「ゴードン・オールポート」の版間の差分

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
削除された内容 追加された内容
m 曖昧さ回避ページへのリンクを付け替え(パーソナリティ人格
1行目: 1行目:
'''ゴードン・オールポート'''(Gordon Willard Allport, [[1897年]][[11月11日]] - [[1967年]][[10月9日]])は、[[アメリカ合衆国]]の[[心理学者]]。兄[[フロイド・オルポート]]も心理学者である。[[インディアナ州]][[パーク郡 (インディアナ州)|パーク郡]]モンテズマに生まれる。彼の著作には、『人格の形成―人格心理学のための基礎的考察』 (''Becoming: Basic Considerations for a Psychology of Personality'') や『個人とその宗教』 (''The Individual and his Religion'') がある。
'''ゴードン・オールポート'''(Gordon Willard Allport, [[1897年]][[11月11日]] - [[1967年]][[10月9日]])は、[[アメリカ合衆国]]の[[心理学者]]。兄[[フロイド・オルポート]]も心理学者である。[[インディアナ州]][[パーク郡 (インディアナ州)|パーク郡]]モンテズマに生まれる。彼の著作には、『人格の形成―人格心理学のための基礎的考察』 (''Becoming: Basic Considerations for a Psychology of Personality'') や『個人とその宗教』 (''The Individual and his Religion'') がある。


オールポートは、[[パーソナリティ]]の[[特性論]]者とみなされており、個人のパーソナリティの中でとりわけ優勢な特性とは何かといった議論を主に展開している。つまるところパーソナリティの発達の中で大きな役割を果たしている特性の研究が彼の中心的な関心事である。パーソナリティというものが顕著な力となっていくとき、それはとりわけ基礎特性によるところが大きい。中心的な特性と基礎特性は、環境因子によって大きく左右される。
オールポートは、[[人格|パーソナリティ]]の[[特性論]]者とみなされており、個人のパーソナリティの中でとりわけ優勢な特性とは何かといった議論を主に展開している。つまるところパーソナリティの発達の中で大きな役割を果たしている特性の研究が彼の中心的な関心事である。パーソナリティというものが顕著な力となっていくとき、それはとりわけ基礎特性によるところが大きい。中心的な特性と基礎特性は、環境因子によって大きく左右される。


彼が[[ハーバード大学]]にいた時分、彼は将来のPh.D候補たちを数多く教え、その中には[[スタンレー・ミルグラム]]もいた。
彼が[[ハーバード大学]]にいた時分、彼は将来のPh.D候補たちを数多く教え、その中には[[スタンレー・ミルグラム]]もいた。

2015年12月29日 (火) 09:12時点における版

ゴードン・オールポート(Gordon Willard Allport, 1897年11月11日 - 1967年10月9日)は、アメリカ合衆国心理学者。兄フロイド・オルポートも心理学者である。インディアナ州パーク郡モンテズマに生まれる。彼の著作には、『人格の形成―人格心理学のための基礎的考察』 (Becoming: Basic Considerations for a Psychology of Personality) や『個人とその宗教』 (The Individual and his Religion) がある。

オールポートは、パーソナリティ特性論者とみなされており、個人のパーソナリティの中でとりわけ優勢な特性とは何かといった議論を主に展開している。つまるところパーソナリティの発達の中で大きな役割を果たしている特性の研究が彼の中心的な関心事である。パーソナリティというものが顕著な力となっていくとき、それはとりわけ基礎特性によるところが大きい。中心的な特性と基礎特性は、環境因子によって大きく左右される。

彼がハーバード大学にいた時分、彼は将来のPh.D候補たちを数多く教え、その中にはスタンレー・ミルグラムもいた。 オールポートはかつてウィーンにジークムント・フロイトを訪ねていったことがある。オールポート22歳のときである。ウィーン到着時に、彼はフロイトの仕事場までの電車の中で出会った潔癖症の子どもの話を詳しくフロイトに話して聞かせた。この子は、いくらお母さんが大丈夫だからといっても、「あの汚いおじさんの隣には座りたくない」と断固として座ろうとしなかったのである。オールポートが話すのをしばらく聞いた後、フロイトは、「その少年が君だったということかね?」と尋ねた。オールポートはその言葉にかなり気分を害した。オールポートは話題として、現実にあった話をしたのだ。意識的なかつ経験的な話であり、セラピーの場でもないはずであるのに、フロイトは、その話を彼の「無意識」につなげて捉えたのだ。以後、オールポートはフロイトの精神分析に信頼を失った。この偶発的事件がオールポートと彼の理論になかなか拭いがたい重荷となり、彼を意識的動機の研究に専念させるような方向に導いた。

オールポートは、パーソナリティの研究への貢献に加えて、社会心理学でも重要な業績を残している。特に、態度の研究がよく知られている。また熱心なキリスト教信者でもあった彼は、宗教心理学でもいくつかの業績を残している。これらのテーマについての彼の著作のいくつかには、彼の偏見についての社会心理学への関心の幾ばくかが反映されているのをみることができる。

参考文献

  • Milgram, Stanley. (1977) The individual in a social world : essays and experiments. ISBN 0201043823.