「漢字直接入力」の版間の差分
削除された内容 追加された内容
内部リンク付加 |
「巨大なキーボード」に関する参考文献を追加 |
||
3行目: | 3行目: | ||
[[かな漢字変換]]では、人間が[[キーボード]]などから入力した読みをコンピュータが解析して漢字仮名混じり文に変換しているが、漢字直接入力では使う漢字(平仮名、片仮名、記号なども含む)を人間の側で直接指定する。よって、誤変換(人間の意に反した入力)は起こり得ず、習熟者は画面を全く見ずに入力することもできるようになるが、入力者が知らない漢字は入力することができない。しかし、それは手書きならば当り前のことであり、知らない漢字まで出せてしまう方がおかしい、という意見もある。 |
[[かな漢字変換]]では、人間が[[キーボード]]などから入力した読みをコンピュータが解析して漢字仮名混じり文に変換しているが、漢字直接入力では使う漢字(平仮名、片仮名、記号なども含む)を人間の側で直接指定する。よって、誤変換(人間の意に反した入力)は起こり得ず、習熟者は画面を全く見ずに入力することもできるようになるが、入力者が知らない漢字は入力することができない。しかし、それは手書きならば当り前のことであり、知らない漢字まで出せてしまう方がおかしい、という意見もある。 |
||
[[英数字]]とカタカナしか扱うことができなかった、[[汎用コンピュータ]]と呼ばれた大型コンピュータで[[日本語]]を扱えるようになった初期の頃 |
[[英数字]]とカタカナしか扱うことができなかった、[[汎用コンピュータ]]と呼ばれた大型コンピュータで[[日本語]]を扱えるようになった初期の頃(1970~1980年代前半)は、読み仮名を入力して漢字に変換するかな漢字変換機能がなく、また記憶容量も少なかった(超大型機でもメモリ256メガバイト、ディスク数十ギガバイト程度)ため、一つのキーに複数の漢字を割り当てた巨大なキーボードを使って漢字を直接入力したり、各漢字([[2バイト文字]])に対応するコンピュータ固有の漢字コードやJIS[[区点コード]]をテンキーで入力して漢字を呼び出す方法が用いられた。 |
||
==分類== |
==分類== |
||
19行目: | 19行目: | ||
*漢字の部首に着目して指定するもの([[NIK-Code]]、にこにこなど) |
*漢字の部首に着目して指定するもの([[NIK-Code]]、にこにこなど) |
||
*文字から発生するイメージ、意味、形、読みからの連想によるもの([[ラインプット]]、[[カンテック]]、[[KIS]]、[[LTWORD]]など) |
*文字から発生するイメージ、意味、形、読みからの連想によるもの([[ラインプット]]、[[カンテック]]、[[KIS]]、[[LTWORD]]など) |
||
==参考文献== |
|||
*高橋達郎, 森田朗, 広田広三郎: 漢字入出力機器について, 情報管理, Vol.12, No.6 (1969年9月), pp.293-308. |
|||
*海住嘉彦, 川村正一, 伏田嘉郎: FACOM 6801A漢字入力キーボード, FUJITSU, Vol.21, No.7 (1970年11月), pp.1121-1134. |
|||
*中村忠之: IBM漢字鍵盤機構付29穿孔機の開発, IBM Review, 第37号 (1972年2月), pp.81-88. |
|||
*渡辺定久, 大岸洋: 文字盤構成の最適化と文字盤JIS案への適用について, 日本文入力方式研究会資料, 9-4 (1983年3月). |
|||
*JIS C 6235-1984 日本語文書処理用文字盤配列, 日本規格協会 (1984年4月1日制定). |
|||
==関連記事== |
==関連記事== |
2006年7月3日 (月) 04:59時点における版
漢字直接入力(かんじちょくせつにゅうりょく)は、コンピュータでの日本語入力法の分類の一つ。漢直(かんちょく)と略称される。
かな漢字変換では、人間がキーボードなどから入力した読みをコンピュータが解析して漢字仮名混じり文に変換しているが、漢字直接入力では使う漢字(平仮名、片仮名、記号なども含む)を人間の側で直接指定する。よって、誤変換(人間の意に反した入力)は起こり得ず、習熟者は画面を全く見ずに入力することもできるようになるが、入力者が知らない漢字は入力することができない。しかし、それは手書きならば当り前のことであり、知らない漢字まで出せてしまう方がおかしい、という意見もある。
英数字とカタカナしか扱うことができなかった、汎用コンピュータと呼ばれた大型コンピュータで日本語を扱えるようになった初期の頃(1970~1980年代前半)は、読み仮名を入力して漢字に変換するかな漢字変換機能がなく、また記憶容量も少なかった(超大型機でもメモリ256メガバイト、ディスク数十ギガバイト程度)ため、一つのキーに複数の漢字を割り当てた巨大なキーボードを使って漢字を直接入力したり、各漢字(2バイト文字)に対応するコンピュータ固有の漢字コードやJIS区点コードをテンキーで入力して漢字を呼び出す方法が用いられた。
分類
漢字直接入力は、文字を指定する方法により、以下のように分けられる。いずれの方法でも、同じ打鍵操作に対しては必ず同じ文字が出るようになっている(仮名漢字変換では、それまでの入力内容により同じ操作でも出る文字が異なる)。
無連想式
ストロークから入力される漢字が連想出来ないもの
連想式
ストロークから入力される漢字が連想出来るもの
- 文字コードに着目して指定するもの(す、百相鍵盤『き』、phoenixなど)
- 漢字の部首に着目して指定するもの(NIK-Code、にこにこなど)
- 文字から発生するイメージ、意味、形、読みからの連想によるもの(ラインプット、カンテック、KIS、LTWORDなど)
参考文献
- 高橋達郎, 森田朗, 広田広三郎: 漢字入出力機器について, 情報管理, Vol.12, No.6 (1969年9月), pp.293-308.
- 海住嘉彦, 川村正一, 伏田嘉郎: FACOM 6801A漢字入力キーボード, FUJITSU, Vol.21, No.7 (1970年11月), pp.1121-1134.
- 中村忠之: IBM漢字鍵盤機構付29穿孔機の開発, IBM Review, 第37号 (1972年2月), pp.81-88.
- 渡辺定久, 大岸洋: 文字盤構成の最適化と文字盤JIS案への適用について, 日本文入力方式研究会資料, 9-4 (1983年3月).
- JIS C 6235-1984 日本語文書処理用文字盤配列, 日本規格協会 (1984年4月1日制定).