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{{by|2011年}}は3月に行われたこの年発足したホークス三軍と[[福岡大学|福岡大]]との交流試合で、8回132球を投げぬき5安打無失点8奪三振の好投で勝ち投手となり、ホークス三軍の初勝利となった。巽はこの試合で「負けられないという緊張感の中、いつものノビノビ投球とは違う気迫を見せた」と[[小川史]]三軍監督に評価された。この年はウエスタン・リーグで最多勝となる11勝(5敗)と結果を残した。ソフトバンクが日本シリーズで優勝したことにより出場した[[2011年のアジアシリーズ|アジアシリーズ2011]]では、オーストラリア代表[[パース・ヒート]]戦で2番手として登板し、勝利投手となった。シーズンオフにはウィンターリーグへの派遣を断り、肉体改造に着手した。
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{{by|2012年}}はオープン戦で先発争いに敗れるも、プロ入り後殆ど経験がなかったというリリーフでの登板もこなし、開幕一軍を勝ち取った。ところがシーズン序盤、4月11日の対[[北海道日本ハムファイターズ|日本ハム]]戦で先発ノックアウトされた[[レニエル・ピント]]の後を受けて登板したものの、3回2/3を投げるのに打者26人で102球を費やし、被安打11、4与四球、[[稲葉篤紀]]には満塁と3ランの2本の本塁打を浴び計8失点で降板し<ref>ちなみにこの試合で9回を投げ完封勝利を収めた相手投手の[[八木智哉]]の投球数も102球だった。[http://www.softbankhawks.co.jp/gamelive/stats/2012041101/ 2012年4月11日 福岡ソフトバンク対北海道日本ハム]福岡ソフトバンクホークス</ref>、即座に一軍登録を抹消される。1ヶ月後の5月4日に再昇格し今度は先発で登板するが、4回を投げ5安打3四球、自らの暴投とエラーも絡み5失点で降板し負け投手となる。その後はシーズン終盤になるまでファームでの登板が続き、9月に1試合だけリリーフで一軍登板があったものの、結局この年は一軍での成績は4試合の登板で0勝1敗、防御率8.74と散々な結果に終わる。二軍ではウエスタン・リーグの規定投球回数に達したものの、こちらも5勝2敗1セーブで防御率は3.00と前年から比べると物足りない結果となる。
{{by|2012年}}はオープン戦で先発争いに敗れるも、プロ入り後殆ど経験がなかったというリリーフでの登板もこなし、開幕一軍を勝ち取った。ところがシーズン序盤、4月11日の対[[北海道日本ハムファイターズ|日本ハム]]戦で先発ノックアウトされた[[レニエル・ピント]]の後を受けていわゆる敗戦処理として登板したものの、3回2/3を投げるのに打者26人で102球を費やし、被安打11、4与四球、[[稲葉篤紀]]には満塁と3ランの2本の本塁打を浴び計8失点で降板し<ref>ちなみにこの試合で9回を投げ完封勝利を収めた相手投手の[[八木智哉]]の投球数も102球だった。[http://www.softbankhawks.co.jp/gamelive/stats/2012041101/ 2012年4月11日 福岡ソフトバンク対北海道日本ハム]福岡ソフトバンクホークス</ref>、即座に一軍登録を抹消される。1ヶ月後の5月4日に再昇格し今度は先発で登板するが、4回を投げ5安打3四球、自らの暴投とエラーも絡み5失点で降板し負け投手となる。その後はシーズン終盤になるまでファームでの登板が続き、9月に1試合だけリリーフで一軍登板があったものの、結局この年は一軍での成績は4試合の登板で0勝1敗、防御率8.74と散々な結果に終わる。二軍ではウエスタン・リーグの規定投球回数に達したものの、こちらも5勝2敗1セーブで防御率は3.00と前年から比べると物足りない結果となる。
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2017年4月21日 (金) 07:40時点における版

巽 真悟
ソフトバンク時代
(2013年9月15日 福岡ヤフオク!ドーム)
基本情報
国籍 日本の旗 日本
出身地 和歌山県東牟婁郡古座川町
生年月日 (1987-01-10) 1987年1月10日(37歳)
身長
体重
182 cm
77 kg
選手情報
投球・打席 右投左打
ポジション 投手
プロ入り 2008年 ドラフト1位
初出場 2009年8月6日
年俸 850万円(2016年)
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)

