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== 利用 ==
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食用になる。旬は海藻食となる冬で、「寒ブダイ」として賞味される。刺身にすると美味だが、クセが強いので、生姜や葱といった薬味の工夫が必要となる。また、洗いにして酢味噌で食したり、煮付けや鍋の具、味噌漬けにしてもよい。
食用になる。雑食であるために夏場は磯臭さが強く、あまり評価は高くないが、秋からである冬にかけては海藻食となるため、「寒ブダイ」として賞味される。刺身にすると美味だが、クセが強いので、生姜や葱といった薬味の工夫が必要となる。また、洗いにして酢味噌で食したり、煮付けや鍋の具、から揚げやフライ、味噌漬け、干物にしてもよい。


== 釣り ==
== 釣り ==

2015年9月20日 (日) 14:24時点における版

ブダイ
ブダイ C. japonicus
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 条鰭綱 Actinopterygii
: スズキ目 Perciformes
亜目 : ベラ亜目 Labroidei
: ブダイ科 Scaridae
: ブダイ属 Calotomus
: ブダイ C. japonicus
学名
Calotomus japonicus
(Valenciennes, 1840)
和名
ブダイ
英名
White-spotted parrotfish
Japanese parrotfish

ブダイ (学名:Calotomus japonicus)は、スズキ目ベラ亜目ブダイ科

名称

ブダイという名前の由来には、いくつかの説があり、身体が鎧を着た武士のようなので『武鯛』、ヒラヒラと舞うように泳ぐ姿から『舞鯛』、に比べて不格好ということで『醜鯛』もしくは『不鯛』という説がある。

地方名

アカブダイ(神奈川県三崎静岡県伊豆地方)、トネ(三重県)、ウシ、クズナ(大阪府堺市)、イガミ(関西紀伊高知県など)、エガミ(高知県)、モハン(熊本県)、ハチウオ(鹿児島県)、アカエラブチャー(沖縄県

分布

本州中部以南の西太平洋インド洋

形態

全長30-40cm。ベラに似た体型だが、やや体高が高く、頭部が大きい。オスはやや青みがかっていて、メスはやや赤みがかっている。ブダイ科の魚は、歯が癒合し嘴のようになっている種が多いが、本種の癒合は不完全である。

生態

浅い海の海底の岩礁域に生息する。食性は春から秋にかけては底に棲む動物を食べ、冬は海藻食に変化する。

利用

食用になる。雑食であるために夏場は磯臭さが強く、あまり評価は高くないが、秋から旬である冬にかけては海藻食となるため、「寒ブダイ」として賞味される。刺身にすると美味だが、クセが強いので、生姜や葱といった薬味の工夫が必要となる。また、洗いにして酢味噌で食したり、煮付けや鍋の具、から揚げやフライ、味噌漬け、干物にしてもよい。

釣り

本種は釣りの対象魚だが、網にかかることは少なく、ほとんどが磯釣りによって捕獲される。

文化

本種は旬が冬であるため、俳句などの季題になることもある。その際は『舞鯛』の名が用いられることが多い。また、江戸時代の外科医・武井周作の著書『魚鑑』にも本種についての記述がある。

参考文献

  • 望月賢二 監修 著、魚類文化研究会 編『図説 魚と貝の大事典』柏書房、1997年、334頁。ISBN 4760114424 

関連項目