版 2002.12
    • おすすめ文庫王国 2003年度版 2003.12
    • おすすめ文庫王国 2004年度版 2004.12
    • おすすめ文庫王国 2005年度版 2005.12
    • おすすめ文庫王国 2006年度版 2006.12
    • おすすめ文庫王国 2007年度版 2007.12
    • おすすめ文庫王国 2008年度版 2008.12
    • おすすめ文庫王国 2009年度版 2009.12
    • おすすめ文庫王国 2010-2011 2010.12
    • おすすめ文庫王国 2012 2011.12
    • おすすめ文庫王国 2013 2012.12
    • おすすめ文庫王国 2014 2013.12
    • おすすめ文庫王国 2015 2014.12
    • おすすめ文庫王国 2016 2015.12
    • おすすめ文庫王国 2017 2016.12
  • 本屋大賞シリーズ
    • 本屋大賞2004 2004.4
    • 本屋大賞2005 2005.4
    • 本屋大賞2006 2006.4
    • 本屋大賞2007 2007.4
    • 本屋大賞2008 2008.4
    • 本屋大賞2009 2009.4
    • 本屋大賞2010 2010.4
    • 本屋大賞2011 2011.4
    • 本屋大賞2012 2012.4
    • 本屋大賞2013 2013.4
    • 本屋大賞2014 2014.4
    • 本屋大賞2015 2015.4
    • 本屋大賞2016 2016.4
    • 本屋大賞2017 2017.4

「本の雑誌編集部」編の本

  • 特集・本の雑誌1 出版業界篇 1995.11 角川文庫
  • 特集・本の雑誌2 ブックガイド篇 1995.11 角川文庫
  • 特集・本の雑誌3 活字の愉しみ篇 1995.11 角川文庫
  • 匿名座談会 業界人が初めて語った舞台裏 1998.2
  • 編集稼業の女たち 1998.9
  • 新・匿名座談会 2000.10
  • 活字探偵団 増補版 2000.1 角川文庫
  • 本の業界 真空とびひざ蹴り 2001.6
  • 日本読書株式会社 2001.9
  • 注文の多い活字相談 新日本読書株式会社 2002.9
  • よりぬき読書相談室 2003.7
  • よりぬき読書相談室 特盛すこぶる本編 2004.6
  • 作家の読書道 2005.10
  • よりぬき読書相談室 どすこい幕の内編 2006.7
  • 作家の読書道2 2007.8
  • よりぬき読書相談室 みだれ打ち快答編 2007.9
  • よりぬき読書相談室 疾風怒濤完結編 2008.10
  • 完全復刻版「本の雑誌」創刊号〜10号BOXセット 2015.5
  • この作家この10冊 2015.8
  • ベスト10本の雑誌 2017.5

関係者

関連本

  • 椎名誠『本の雑誌血風録』朝日新聞社 1997.5 - サラリーマンだった椎名等が『本の雑誌』を創刊するまでを描く。
  • 椎名誠『新宿熱風どかどか団』朝日新聞社 1998.9 - 『本の雑誌』創刊から、椎名他のメンバーがメジャーになっていく様を描く。
  • 群ようこ『別人「群ようこ」のできるまで』文藝春秋 1985.12 - 群ようこが「本の雑誌社」に勤務して、エッセイストになるまでの記録。
  • 目黒考二『本の雑誌風雲録』本の雑誌社 1985.5 - 本の雑誌の創刊までと、初期の「助っ人部隊」との交流の記録。

関連項目

出典

  1. ^ 吉永小百合、国枝慎吾らに菊池寛賞”. スポーツ報知 (2015年10月14日). 2015年10月14日閲覧。

外部リンク