巽 真悟(たつみ しんご、1987年1月10日 - )は、和歌山県東牟婁郡古座川町出身の元プロ野球選手投手)。

経歴

プロ入り前

中学時代は外野手投手だったが、新宮高校2年時に本格的に投手に転向。高校時代のMAXは142km/h。

近畿大学では2年春から先発陣に入る。関西学生リーグ通算37試合登板、19勝4敗、防御率2.22、178奪三振。2007年4月8日の対京都大学戦では初回先頭打者からリーグ新記録となる9連続三振も含めた合計23三振を奪い、従来のリーグ記録18(大久保勝信ら)を大きく更新した。同年4月14日の対同志社大学戦ではノーヒットノーランを記録。

2008年ドラフトでは福岡ソフトバンクホークスから外れ1位指名[1]を受け入団。近畿大学からは竹岡和宏甲藤啓介大隣憲司に続くホークス入団選手となった。

ソフトバンク時代

2009年には、公式戦の開幕を二軍で迎えたが、ウエスタン・リーグ公式戦での好投が評価されてフレッシュオールスターゲームに同リーグの監督推薦選手として出場。8月に一軍に初昇格。8月6日にプロ初登板で1回を投げて本塁打を浴びて1失点、翌日に二軍に降格した。二軍ではリーグ最多のイニングを投げ、防御率4.87ながら80奪三振でウエスタン・リーグ最多奪三振のタイトルを獲得。最多勝まであと1勝と迫る6勝を挙げた。

2010年は開幕ローテーションを任されたが、わずか3試合の登板で0勝2敗、防御率12.15、6.2イニングで10四球を与えるなど全く振るわずに終わった。2軍でもわずか1勝に留まった。

2011年は3月に行われたこの年発足したホークス三軍と福岡大との交流試合で、8回132球を投げぬき5安打無失点8奪三振の好投で勝ち投手となり、ホークス三軍の初勝利となった。巽はこの試合で「負けられないという緊張感の中、いつものノビノビ投球とは違う気迫を見せた」と小川史三軍監督に評価された。この年はウエスタン・リーグで最多勝となる11勝(5敗)と結果を残した。ソフトバンクが日本シリーズで優勝したことにより出場したアジアシリーズ2011では、オーストラリア代表パース・ヒート戦で2番手として登板し、勝利投手となった。シーズンオフにはウィンターリーグへの派遣を断り、肉体改造に着手した。

2012年はオープン戦で先発争いに敗れるも、プロ入り後殆ど経験がなかったというリリーフでの登板もこなし、開幕一軍を勝ち取った。ところがシーズン序盤、4月11日の対日本ハム戦で先発ノックアウトされたレニエル・ピントの後を受けていわゆる敗戦処理として登板したものの、3回2/3を投げるのに打者26人で102球を費やし、被安打11、4与四球、稲葉篤紀には満塁と3ランの2本の本塁打を浴び計8失点で降板し[2]、即座に一軍登録を抹消される。1ヶ月後の5月4日に再昇格し今度は先発で登板するが、4回を投げ5安打3四球、自らの暴投とエラーも絡み5失点で降板し負け投手となる。その後はシーズン終盤になるまでファームでの登板が続き、9月に1試合だけリリーフで一軍登板があったものの、結局この年は一軍での成績は4試合の登板で0勝1敗、防御率8.74と散々な結果に終わる。二軍ではウエスタン・リーグの規定投球回数に達したものの、こちらも5勝2敗1セーブで防御率は3.00と前年から比べると物足りない結果となる。

巽の投球フォーム(ソフトバンク時代 阪神甲子園球場にて)

2015年、8月11日の対オリックス・バファローズ17回戦(福岡Yahoo! JAPANドーム)、9回表に4点差の状況で4番手でリリーフ登板し無失点。その裏に柳田悠岐が逆転サヨナラホームランを放ったことから、一軍公式戦での初勝利を記録した。

2016年、ウエスタン・リーグ公式戦で、中継ぎ要員として38試合に登板。4勝1敗、防御率2.72という成績を残した。しかし、5年振りに一軍公式戦での登板機会がなく、10月22日に球団から戦力外通告を受けた[3]。巽自身は、NPB他球団での現役続行を希望していたことから、11月12日に12球団合同トライアウト阪神甲子園球場)に参加。シートバッティング形式で打者3人と対戦すると、参加42投手では最も速い148km/hのストレートを投じるとともに、1与四球1奪三振という結果を残した[4]。しかし、NPB他球団から獲得のオファーを受けるに至らなかったため、現役を引退した。

