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*『'''[[発趣論]]'''』(ほっしゅろん、{{lang-pi-short|Paṭṭhāna}}, '''パッターナ''')
*『'''[[発趣論]]'''』(ほっしゅろん、{{lang-pi-short|Paṭṭhāna}}, '''パッターナ''')


日本の仏教界では、[[南伝仏教]]は[[阿羅漢]]にしかなれない仏教であるとされることが多いが<ref>[[竹村牧男]]著(講談社現代新書) 『覚りと空』 第3章 大乗仏教の出現。</ref>、『双論』の Yamaka は双子のことであり<ref>『パーリ語佛教辞典』 [[雲井昭善]]著 (山喜房仏書林) 「Yamaka」。</ref>、Yama は[[閻魔]]([[閻魔#インドの「ヤマ」|ヤマ]])を指し<ref>『パーリ語佛教辞典』 雲井昭善著 (山喜房仏書林) 「Yama」。</ref>、[[密教]]や[[大乗仏教]]圏で説かれる[[明王]]の[[ヤマーンタカ|降閻魔尊]]と通じるものである。
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==日本語訳==
==日本語訳==

2017年4月21日 (金) 15:46時点における版

パーリ仏典 > 論蔵 (パーリ)

論蔵: Abhidhamma Pitaka, アビダンマ・ピタカ)とは、『パーリ仏典』の三蔵: Ti-pitaka, ティピタカ)における: Abhidhamma, アビダンマ)に関する文献が収められた領域、蔵(pitaka)のこと(論蔵)。

部派仏教の時代、各部派ごとに各種の「論」(: Abhidhamma, アビダンマ: Abhidharma, アビダルマ)が作られたが[1]、今日まとまった形で現存している部派仏教時代の論(アビダンマ/アビダルマ)は、この南伝上座部仏教分別説部)のパーリ語テキストと、北伝仏教に伝わる漢訳された説一切有部の『六足論』『発智論』(いわゆる「六足発智」)のみである。

構成

『パーリ仏典』の論蔵は、以下の7論で構成されている。

  • 法集論』(ほうしゅうろん、: Dhamma-sangani, ダンマサンガニ
  • 分別論』(ふんべつろん、: Vibhanga, ヴィバンガ
  • 界論』(かいろん、: Dhātukathā, ダートゥカター
  • 人施設論』(じんせせつろん、: Puggala-paññatti, プッガラ・パンニャッティ
  • 論事』(ろんじ、: Kathāvatthu, カターヴァットゥ
  • 双論』(そうろん、: Yamaka, ヤマカ
  • 発趣論』(ほっしゅろん、: Paṭṭhāna, パッターナ

日本の仏教界では、部派仏教(特に南伝)は阿羅漢にしかなれない仏教であるとされる[2]ことが多いが、『双論』の Yamaka は双子のことであり[3]、Yama は閻魔ヤマ)を指し[4]密教大乗仏教圏で説かれる明王降閻魔尊と通じるものである。

日本語訳

  • 『南伝大蔵経・論蔵』(全14巻15冊) 大蔵出版

脚注・出典

  1. ^ アビダルマとは - 世界大百科事典/コトバンク
  2. ^ 竹村牧男著(講談社現代新書) 『覚りと空』 第3章 大乗仏教の出現。
  3. ^ 『パーリ語佛教辞典』 雲井昭善著 (山喜房仏書林) 「Yamaka」。
  4. ^ 『パーリ語佛教辞典』 雲井昭善著 (山喜房仏書林) 「Yama」。

関連項目

外部リンク