現役引退後

現役時代に個人で契約していたメンタルトレーナーからの紹介で、2017年1月から人材派遣会社のエイジェック(ベースボール・チャレンジ・リーグに加盟する栃木ゴールデンブレーブスの親会社)へ入社。元プロアスリートによるセカンドキャリア形成の支援を目的に採用した社員の第1号で、入社後は、派遣社員登録希望者への面接やロッテの本拠地・ZOZOマリンスタジアムに関連する業務(入場券の確認業務に携わるアルバイトへの指示など)を担当する[5]

選手としての特徴・人物

ストレートとキレのある縦のスライダーを武器に、カーブチェンジアップカットボールツーシームも投げ分ける[6]本格派。大学時代には、ストレートで最速149km/hを計測した。その一方で、不調に陥ると投球フォームが崩れるため、投球内容は安定しなかった[7]

自身と同じ和歌山県の出身で、西武のエースとして活躍した右腕投手・西口文也に細身の体格や投球フォームが似ていることから、現役時代には「西口二世」と呼ばれていた。高校時代には、新宮高校の先輩でもある藪恵壹と同じくスライダーを武器にしていたことから、「藪二世」として報じられたこともある。

足も速く、大学時代は塁に出ると盗塁のサインも出されていた[7]。ソフトバンク時代の2015年5月6日には、投手として阪神とのウエスタン・リーグ公式戦(県営八代運動公園)へ帯同していたところ、8回裏の攻撃中に打者の張本優大が頭部に死球を受けて退場。この時点でチームがベンチ登録の野手を使い切っていたことから、巽が張本の代走に急遽起用された[8]。この時は得点には至らなかったものの、三塁まで進んでいる。

詳細情報

年度別投手成績





















































W
H
I
P
2009 ソフトバンク 1 0 0 0 0 0 0 0 0 ---- 5 1.0 1 1 1 0 0 1 0 0 1 1 9.00 2.00
2010 3 2 0 0 0 0 2 0 0 .000 36 6.2 7 2 10 0 0 4 1 0 9 9 12.15 2.58
2012 4 1 0 0 0 0 1 0 0 .000 62 11.1 18 2 7 0 2 5 3 0 13 11 8.74 2.21
2013 6 3 0 0 0 0 1 0 0 .000 87 19.2 20 1 8 0 2 18 2 1 10 10 4.58 1.42
2014 3 0 0 0 0 0 0 0 0 ---- 11 2.1 4 0 1 0 0 3 0 0 2 2 7.71 2.14
2015 7 0 0 0 0 1 0 0 0 1.000 61 13.0 15 3 8 0 0 8 1 0 12 12 8.31 1.77
通算:6年 24 6 0 0 0 1 4 0 0 .200 262 54.0 65 9 35 0 4 39 7 1 47 45 7.50 1.85
  • 2016年度シーズン終了時

記録

その他の記録
  • 初登板で対戦した第一打者に被本塁打:上記の「初登板」の項を参照、9回表無死に塀内久雄に右中間ソロ ※史上57人目(パ・リーグ31人目)

背番号

  • 20 (2009年 - 2013年)
  • 25 (2014年 - 2016年)

登場曲

脚注

  1. ^ ホークスは、1位で大田泰示を指名したが、巨人と重複。クジ引きの結果、交渉権は巨人の物となった。
  2. ^ ちなみにこの試合で9回を投げ完封勝利を収めた相手投手の八木智哉の投球数も102球だった。2012年4月11日 福岡ソフトバンク対北海道日本ハム福岡ソフトバンクホークス
  3. ^ 来季契約について”. 福岡ソフトバンクホークス公式サイト (2016年10月22日). 2016年10月28日閲覧。
  4. ^ “65人が参加/12球団合同トライアウト詳細”. 日刊スポーツ. (2016年11月12日). http://www.nikkansports.com/baseball/news/1736002.html 2016年11月13日閲覧。 
  5. ^ “ソフトバンク元ドラフト1位巽真悟、人材派遣会社で再出発”. 日刊スポーツ. (2017年1月9日). http://www.nikkansports.com/baseball/news/1755287.html 2017年1月9日閲覧。 
  6. ^ 関西の逸材3投手を追いかけて 『アマチュア野球』第20号、日刊スポーツ出版社、2008年、雑誌66835-16、52-54項。
  7. ^ a b ドラフト候補をたっぷり語る『アマチュア野球』第20号、日刊スポーツ出版社、2008年、雑誌66835-16、37項。
  8. ^ 2015年5月6日 2軍試合結果:福岡ソフトバンク対阪神福岡ソフトバンクホークス

関連項目

外部リンク